レインツリーの国 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.70
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本棚登録 : 912
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034323

作品紹介・あらすじ

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。やりとりを重ねるうち、僕は彼女に会いたいと思うようになっていた。しかし、彼女にはどうしても会えない理由があって――。2015年11月映画公開

感想・レビュー・書評

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  • この本は私の大切にしている本の1つです。

    〝救急車で病院に担ぎ込まれるような重病人が近くにいても、自分が指を切ったことが一番痛くて辛い、それが人間だ。〟

    上手く言葉に出来ないのですが、
    この言葉を目にした時に、持てるだけの綺麗事を並べてどれだけ「違う」と抗っても、それは全く何の抵抗にもならずに心にストンと落ちてしまうような感覚を持ちました。


    人それぞれに辛いことがあり、思うところがある。それを盾にして全てを遮断してしまうのは簡単ですし、その事で自分を悲観するのも自由です。でも、だからって人を傷つけて良い理由にはなりません。

    誰かを思うあまりに空回りをしてすれ違い喧嘩になってしまうことなんてざらにあります。頭では「努力なんてものは他人には分かってもらうようなもんじゃない。影でするから、見えないからこそカッコいいんだ。」なんて事を思いながらもその相手からそれを〝当たり前〟と思われたり気が付いてもらえなかったりすると腹が立つ。物凄い矛盾していますが、きっとそれが私達なんです。
    あなたが私では無いように、私もあなたではないからお互いに全てを分かり合えるなんてことは無理。それでいいじゃん!!

    前に「友達になる中で一番大切なこと」というのを聞いたことがあります。私は色々な事を考えました。でもどれも大切に思えて一番と言われると何か分かりませんでした。
    その答えは「相手が大切にしている事を決して馬鹿にしない事」というようなものでした。それぞれ自分が大切にしている物事は違うはずです、そして分かり合えないと違うと分かっていてもそれを馬鹿にされるのは本当に嫌なことです。
    違うからこそ面白いことだって沢山あります。違う事によってすれ違う事だってあります。それはある一定の部分では仕方のないことなのかもしれません。ですが、私たちには相手を思い、その思いに寄り添う心を持っています。
    だから、違いによって拒絶をしたり、心を閉ざすような事はしなくていいんです。


    だから〝ボクはボクらしく。〟
    そして〝キミはキミらしく。〟
    って初めから探すようなものではないんだと思うんだ。

    ボクはキミじゃないし、
    キミもボクじゃないから、
    すれ違い…、手を繋ぐ…、
    そこには〝愛〟だって生まれるそういうもんだろ

  • ここまで突き放して、わがまま放題やって、
    はたして現実の男性(人間)は付いてきてくれるだろうか。
    しかも、会って間も無い段階で。
    いくら何度かメールのやり取りをしていても。
    ありえない、と、
    おとