うちのご近所さん

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 198
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033814

作品紹介・あらすじ

「もう絶対にいやだ、家を出よう」。そう思いつつ実家に居着いてしまったマサミ。事情通のヤマカワさん、嫌われ者のギンジロウ、白塗りのセンダさん。風変わりなご近所さんの30年をユーモラスに描く連作短篇集!

感想・レビュー・書評

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  • マサミ、両親の飾らな過ぎる日常に嫌気が差しながらも独立の機会を逃し、四十の声を聞いてしまった。
    友人・知人からは「パラサイトシングル」とか「お金たまっていいわね」などと言われるが、それと同等の気苦労も背負っているつもりである。

    このご時勢だし田舎じゃないので、村ぐるみ町内ぐるみで独身を責められたりはしないが、中には手ごわい人たちもいる。
    筆頭はうわさ好きのヤマカワさんで、いつも箒で町内を掃きながらうわさを聞き込んでまわり、特にマサミに男の影がないかどうかについては、芸能記者並みの夜討ち朝駆けで取材に余念がない。
    しかし、この本は、ヤマカワさんの情報なくしては成立しなかったのではないかと思われる。

    “事案”じたいは、よく目にするものである。
    多くの小説ならば、「そこに近所の人が手を差し伸べて人情で解決する」という『いい話』に転じるものだが、そういうラストは一つもない。
    『いい人』は出てくるが、「転じる」ことはなく、元からいい人なのだ。

    日常は小説と違って、そんなに簡単に問題は解決しませんよ。
    人間は他人の干渉ですぐに変ったりなんかしませんよ。
    いい人はずっといい人だし、嫌なヤツが改心することなんてないの!
    …と言い放つ、作者の顔が浮かんでくるようだ。

    そうそう、日常ってそんなもんだよね、と妙に納得してしまうのは、さすがに面白く、時にキョーレツな描写で、説得力のある文章のおかげだ。


    『マサミの家』
    40代独身OL、実家暮らしのマサミ。
    そろそろ介護予備軍?

    『嫌われ者のギンジロウ』
    ヤのつく人ではないのよね?

    『幼なじみのオサムくん』
    オサムくんは座布団みたいな顔だが、お母さんは女優さんみたいにきれいで、なぜかマサミのことを気に入っている。

    『白塗りのセンダさん』
    お嬢様がそのまま古くなると、こうなるパターン。

    『アパートのインド人』
    日本で成功すると一族を呼び寄せたがる癖があるのがアジア人。
    うちの近所にもたくさんいる。
    子供は地元の学校に通い、日本語ペラペラです、ご心配には及ばない。

    『勧誘熱心なセトさん』
    個人的に、この人が一番かかわりたくない人。

    『大家のバンバさん』
    うちの向かいのマンションに、絶叫ルームが二軒あります。
    子供は仕方ない。

    『憧れのセンドウさん』
    生まれてから40年同じ土地に住み、地元住人や風景の変化を目の当たりにしてきたマサミ。
    この街の良心…みたいな老夫婦。
    オチはお母さんの言動?
    何気にお母さんのキャラクターが面白い一冊でした。

  • なんとないご近所さん達の話。こんな人は、うちの近所にもいるなぁ的に気軽に読める本でした。最後のセンドウさんのように私もなりたい。うちの旦那さまなら大丈夫だと思うけど?

  • 個性派揃いやな〜、ご近所さん。
    うわさ話好きの人、いる、いるいる。
    ガミガミいう人、いる、いるいる。
    気になるインド人に白塗りのおばちゃん。
    無理無理勧誘しようとする人……考えたらどこにでもいそう。
    この人達がすべてご近所さんなら毎日飽きることがないぜ!
    そして、あたしはそのご近所さんをじっくり観察する人という位置にいそうだ(笑)。

  • 40過ぎて独身実家暮らし。そんな主人公の近所に住む人々の話。噂好きのお隣さんや、横柄で嫌われ者のおじさん、皆に憧れられている素敵な老夫婦。どの人達も、主人公一家も何十年とそこで暮らしているからこその話。こんなご近所付き合いって田舎ではまだあるけど、街中ではもうないんだろうなぁ。さらっと読めるけど、物足りない感が強かった。

  • 40歳独身のまま、ずっと実家で両親と暮らしているマサミ。

    噂好きのご近所情報通のヤマカワさんのおせっかいと、マサミの近所の人たち。

    威張りちらすことしかしない嫌われ者のギンジロウ。
    お母さんは美人だけど、当の本人はごつい顔の幼馴染のオサムくん。

    所有しているアパート住人の騒ぎすらも拒絶する、人嫌いの白塗り厚化粧のセンダさん。
    アパートにたくさん住み着いていたインド人との交流。

    新興宗教の活動も勧誘も熱心なセトさん。
    大家のバンバさんのアパートで泣き叫ぶ子供の声。

    誰もが憧れ慕うセンドウさん老夫婦。

    なんだかんだ、マサミもご近所の事情が気になる一人。
    もしかしたら、
    どの地域もマサミ近所みたいなものなのかもしれないけれど、
    こんな地域、嫌だなあ笑

  • ストレスのたまるお話の数々。
    面白ろおかしく読み飛ばすことができず、こんな住人がいたら辛いなぁと
    むしろ読んでいて気持ちが落ち込みそうに。
    読書傾向がかわってきたのか
    群ようこさんの本があんなに好きだったのが
    嘘のよう。

  • 少し下世話なご近所話。
    ユーモラスに描かれているからまだ救われる。
    コミュニティーが狭いのか、うわさ好きが多きのか、情報がすぐに回る。
    こんなに問題が多いと、現実にはもっとギスギスしそう。
    笑って話せるのは、それほどの問題ではないのか。

  • 2016/11/27 読了

  • 家を出ようと思いつつ実家に居着いてしまったマサミ。ご近所には、白塗りのセンダさんなど奇妙な人がいっぱいで…。ご近所さんとある一家の30年をユーモラスに描く連作短篇集。『本の旅人』連載を単行本化。

    なんとなくあるあるです。

  • 親しみやすい内容かと・・

    私が育った時代にもあったような内容ばかり。
    怖いご老人もいらしたし、お世話好きなおばさん方も・・
    母が生きていたら、こんな事もあったよねと語り掛けたいところです。
    私には人生の前半と後半のご近所さんとの関りがありますが、本書のマサミさんは40代になっても子供の頃と同じご近所さん。
    母親ともずーっと一緒なので、同じ場所での長ーい暮らしが感じられその変遷を味わわせて頂きました。

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プロフィール

群 ようこ(むれ ようこ)
1954年、東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。広告代理店に就職するが半年で退職。6回の転職を経て「本の雑誌社」に事務職で入社。やがて本名で『本の雑誌』に書評を執筆しはじめ、1984年『午前零時の玄米パン』でデビュー。同年退社し、作家専業となる。
代表作として映画のために書き下ろした『かもめ食堂』、ドラマ化された『パンとスープとネコ日和』など。

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