ノックス・マシン (1) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年11月25日発売)
3.11
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041033609

作品紹介・あらすじ

上海大学のユアンは、国家科学技術局から召喚の連絡を受けた。「ノックスの十戒」をテーマにした彼の論文で確認したいことがあるというのだ。科学技術局に出向いたユアンは、そこで予想外の提案を持ちかけられる。

感想・レビュー・書評

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  • 少し前の作品ですが、以前から読みたかったのをやっと着手できた。

    短編だったけど、独特の設定のSF作品で無理やりの発想が面白いね。トンデモ設定(あくまで今の時代では)をそれっぽく書いてるのがまた面白い。
    理系出身なので、量子力学の話もそこまで抵抗なく読めたけど、そうでないと結構マニアックに感じるかも。
    あとは、昔の海外のミステリをどれだけ読んでるかで楽しみが変わりそうね。クリスティ好きなので二作品は特に楽しめた。

    あと、最近の生成AIの物語の生成能力は本当にすごくなってきてるので、この小説の設定よりAIがノーベル文学賞とる日も前通しになるかも。。。

  • 発想が際立った作品。
    探偵小説のなだたる傑作に、ブラックホールやタイムマシンなど量子論で立ち向かうSF,
    理解するのに何度も立ち止まる疲れた読書だった。

  • 2020/03/07読了
    #このミス作品16冊目

    ある程度有名どころのミステリを
    読破してから読むことが前提の本です。
    私のようなにわかミステリ好きだと
    完全に置いてけぼりを喰らいます。
    もっと知識を得てから再戦したい本。

  • 法月綸太郎さんのミステリーと言う事だったのですが、読んでみるとこれはSF?
    未来のタイムマシン的な話しなんですが、そこにミステリー小説の名作を愛情タップリに絡めた話しで、さらには専門的な物理用語もいっぱい出て来ます。

    「ノックス・マシン」「引き立て役倶楽部の陰謀」「バベルの牢獄」「論理蒸発__ノックス・マシン2」の4編
    ミステリーをアルゴリズムの数値化にしてる話しや、パラレルワールドの話しなど理解しようと読んでたのでは、意味がわかんなくなる作品でした。」

    そこでふと感じたのが、あっ、昔のSFだ~ そう言えば中学の頃は宇宙や時間や空間が好きで失われたシリーズや、タイムトラベル物などを好んで読んでたなぁっと

    そこでは、理論は付け合わせで理解するものじゃなく、結果がこうだ!って読まないと変に考え込むとストーリーの方がつまらなくなるので、あの時は考えずに読んでましたw

    こちらも最初に読んだときは、なんだこれって思ったけど、深く考えずにストーリーを楽しむと結構面白くなってきて、子供の頃のような感覚で読めました。

    エラリー・クイーンやヴァン・ダイン、ブラッドベリなどお馴染みの作家や作品を絡めてるところがミステリーなのかな?

    でも、最初はなかなか前に進まなかったです。

  • うーんという感じですね。
    「このミステリーがすごい」をみて期待して読みましたが、ちょっと馴染めない方でしたね。
    引き立て役倶楽部は面白かったですけど。
    残念ながらきつかったですね。

  • ○ノックス・マシン
    ○論理蒸発

    SFかつエンタメ。ミステリを扱って、SFの趣向を使って、エンタメの構成をしたらこうなるのでは。
    ミステリのパズル性をSFの科学技術的なものと結びつけるアイディア。

    ○引き立て役倶楽部の陰謀

    原典を読んだことがないものが多く、パロディとしての面白さを味わうことは出来なかった。
    密室劇として、キャラクタの描き分けは巧い。

    ○バベルの牢獄

    ワンアイデアのためにSF的なものを奉仕させている。

  • 法月綸太郎によるミステリにまつわる話をSF仕立てにした短編集。
    本作はいろんなところで言われているように、決して万人向けではない。むしろ、クリスティやクイーンといった古典ミステリをこよなく愛し、かつSFもある程度読みこなしている人が、そこかしこに仕掛けられた遊びを楽しむ、という側面がかなり強い。そういった意味で、「このミス」一位という評価だけによって本書を手にするとなんだこりゃとなる可能性も高い。かくいう自分も、古典ミステリはかじる程度しか読んでいないため、ネタ元がわかるものとわからないものがある。様々な作品に触れた後で読み返すとおそらく今とは違った感想を持つだろう。
    古典ミステリへの愛が如実にあふれた作品として「引き立て役倶楽部の陰謀」が収録されているが、ミステリの歴史の体系的なまとめとも言える作品で、それと知らずに読んでも非常にコミカルな作品でもある。
    また、本作は「紙の書籍」への愛着もそこかしこに感じられる。特に電子書籍版には収録されていない「バベルの牢獄」はその最たるもので、絶対に電子書籍化できない仕掛けが仕組まれている。
    表題作とその続編もふくめ、よくもこんなことを思いつくものだと感心することしきりで、ある意味論理の煙に巻かれたような読後感もあり、そういう意味でミステリにも通じるが、あくまでも本作はミステリではなくSFテイストの作品集だ。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。

