大きな音が聞こえるか (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.11
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本棚登録 : 425
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (752ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032350

作品紹介・あらすじ

平坦な毎日を持て余していた高1の泳は、終わらない波・ポロロッカの存在を知ってアマゾン行きを決める。たくさんの人や出来事に出会いぶつかりながら、泳は少しずつ成長していき……。読めば胸が熱くなる青春小説!

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーではない、青春小説。
    ところどころ、今までの作品で同じシーンと読んだような気が(笑)

    この現代でこの主人公の泳のような体験をできる高校生はほとんどいないだろう。恵まれた生活環境、タイミング良く現れる協力者、理解のある両親。

    それでもやはり彼の理解の外にあるものもきちんと描いているので、それほど反感は感じないが、一つ間違えると、鼻持ちならない作品になりかねないなぁと思う部分も……。

    そうならないのはやはり作者の技量なんでしょうね。

  • アンタは京極夏彦かと言いたくなるような分厚さ。750頁近いと本を開いている手が痛くなります(笑)。

    『ホテルジューシー』と『シンデレラ・ティース』は女子大生のアルバイト物語に日常の謎を絡めたそれぞれ楽しい1冊でした。本作は男子高校生のアルバイト物語プラス旅物語で、ミステリー要素は無し。

    高校1年生の泳(エイ)は、それなりに裕福な家庭に育ち、学校にも友人にもそれなりに恵まれている。趣味はサーフィン。波に乗っている時間は彼にとってかけがえのないもの。しかしほかにはこれといってしたいこともなく、ひまを持て余し気味。そんな折り、ポロロッカ(=海嘯)の存在を知る。ポロロッカとは、海が逆流して波が河を遡る珍しい現象。ブラジルのアマゾン河まで行けば、その現象に逢えるらしい。製薬会社に勤める叔父がブラジルへ転勤になり、この機会を逃す手はないと、泳はブラジルへ行く計画を立てるのだが……。

    ブラジルへ飛ぶのは全体の半ばに差しかかる350頁辺りを過ぎてから。それまでは旅の費用を工面するためにアルバイト。甘ちゃんだった泳が成長してゆく姿が描かれます。日本を出発してからも、アマゾン河へ着くまでネタてんこ盛り。

    時に泳と同世代だった頃を振り返って高校生の気持ちで。時に親の世代の気持ちになり、泳を心配して。中盤以降、少々眠気に襲われる箇所もありましたが、この分厚さは感じさせません。

    いろんな人の良さを見つけられます。

  • 図書館の「ヤング」の、返却されたばかりのコーナーにあった。
    壮大な青春物で冒険物だ。
    読み終わって、なるほど、若い人にぜひ読んでもらいたいと思った。
    「こんなのフツーありえねー」
    「こいつ恵まれすぎだし」
    「けっきょくイイトコのボンボン」
    …という感想を抱くとしても、何かは残るはず。

    冒頭、恵まれていながら目的のない毎日に軽く倦んでいる主人公・八田泳の目に写る大人たちは、平面的でモノクロだ。
    その描写に加わる泳の、大人に対する感想には、まるで人生に疲れた大人のような皮肉が交じる。
    かなり辛らつだ。
    IT企業の社長である父親の、若ぶったテンションの高いノリにも泳はうんざりで、子供っぽさばかりが鼻につく。

    しかし、『アマゾンでポロロッカに乗ってサーフィンをする、そのためにブラジルに行く』という、やりたいことが出来た途端、彼の周りのよどんだ水は流れ始める。
    (実は、このときからもう、彼は波に「乗って」いたのだ)
    アルバイトをして、先生や親以外の大人、日本人以外の世界に入り込むことによって、平面だった彼の世界は立ちあがってくる。

