座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」

  • KADOKAWA (2017年1月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041032787

作品紹介・あらすじ

中国は唐代、2代皇帝・太宗による統治(貞観時代の政治)の要諦が凝縮された『貞観政要』。日本においては徳川家康、北条政子も参考にし、世界最古・最高のリーダー論として世界中で読み継がれている。「部下からの厳しい言葉にこそ耳を傾けること」「組織のパフォーマンスは、リーダーの器以上にはならない」「上司は、自らの権限の及ぶ範囲を明確にし、できれば制限しなければならない」――太宗が心得た組織・リーダーシップのポイントの数々は、時代を超えて通用する普遍の真理である。
『貞観政要』を座右の書にし、現代における注目リーダーである出口治明氏が、はじめて中国の古典を深く語る。

感想・レビュー・書評

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  • 『貞観政要』とは、中国史上もっとも国内が治まった「貞観」(627~649)の時代に、
    ときの皇帝・太宗(李世民)と臣下たちが行った政治の要諦(政要)がまとめられた書物で、
    日本においては北条政子、徳川家康、明治天皇も愛読しており、「時代を超えた普遍のリーダーシップ」が凝縮されています。

    「あらゆる組織人が座右に置くべき古典の必読書です」と出口さん。

    太宗は、諫言(上司の過失を遠慮なく指摘して忠告すること)する部下を積極的に登用していました。
    世の中の上司が皆太宗みたいだったら、いいのにね…。

    個人的には、序章で中国の歴史を簡単に説明してくださったところが大好き。
    「三国志」と「唐帝国」はいちおう学んだのですが、そのあいだが曖昧だったので、とてもありがたい内容でした。

    ちょっとメモしちゃおうっと。

    ●二世紀半ばからの寒冷化により、中央ユーラシアの遊牧民が南下する

    ●天山山脈にぶつかり、東西に分かれる

    ●東へ向かった遊牧民が、五胡十六国とつくる
    (西に向かった人々がかつてゲルマン民族の大移動と呼ばれていた現象
    最近では、ゲルマン民族と総称できる共通項が見出せないため、そういう言葉があまり使われません)
    (胡とは異民族(遊牧民)の総称で、五胡のいずれかの異民族に属する大国が16あったということ。
    実際には16以上あったと考えられ、五胡も五行説の思想から五胡にしたという説が有力。
    匈奴・鮮卑・羯・氐・羌)

    ●五胡十六国の中で、最後に生き残った拓跋部(鮮卑の一部族)という部族が、北魏をつくる

    ●北魏の分裂後、楊堅が中国全土を統一し、隋をつくる

    ●李淵(楊堅の妻の姉の息子)、李世民親子が隋を滅ぼし、唐をつくる
    (楊堅の次男煬帝は初代皇帝である父を殺し、兄の皇太子を失脚させて皇位を奪った。
    李淵の次男李世民は皇太子である兄と弟を殺し、その後父を幽閉して皇位に就く)

    ●おそらく李世民はこう考えたはず、と出口さん。
    「私と煬帝のやったことはあまり変わらないから、私のことを悪く思っている人間もたくさんいるはずだ。
    悪口を書かれると、それは語り継がれてしまう、
    さて、困った。悪く書かれないようにするにはどうしたらいいだろう。
    ひたすらいい政治をして、部下のいうことを聞いて、
    人民のために尽くして、贅沢をせず、
    業績を山ほど残して挽回するしかない。
    そうすれば『李世民は煬帝とは違って立派な政治をした』と後世に残せるのではないか」