    ノックス・マシン、SFを読みなれない人間からすると非常に難しい文章だった。が、読み終わった後、ミステリ的にはとてもさっぱりしたシンプルなものだった。
    引き立て役倶楽部の陰謀、これもタイトルを見て思い描いていたものとは違い、メタ要素が絡み合い気軽には読めない重厚なものだった。ワトソンはパロディで主役として書かれると、すこし残念な感じになることが多いのはなぜだろうか。
    エラリー・クイーンの国名シリーズをまた読み返してみたくなった。

  •  2014年版このミス第1位など、各種ランキングで上位にランクイン。法月綸太郎さんの作品は未読だったが、文庫版が薄かったので、手に取ってみたわけである。

     結論から言うと、一般向け娯楽小説とは言いがたい難物だった。探偵小説研究会のメンバーでもあり、評論家としての顔も持つ法月さん。なるほど、業界人の評価が高いのはわかる。これは、ミステリーでもありSFでもあり評論でもある。

     「ノックス・マシン」。一応本格ファンであるから、「ノックスの十戒」を聞きかじったことはある。その5番目に、「探偵小説には、中国人を登場させてはならない」とある。真意はともかく、古典ミステリに精通していなければ、これをネタにしようとは考えないだろう。

     「引き立て役倶楽部の陰謀」は興味深い。引き立て役倶楽部とは、ワトスンに代表される名探偵のパートナーたちの団体である。某女史の某作品が、彼らにとって由々しき事態だというのだが…。虚実入り乱れた内容であり、本作中最も評論色が濃い。僕は彼女の作品を未読なので、本当の面白さはわかっていないのだろう。

     「バベルの牢獄」は、専門用語を散りばめられて煙に巻かれたような、日本語論でもあるような…つまり難解でした。その作品はもちろん知りませんでした。

     「論理蒸発──ノックス・マシン2」。以前、北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』に手を出し、痛い目を見たが、その後にクイーンの国名シリーズを読破したので、何とかついて行けた…のだろうか。量子化されたテキストが、「燃えた」という。つまりは改竄である。仮想空間における発火点とは、何か? これは現代にもあてはまるテーマだろう。

     古典ミステリに疎いことに加え、量子力学やホーキングの宇宙論まで出てきては、正直お手上げだが、設定に惹かれる点はある。物語はアルゴリズムで自動生成され、あらゆるテキストがデータベース化された時代。長期的には、電子書籍は普及していくだろう。でも、紙の本が愛おしい。難儀しながら本作を読み終え、そんなことを思った。

  • 4編収録の短編集。
    『あとがき』では『「本格」SF(本格ミステリを主題にしたSFの意)』と表現されているが、読んでみるとやっぱりミステリだなぁと思う。確かにSF要素もあるのだが……。
    『ノックス・マシン』も良かったのだが、私としては『引き立て役倶楽部の陰謀』を推したい。

  • ちょっとマニア好みすぎてあまり合わなかった……
    でもアイデアがすごい
    これがこのミス一位なのはあまり納得がいかない

  •  このミステリーがすごい 2014年版 国内編1位 という理由で、読んでおかねばと思い読みましたが、正直、今の自分には合わなかったなと。
    ・過去のミステリーを一定程度読んで、知識を持っていないと置いてけぼりをくらう。
    ・文章もかなり難解な単語が多く、意味を把握することが困難。
    でした。残念ながら最後は読み飛ばしてしまいました。
     そうなってくると、自分と、「このミステリーがすごい」という賞自体がマッチしていないのかなという気がしますが、2014年と10年以上も前のものなので、それから方針が変わっている可能性もあり、なんともいえないところです。
     もしもこれから読もうかなと思われている方がいらっしゃったら、最初の数ページはあらかじめ読んで、自分に合うのかを検証してから読むことを強くお勧めします。

  • ミステリー好きが書いたSF。
    ノックスマシン2は量子力学のホーキング理論とブラックホールの情報理論をアレンジしており、科学的にもっともらしい法螺話になっている。ノックスというミステリー作家を知らないので、面白さが半減したかも。ミステリーに精通していると、更に面白いと思うが、そこまでマニアではないので、内輪落ちが判らないので3点。
    バベルの牢獄は電子書籍が難しい鏡文字を扱っており、読めるのは紙の本好き読者の特権です。