    もちろん、いい人、いい大人たちに恵まれたし(個人的には剛さんが良かったなあ~)、上手く行きすぎ感もあるが、そこが壮大な冒険ものというもの。

    「終わらない波に乗る」というのはつまり、自分が行動し続ける事だ。

    そして大人たちにはやはり、「可愛い子には旅をさせよ」と言うのが最善だろう。

  • あらすじ(背表紙より)
    退屈な毎日を持て余す高1の泳。サーフィンをしている瞬間だけは、全てを忘れられる気がした。そんなある日、泳は“終わらない波”ポロロッカの存在を知る。「この波に乗ってみたい―」。こみ上げる想いに、泳はアマゾン行きを決意する。アルバイトや両親の説得を経て、退屈な日常が動き出す。降り立った異国が出会ったのは、様々な価値観と強烈な個性を持った人々。泳はもがきながらも、少しずつ成長していき…。

  • 斜に構えた若い主人公が、成長してまっすぐになっていくという、読後爽やかだけど全体を通して爽やかすぎない、気持ちのいい青春小説。大長編のわりに、どの部分がこんなにページ使ってるんだろう?ってくらい、けっこうあっさりしていた気がする。連載ものってこういう傾向あるかも?日常がつまらないと感じている怠惰な中高生に読ませたい一冊。ただし、自分が読み終わった直後に、コロンビアで強盗を追いかけて射殺されてしまった日本人大学生の事件がニュースになったので、命より大事なもの(特に電子機器)はないと伝えたい。

  • 外に出たいって気持ちが刺激される。アマゾン行ってみたいな。

  • 坂木さんの二作目。若返りたくて手を付けた。
    長編でずっとおもしろい。
    高校生に是非読んでもらいたい一冊。
    自分の希望を言い続けていると夢に近づく、という明るい気持ちにしてくれる。

  • 坂木司の大きな音が聞こえるかを読みました。
    高校生の八田泳はサーフィン好きの男の子、裕福な家庭で優しい両親と暮らしています。
    しかし、このまま高校生活を送っていると自分は腐ってしまうのではないか、という考えが頭をよぎります。

    そんなときに、アマゾン河の河口で満月の時に発生するポロロッカでサーフィンをしたいと思うようになります。
    ちょうど、母親の弟の剛くんがアマゾンに出張していることがわかったので、泳は剛くんの協力を受けてポロロッカに挑戦することにします。

    渡航のお金を貯めるためのアルバイトでの経験、ブラジルのベレンでの出来事、ポロロッカでサーフィンをする様子を撮影するチームとの出会い、そしてポロロッカでのサーフィン、泳はいろいろな経験の中で大人になっていくのでした。

    狭い日本の中の常識だけで世の中を判断せずに、世界に出てみて気づくことは多いんだろうな、と思いました。

  • テーマや筋立てはあまりにもベタで、時にキャラ設定がウザかったり、カタカナ英語の台詞回しがおかしかったり、随所で説教臭いなあと感じられる表現があったりするんだが、10代の若者が成長を遂げる旅の舞台がアマゾンであることや、そのツールがサーフィンというスポーツだったりする設定が上手くツボにハマり、文庫で733ページという長い本だけど、全般的に楽しく読むことができた。
    ベタ過ぎる話を陳腐でない形に仕上げて読者を飽きさせないことは、実は難しいのだろうと思う。

  • 2017/1/9
    熱くなるねぇ。
    ただ、何かやっときゃよかったと思う時点で人生のどこでもできなかったのかなと悲しくなるけど。
    まず第一にどうしてもやりたいことって何?となるわけだ。
    年をとるごとに本心を隠して隠して生きてるうちに自分でも本心がわからなくなってしまったような気がして焦るよ。
    やりたいことをやるために、私は何が好き?と問いかけることから始めないといけないのかも。

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プロフィール

1969年東京都生まれ。2002年『青空の卵』で<覆面作家>としてデビュー。続く「ひきこもり探偵」シリーズとして人気を得る。ナイーヴで魅力的な人間像、緻密に描かれ、爽快に解かれる日常の不思議とこころの謎が圧倒的な支持を集めている。13年『和菓子のアン』で第2回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。他の著作に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『僕と先生』『肉小説集』『女子的生活』などがある。

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