最後の晩ごはん 師匠と弟子のオムライス (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 975
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033708

作品紹介・あらすじ

夜だけ営業の定食屋、「ばんめし屋」店長、夏神のもとに入った一報。それは夏神の師匠が営む洋食屋が、近々閉店するという報せだった。元俳優で店員の海里は、夏神と共に師匠の店へ行くことになるが・・・・・・。

感想・レビュー・書評

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  • 洋食店の師匠との邂逅によって、これまで飄々として弱い部分を見てなかった夏神の人間らしいところがたくさん見られ、それと同時に海里の人間としての成長も確認できるストーリーだった。

  • 安定感。こういうある程度読める筋でありつつも最後まで読ませるのが意外と難しいんだよな、って最近思う

    2023.9.9
    151

  • 夜だけ営業の定食屋<ばんめし屋>シリーズ第5作。
    今回は夏神の料理の師匠・船倉の登場により、以前から気になっていた夏神の過去が明かされる。

    夏神が山の事故で大切な人(やっぱり夏神の彼女だった)を亡くした後、どうして定食屋を開くことになったのか。
    夏神の料理の師匠の話でその理由が分かり、まるで海里の過去を見るかのような因縁話に上手くできてるなと感心する。
    自暴自棄になりながらもどこかで助けてほしいと叫んでいた夏神を船倉が助け料理を教え、その夏神はやはり自暴自棄で自分を見失っていた海里を助け、その海里は主を失って途方に暮れていたロイドを助け…こうやって巡り巡っていろんな人(だけじゃないけど)の繋がりが出来ていく。

    師匠の死、幽霊となった師匠の成仏のために一肌脱ぐことにした夏神と海里たち。そのときに寄り添う海里の様子は…今回もごちそうさまでした。
    弱ったイケメンもまた良し。

    洋食屋の師匠の元で働いていた夏神が何故「定食屋」を選んだのか。
    お客様の晴れの日を演出したい師匠と、お客さんの居場所『家』を作りたい夏神。どちらも素敵だし、師匠の店のように亡くなってもなお閉店の日に大勢のお客さんに惜しまれるということが、師匠がこれまで築き上げてきた日々を表しているのだろう。

    そして夏神は過去の山の事故にようやく向き合う勇気を持てた様子。
    次回はそっちがメインになっていくのか。

  • 夏神さんの師匠が店を畳むことにしたと連絡があり、店にみんなで行く事に。
    師匠はよくいる親父といった人柄で、夏神さんの父といってもいいほどのひと。
    夏神さんにとっては色々克服するための一歩を踏み出す話です。
    海里くんの兄が頼られて嬉しそうにする様を想像するとにやけます。バラされて今度二人が会った時に海里くんが話したらきっと照れるんでしょうね。もっと仲が縮んでほしいです。

  • 最後の晩ご飯シリーズ、第5弾。
    今回は、表紙を見て、え、この素敵な洋食屋さんは何だろう?
    と首をかしげたのですが…そういうことでしたか。
    夏神さんの凄すぎる過去と、意外なもろさが明らかになる。
    そして、ちょっとしっかりしてきた海里、今回頑張ったロイドさん、頼りになる兄夫婦…
    キャラクター同士の絆が強くなっていくのが嬉しい、シリーズものです。
    良いお話でした。

    師匠、冷蔵庫のプリンをまだ食べていなくて心残りなのかと思ってしまいました(笑)

  • とってもいいお話だった‼︎

  • 読書メーター(2019/10/31)より転記: 夏神の過去と、三世代(?)対面。普段どっしり構えててくれる感じの夏神さんを海里が支えるという滅多に見られない構図に、ちょっとにやにやしてしまったりなど。無事に送れて&試験合格できてよかったね、夏神さん。

  • 夏神さんの師匠(海里にいわく大師匠)が引退を決意した、という知らせを受けて三人はお店へ(海里とロイドは初対面)。この大師匠、とってもいい人で夏神さんは今も頭が上がらない。ところがこの大師匠が突然死してしまい、身寄りのない大師匠のために片づけに行ったらなんと心残りがある様子でお店にいた!
    大師匠の心残り解決のため、三人が奮闘します。そして、最後に海里の元所属事務所の社長との会話。海里は、何らかの形で芸能界にまた関わっていくのかしら?

  • 夏神の料理の師匠、船倉の急死を受けて、夏神、海里、ロイドが一日限り師匠の洋食店を開いて常連客をもてなすことで師匠の思いを遂げようとするお話。夏神が師匠を慕う思い、海里が夏神に寄り添いたいという思いが丁寧に描かれていて、なんだか胸がいっぱいになった。
    夏神がどんな経緯で船倉の弟子になり、どんな思いで定食屋『ばんめし屋』を開いたのか。このシリーズを読みながらなんとなく気になっていたこともだんだん明らかになってきて、なんだかいいお話だなあと思った。料理を通して人と人のつながりや、傷ついた心の回復を描いているのかなあと思った。相手を思いやったおいしい料理は人を幸せにしてくれるよね。毎日料理を作る身として、忘れてはいけない原点に帰らせてもらえた。

  • 5冊目は店長とその師匠の話。
    おお、そもそもは洋食屋さんで
    修行していたのか。

    店じまいを決意した師匠と
    成長した姿を見てもらおうと思う店長。
    で、くっついていく孫弟子(笑)
    カイリ君は人の懐にうま〜く入り込むよね。

    久しぶりにまたシリーズ手に取ったけど
    この一話完結感がやっぱり好き。

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著者プロフィール

作家。監察医。講談社ホワイトハート「人買奇談」にてデビュー。代表作は「鬼籍通覧」シリーズ、「奇談」シリーズ(講談社)、「最後の晩ごはん」(KADOKAWA)、「時をかける眼鏡」(集英社)など多数。

「2023年 『妖魔と下僕の契約条件 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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