  • 人は弱く、周りに助けられ、協力し合って大きな事を成し得る。

    そんな当たり前のことを、日々目の前の仕事に向き合っていると忘れそうになる。

    自分にとって耳の痛いことを言ってくれる人を近くに置くことを大切にしていた李世民の考え方には驚いた。

    勤めている会社の上層部を見ていると、どうしても上に対しておもねっているように思える。

    しかし結果として会社の業績は苦戦を強いられている以上、やはりそのやり方は良くないということになる。

    あくまで周りや過去の人間に支えられているということを忘れてはいけない。

    人に任せるところは任せ、任せたからには口出しをせず、任せきる。

    そうすることで人は育ち、組織は強くなる。

    任せるのは勇気がいるが、その度胸がなければリーダーは務まらないのだろう。

  • 名君 2つの絶対条件
    (1)「権限の感覚」を持つ 個人商店にしない 部下を疲弊させない
    (2)「諫言かんげん」を得る 皇帝は全能ではない 聞き入れる度量・柔軟性
    三鏡 銅の鏡(自分の姿) 歴史の鏡(将来を構想) 人の鏡(部下の諫言)
    リーダーの最も重要な役割 元気で、明るく、楽しい職場をつくること

    組織の強さは人材配置=ポートフォリオ
     熟慮して人材配置を決める→部下を信頼して任せる
    皇帝はむやみに権力を行使してはならない 
     権力は使わないに越したことはない 
    上司の機能 人をまとめる 方向を示す
    上司は部下の権限を代行できない 権限委譲の根幹 任せたら口を出さない
    自分の役割を忘れない 君主の役割は国を治めること 猟をすることではない

    人の成長 (1)読書 (2)文章 (3)交流
    上の人の言葉 信念と誠実さ

    管理限界 「優秀なリーダーでも管理できるのは10人まで」
    「遊牧民の十進法」モンゴル帝国 チンギスハン フビライ
    10人隊 100人隊 1000人隊
    君主といえども全てに精通しているわけではない
    太宗「あなたたちに任せたので、いちいち自分に裁可を仰ぐな

    魏徵「人生意気に感ず 功名誰かまた論ぜん」
       人生は相手の心意気に感激して応じるもの 功績や名誉の問題ではない

    リーダーと部下の違い
     リーダーは自分で考え、自分で決断する力が必要 
     トップリーダーをさせてみる 実際にさせないと資質は判らない 育成もできない
    組織はトップの器以上のことはできない
    リーダーに必要な力
    (1)強く思う力
    (2)共感する力
    (3)統率する力
    (4)正しく決断する力

  • 理想を演じ続けた人は、やがて本物になる
    リーダーは、器を大きくしようとせずに、中身を捨てなさい
    腹に落ちる言葉には、ロジックと比喩がセットされている
    熟慮した上で、人材配置を決めたら、後は一旦部下を信頼して任せる。余計な干渉や口出しはせずに、部下を放し飼いにできるリーダーこそ理想のリーダーだと思います。
    リーダーは3つの鏡を持つ。道の鏡、歴史の鏡、人の鏡。
    1番大切なのは、毎日の体調管理。たっぷり食べてたっぷり寝る。
    タテヨコ思考。縦軸は先人の話を聞くことであり、本を読むことです。横軸は自らの足で世界を歩き見聞を広めることです。
    人物を大きくする三要素 1読書2文章3人との交流。
    忠義を尽くすべき相手は、上司社長ではなく、組織

  • 出口氏の本はだいたい読んでいる。人生や仕事、マネジメントに関する本に書かれている主張が、貞観政要のエピソードと共に書かれている。出口さんが
    貞観政要を学んでいるから被るのか、出口さんだから貞観政要はこういう解説になるのか、正直わからないくらい、過去の本の内容と近似している。人間はチョボチョボだから、リーダーこそ人から学ぶ、部下を一般大衆を大切にし、逆に学べ、これが一貫している。私にとっては貞観政要発か出口さん発かは関係なく勉強になった一冊。定期的に読み、自らの行動を振り返りたい。

  • ビジネスパーソンとして、いつかは読みたいと思っていた「貞観政要」。その入門書として。

  • 自分のチーム力の向上やリーダーとしてのあるべき姿を学びたくて、この本を読んだ。

    リーダーとは組織の中で、たまたま割り当てられた機能である。部下より偉いと勘違いしないように常に謙虚でいる必要がある。

    また、周りの人間がリーダーに対して間違いを指摘しやすいようなチーム環境や信頼関係を普段から築き上げることが大切。

    リーダーに必要な3つの鏡については、常に心に留めておきたい。
    ・銅の鏡
    人が自然についてくる。いい表情しているか
    ・歴史の鏡
    将来に起こる事は誰にもわからないので、過去から学ぶしかない
    ・人の鏡
    あなたは間違っているとはっきり言ってくれるのかを、自分の隣に置く事

