新釈 走れメロス 他四篇 (1) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041033692

作品紹介・あらすじ

芽野史郎は全力で京都を疾走した――無二の親友との約束を守「らない」ために! 表題作の他、近代文学の傑作四篇が、全く違う魅力をまとい現代京都で生まれ変わる! 滑稽の頂点をきわめた、歴史的短編集!

感想・レビュー・書評

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  • あの名作走れメロスの世界観!と思いきや、やはり森見ワールド全開でした。森見さんの作品に挫折を続けてきて今度こそは!と思いましたがやっぱりだめでした。疾走感、怒涛の展開は飽きさせないと思います。強烈なキャラの数々もすごいと思います。今度、森見さんの魅力を教わって出直してきたいと思います

    • misachi68さん
      こんばんは。
      森見ワールドダメでしたか...
      『有頂天家族』でお口直しはいかがでしょうか?狸のお話です。
      こんばんは。
      森見ワールドダメでしたか...
      『有頂天家族』でお口直しはいかがでしょうか?狸のお話です。
      2022/05/21
    • ちゃたさん
      misachi68さん
      ありがとうございます!
      有頂天家族、今度こそはがんばってみます
      misachi68さん
      ありがとうございます!
      有頂天家族、今度こそはがんばってみます
      2022/05/21
  • 森見登美彦さんらしい、京都を舞台にした大学生を主役にした古典作品をリブートした物語でした。
    中でも、本の主題にもなっている走れメロスは、阿呆な青春時代を強く感じられた。
    他の作品では、少し怖さも感じられるバラエティに富んだものになっているように思えます。
    面白かったです。

  • 走れメロスや三月記など、昔の有名な作品たちを現代風にアレンジした1冊。
    どれも笑えるし考えさせられるしで、印象的なものばかりだった。
    藪の中と百物語は原作を読んだことがなかったけど、十二分に楽しめた。
    でもやっぱり原作を知っていた方が面白いのかも。
    照らし合わせながら読むのに醍醐味を感じた。
    個人的に1番好きなのは走れメロス。
    主人公が、囚われの身となっている友人のもとから意地でも遠ざかろうとするのが最高にぶっ飛んでて好き。

  • 森見登美彦さんの作風は個性が出て好きです。
    奇怪で面白いけども筋が通っていてかっこよさがあります。読みやすくいい意味で漫画を読んでる気分でした

    山月記で好きな表現は、
    ・こうして溜め込んだおびただしい言葉にのうのうとあぐらをかいて、それで自分が本当に何事かを語ると信じていたのか。
    ・それらの言葉はてん(転?)で勝手に散らばってるだけで一向に繋がろうとはしなかった
    ・言葉への信頼…
    言葉への信頼は最近考えさせられることなので興味深かったです。言葉の儚さをある意味感じられました。

    走れメロスでの名場面はみんな同じだと思います

    ・約束を守るも守らないも問題ではないのだ、信頼するも信頼しないも問題ではないのだ。迷惑をかけていいだろ。裏切ってもかまわん。助け合いたいければそれもいい。何であってもいいのだ。そんなことはどうでもいいのだ。ただ同じものを目指していればそれでいい。
    なぜならば、だからこそ、我々は唯一無二の友なのだ

    この言葉を聞いて友達の概念を考えさせられました。例え裏切られようともそれを受け止められる友人を作りたいと思いました。

    桜の森の満開の下は、
    桜に埋もれた自分自身が怖かったのかなと思いました。
    降り積もるアイディアや楽しさが埋もれてしまい綺麗になるのが耐えられなかったんだろうと私は考えました。

    解説では、
    山月記⇒唐代伝記を中島敦が改作
    藪の中⇒芥川が今昔物語の一挿話をビアスの短篇「月明かりの道」の手法でマッシュアップしたもの
    走れメロス⇒ギリシア神話を元にしたシラーの詩を題材とした、リブート作品
    ⇒だからこの本では森見登美彦さんが独自にもうひと手間改変した

