- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041032367
作品紹介・あらすじ
4歳まで難聴を気づかれないほどの崩壊家庭。大人を欺き世の名を冷めた目で見ていた増田少年がつかんだ小さな小さな光。現在はカワイイ文化の発信者として世界的活動を続ける著者が、破滅的半生を赤裸々に明かす!
感想・レビュー・書評
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きゃりーぱみゅぱみゅのアートデレクションで知った、増田セバスチャンさんの自伝。かなり衝撃的でした。カワイイは弱いものから強いものへのカウンターであるということに腑に落ちた思いです。年甲斐がなくてもいい、カラフルでキッチュ、鳥肌が立つほどポップで原色の世界にとどまっていたい。カワイイカルチャーを知るというより増田セバスチャンさんのファン向けの本かもしれません。私は胸が熱くなりました。
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良いものには理由がある。
タイトルにも、作っているものにも、全てに意思がある。
(以下抜粋)
○それは、嘘をついたり誤魔化したりする大人に対して、子供っぽいモチーフをつけることによって、汚い大人になってやるかという、アンチテーゼを表しているのだ。(P.287)
○「だって、面白いじゃん。それ以上、以下でもない。なんで、それじゃダメなの?」
それじゃダメなんだ!コチコチの頭で出来た、この世界のイニシアチヴを握っている旧世代には、「感覚」だけでは通じない。彼らのテリトリーで戦う必要があるのだ・・・。(P.289) -
きゃりーぱみゅぱみゅののスタイルが気になって、調べているうちに増田セバスチャン氏のこの本にたどり着いた。
あのスタイルになぜか本物っぽいリアリティを感じていたが、この本を読んで、納得できた。
著者の家庭は崩壊したかもしれないが、世界的に認知されるアートの起爆剤になったのだ。
子供時代の回想はなかなか強烈だが、一番印象に残ったのは、「母親が料理を作らない」ということ。
母親になっても料理の苦手な女性はいる。
だとしても、お惣菜を買ってきてそれらしい食卓をしつらえたり、替って父親や祖母が料理をしたり出来なくはなかったはず。
裕福ならば、料理上手なお手伝いさんに頼むのもありだったと思う。
しかし、おそらくそういう問題ではなかったのだろう。
家族が集まってご飯を食べる。親は子供を養い育てる。
そのことに強い拒否感を持ってしまったのだろう。
関係ないとは思うけど、キリスト教の殉教者に聖セバスチャンという人がいたことを思い出した。 -
20160712
壮絶だとすごく覚悟して読んだ。辛い場面はもちろんあり、当事者では耐えられないだろう…
でもサクサク読みやすく、どこか救いがあったのは、増田さんの人柄とか強さあってかもしれない。すごく優しく賢い人だと思った。 -
壮絶な人生。家族内で繰り返される歴史。どれも衝撃的だった。ただ、この人のアーティストとしての深みって一体何からきてるのだろう?そもそも深いのか?疑問に思った。
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現代アートだなぁ。
増田セバスチャンというアーティストのノンフィクションなのだが、なぜここまで身を削るのかと緊張する。
しかしながら、己のトラウマが代償行為で解決すると思っていると、誰かにそのトラウマを引き継いでしまう。負の遺産のスパイラルになるのだろうな、と感じる。
ただ、子孫を残さないとしても、本人の生き方で他者に引き継がれるものがあるわけで、アーティストは自覚的ではないと怖いものなんだな、と思った。
あと、文庫版のあとがきに、元々の本を出した後、離れていった人がいるというけれども、当たり前である。血を吐くような本。
著者プロフィール
増田セバスチャンの作品





