ノックス・マシン (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.19
  • (8)
  • (18)
  • (33)
  • (8)
  • (6)
本棚登録 : 200
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033609

作品紹介・あらすじ

上海大学のユアンは、国家科学技術局から召喚の連絡を受けた。「ノックスの十戒」をテーマにした彼の論文で確認したいことがあるというのだ。科学技術局に出向いたユアンは、そこで予想外の提案を持ちかけられる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • うーんという感じですね。
    「このミステリーがすごい」をみて期待して読みましたが、ちょっと馴染めない方でしたね。
    引き立て役倶楽部は面白かったですけど。
    残念ながらきつかったですね。

  • ○ノックス・マシン
    ○論理蒸発

    SFかつエンタメ。ミステリを扱って、SFの趣向を使って、エンタメの構成をしたらこうなるのでは。
    ミステリのパズル性をSFの科学技術的なものと結びつけるアイディア。

    ○引き立て役倶楽部の陰謀

    原典を読んだことがないものが多く、パロディとしての面白さを味わうことは出来なかった。
    密室劇として、キャラクタの描き分けは巧い。

    ○バベルの牢獄

    ワンアイデアのためにSF的なものを奉仕させている。

  • 法月綸太郎によるミステリにまつわる話をSF仕立てにした短編集。
    本作はいろんなところで言われているように、決して万人向けではない。むしろ、クリスティやクイーンといった古典ミステリをこよなく愛し、かつSFもある程度読みこなしている人が、そこかしこに仕掛けられた遊びを楽しむ、という側面がかなり強い。そういった意味で、「このミス」一位という評価だけによって本書を手にするとなんだこりゃとなる可能性も高い。かくいう自分も、古典ミステリはかじる程度しか読んでいないため、ネタ元がわかるものとわからないものがある。様々な作品に触れた後で読み返すとおそらく今とは違った感想を持つだろう。
    古典ミステリへの愛が如実にあふれた作品として「引き立て役倶楽部の陰謀」が収録されているが、ミステリの歴史の体系的なまとめとも言える作品で、それと知らずに読んでも非常にコミカルな作品でもある。
    また、本作は「紙の書籍」への愛着もそこかしこに感じられる。特に電子書籍版には収録されていない「バベルの牢獄」はその最たるもので、絶対に電子書籍化できない仕掛けが仕組まれている。
    表題作とその続編もふくめ、よくもこんなことを思いつくものだと感心することしきりで、ある意味論理の煙に巻かれたような読後感もあり、そういう意味でミステリにも通じるが、あくまでも本作はミステリではなくSFテイストの作品集だ。

  • ミステリーをほとんど読まないわたしが、意外とおもしろく読めたのが我ながら驚きだった。

    「ノックス・マシン」「論理蒸発ーノックス・マシン2」の連作が特に良かった。「ノックス・マシン」だけだと落ちが微妙だしあまりおもしろいと思わなかったのだが、「論理蒸発ーノックス・マシン2」では物語としてもSFとしても読み応えがあるものになっていた。ミステリーかどうかはわからない。

    「引き立て役倶楽部の陰謀」は古典ミステリーを知らないとつまらないだろうとミステリーファンは思うかもしれないが(実際そういう人も多いだろうが)、知らないなりに楽しめた。知っていたほうが何倍も楽しめるだろうけど、逆にミステリー初心者ならではの読み方ができたのだと思う。アガサ・クリスティがなし遂げたこととか、ヴァン・ダインの二十則についてとか、ミステリーにおける引き立て役の役割とか、はじめて触れるテーマが多かった。

    「バベルの牢獄」は普段読むジャンルに近かったので最もとっつきやすかったが、新鮮味はなかった。叙述方法に主眼をおいたSFとしてはありきたりだった。

    中学生くらいの時にアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を読んで衝撃を受けたことを思い出した。ほかの作品も読んでみたいが、多作すぎてどれから手をつけたらいいか悩む。あと、エラリー・クイーンの国名シリーズとやらを読んでみたい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。