    藪の中
    強盗殺人事件を複数の話者の証言で語る。
    その手法を学生映画サークル内の切ない恋愛模様へと写像している。
    山月記
    プライドの高い詩人希望者を現代の遅れてきた文学青年のプライドに置き換え
    桜の森の満開の下
    青春の鬱屈という主題を掴みだし、枯れきった平成の世に再生させた。
    女を背負う。。
    背負うものがある
    解説の感想をメモみたいに書いてしまったですが、学ぶことが多く私の捉え方と文学的な捉え方の違いを知ることができ面白かったです。
    この本はなにか障壁が続いた時に読みたいです。
    滑稽な人生にも笑えるような感じをさせてくれます。それは自虐ではなく楽しんでるのです

  • 近代文学の傑作である「山月記」、「藪の中」、「走れメロス」、「桜の森の満開の下」、「百物語」を森見先生ワールド全開な感じの大学生たちに置き換えて新しい解釈のもと新しい物語として生まれさせた作品集。
    どの話の主人公もみんなちゃんと腐っており、読んでいて阿呆と言いたくなるような人たち。
    また、この短編だけでなく、過去作である「夜は短し歩けよ乙女」や、「四畳半神話体系」などの話・人物などが少しずつ登場しており、より楽しめる作品になっているところが良かった。

    「山月記」は、斎藤秀太郎という天才文学者崩れの青年の物語。「藪の中」は、映画サークルみそぎの恋愛模様?がいろんな人の視点から描かれる物語。「走れメロス」は、拗らせ過ぎた大学生の最低な友情物語。「桜の森の満開の下」は、文学で成功した青年の物語。だか、なんとなく妄想なかんじがする。「百物語」は、怪談、と思いきや、コミュ障な主人公の物語。

  • 名作のパロディ小説。
    原作を読んでなくても楽しめる。
    もう一度原作を読んでから、再読したい。

  • 森見登美彦さんの書くものは人によって好き嫌いがわかれそうですよね。私は好きなのでこちらの作品も面白く読めた。
    日本の五つの古典文学の登場人物を阿呆な大学生に置き換えて面白おかしく改変した物語になってます。読んでない原作のものも、ちゃんと読みたくなりました。登場作品は「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」。

  • 名作を京都を舞台として、若者たちが奔走する賑やかな話もあり、京都らしい雰囲気を味わえる短編小説。

    特に「走れメロス」が原作と違って面白い。王やその追手から逃げるために京都の街を走り回る、面白くも清々しい友情の話だった。

    百物語と桜の森の満開の下は、原作を知らないので読んでみたい。どちらも京都の美しくひんやりとした雰囲気がよかった。

    2021年9月8日

  • 森見ワールド全開の走れメロスが好き。

  • 森見登美彦風近代文学名作5篇。

    『走れメロス』が想像を超えるバカバカしさになっていて、おもしろかったです。
    『桜の森の満開の下』は桜の美しさと息苦しくなるようなストーリーが合わさって、なんだか不思議な感覚でした。

    どの作品も京都が舞台で、これまでの森見作品とリンクしているところがあったりで、楽しめました!

  • 覚悟はしていたが、そこはやはりさすがの森見登美彦ワールド。
    表題作「新釈 走れメロス」は靴下を裏表ひっくり返すように太宰メロスを見事に裏返しにして見せた。
    著者の後書にあるように文学史に名を残した人達の名と自分の名を強引に結びつけることに成功していると思う。

  • 古典文学を現代版森見登美彦風味にした物語。
    原題を知らなくても面白く読めるけど、知っていれば尚面白い。
    森見登美彦の遊び心というか、得意技というか、短編はすべて、おなじみ京都の某大学(詭弁論部も健在)が舞台で、登場人物たちも全てに共通して繋がっている。
    なので、読み進めれば進めるほど、登場人物に深みと愛着がまして面白くなる。
    ぜひ、他の古典文学でも書いてほしい!

  • たのしい
    いろんな人がいて百物語の時は誰が誰ダァってなってしまった。
    藪の中がよくわからないから元ネタのやつ読んでみたいなぁと思った。
    京都に行って、北白川通り歩きたいなぁ

  • 五つの物語は、一つ一つは短く、テンポよく読むことができ、かつ、それらは同じ世界線に属しているため、一気に読み切ることができます。

    それぞれの文章に癖があって、面白いです。
    特に、本の表題にもなっている、「走れメロス」は、登場人物達の掛け合いが、漫才のようなテンポで続いていき、とてもリズミカルな文章で好みでした。

    森見登美彦さんの本を勧める時には、本書を是非勧めたいです!

  • 「友のために君は踊れるか?」

    男は走る。
    友の(事を見捨てる)為に。

    懊悩し、葛藤し、
    正義を冒涜して疾走する。

    真の友情はパンツ一丁で語るものだ。

    名作達を、全速力で駆け抜けろ!

    「なんだか、たくさん間違っているぞ!人として!」

    /////

    『山月記』『藪の中』『走れメロス』『桜の森の満開の下』『百物語』を森見エキスに浸して掬い上げた、誉れ高い逸品!

    どれも愛おしい作品ばかりですが、『百物語』が構成と雰囲気込みで個人的に好き。これから読む作品のキャラも出てきてて…楽しみ

  • 教科書で読んだ「走れメロス」がこんなことになるなんて(笑)同じく腐れ大学生として無為に過ごしていたあの頃の自分までもが愛おしい。

  • 山月記と走れメロスしか読んだことがなかったので、青空文庫で「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」をすべて読んでから本作を読んだ。
    結果的に古典の名作を5つ楽しめた。意外と(当たり前だけど)原作がよかった。
    とくに「桜の森の満開の下」なんかすごかった。
    これで森見氏の思惑通りなのかもしれない。
    その上で本作を読むと原作へのリスペクトがしっかり感じられてよかったです。

  • 中島敦『山月記』、芥川龍之介『藪の中』、太宰治『走れメロス』、坂口安吾『桜の森の満開の下』、森鷗外『百物語』のオマージュ作品集。

    主要な登場人物は京都の某大学の勉強に熱心ではない大学生たち。さすが森見氏、どの作品も面白かったです。漫画っぽい!と感じますが、森見氏独特の文章で魅せている作品ですので漫画にするのは少し難しい作品のような気もします。

    京都に縁があるので、あちこち見知った地名が出てくるのもまた楽しかったです。

    久しぶりに難しいことは何も考えずに読みました。

    【kindle unlimited】で読了。キャンペーンで久しぶりに使いましたがやっぱり合わないなぁ。欲しい本は買っちゃうし、連載物は1巻だけ読めても意味がない気がするし。全巻読めますよ!ならいいんですけどねー。

  • のっけから、かの有名な、山月記の「人生は何事も為さぬにはあまりにも長いが、何事かを為すにはあまりにも短い」という台詞が、俗世間を離れて小説を書くことに没頭したモラトリアム大学生が同期が卒業していくのを前に悠々とその台詞を言い放つ、なんてアレンジを施されて出てくる。そうなると、ああ森見ワールドのキャラクターならそんな台詞言いそうだな、と違和感の無い妙な説得力があって独特の面白みだった。

  • 四つの話の中で走れメロスが一番好きだった
    原作と全く違うぶっとんでる 森見登美彦って感じ
    桜の森の満開の下は元を知らなかったので読みたいと思った

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著者プロフィール

1979年、奈良県生駒市に生まれる。小説家。『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー、最新作は『シャーロック・ホームズの凱旋』。好きな食べ物はチャーハン。城崎にて人生初のスマートボールを楽しむ。

「2024年 『城崎にて 四篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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