- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041033845
作品紹介・あらすじ
くにさきみさと、フリーター、札幌在住、常にマスク着用のため自称“口裂け女”。そんなモラトリアム系乙女が巻き込まれる、おかしみと切なさにあふれた人間模様。その結末は? 野性時代フロンティア文学賞受賞作。
感想・レビュー・書評
-
マスクなしでは外出できず、いいたいこともうまく言えない。なんとかレンタルビデオ店のバイトをしているが仕事もうまくいってるとは言えない。
でも、なぜか読んでいると面白い。マスクしてるだけで接客業としてなってないと言われている。今では考えられないが以前はこうだったかも。
周りの人間も何かがおかしい。本人たちが自分は普通だと思っていそうところも面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生きづらい、なんでそんな極端に内に閉じこもるのか分からないような、何考えてるのか分からない人の考えていることが少しだけ分かった。
最後の展開は衝撃的だったけど、周りの人からそれぞれのサクセスストーリーを作るために利用されるのに耐えられないという感情は、自然なものなんだろうなと思った。
過去の言動を鑑みずに自分の未来を押し付けるのが気持ち悪い。善人ヅラしてる。
全体的に共感は出来ない。でも、周りのそういった人にちょっとだけ話を聞かせて欲しいと思った。多分ボロクソに言われるんだろうな。 -
女。23歳。ビデオショップのフリーター。一人称。
-
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
図書館で何冊か本をパラパラと流し読みをすると、それらはどこかハイテンションで、何か大きなイベントがあって最後はみんな幸せになる本ばかりで、正直うんざりしていた。「いや違えんだよ、こっちは鬱蒼とした!ジメジメした!でもちょっと最後に気持ちが晴れるヤツが欲しいんだよ!」と静かにキレながら探したら出会った。『この話を必要とするひとが必ずいるとかんじられる作品』なんて帯に書かれてたけど、間違いない。私と同じことを思って本を探している人にオススメ。マスクつけたコミュ障(この一言で片付けてはダメだと思うけど)の女の子が、周りの妖怪(人間)の言動に押し殺されながらも毎日を日々少しずつ変わりながら生きていく話。ラストシーン、スッキリした、そして勇気と活力をもらった。ありがとう。
-
■ 1711.
<読破期間>
2017/1/30~2017/2/1 -
変わるだの変われだの言って、すぐ一般化してしまおうとするのは日本人の特徴だと思います。あるべき姿というのが何となく決まっていて、それから外れる人がいると型に押し込もうとする。きっとそれは正しいことなのでしょう。この物語は悪人もあるいは善人も登場しませんが、正しいことが絶対的に正しいわけでもなく、間違っていることが絶対的に間違っているわけでもない。それぞれに違った世界があり、自分の世界や自分勝手な同情を押し付けるのはダメなことなのかもしれません。この物語に救われる人はもちろんいると思います。じゃあ、他の人はって考えたときにこれからの時代を生きていく私たちに何か重大な問題を投げかけている気もするのです。
-
自分の考えを正しいと信じて疑わない主人公の周りの人々に読んでて苛立ちを感じた。でも、主人公にもモヤモヤしたものを感じた。もっと上手に人生生きられるんじゃないのかな。最後あんなにはっきり言えるんだったら最初から言えば良かったのにとか。人の事にははっきりと口を出せるけど自分のこととなると甘くなるのは私も主人公と同じか。
-
正論を振りかざして
賢しげにふるまう周りの滑稽さ
「ちゃんと生きろ
真面目に生きろ」って
うるさいねん
巻末の文学賞の選考評にて
「この本を必要としてる人が必ずいる」から
大賞を受賞されましたが
ここにいます!!!
著者プロフィール
阿川せんりの作品





