新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • レビュー :65
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033692

作品紹介・あらすじ

芽野史郎は全力で京都を疾走した――無二の親友との約束を守「らない」ために! 表題作の他、近代文学の傑作四篇が、全く違う魅力をまとい現代京都で生まれ変わる! 滑稽の頂点をきわめた、歴史的短編集!

感想・レビュー・書評

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  • 四つの話の中で走れメロスが一番好きだった
    原作と全く違うぶっとんでる 森見登美彦って感じ
    桜の森の満開の下は元を知らなかったので読みたいと思った

  • 中島敦『山月記』、芥川龍之介『藪の中』、太宰治『走れメロス』、坂口安吾『桜の森の満開の下』、森鷗外『百物語』という名作文学5篇を下敷きに……「アレンジ」、「リライト」、「本歌取り」、「換骨奪胎」、「翻案」、「パロディ」……いろんな言い方があると思いますが、千野帽子氏が巻末の解説(これまた夏目漱石『夢十夜』を下敷きにした手の込んだもの)で使っていた「再起動(リブート)」という表現が、僕はとても好きです。なんと言っても勢いがある。 何しろ森見氏は名作5篇全部を仮想京都の腐れ大学生の話にしてしまったわけですから。若さと、それゆえのお馬鹿と自意識過剰と屁理屈のエネルギーがみなぎる連作短編集でした。
    なかでも『走れメロス』の暴走っぷりはすごかった。原作では親友のところに戻る救出劇だったのが、森見版では親友のところから離れる逃亡劇に反転。オチは秀逸!
    その次に置かれた『桜の森の満開の下』に漂う寂しさは、胸にじんときました。

    ところで、祥伝社文庫版も持ってたはずなんだけど、どこにいっちゃったんだろう? 記憶違いかな……?

  • 森見氏の描く腐れ大学生たちは一体どこまで暴走するんだろう。腐れ大学生?であるガキに借りて森見作品を立て続けに3冊読んだ。実に馬鹿馬鹿しい!大学デビュー的な男子たちと黒髪の乙女が無理やり「何者」かになろうとしている姿は描き方によっては薄暗い物語にもなりそうだが、なんともポップだ。頑張って馬鹿になろうとしているというか(笑)。オイラ的には「走れメロス」が好きだが、涙ぐましいくらいに荒唐無稽だ。だから、彼らが大人になった時の物語は想像したくないな。その切り取られた数年間だから面白いのかも。でも、「新釈 走れメロス 他四篇」でひとつもまともに原作を読んだことがないオイラはどうしたもんだろ?

  • 「藪の中」が好きだ。ベースのお話は、坂口安吾が好き。
    そして、京都、学生、でお腹いっぱいなので、時間をあけて、「有頂天家族」を読んでみようかと思う。

  • 多少の書換かと思いきや、大幅な書換でした笑

    森見さんらしくて好き。

  • おなじみの近代文学傑作小説を下敷きに現代の京都によみがえった物語五編。
    中島敦「山月記」、芥川龍之介「藪の中」、太宰治「走れメロス」、坂口安吾「桜の森の満開の下」、森鴎外「百物語」。原作の文体や雰囲気を残しつつも腐れ大学生の阿呆さ全開の展開で、オリジナルを知っていれば二度おいしいし、未読なら読んでみたくなる。『走れメロス」はもとの話の直情な主人公や「友情」のバカバカしさを笑うようなひねり方で、一見ドタバタに終始していても伝えるものは意外と深いと思った。
    連作風に森見ワールドの登場人物やアイテムがあちこちに登場して、ひと通り読み終えてからカバー装画を見るとまた楽しい。

  • 「癒してどうする、この俺を」
    彼は呻いた。
    「今までの苦労が水の泡だ!」

    この台詞好き。
    全部の新釈短編に出てくる登場人物たちは少しずつ繋がっていて、最後の「百物語」なんかは森見さんの語りでこれまでを振り返るようで、もう一度始めから読み返したくなる。

  • 目次
    ・山月記
    ・藪の中
    ・走れメロス
    ・桜の森の満開の下
    ・百物語

    これは、面白かったです。

    「山月記」はまだ原作をなぞっているだけでしたが、「藪の中」で骨格を変えずに設定を変え、「走れメロス」では文句なく新釈の「走れメロス」になっていました。
    太宰治が読んだら大笑いすると思うわ。
    真の友情って、そんな甘ったるいものじゃないのよ。

    「桜の森の満開の下」は、原作が薄く二重写しになっているようで、その透け感が不穏でよかった。
    「百物語」はなんとなく展開はよめたけれど、文体と雰囲気が絶妙に合っていてよかった。

    どれもこれも京都が舞台で、京大生の生態が面白おかしく描写されているのに、原作へのリスペクトが強く感じられるのは、作者の力量なのか、それとも人間性の故なのか。

    齋藤秀太郎や永田、芽野史郎や芹名雄一など、一部登場人物が重なりはするけれど、これはそれぞれ単独として成立している作品集。
    だけどそれはやっぱり森見登美彦ワールドの、愉快な作品群なのだなあ。

  • 初読

    作者プロフィールを見て、
    森見登美彦って兄大なんだーと走れメロスを読み始めたら
    京大の変人内輪ウケっぽい…このノリ苦手だわ…
    と読み進めていったらラストは結構面白い。
    ああそういう友情ね。そうねあるよね確かにね。

    山月記はあまり改変無しで、
    文学を志す京大の同級生とシンプルな設定。
    そしてやはりこの痛みはわかりやすい。
    「何者にも邪魔されない甘い夢を見続けていたいがために、
    いつ果てるとも知らない助走を続けて、結局俺は自分で自分を損なったのだ」

    藪の中はシンプルに現代的で、
    ミステリ的な真実はわかんないよね、を
    本質的なそれぞれの真実があるよね、な恋愛話に。

    桜の森の満開の下は
    本編を読んだ時に感じたわかるようなわからないような孤独を
    此方でもやはりわかるようなわからないように感じた。
    私にとってわかるようなわからないような孤独がこの作品なのかな。
    夜明けの哲学の道の桜、降り注ぐ花弁。

    百物語は存在自体を初めて知り。
    青空文庫で(この短編集の元ネタは全て読める、便利!)
    読み、とりとめが無いように感じる主題の読み取れなさに少し戸惑い。
    でもやっぱりこちらの短編集に流れる
    「傍観者であろうとする自意識」を感じ。
    傍観者というのは他の(何者)にも置き換え可能なのだけど。
    でも、森見版は、鷗外ほど嫌な感じの男ではなかった(笑)

    解説に
    青春特有の自意識の空回り、
    「自分が見た世界」と「他人が見た世界の落差」の残酷さ
    が森見作品の主題、そしてそれが山月記と藪の中に特に現れてる
    とあり、そうなら他の作品も読んでみようかな
    と思った(中村佑介イラスト本への食わず嫌い)
    しかし青春特有とあるけれど、今は自意識肥大の時代だから
    中年になっても、寧ろ中年の方が厄介なのかもね。

    最初に走れメロスを読んだ時はウッと思ったけど、
    全編通して読んだらかなり印象が変わって。
    それだから途中で読むのを止める、
    という事が私は出来ないんだなぁ。勿体なくて。

  • 自分の人生の、味がわかる、ということ。味わう、ということ。腐れ大学生たちの活躍ぶりが、さすが森見登美彦だった。

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