世田谷一家殺人事件 15年目の新事実

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 136
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032244

作品紹介・あらすじ

2000年12月31日、世田谷区上祖師谷の四人一家が無残な状態で発見された。現場に多数の痕跡を残しながら捕まらなかった犯人。その犯人を追って著者が向かった先とは? 真犯人がついに本書で明らかになる。

感想・レビュー・書評

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  • 2000年12月30日の深夜、世田谷区上祖師谷で家族四人が殺害された未解決事件、いわゆる”世田谷一家殺害事件”について書かれた本。

    韓国で軍隊にいた時期もあり、アメリカで特殊な訓練も受けていた、李仁恩(イイヌン)が事件の実行犯であるとして、李の生い立ちや主犯の思惑、事件後の彼らの行動に迫っていく様子は読みながらドキドキした。読み物としてはとても面白いと思う。
    しかし、実際に起こった事件を扱う本として、根拠や情報源が曖昧な話をここまで断定的に書いていいのか、という点については疑問がある。家族全員が亡くなっているとはいえ、ご遺族の方もいるわけだし、現在も捜査に当たる警察の人たちの気持ちも考えると、うーん、どうなんだろうという感じだ。裏ルートから出てきた情報や資料を載せてしまうのも、これいいの?と思いながら読んだ。

    終盤、日本の暴力団抗争の話と絡めて含みを持たせて、李の行方はわからない、という具合に終わるけど、これだけ盛り上げて結局こんな感じか、とため息をついてしまった。尻すぼみ感は否めない。

    年末が近くなると、ニュース番組などでこの事件が特集される。自分もたびたび見ている。おかげでこの家の間取りも覚えてしまっている。家族四人を殺した後、アイスを食べたり、パソコンを操作する犯人の行動は未だに多くが謎だ。
    もうすぐ事件から20年。あの日何があったのかがわかる日は来るのだろうか。

  • 途中までは面白かった。最後のあたり登場人物が増えすぎて、どのみち未解決だもんな、と気づいてから読む気が失せた。

  • え!!!!

    わたしの思ってた真相とは全然ちがってた。
    まさかの。。。暴力団の抗争とかそういうのが、複雑に絡んだ金儲け、??

    通り魔とか、前からちょっと色々思うところがあって、、、とかで事件に発展したのかと思ったけども、、、、

    まさかの殺し屋、ヒットマン。民間人であっても邪魔であれば殺すってことなのか?いや。そもそも一体家族一家殺すのにいくらかかるんだ?

    金儲けどころじゃなかろうに。なんで?え?

    っていう。釈然としないものを感じながらも、これホントの話だよね?ミステリー小説じゃないよね?

    ってくらい現実味が遠い一冊でした。

    ただ、殺し屋が犯人かも。と、聞いたらその凄惨性極まる殺し方、、、、には納得というか、普通の人がどんなに恨みを抱いてもできないよなぁ。と、、、思わされるほどでした。

    日本で、すごく平和かと思ってたけども。。。水面下ではこんな事実がまかり通ってるんだ、、、、と。思う一冊でした。

  • 話はどこへ行くのかと... 昔のニュースで見ただけとは違う事実は確かにわかった。関係あるかもっていう物騒な話もなんとか読んだけど、解らないのは「動機」だね。

  • 読了。
    未解決事件専業ルポライター(?)、一橋 文哉が世田谷一家殺人事件を取り上げる。
    グリコ・森永事件を取り上げた「闇に消えた怪人」は結局真犯人に迫ったと言い難く、モヤモヤ感を残して終わったが、そのロジカルな仮説は高村薫「レディ・ジョーカー」のプロットにも大きな影響を与えているように感じた。
    で、本作。元々ルポルタージュをミステリー小説風に書くのが著者の特徴でもあり、思わず読み耽ってしまうのだが、ノンフィクションだと思い返すと途端に胡散臭さが。
    それでも今回は比較的具体像に迫ったと感じたが、これが本当なら日本の警察が実行犯を逮捕するのはかなり難しそう…。