    ・組織は、リーダーの器以上の事はできない。リーダーの頭を空っぽにして、新しい価値観や部下からのアドバイスを吸収する。

    ・物事が順調に進んでいる時こそ、気持ちが緩みがちになる。その気の緩みが事態の悪化を引き寄せる。

    常に謙虚で誰よりも心がつよいリーダーにならなければいけないと感じた。

  • 自分に対して正しい助言をしてくれる部下を持つことの大切さ。

  • 帝王学を学ぶには「貞観政要」が良い教科書であるとネットにあり、比較的読みやすそうな本書を購入した。
    難しい古文があって読みにくいことはなく、スラスラ読める。
    耳が痛い話や新たな視点や気づきを与える話などが多くあった。
    何度かこの本を手に取り、筆者同様、貞観政要に叱られるのだろう。

  • タイムリーな内容。
    貞観正要。
    人の器は大きくならない。ショボショボである事を自覚。
    そして部下を信じる。
    簡単な言葉だけど簡単じゃないことだ。

  • 唐の2代皇帝・太宗による統治の要諦が凝縮された『貞観政要』に書かれいている組織・リーダーシップのポイントの数々は、時代を超えて通用する普遍の真理であると説いた本。
    唐代に至るまでの歴史の過程も併記されていてよかったです。
    諫言に関しては年上からだろうと年下からだろうと、傾聴する必要があるというのは間違いないでしょう。

  • 著者の出口氏は、ライブネット生命を立ち上げ、今は後任にゆずり、会長職についている。
    本著では、自身のサラリーマン時代と起業時代に得たマネジメントの方法や、道理を中国古典に習い記している。

    中でも、貞観政要というタイトルにあるように、唐の第二代皇帝である太宗・李世民時代に記された書物を参考にされている。

    感想

    中でも、印象に残ったのは、部下は信と誠が無い上司の指示では動かない。思いつきで出した指示を部下は見破るという内容でした。部下は、上司が自分を、好きか嫌いかは分かっている。ただ、上司は部下を選べない。嫌いでも部下には平等に接しなければいけないと、本著では出口氏は述べている。

  • 気になっていた『貞観政要』。出口さんのまえがきが素晴らしかったので思わず購入。

    その後寝かしていたが、2019年7月の人間塾で課題図書の参考文献として読了。

    唐の第2代皇帝 太宗・李世民の言行録。
    ---
    太宗とは、太祖(創業者)に継ぐ功績のあった皇帝に贈られる廟号(死去した後に贈られ、廟に乗せられる名前のこと)です。(p.2 はじめに)
    ---

    <キーフレーズ>
    ・名君と呼ばれる人の「2つの絶対条件」=権限と諫言
     太宗がリーダーとして傑出している理由
     ①「権限の感覚」をもっていたこと
     ②臣下の「諫言」を得たこと

    ・三鏡(銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡)
     リーダーは3つの鏡を持たなければいけない、という教え
     #出口さんが座右の銘の一つにしている

    <きっかけ>
    店頭で発見

  • 中国古典から学ぶリーダーのあり方。出口さんの本はどれも読みやすい。

  • ◆きっかけ
    ブクログ。nagisa-libraryさんの本棚より。む図なし。2018/4/5

  • 出口氏による貞観政要の解説書。さすがに座右の書としているだけあって、気持ちが籠っているが、内容自体は上位レイヤに留まる。どういったエッセンスが学べるか、を一通りなめたうえで下位レイヤにシフトしていくのも良いかも。

  • 中国古典に学ぶリーダー論。古典を分かりやすく紐解いて解説してあり、何度も読み直したい本。

  • 貞観政要の内容について出口さんが簡単に説明している本。引用に解説をする形式で、ご自身の考えだけで構成されている本よりは、内容が薄い。貞観政要に直接あたる必要もある。