  • SF短中編を4編による作品集
    表題作も面白かったが、収録作の中ではバベルの牢獄のギミックが楽しめた
    囚われの身の主人公による一人称で語られており、監視者の目を潜り抜けて脱出を試みる物語
    読み進めると監視者は読者だと気付く
    つまり主人公の考えを含めて監視者に全て読まれている状況
    最後に小気味良い仕掛けで監視の目から逃れ脱出するのだが、全編通して脱出準備が進められていた事に後から気付かされた
    そしてその仕掛けにより、当作は電子化不可能という点も面白い

  • 法月綸太郎の中篇作品集『ノックス・マシン』を読みました。
    ここのところ国内の作家のミステリ作品が続いています。

    -----story-------------
    「このミステリーがすごい! 2014年版」国内編1位!珠玉の中篇集。

    上海大学のユアンは、国家科学技術局から召喚の連絡を受けた。
    「ノックスの十戒」をテーマにした彼の論文で確認したいことがあるというのだ。
    科学技術局に出向いたユアンは、そこで予想外の提案を持ちかけられる。

    本格ミステリ、本格SF、両ジャンルの歴史に残る必読の傑作
    ――大森望(「本の旅人」4月号)

    まさに“血(知)湧き肉踊る”エンターテイメントだ
    ――村上貴史(「ダ・ヴィンチ」6月号)

    中でも「論理蒸発――ノックスマシン2」は、“感涙すら誘う恐るべき傑作”
    ――千街晶之(「SFマガジン」6月号)
    -----------------------

    2013年(平成25年)に刊行された本格ミステリとSFが融合した中篇集で、以下の4篇が収録されています。

     ■ノックス・マシン
     ■引き立て役倶楽部の陰謀
     ■バベルの牢獄
     ■論理蒸発-ノックス・マシン2
     ■あとがき
     ■解説 杉江松恋

    2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される… 博士論文のテーマであるイギリスの作家ロナルド・ノックスが発表した探偵小説のルール「ノックスの十戒」の第5項「探偵小説には、中国人を登場させてはならない」が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ、、、

    その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―― 発表直後からSF&ミステリ界で絶賛された表題作『ノックス・マシン』、名探偵の相棒たちが暗躍する『引き立て役倶楽部の陰謀』、空前絶後の脱獄小説『バベルの牢獄』などを含む中篇集。

    本格ミステリファンなら、読みながらニンマリしてしまうネタが満載の物語でしたね… それだけに一般受けするのが難しいし、科学的な理論の解説も難解なので、好き/嫌いが分かれる作品だと感じました、、、

    そんな個性的な4篇が収録されていますが、イチバン愉しめたのは『引き立て役倶楽部の陰謀』ですね… ワトスン博士やヘイスティングズ大尉等、名探偵の助手たちが集うクラブの面々が本格ミステリにおける名探偵の助手という立場を護ろうと暗躍、アガサ・クリスティの失踪事件の真相も絡めて印象的な作品に仕上がっていました。

    『ノックス・マシン』と、その続篇の『論理蒸発-ノックス・マシン2』は、SFとミステリを巧く融合させた作品で、ロナルド・ノックスが発表した探偵小説のルール「ノックスの十戒」やエラリー・クイーン作品の定番「読者への挑戦状」をネタにした愉しい展開が印象的ですが、科学的な理論が理解不能なのでその部分は流し読みして、オチを愉しんだ感じかな、、、

