セーラー服と黙示録 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2015年9月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041033593

作品紹介・あらすじ

ヴァチカン直轄の探偵養成学校・聖アリスガワ女学校の卒業試験。そのお題は“奇蹟を起こすこと”。鐘楼に設置された密室に幽閉されるふたりの女生徒。しかし、翌朝ふたりは鐘楼尖端の十字架に磔となって発見された!

感想・レビュー・書評

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  • 再読。セーラー服と黙示録シリーズ第一弾。孤島に建設された探偵養成学校・聖アリスガワ女学校を舞台とした長編ミステリ。これだけでもうお腹いっぱいともいえる設定だが、事件自体もかなり突飛で摩訶不思議としか言えない。はたしてこの事件は神の奇蹟なのか、それとも人が起こした犯罪なのか。再読なので大体は覚えていたのだけれど、設定からしてもう有栖川有栖リスペクトが凄まじい作品であることに疑いの余地はない(水村という名前も出てくるぐらい)。探偵役は三人いるが、それぞれがフーダニット、ハウダニット、ホワイダニットに特化しており、その犯人の指摘の仕方にそれぞれの個性が表れているところも面白い。天帝シリーズとも繋がっている世界観なので、探偵役の一人である古野みづきの名前を見ただけで察する事がある読者もいると思う。

  • かなり独特な文体、表現が多いので読む人を選ぶ作品ですが、私は気に入りました。しかしながらこのシリーズは、エヴァンゲリオン、ドラゴンクエスト、ガンダム、ジョジョなどのアニメやゲームのパロディネタが多用されているのが目につきます。かといってそれらを知らなければ読めないのかというとそうではなく、神学やミステリの知識がなくても読めるのと同じようにこのシリーズを楽しめることでしょう。時系列としては第一作目の今作が最も新しいのですが、古野まほろ先生も意図せずどの作品から読んでもいいという稀有なシリーズです。ぐるりよざから読み始めましたが、それでも面白いのでぐるりよざを読み返したほどです。繰り返しになりますが、読む人を選ぶ作品なので、相当の覚悟と寛容さが必要ではありますが……。長くなりましたが、これにて終幕(カーテンフォール)。

  • すごいバランスだ。
    謎の提示がこんなにも遅くとも、これほど読ませるのは大したものだ。

  • 『娯楽』★★★★☆ 8
    【詩情】★★★★☆ 12
    【整合】★★★★★ 15
    『意外』★★★☆☆ 6
    「人物」★★★★☆ 4
    「可読」★★★☆☆ 3
    「作家」★★★★★ 5
    【尖鋭】★★★★★ 15
    『奥行』★★★☆☆ 6
    『印象』★★★★☆ 8

    《総合》82 A-

  • いやーおもしろかった‼️以前に短編集でチラ読みした作家さん。気になって読んでみたらすごい好みでした☆舞台は架空の日本帝国にある孤島のミッションスクールの女子校。これだけでも好き!なのに、ミステリもあってまたその謎解きがなんと探偵役が三人いてそれぞれが推理を分けて組み立てるという変則タイプ。そして犯人はわかっても処罰されないどころかもっと深い意味があって…最初は読みにくいなと感じても絶対おもしろいからオススメしたいです。ちなみに女子校でセーラー服…わたしも通ってましたf^_^;

  • 探偵を養成するカトリック系の女子高と、そこで厳しい規律を潜り抜けながら寮生活を送る今日子たちの、少女小説みたいな可愛らしい雰囲気が良かった。でも表層以外は入り込めなかった。大好きなお姉様二人が磔で発見される事件の謎解きも上手く飲み込めなかったものの、今日子たち三人の推理の活躍はちょっとわくわくした。

  • 綾辻行人や有栖川有栖的な本格ミステリを期待して読んだら、作者の方、がっつりお二方に師事していたらしい。あらすじを読んだ時点でこれは期待できそうな本格ミステリ!と思ったし、実際読んでいても期待通りだったんだけど、私自身の本格ミステリへの興味が薄れていたのか、それとも期待値が高過ぎたのか、10代のころ初めて綾辻行人や有栖川有栖を読んだ時のカタルシスには及ばなかった。
    世界の設定がパラレルワールドの日本で、事件が起こるまでに、総ページ数の半分くらい?は世界観の説明に費やされていたかも。シリーズ化されているようなので、今後の前説的な位置づけなのかな?

  • 学園の説明が丁寧に書かれていてシリーズの序章といったところ。
    探偵を養成する学校の設定としては特殊。

  • もっと軽く読めると思ったらびっくりするほど読みにくく理解に苦しみました。
    テスト内容真剣に解こうとすると気が狂いそうになります。
    謎解きはきちんとしていてスッキリしました。

  • セーラー服と黙示録読んだ。うーん…正直なところ、前半部分(150ページくらい)とホワイの推理が頭に入ってこなかった。けど、後半の探偵パートは良かった。

  • 2巻を先に読んでしまったのでなんとも言えないのだけれど、学園の設定や目的、主人公3人の為人を最初から知っていたら2巻の序盤で全く世界観に没入できなかったり出来レースのように彼女たちだけが生き残ることに首を傾げることもなかったと思う。なにより時系列的には2巻より後の話であるこの巻のラストが「こうなる」から「ああならなければならなかった」必然性が最初からわかっていたなら、最後の薬物記憶操作によるジケンナンテナンニモナカッタヨ展開にあそこまで不快感も感じなかったと思う。2巻、結構好きだったのです。

    ただこの巻単品で読むと全く好みではない。終盤まではどんどん論理が加速していくのが面白かったけれど、最終的にそれらがひとつに合わさることもなく、推論のみで明確な「正解」が提示されることもなく…ミステリというかこの作者さんに慣れている方は楽しめるのかもしれないけれど、私は納得できなかったなあ。かといってこの巻を先に読んでいたら間違いなく2巻に手を出してはいなかっただろうから微妙なところ。

  • 文体と独特の荒唐無稽な世界観に慣れるまでは読みにくかった。が、慣れてしまえばキャラ立ちの良さと論理的な解決への導き方は癖になりそう。キャラとして三人娘も飯塚君も、校長様ですら好みww。しかし水村英生ってアリ?^^;

  • 古野まほろ作品初体験。アリスガワという学校名だったり細かなネタにニヤリとさせられつつも、大筋の謎の開示が作中でなされた割に完全に腑に落ちない感じ。それを解消するために早く続編に取り掛かりたい。それはそうと女性下着のたたみ方の描写が結構詳細なので勉強になりました。

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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