- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041033753
作品紹介・あらすじ
学校の七不思議にまつわる怪談やマンションの部屋で聞こえる不自然な音、真夜中に出るという噂の廃病院で見た白い人影、何度しまってもいつの間にか美術室に置かれている曰くつきの白い画布……。小野不由美が初めて手掛けた百物語。文芸評論家・千街晶之氏は「この世のあちこちに人知れず潜んでいる怪異が、不意にその姿を顕す。日常があり得ざる世界へと暗転する一瞬を確かに捉えてみせた傑作怪談」と単行本発売時、推薦文を寄せた。文庫解説を担当した稲川淳二氏は、「怪談とはどういうものかを知りたければ、この本を読めば分かります」と絶賛。「作品全体の質感を一言で表現するなら、”うっすらとした闇”です。」(解説文より)。山本周五郎賞受賞傑作ホラー『残穢』(新潮文庫)と内容がリンクしていると話題の本書。『残穢』は、実写映画化(監督:中村義洋『予告犯』『白ゆき姫殺人事件』、出演:竹内結子 橋本愛)、2016年1月30日(土)公開!
「幽」公式サイト http://www.kadokawa.co.jp/yoo/
感想・レビュー・書評
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ショートショートのホラー版って感じ。
(星新一さんみたいに、Yさんみたいにアルファベットが名前になってる)
そんなドロドロしたオドロオドロしい感じではない。
「夜遅くまで起きてたら、お化けに拐われるで!」とか、「ここで遊んだら、お化けが出るで!」みたいな子供に言い聞かせるようなのが、実はほんまや〜みたいなのが多い短編集100ぐらい(多いので数えてません〜^^;)。
作者は、読者からの手紙に書かれていた体験談をもとに作りあげたそう…どんなけ、体験談送ってくんねん!って感じ。
1、2ページ程度の話が多いので、結末はそれぞれ自身で考える感じなんで、それぞれ感じ方は違うかな?
しかし、こんなちょっとした隙に出て来られたら、もう暗いとことか、人おらんとこ行けん〜(⌒-⌒; )
ほんまに短時間でも時間があれば、一話読めるのでええけど、やっぱり怖い。
「グリコ」が怖かった〜何か、途中で終わる時は、ちゃんと終わる時、会って確認しないと…大人になってから………詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私は怪談は特に怖くないのです。生きている人間の方が恐ろしいし、幽霊は魂が生き続ける証拠、それゆえ希望がもてるからです。
そんな私でも背筋が少し冷たくなりました。この怖さはどこから来るものなのか考えながら読みました。1話につき3~5頁。 -
同著者の「残穢」に出てきて気になっていたもの。怪談短編が99話も載っていて、短いものは1ページ、長い物でも4ページくらいで、とても読みやすいし隙間時間にも良い。
フィクションとして読んでしまったけど、読者からの体験談をもとに作った作品らしい。
金縛りに合う話が多かった印象。金縛りに合うと何か変なものが見えてしまったり聞こえてしまったりする事が多いようだけど、自分がなったことないのでどんな感じなのか興味深い。 -
学生の読者からの投稿が多いのか、学校の怪談が多め。
小野不由美は実話怪談でも、とても読みやすい。
百物語…ではなく、99話。
100話してしまうのは、なにやらまずいらしい。
『残穢』に続く話は、すぐに分かった。
やはり怖い。
『第七コース』の話が印象的。
私は学生時代水泳部だったので、余計怖い…。 -
読者からの手紙を元に作られた超短編の怪談が99話。(100話目が残穢らしい)
子供が好きそうな怪談が多く、サクッと読めるなーと思いながら頁を進めると、めちゃくちゃゾクっとする話が紛れ込んでます。なので油断しちゃいけません。
実話ベース(?)なのでオチが無く不可解なまま終わる話も多いから余計に怖い。
残穢とリンクした話が数話あるらしく、私がそれに気づいたのは「お気に入り」。
残穢を先に読んでたので、情景が嫌というほど鮮明に頭に浮かんでゾッとした。
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怪談の良いところは五感がフルに働いてくれるところにある。文書から五感すべてで触れている気がする。内容か短いにも関わらずしっかりと浸ることができた。
でもさすかに量が多かった、、 -
一話一話は短く読みやすくて、そこまで怖くないはずなのに、
読み貯めていくと正体不明の恐怖感が心の中に増殖します。
「なんかトイレとかお風呂行きにくい」「寝る前は読むの止めとこうかな」「家族のいる時間に読もう…」ってなる。
かと言って、じゃあ何がどう具体的に怖いのかと聞かれても、自分でもよくわからない。
とにかく心地よい不気味さがあります。
最後に稲川淳二さんが解説されており、それも含めて【怪談】ってこういうヤツか!!ってとても腑に落ちる。じっくり2回読みたくなりました。 -
とても読みやすい怪談集。
しかしこれ百景と言っておきながら実際は1話足りない。
この1話が残穢に繋がるのだろうが、そういう細かいディテールも含めて流石だなぁと思う。
怖い!とまではいかないが、やはり想像を掻き立てられるものがあり、ホラー好きにはたまらずニヤリとしてしまう話もいくつか。
短い話が多いので、移動中や休憩時間に読見やすい本だと思う。 -
さくさく読めるんだけど時々めちゃくちゃ怖い話がブッ込まれているので最後まで気を抜けなかった。
小野不由美の文章力が今作でも良さしかなくて最恐だった。
私は『残穢』よりもこっちの方が怖かったかも。
でも好きだなあ。
小野不由美の描くホラーはフラナガンの描くホラーと一緒だね。
どの話もただそこに怪異があって幽霊らしきものもいたりするんだけど、原因を探ったりしないし、謎解きも干渉もしない。
そこが良い。
稲川淳二の解説もめちゃくちゃ良かった。因みに2日で160ページくらいの怪談話を読んだら余裕で夜中に目が覚めました。 -
サクッと読める短さで、ほどほどに不気味で、原因がわからないものや解決しないものもある、というところがリアルでとてもよかった。決定的に怖いわけではないけど、なんとなく背筋がひんやりするような、なんだかドアの隙間が気になってくるような本。