カブキブ! 5 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 218
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033562

作品紹介・あらすじ

河内山(こうちやま)学院高等部、カブキ部に夏がきた!
初めての合宿に盛り上がる一同に、
部長・来栖黒悟(クロ)は文化祭に向けた新演目「毛抜」を提案する。
芳(かおる)や花満(はなみち)など三年生部員にとっては最後の舞台だ。
この演目は登場人物が多く、一年生の出演が必須。し
かし個性的な三人の後輩たちには、
それぞれに弱点があり…。
それを克服させるため、クロが考え出した秘策とは?

わくわく感ノンストップの青春歌舞伎物語、楽しさ弾ける第五弾!

キャラクターによる巻末おまけ「まだ歌舞伎を観たことのないあなたへ」つき。
歌舞伎初心者も心配ご無用です!

感想・レビュー・書評

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  • あ〜読んじゃった〜という読後感。薄いので大切に楽しみに挑んだのにわ〜っと読んでしまった感否めない。渡子が演劇部の部長に近付くところ、渡子とは書いていなかったのに頭から足の先までぞーっと悪寒が走る不気味さがたまらなかった(嬉)。巻末のオマケは歌舞伎の敷居をちょっと低くしてくれる。CLAMPさんデザでアニメ化。うーむ。観るけど。

  • 1年生成長篇の5巻。特に、唐臼巻。

    文化祭で『毛抜』をやることになったカブキ部の面々は只今、夏合宿にて絶賛奮闘中。
    大きな声を出せない水帆、自分の欠点に気付かないトーマ、そしてどうしても姿勢が直らない唐臼の1年生三人組にはそれぞれ特訓が待っている。

    1巻からぶっ通しで読んできたので、さすがに疲れてきて途中飛ばし読みしてしまった。特に、演劇部のゴタゴタは見ていて悪い予感しかしないので、ついついページをおざなりに繰ってしまう。
    そんな中、キリコさんのさすがの存在感。でもこんな人、漫画の中でしか見たことないけど。
    渡子ちゃんの安定のおぞましさ。舜くんにぶつかったところで、背筋がぞわっとした。

    カブキ部1年生がぐだぐだしすぎで読んでてだるかったけれど、でもこれが現実だよなぁ。2・3年生が出来過ぎてるんだよなぁ。なんてことを、前巻に引き続き思う。

    前巻からずっと気になっていた唐臼のこと。ネットの功罪。
    唐臼はあんなボイコット事件の時でもずっと一貫して自分を持っていた。だから気になっていたし、救われてほしいと思った。ネットに晒されるって、どんなことだろう?自分はあまり分かっていない。そして、それを克服するって、どんなに大変なんだろう。
    けれど、唐臼は根本で“演じる”ことが好きな人なんだと思う。転んでも、傷ついても、舞台芸術を愛している人なんだと思う。だから、クロが出た賭けは、正しかった。たとえ転んでも、結果としてカブキ部に戻ってこなくても、それが彼の契機になったのだとしたら、正しかったんだと思う。

    登場人物がたくさんになり、特に今回は1年生回なので、好きなあの子もあまり出ていなかったりするのだが、そんな中でもそれぞれが少しだけ登場したそのシーンで、とてもいい役割を果たしている。芳先輩しかり、蛯原くんしかり。それは、ここまででその人物が十二分に魅力的に描かれているからだろうなぁ。

    そして、渡子ちゃんのこと。
    ぞわっとして不穏で大嫌いなんだけど、気になってしまう彼女のこと。
    前巻で私は彼女にサイコパス的な怖さを感じたのだが、よく考えるとそれは違った。いや、性質的にはなんかそんな感じもするが、他の方のレビューで“心療内科に行った方がよい”という感想を見て、ああ、なんて自分は想像力がないんだろうと思ってしまった。彼女の過去は既出なのにも関わらず、だ。
    渡子ちゃんがクロを嫌いなのは、トンボを取られたからなのかな。
    環境によって人は作られるというが、劣悪な環境でも自分を見失わない人だっているのだ。ならば、彼女が闘う相手は誰だろう?彼女はどうすれば救われるんだろう?
    トンボに救ってほしいけれど、トンボでは救えない気もする。クロでは…火に油だろうし。
    彼女の件をどうやって収めるのか、作者の手腕に期待。

    渡子ちゃん、嫌いだったけれど、トンボと似ている子供だったという記述に、ああそうか、と思う。
    トンボはクロに救われたのだ。渡子ちゃんを救ってくれる人はいなかった。人は誰だって一人で強く生きていくことは難しい。それが年端も行かぬ子どもならなおさらのこと。彼女だって、救われたっていい。

    …と、4巻に引き続き、登場人物一人で暗澹とした気持ちを引き摺る流れとなったが、やはりこのシリーズは最後の一言がいい。
    『毛抜』の演目のハチャメチャさもさることながら、クロ、さすがの配役。
    待ってました!次巻も楽しみ。