    ノックス・マシン、SFを読みなれない人間からすると非常に難しい文章だった。が、読み終わった後、ミステリ的にはとてもさっぱりしたシンプルなものだった。
    引き立て役倶楽部の陰謀、これもタイトルを見て思い描いていたものとは違い、メタ要素が絡み合い気軽には読めない重厚なものだった。ワトソンはパロディで主役として書かれると、すこし残念な感じになることが多いのはなぜだろうか。
    エラリー・クイーンの国名シリーズをまた読み返してみたくなった。

  •  2014年版このミス第1位など、各種ランキングで上位にランクイン。法月綸太郎さんの作品は未読だったが、文庫版が薄かったので、手に取ってみたわけである。

     結論から言うと、一般向け娯楽小説とは言いがたい難物だった。探偵小説研究会のメンバーでもあり、評論家としての顔も持つ法月さん。なるほど、業界人の評価が高いのはわかる。これは、ミステリーでもありSFでもあり評論でもある。

     「ノックス・マシン」。一応本格ファンであるから、「ノックスの十戒」を聞きかじったことはある。その5番目に、「探偵小説には、中国人を登場させてはならない」とある。真意はともかく、古典ミステリに精通していなければ、これをネタにしようとは考えないだろう。

     「引き立て役倶楽部の陰謀」は興味深い。引き立て役倶楽部とは、ワトスンに代表される名探偵のパートナーたちの団体である。某女史の某作品が、彼らにとって由々しき事態だというのだが…。虚実入り乱れた内容であり、本作中最も評論色が濃い。僕は彼女の作品を未読なので、本当の面白さはわかっていないのだろう。

     「バベルの牢獄」は、専門用語を散りばめられて煙に巻かれたような、日本語論でもあるような…つまり難解でした。その作品はもちろん知りませんでした。

     「論理蒸発──ノックス・マシン2」。以前、北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』に手を出し、痛い目を見たが、その後にクイーンの国名シリーズを読破したので、何とかついて行けた…のだろうか。量子化されたテキストが、「燃えた」という。つまりは改竄である。仮想空間における発火点とは、何か? これは現代にもあてはまるテーマだろう。

     古典ミステリに疎いことに加え、量子力学やホーキングの宇宙論まで出てきては、正直お手上げだが、設定に惹かれる点はある。物語はアルゴリズムで自動生成され、あらゆるテキストがデータベース化された時代。長期的には、電子書籍は普及していくだろう。でも、紙の本が愛おしい。難儀しながら本作を読み終え、そんなことを思った。

  • 4編収録の短編集。
    『あとがき』では『「本格」SF(本格ミステリを主題にしたSFの意)』と表現されているが、読んでみるとやっぱりミステリだなぁと思う。確かにSF要素もあるのだが……。
    『ノックス・マシン』も良かったのだが、私としては『引き立て役倶楽部の陰謀』を推したい。

  • 2018年8冊目。
    とにかく法月綸太郎にハマって手あたり次第購入していたんで、これも法月綸太郎シリーズだと思ってたら全然違った(-_-;)
    ミステリー小説好きとは言いつつも、まだまだ全然読んでる数が少なくて、出てくる作品も辛うじて名前は聞いたことあるけど未読の作品が多かったので、面白いと思えるまでの知識が足りていなかったかと。残念。

    そもそもSFも得意じゃないし、結構難しいことも多くてついていけず・・。

    アガサ・クリスティーは結構読んでいたから、「引き立て倶楽部の陰謀」はなかなか面白かった。

  • このミス2014年版1位。SFミステリー。あらゆるものが電子化された近未来社会で発生する古典的ミストリーの秘密にからんだ事件を、タイムトラベルだとかトンデモ科学系の手法を駆使して解決していく話。最新の科学用語によるトンデモ系の手法説明がやたら長くてかつ全く理解できないので苦痛。哲学うんちくが延々つづくやつみたい。このミスでたまに出てくる超マニアックなやつ。これが1位ってのが驚き。

  • 2017/05

全26件中 1 - 10件を表示

プロフィール

1988年10月、『密閉教室』でデビュー。

ノックス・マシン (角川文庫)のその他の作品

法月綸太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
ピエール ルメー...
有効な右矢印 無効な右矢印

ノックス・マシン (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする