- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041033814
作品紹介・あらすじ
「もう絶対にいやだ、家を出よう」。そう思いつつ実家に居着いてしまったマサミ。事情通のヤマカワさん、嫌われ者のギンジロウ、白塗りのセンダさん。風変わりなご近所さんの30年をユーモラスに描く連作短篇集!
感想・レビュー・書評
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マサミ、両親の飾らな過ぎる日常に嫌気が差しながらも独立の機会を逃し、四十の声を聞いてしまった。
友人・知人からは「パラサイトシングル」とか「お金たまっていいわね」などと言われるが、それと同等の気苦労も背負っているつもりである。
このご時勢だし田舎じゃないので、村ぐるみ町内ぐるみで独身を責められたりはしないが、中には手ごわい人たちもいる。
筆頭はうわさ好きのヤマカワさんで、いつも箒で町内を掃きながらうわさを聞き込んでまわり、特にマサミに男の影がないかどうかについては、芸能記者並みの夜討ち朝駆けで取材に余念がない。
しかし、この本は、ヤマカワさんの情報なくしては成立しなかったのではないかと思われる。
“事案”じたいは、よく目にするものである。
多くの小説ならば、「そこに近所の人が手を差し伸べて人情で解決する」という『いい話』に転じるものだが、そういうラストは一つもない。
『いい人』は出てくるが、「転じる」ことはなく、元からいい人なのだ。
日常は小説と違って、そんなに簡単に問題は解決しませんよ。
人間は他人の干渉ですぐに変ったりなんかしませんよ。
いい人はずっといい人だし、嫌なヤツが改心することなんてないの!
…と言い放つ、作者の顔が浮かんでくるようだ。
そうそう、日常ってそんなもんだよね、と妙に納得してしまうのは、さすがに面白く、時にキョーレツな描写で、説得力のある文章のおかげだ。
『マサミの家』
40代独身OL、実家暮らしのマサミ。
そろそろ介護予備軍?
『嫌われ者のギンジロウ』
ヤのつく人ではないのよね?
『幼なじみのオサムくん』
オサムくんは座布団みたいな顔だが、お母さんは女優さんみたいにきれいで、なぜかマサミのことを気に入っている。
『白塗りのセンダさん』
お嬢様がそのまま古くなると、こうなるパターン。
『アパートのインド人』
日本で成功すると一族を呼び寄せたがる癖があるのがアジア人。
うちの近所にもたくさんいる。
子供は地元の学校に通い、日本語ペラペラです、ご心配には及ばない。
『勧誘熱心なセトさん』
個人的に、この人が一番かかわりたくない人。
『大家のバンバさん』
うちの向かいのマンションに、絶叫ルームが二軒あります。
子供は仕方ない。
『憧れのセンドウさん』
生まれてから40年同じ土地に住み、地元住人や風景の変化を目の当たりにしてきたマサミ。
この街の良心…みたいな老夫婦。
オチはお母さんの言動?
何気にお母さんのキャラクターが面白い一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ストレスのたまるお話の数々。
面白ろおかしく読み飛ばすことができず、こんな住人がいたら辛いなぁと
むしろ読んでいて気持ちが落ち込みそうに。
読書傾向がかわってきたのか
群ようこさんの本があんなに好きだったのが
嘘のよう。 -
昭和時代のご近所あるある。
楽しい話しではない。 -
こういうなんでもない日常系ほのぼの系大好き。
所々毒あるのも良き。 -
こんなご近所さんいるいると思いながら読んでた(笑)
お節介な人や周りの人のことをやたら調べる人…
それがその人の生き方だったり、周りの人を楽しませる存在だったりするんだろうなとは思うけど…。
読み進めると、くすっと笑える本!! -
ご近所さんあるあるでちょっぴり昭和の感じが懐かしく面白かった。噂好きのヤマカワさんも面白く笑えました。
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ただの近所の噂話。
日常を丁寧に生活している人たちが群さんの話にはよく出てきてそこが好きだったのに、今回は噂話が好きな下品な人たちが多くて、共感できない。
それが日常だよって言われればそうなんだろうけど。 -
マサミ、40歳、独身、両親と実家暮らし。
風変わりなご近所さんの30年をユーモラスに描く連作短篇集。
うわさ話が好きで情報通の隣人、嫌われ者のおじさん、変な宗教にハマって勧誘してくるおばさん等々、良き昭和の雰囲気、普通に面白かった。
(図書館) -
なんとないご近所さん達の話。こんな人は、うちの近所にもいるなぁ的に気軽に読める本でした。最後のセンドウさんのように私もなりたい。うちの旦那さまなら大丈夫だと思うけど?
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個性派揃いやな〜、ご近所さん。
うわさ話好きの人、いる、いるいる。
ガミガミいう人、いる、いるいる。
気になるインド人に白塗りのおばちゃん。
無理無理勧誘しようとする人……考えたらどこにでもいそう。
この人達がすべてご近所さんなら毎日飽きることがないぜ!
そして、あたしはそのご近所さんをじっくり観察する人という位置にいそうだ(笑)。