  • このシリーズ、ほんまに面白い。ほんまに好き・・・。
    著者の本は「妖奇庵夜話」も読んだんやけど、全然雰囲気が違うなあ。すごいなあ。

    とにかくこの本は付箋が多すぎてどこから書いていいものやら・・・。

    前作で散々いろいろあった一年生との初舞台。
    プレッシャーに負けそうになってる一年生には共感する人が多いんちゃうかしら。ほんで、こんなふうな人間味あふれる(?)一年生を見てると、三年生の芳先輩や花満先輩、梨里先輩って達人レベルにすごいんやなあと改めて実感した。
    数馬も、なんだかんだで器用なんよね。

    芳先輩たちがすごいことはこれまでもわかってるけど、こうやって他のキャラとの比較を見せつけられると、改めて三年生のスペックの高さが際立つね。
    こういう見せ方が好きやなー。地文でだらだら語られても
    「へー」
    やもんね。

    さらに、ひとつずつ乗り越えていこうとしている一年生もけなげでいい。
    ちょうど私が(リアルで)そういうことに直面してるんやけど、何事も、できるかできないかではなくて、やりたいのかやりたくないかが判断基準やと思います。
    できるかできないかを誰かに判断してもらったうえで、やるかやらないかを自分で決める、っていうのは、どうなんやろう。
    実際のところはそういう人がすごい多いよ。

    そういう人を見てるからなおのこと
    「私はやりたいのか、やりたくないのか」
    ちゅうだけの判断で、

    ああ、全然やりたくないわ

    と、なってるのが気重業務なんやけれども(笑)、私が「やりたくない」という判断をすることによって他人から
    「あーあ」
    と、幻滅されても、それはもう切り捨てるわ。これは切り捨てられる。

    半年前に、ここを吸い上げてしまったがゆえにここまでこんなけしんどい思いしてん。
    「中途半端で放ったらかすなんて」
    と、文句をいう人に限って、私が渦中に立っても協力はしてくれないんやもの。

    所詮、外野は外野。

    ・・・とはいえ、「人間、引っ張り出されるうちが華」なんだそうで、それもそうかもなー。
    誰にも相手にされなかったらそりゃ寂しいやろうなー。

    ・・・でも、エエわ・・・。
    気重業務に関しては、このまま忘れさられてもいい。ちゅうか、忘れさられたい。
    何でも気重業務に重ねて申し訳ない。
    先日で終わったと思ったのに、まだ続いていて、びみょうに判断にためらう。こんなことでまた、自分の対応で自分を責めたりせなあかんくなるんやったら、やっぱり切り捨てるべきやと思う。


    やりたいか、やりたくないかやで。
    カブキブの面子は、ちゅうか唐臼くんは、トラウマがあっても歌舞伎はやりたいってハッキリいうてるもの。
    そこが違うわ。

    私は(気重業務関係のことを)やりたい?

    やりたくないです、すいません。

    ほんで、演劇をやりたくないと判断した芳先輩は自分のその判断を全然悔いていない。そこも、いいなあって。
    自分には自分の理由があって、それでええやん。
    それを理解してくれる人もいれば、してくれない人もいる。それでええやん。
    理解してくれないからって、私は私を責める必要はない。
    たとえその「理解してくれない人」が身内であっても。(;^ω^)

    そこがつらいよねー、私の場合。

    空気を読めるほうやと思う。
    空気を読めるというか、気配を消せるほう(笑)。空気を読んだうえでうまく立ち回れるかっちゅうたら、そこまでではないので、空気を読んで、
    「あ、これ、あかんやつやな」
    って思ったら気配を消せる程度なので、まあ、常人レベルかも。笑

    ・・・と、思ってた。
    でも、自分で何かをせなあかんくなったら、空気を読んでる場合じゃなかった。
    空気を読むより、読んで気配を消しててもしょうがないねんもん、やらなあかんねんもん。
    ほしたら、あれやこれやと面倒くさい人になってた。

    そうか、私、結構面倒くさい人やった。
    ほんで「面倒くさい人やな」と、言われつつ周囲にフォローしてもらう人やった。

    スタイリッシュではないけど、格好よくもないけど、一生懸命な人やった。・・・なあ、と、思った。
    そういう自分は好きやったかもしれない。
    そうか、そうかあ。
    私も、私が認める自分の好きなところを思い出したいって最近思ってるので、そうか。そこかもなあ。

    自分のためにも人のためにも一生懸命になれるから、だから、助けてくれる人もいる。
    底辺の私を嗤う人もいるのかもしれへんけど、たぶんほとんどの人は一生懸命の人を嗤いたいとは思っていない。
    なぜなら、もし自分が一生懸命にやっているのを嗤われたらいやだから。
    だけど、なりふり構わず一生懸命やるってことは、案外難しかったりするねん。

    そうか、私はそれができる人かも。

    いろんな事は、終わってみたらわかるもんやね。(;^ω^)

    だけど、
    「私なりにがんばってる」
    とは、言いませんよ!