    上司は部下と機能が違うだけ、威張ることなく、自分だけでは出来ないことを皆にやってもらう。
    そのためには職場を「元気に、明るく、楽しく」して、権限移譲したら口は出さない。自分はマネージに徹するべし。
    プレーイングマネージャーはダメ。

    鉄鋼王カーネーギーの墓碑銘「自分より賢い人間を自分の周りにおく方法を知っていた者ここに眠る」は通じるものがある。人に上手に任せて仕事ができる人が、上司として最良。

  • 貞観政要

    三鏡 銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡
     鏡に自分を映し、元気で明るく楽しい顔をしているかチェックする
     過去の出来事しか将来を予想する教材がないので、歴史を学ぶ
     部下の厳しい直言や諌言(かんげん)をうけいれる

    リーダーの最も重要な役目は、スタッフにとって、元気で、明るく、楽しい職場を作ること

    魏徴 兄(李建成)に私(李世民)を殺せといい続けた 李世民は魏徴を側近に召し抱えた

    組織はリーダーの器以上のことは何一つできない
    リーダーは、自分にとって都合の悪いことをいってくれる部下をそばに置くべきである
    部下は、茶坊主になってはならない。上司におもねってはならない

    魏徴 なにもしないのが理想のリーダー 何もしなくても組織がなりたつのは、適材適所に人を配置できている証拠

    カエサル 人は現実のすべてがみえるわけではなく、多くの人は見たいと思う現実しか見ない

    上に立つも人は、知りたがり屋でも、話したがり屋でもいけない

    君主が名君と呼ばれるとしたら、その理由は、多くの人の意見を聞いて用いるからです。反対に暗君と呼ばれるとしたら、その理由は、一方の人のいうことだけを信じるからです

    リーダーの大事な仕事のひとつは、「事情がわからない中で右か左かの判断を迫られること」

    太宗「自分も、わがままをいわないように努力をする。だからおまえたちも、オレの間違いを指摘してくれ」

    銅の鏡 部下が自然についてくる「いい表情」をしているか
    歴史の鏡 過去に照らして、将来に備える
    人の鏡 直言をしてくれる「他人」が大事

    「直言をしてくる人間がいないと、忙しい上司は絶対にゴマスリには勝てない」

    「不機嫌そうな人」に情報は入ってこない

    「いい判断」をするために大切な3つのこと
    「過去の失敗に学ぶ」「善人を登用する」「戯言に耳を貸さない」

    「小人閑居して不善をなす」「つまらない人間が日までいるとろくなことは考えない」

    「間違った判断」の根本には「感情」がある

    何か物事を決めるときには、感情をベースにしてはいけません。数字、ファクト、ロジックで正しいと思うことを、嫌われようが文句をいわれようが、きちんと主張すべきです。

    「仕事は人生のすべてではない」と考える
    仕事はせいぜい人生の3割程度のものだと位置づけることができたら、気が楽になります。

    一人で行う判断には、「質的な限界」がある

    精鋭を生むもう一つの方法 時間と空間の制限

    あらゆる組織の急務は、後継者を選ぶこと
    歴史は語る 「いちばん難しいのは後継者選び」

    忠義を尽くすべき相手は、上司・社長ではなく「組織」

    これからのリーダーに必要な4つの力
     強く思う力、共感する力、統率する力、正しく決断する力

  • 「貞観政要」をテキストとしたリーダー指南。唐太宗と臣下のやり取りから学ぶのが主眼だが、その堅苦しさよりは、歴史上のエピソードや著者の体験談が活き活きとして腑に落ちやすかったりした。器が大きい、という言葉について、それは器自体を広げるのではなく、中身を削ぎ落としてスペースを大きくする、という解釈が成程と感銘。本書では度々「人間の能力はそもそも限られている」から、その自覚が大切だと語られるが、それを凝縮した例え話に感じた。

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著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)名誉教授・学長特命補佐。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年~2023年、APU学長。2024年1月より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)、『逆境を生き抜くための教養』(幻冬舎新書)、『出口治明学長が語る 人生が楽しくなる世界の名画150』(星海社新書)、『働く君に伝えたい「考える」の始め方』(ポプラ社)等多数。

「2024年 『人類5000年史Ⅵ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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