    いずれにしても、海外古典ミステリについて一定の知識がないと愉しめないので評価が難しいですね。

  • 作者の推理小説好きが顕著に現れた作品。海外ミステリをあらかた読んでいる人はニヤリとするかも。ただ少し設定が難しいところもあった。

  • 読みづらいというか難解というか
    こういうのが良い人もいるのだろうけど、私には全く無理

  • 法月綸太郎はすごいなあ。
    内容よりロジックだけでない部分がふんだんに盛り込まれていて、圧倒されてしまった。

  • 古典を読んでないと難しい。

  • ○ 総合評価   ★★★☆☆
    〇 サプライズ  ★☆☆☆☆
    〇 熱中度    ★★☆☆☆
    〇 インパクト  ★★★★☆
    〇 キャラクター ★★☆☆☆
    〇 読後感    ★★☆☆☆ 
     著者,法月綸太郎自身のあとがきにも書かれているが,本格ミステリを題材とした4つのSFの中・短編が収録されている。2008年から2013年までに書かれた作品で,解説によると,単行本として2013年に発売され,その年の「このミステリーがすごい!」1位になるなど,高く評価された作品である。
     個々の作品の感想は後で書くとして,全体の感想としてはまずまず面白かった。ミステリを題材としているが,この作品そのものはミステリではなく,作者の法月綸太郎自身が言っているように奇想SF,すなわち「@世にも奇妙な物語」のような作品ばかりであり,「このミステリーがすごい!」の1位を取るような作品ではないと思う。オチが分かりやすい作品が多く,文体もおおむね読みやすい。どの作品も意外性こそそれほどでもないが,まぁ,及第点の作品集だと思う。作品全体の評価としては★3で。
    〇 ノックス・マシン
     解説では,ミステリー創作〈ルール〉の特殊性をタイムトラベル実験と結び付けた作品とされている。しかし,そんなに難しいことを考えなくても,「タイムトラベル」モノの小話として楽しむことができる作品。数理文学解析という学問の発展によりオートポエティクスというコンピュータによる文学制作が浸透している未来が舞台。そのような世界で,「ノックスの十戒」を研究しているユアン・チンルウという研究者が国家科学技術局に呼ばれる。ノックスが十戒を書いたその日の日付が双方向タイムトラベルを実現する鍵になるという。ユアンはタイムトラベルに成功し,ノックスに会う。そして,ユアンがタイムトラベルをしてノックスに出会ったことが,ノックスがノックスの十戒において「探偵小説には,中国人を登場させてはならない。」という第5条を書いた原因だったということがオチになっている。
     ノックスの十戒や量子論についてのウンチクが添えられているが,メインはタイムトラベル。オチは予想できるので意外性は少ないが,よくできた作品としてきっちりまとまっている。読みやすいし,傑作とは言えないがよくできた作品である。★3で。
    〇 引き立て役倶楽部の陰謀
     名探偵の助手たちが集うクラブという設定は,W・ハイデンフェルトの「〈引立て役倶楽部〉の不快な事件」から踏襲しているとのこと。この「〈引立て役倶楽部〉の不快な事件」は,「有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー」にも収録されているが,昔,ブックオフで100円で買った「ホームズ贋作展覧会」で読んだ作品。密室トリック,密室の存在で被害者が誰かということを覆い隠す作品全体のトリック,設定の奇妙さなど,強烈なインパクトがある作品だった。
     あとがきにあるが,話の展開はフィクションの作中人物に抹殺されかかった作家が,フィクションを通じて復習を果たすという話。解説では,アガサ・クリスティーの功罪を問う内容になっている。ミステリーの古典的な様式美に引導を渡したのは、かの女性作家であるという指摘は興味深いとされている。
     「〈引立て役倶楽部〉の不快な事件」が好きな作品であり,名探偵の助手が集うクラブという設定好き。なので,この作品も素直に楽しめた。解決編部分を編者による解題として,この作品自身がクリスティの未発表の遺作であるという設定にしているのも面白い。単にヘイスティングの自白とするよりはよかったと思う。
     ただ,そもそもヘイスティングがヴァン・ダイン殺しの犯人という部分に意外性がないのが難点。〈引立て役倶楽部〉の不快な事件は,密室トリックの意外性,密室トリックを用意することで被害者が誰かを考えさせないようにするという設定そのものの意外性,そして被害者がアドルフ・ヒトラーだったという意外性と意外性の宝庫だっただけに,ちょっと残念である。評価としては★3で。
    〇 バベルの牢獄
     4つの作品の中で,最もSFっぽい作品。鑑文字まであり,最も読みにくい作品でもある。サイクロプス人とか惑星ガラテアとか,SFだなぁと思わせる用語が連発。そもそもの設定がよく分からず,説明的な描写が多いので読みにくい。しかし,オチは明快。句点,すなわち「。」の位置を各ページでそろえることで空間の壁を貫通する脱出経路を確保したという。調べてみると,確かに各ページの同じ位置に「。」がある。こういう児戯好み。泡坂妻夫の「しあわせの書」や,倉阪鬼一郎の「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」などのバカミスを思わせる。オチが好みだが,読みにくく,全体的な評価は低め。★3で。
    〇 論理蒸発-ノックス・マシン2
     「量子化された電子テキストの一部が燃えている」。反「オートポエティクス」を唱える非合法活動家のグループが組織したサイバーテロ集団「アレクサンドリア四重奏団」の幹部,マウントオリーヴ(タム・クアン・ドック)は,プラティバの大学生時代の恋人だった。プラティバは,かつて,クイーンの作品のうち,「シャム双生児の謎」に「読者への挑戦状」がないことを研究していた。その研究の成果がサイバーテロに利用されているという。「シャム双生児の謎」から「読者への挑戦状」が蒸発しているということを熱の発生源にしてテロがされているというところから,ブラックホールや量子論まで積み重ね,読者をけむに巻くような話が続く。テロを解決するために,双方向タイムトラベルに成功したが,その功績がなかったことにされ「見えない男」と化していたユアン・チンルウ。解決の手掛かりとして「チャイナ橙の謎」が見つけられ,テロはユアンの力で喰い止められる。雰囲気を楽しむ作品と位置付けるべきか。オチもいまいちよく分からない。4つの作品の中では一番評価が低め。ウンチクはそれなりに楽しめるのだが。★2で。

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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