    がんばった、とは言う。それに対して第三者が「全然がんばってへんやん」と、いうなら、それはそれだ。
    足りないのだ。
    まあ、足りないのでしょう。
    足りなくてもええわー。(気重業務に関しては)

    ああー、気重業務から足を洗って、あとは消化試合になるはずやったのに! なんでまだグダグダやらなあかんの!
    切り捨てろ私!


    そんなふうにグルグルする私がここまで怖かったことって、何やろうな。
    失敗することかな。
    そうかなあ。気重業務に関しては、それもあるけど、誰にも応援されてないことが一番きつかったな。

    もしかしたら誰にも応援されてなかったわけではないかもしれへんけど、もう、わからんなあ。
    協力もしてもうてるけど・・・。
    協力してもらえるだけでありがたいと思うべきよねえ。
    それも、わかる・・・。
    わかるけども・・・。

    それでもやるのは、責任感よりも「好きやから」と、いう理由がいると思う。
    できるかできないかじゃなくて、好きか嫌いかで、好きやからって続けてるうちに誰かが応援してくれるようになって、そのうちできるようになるんやろうとも思うけれど、だからその原動力がないねんな。

    好きなものが同じなら、その人のことも好きになれるかもしれない。
    同じものを好きな人がたくさんいたら、それはそれで楽しい。
    ちゅうか、私は、それが楽しい。

    そうっかー、気重業務が続けられないのはそこもあるか。
    そもそももう好きじゃないから、共有できる気持ちがないんや・・・。
    それって、寂しい話やね。

    成長するためには、自分で自分が足りてないと自覚することやもんね。
    自覚はしてる。だからたぶん、ここから私は成長できる。そういう意味では、勿体ないのかもしれない。
    自分の人生において、何かひとつステップアップする機会を逃そうとしてるんやもの。

    でも、そう考えても、もう、いい。


    あとは、失敗したらどうしようっていうドキドキを、楽しくてどうしようっていうドキドキに変えるのも、いいなあって思った。
    自分で口に出すのって大事。
    言霊ってやつですね。

    失敗のイメージを捨てるためには成功のイメージをつかんでおかないとあかんねん。
    そこも難しいよー。いいイメージを持ち続けるっていうのも、気持ちが強くないと。ほんで、結局練習量かもしれへんな。


    しかし、「チャンスの女神は前髪にしかない」ってどういう意味やろう。前髪?

    (2017.06.18)

  • 一年生達が合宿を経て,クロのアイデアもあって,彼らが苦手を克服していくところが,青春だなと思える.毛抜きもなんだか面白そうだ.

  • 一年生もやっとかたちになってきてイイ感じ。でもトラブルの予感はまだまだ

  • 夏だよ! 合宿編!

    4巻での事件を若干引きずりつつ、一年生が本格的に参加して合宿。唐臼の秘密も出てきつつ、仁も少し光が見えてきたのか。一方、演劇部絡みで不穏な流れも見えてきて。

    悪意にさらされるって辛いから、逃げたくなる。でも、好きなことを一生懸命やって、何がいけないのか。

  • 青春を歌舞伎に費やす高校生の話。

    一年生の特訓から夏の舞台まで。

  • TVの「水戸黄門」のよう。
    何かあっても必ず上手く治る安心感。
    これに惹かれて読んでいたのかしら…
    でも「大丈夫。自分を信じて行ってこい。まだ自分を信じられないなら、一緒いる仲間を信じればいい。」なんてキラッとする言葉もあったりして、ちょっといい!

  • 2017/11/17
    サッカー部に応援されてる水帆ちゃんかわいい。
    基本的に善人で構成されてるから和むわ~
    渡子はまあいいとして、演劇部の悪意が嫌だな。
    自分のこと善人だと思ってる子達の悪意。
    もうすぐ既刊のストックがなくなる悲しさよ。

  • 鳴神不動毛抜きってなんでこんなてんこもりなんだ。

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著者プロフィール

榎田ユウリ(えだ ゆうり)
東京都出身の小説家。 一般小説を書く時は「榎田ユウリ」名義、BL小説を書く時は「榎田尤利」名義と使い分けている。
2000年『夏の塩』でデビュー。榎田尤利名義では「魚住くん」シリーズ、「交渉人」シリーズが代表作。
榎田ユウリ名義では、2007年から始まる「宮廷神官物語」シリーズ、「カブキブ!」シリーズ、「妖琦庵夜話 」シリーズ、「死神」シリーズなどが代表作となる。

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