戦うハニー

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 151
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041032633

作品紹介・あらすじ

私立保育園「みつばち園」で、開園以来初の男性保育士として働き始めた星野親。女性ばかりの職場や、保護者からの偏見に戸惑いながらも、体当たりで子どもたちやその家族と向き合っていく。心温まる青春お仕事小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「ハニー」って何だろう。地球外生物や悪者と戦う可愛い正義の味方か?なんて思いながら読み始めたら、あらびっくり。なんと主人公はどこにでもいる植物系男子、職業は保育士、そして戦う相手は宇宙人でも悪者でもない。
    描き方によってはものすごくぎすぎすとした物語になりそうな題材をまるく軽やかに明るく書いてしまう、新野さん、いいねぇ。男性保育士に限らず、かつて女性しかいなかった職場でオトコが働くことの難しさ、その意味、意義、をかみしめながら読む。
    「等身大の」なんてよくある言葉を使いたくはないけれど、どこにでもいるフツーの男子のお仕事小説なのにこんなに面白いなんてね。

  • 主人公がちょっとズレた人間だなぁ、とか思いながら読んでいました。よくよく考えたら子ども達は大変な家庭環境ってことだけどそれを前面に出し過ぎると単なる暗い小説になるので内容に関してはちょうど良い塩梅だったと思います。個人的には辻先生が好み。

  • #読了。
    大手企業を退職し、保育士として私立保育園「みつばち園」で働くことになった星野親、27歳。女性職員しかおらず、また様々な事業を抱えた子供や保護者が多い「みつばち園」。新米保育士星野は、園や子供を守るため奮闘する。
    社会的に重たいテーマで、人間関係も複雑ではあるが、ユーモアを交え重くならずに描いている。「あぽやん」同様の青春お仕事小説だが、保育園というテーマのため身近に感じる人も多いのでは。こちらも続編ありかな。

  •  保育園。女性中心の職場と言える。そんな保育園のひとつ「みつばち園」初の男性保育士の奮闘を描くお仕事青春小説。コメディ風味。
              ◇
     私立保育園「みつばち園」。そこは、立地がそうなのか、問題を抱えた家庭の子どもたちが多いことで有名な園だ。
     ネグレクト、虐待、家庭不和。保護者に原因があるものの、効果的な対策を取らないみつばち園を市役所は問題視し、園の存続に黄色信号が灯っている。
     元気だけが取り柄の星野親は新人保育士ながら園を守ろうと立ち上がるのだが……。

          * * * * *

     主人公・星野親28歳。一流(たぶん)大学→社会人→短大を経てみつばち園で保育士にという社会経験豊富な設定です。
     救世主として保育園を危機から救うのかと思っていましたが、違いました。

     社会人わ経験したオトナの男とは思えないほど世間知らずで不用意すぎる人間です。一流大学を卒業している割に、純粋というよりバカっぽいところが多々あって、暑苦しいだけで感動的なシーンはありませんでした。まるで新喜劇を見るようでした。

  • 社会人経験2年つんだあと、公立の保育士を目指して大学卒業し、私立保育園「みつばち園」で働くことになった28歳男性保育士のおはなし。

    女子のための手に職図鑑の保育士のページで紹介されていたので読んでみた。
    読みやすいし、続きが気になってあっという間に読めた。

    公園をめぐる他保育園とのやりとりの章は、たしかに複数保育園あると、公園とかではちあわせるよなー!と、他にも自分のしらない調整とか気遣いとかありそうだなあと思った。

    ネグレクトやモンスターペアレント、保育園同士のいさかいなど、重いテーマだったけど、暗くならず最後はあたたかいきもちになれる本だった。

    みつばち園の先生みんな子ども思いで優しいし、園長めちゃくちゃ器でかいし、
    主人公もお酒弱いのに飲まされてハラハラするけど頼れるとこたよれるし、
    こんな先生たちに預けたいなーと思った。

    一番かっこいいなと思ったのは、調理師さん。
    調理の仕事へのこだわりもすごいし、自分の作ったご飯を食べない子供をみて叱るのではなく、どうしたら食べられるのかを調べて改善しようとする姿が、プロだなー!と感じた。

  • 勤めていた保険会社を辞め市の保育士を目指す『星野』が試験までの間働くことになったのが、家庭保育室と認可外保育所を併設する『みつばち園』。問題のある家庭を回されるだけにトラブルも多い。ついた呼び名が『ダイナマイト・ハニー』。
    保護者のクレーム対処に他園の嫌がらせ、そして最大の危機が!星野は園の存続と採用試験をかけて奔走する。

    保育士さんって、仕事はキツイのに給料は安い。その為人員が不足しているとニュースでもやっているけど、本当に大変そう。子どもが好きじゃなきゃやってられないだろうけど、それ以外の問題がねー。こんな親いる?と言ってもフィクションなので大袈裟に書いてあるんだと思いながらも、いやいや、もしかした現実はもっと酷いこともあったりしてと考えたりもして。
    創作とは言え、子どもが傷ついているのを見るのは辛いものがあるけれど、主人公は前向きだし結果オーライなので元気になれそう。

  • 2017.5.15

  • 男性保育士が増えてほしい。

  •  将来の進路は、保育・小学校の先生という人には必読。
     楽しいことも多いが、たぶんこの小説よりも現実は厳しいし、いたたまれないことも。
     楽しかったという経験しか持っていない人にこそ。

  • 保育士という仕事の実態が垣間見ることができた。主人公は社会人経験ありの新人男性保育士。経歴は一流大学卒で一流企業で働くものの保育士への夢を諦められず短大に入りなおすという変わり者。キャラクターとしては草食系男子で自分大好きを認めている。自分がこれから将来の仕事を考える歳なら疑似体験できるお仕事小説は参考になるだろうに…と考えてしまう。

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著者プロフィール

しんの・たけし。1965年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。旅行会社勤務を経て、99年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞。直木賞候補となった『あぽやん』は、その続編『恋する空港 あぽやん2』とともに、テレビドラマ化され話題に。同シリーズは『あぽわずらい あぽやん3』で完結。著書は他に、『中野トリップスター』『カクメイ』など。

「2022年 『明日はきっと お仕事小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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