  • この事件には、いまだ解けない7つの謎がある。

    1.犯人はどこから入り、どこから逃げていったのか?
    2.犯人はどういう順番で襲撃を行なったのか? 家族4人のうちの1人だけ、他と殺害方法が異なるのはなぜか?
    3.犯人はいつ逃走したのか?
    4.犯人はなぜ家の中で着替えるなどの「儀式」めいたことを行なったのか?
    5.犯人はなぜ指紋や血痕を現場に残しのか?
    6.犯人はいったい何を探していたのか?
    7.犯人は殺人現場に居座ってパソコンでいったい何を調べていたのか?

    著者は最後に、すべての謎を解く事件全体の推論を開陳している。 

    著者は事件の犯人を、被害者家族と元々かかわりがあり犯行動機を持つ主犯と、縁も動機もないが主犯に命じられ、実際に宅に押し入り4人を殺害した実行犯とに分けているが、真相の解き明かし方が通常と異なるため、違和感を感じた。
    普通は、一家と何らかの接点を持つ主犯に迫り、そこから主犯と関係を持つ実行犯があぶり出されるものだが、著者はまず冒頭で実行犯を呈示し、そこから一家とのつながりを何とかつけるため、黒幕を用意するという手順を辿る。

    もちろん著者は、現場の遺留品や指紋から実行犯が浮かび上がってきたと主張しているが、本書にもある通り「さあ、捕まえてみろ」と言わんばかりの大量の物証がことごとく犯人逮捕につながるほどの決め手には欠けていたのも事実で、日本の警察の捜査力が著者の取材力に屈したとは到底思えないのだ。
    血痕や指紋、果てはXXXまで現場に残されているのに、捜査線上に浮かんでは消える容疑者を、事件当日に手をケガして包帯を巻いているかどうかで選別する様も容易には理解しがたいものがあった。

    著者は自身の推論を「驚愕のストーリー」と自信を持っているようだが、「ダバオ暗殺団」まで出てきては、読者には戸惑いしか残らない。

  • 20世紀末に起こった有名未解決事件を取材したジャーナリストの本です。
    凄惨な殺し方の描写がすごくイラストとはいえ写真まで載っていて読むのがしんどかった部分もありました。

    多種多様な証拠があるにもかかわらずなぜ未解決なままなのか。
    概要ばかりしか知らなかった私も証拠がありすぎたことによる思い込みと断定が捜査を誤らせた原因だと知りました。

    そしてこの事件を実行犯と指示役に分かれていたことは考えていませんでした。
    外国人が絡んでいそうだとは思っていたけれど。

    それにこのことが本当だと仮定したらやっぱり金絡みは本当に怖い。

    でも一ジャーナリストでも仮定や推理を多分に含んでいたとしてもここまでたどり着いたのに警察はどうしているんだろう?
    犯人ではないにしても重要参考人として呼べないのかな?
    外国人だからでしょうか?
    それとも行方がわからないから?

  • 図書館の本。
    読みきれなかった。
    あと半分ほど残る。

  • 一橋文哉氏の『世田谷一家殺人事件』を読む。警察からの誰もが知ることのできる公開情報とウラの取れない「独自取材」情報とをブレンドするというスタイルは健在。一橋氏は自らの著作のなかでは相当に取材しているふうだがそのことを証言する第三者は今のところ1人もいない。

  • 本当に惨殺な事件、早期解決を望みます。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学卒業後、全国紙・雑誌記者を経てフリージャーナリスト。本名など身元に関する個人情報はすべて非公開。1995年、「ドキュメント『かい人21面相』の正体」でデビュー。グリコ・森永事件、三億円強奪事件、宮崎勤事件、オウム真理教事件など殺人・未解決事件や、闇社会がからんだ経済犯罪をテーマにしたノンフィクション作品を次々と発表している。近著に『餃子の王将社長射殺事件』『人を、殺してみたかった 名古屋大学女子学生・殺人事件の真相』(KADOKAWA)など。

「2020年 『政界ヤクザ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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