階段坂の魔法使い 恋からはじまる月曜日 (1) (角川ビーンズ文庫)
- KADOKAWA (2015年8月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041032459
作品紹介・あらすじ
ジュディは触ったもの全てを眠らせる。そのせいで養父に疎まれ悪名高い“階段坂の魔法使い”と婚約することに! なのに魔法使いから結婚するつもりはないと拒絶され、帰る所のないジュディは彼のもとに居座るが…?
感想・レビュー・書評
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鳥獣郵便という舞台装置が可愛い。
主人公はいい子だけど聖人君子すぎなくて親しみやすいし、ヒーローがとてもめんどくさくてよい。少女小説のヒーローは格好良さ1割可愛げ2割、面倒くささ7割が黄金比なので(持論)。初対面が最悪だったから別人として口説くのだけでうわこいつ……という感じが最高なのに、主人公は初対面最悪男に惹かれているところが、口説きがぜんぜん効いてなくて最高です。
さらにさらに、弟キャラがいる少女小説は最高という定説(これも持論)に則り、最高に格好良くて頼りになる弟ポジションの子もいる! 魔法使いの弟子! 良!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
モフモフで検索してたどり着いた本書。
触れるもの皆眠らせる呪いを持つ少女と、口も悪けりゃ態度も悪い異形の魔法使いの物語。
この話のどこにどこにモフモフがあるんだ!?と思ったら、この魔法使いが治める街では「鳥獣郵便」という魔法が届ける郵便システムがあるのです。その魔法が象るのはさまざまな動物たち。小さなウサギや小鳥から、狼やペンギンまで。
さまざまな姿の郵便たちが街を闊歩して手紙を届けていくのです。
もう!可愛くないわけがない!!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
この世界にもあればいいのに…鳥獣郵便。
予想以上にはまりました -
触れるものを眠らせてしまう主人公は、ある日突如
悪名高い魔法使いへ嫁入りする事に。
主人公の戸惑いも喜びも、想像する事ができます。
そんな状況なら、それだけでも幸せになる状態です。
繊細ではありますが、現実をしっかりとみている
面白い主人公ですが、魔法使いの方も面白い。
話の筋はともかく、どんどんと言い出せない状況に
自ら陥っているのが愉快です。
これ、最後まで気が付かれないのか、気が付かれるのか。
最初に誓ったあれも、どうなるのでしょう??
優しさに包まれた、ほんわりとする最後もよかったです。 -
糸森さんの本を久しぶりに読んだなー。
逆境にもめげずに頑張る女の子は、本当に格好いいと思う。
魔法郵便って響きもいいし、とっても好き。 -
ぶっきらぼうで口の悪い魔法使いの気持ちが、態度でダダ漏れになってるのが可愛い。
ジュディの境遇に負けずに前向きな所が良いです。
事件を含めて綺麗に纏まった物語になってます。
魔法使いが自分で複雑にしてしまった恋が、どう発展していくかも楽しみ。 -
魔法が地味だけど生活の中に息づいている世界観が素敵。
魔法の郵便とかロマンだなぁ。
詳しい感想は3冊目で。 -
5/3掲載 恵庭市立図書館 黒氏 氏
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産業革命が進む中で魔法の力が残る時代、可愛らしい動物達がメッセージを運んでくれる想像力をかきたてる世界感が、読者を魅了し、呪によって人に触れることのできない孤独な少女と、呪によって醜い姿に変えられてしまった魔法使いの、心あたたまるファンタジーに、読者は心を揺さぶられる。
続刊が楽しみになりそうな期待値大の糸森環の新シリーズ!!
(Fは折れたので新シリーズが始まって喜!)
http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4998.html -
【ネタばれ感想注意】
面白くて先の展開が気になって、一気に読んだ小説は久し振りです!
やっぱり集中力が続かなくて中断してしまうの自分の所為ではなく、本の内容も関係するんだと改めて思った1冊でした。
読む前は、異形の魔法使いの姿が他作品『魔法使いの嫁』と重なるなと思っていたのですが、読んでいく内にこの作者さんらしいオリジナルティ溢れるファンタジー設定が素晴らしく、全くの別物だと思い知らされました!
物語の舞台は19世紀のイギリスです。
産業革命の真っ只中で、大都市ロンドンでは魔法という存在が霞み始めた時代です。
16歳のジュディにとって呪いでしかない力の所為で叔母夫婦の元で肩身の狭い思いをしていた所に、有名な魔法使いから縁談の話が飛び込みます。
追い立てられるように魔法使いの元へ向かいますが、結婚話は間違いだった事を知り、戻る場所のないジュディは愕然とします。
しかし、呪いの所為で諦める事に慣れていた彼女は、結婚が破談になったのならと生活の為に鳥獣郵便工房で働く道を選びます。
鳥獣郵便とは、魔法で生み出した鳥や動物達に手紙代わりの「言葉」を吹き込んで届ける郵便です。
田舎ではまだ識字率が高くない事から、字を読めない人宛に生まれた魔法です。
動物達が言葉を伝えた後は、手紙という形になってその人の元に残ります。
…夢があって素敵な魔法だと思います!
郵便工房の仕事に少しずつ慣れ始めた頃、ジュディは初めての休日に、街の散策に出掛けます。
そこで、ルイスの友人だという見目麗しいけど口の悪い青年ヴィクターと出会います。
…ヴィクターとの手紙のやり取りに萌えました〜!
しかし、異形の魔法使い、銀狼、口の悪い美青年と、この物語にはヒーローが3人存在します(笑)。
読み終えた後に思ったのは、物語のキャッチコピーは「英国風フェアリー・テイル」となっていますが、「夢と魔法のスペクタルロマン」でも相応しいと思いました!
ジュディは優しくて前向きで頭の良いヒロインなので、読んでいて安心出来ました。
ラスト近くで、ジュディの呪いの原因と叔母夫婦との隠された関係性が畳み掛けるように明かされますが、叔母はともかく、やっぱり叔父のジュディに対する態度は酷いと思いました。
結局、ルイスの古い知人だというエドモンドが黒幕で、これからも敵として立ち塞がるという展開なのかしら…。
あと、ジュディが美青年姿のヴィクターではなく、魔法使いに恋心を抱いているのを自覚しているのは意外に思いました。
ジュディも告白したように、最初の出会いがかなりインパクトが強かったのでしょう。
自ら誓約した魔法の内容に、自分の首を絞める事になった「魔法使い」の今後が楽しみです(笑)。 -
ゆるいお話かと思ってたら。
良い意味で裏切られた!
相変わらず主人公いい子や!
作家様の名前で思わず買ってみましたが、
安定の萌え、というか悶え満載だった。
獣と異形万歳!
いいんじゃないかな!
萌え転がりそうになりながら、要所要所でグッとくる。
前々の作もそうですが、心とか想いとか時々ザクッと斬りこむ、辛味成分も良いと思います。
これって続いたりするんだろうか。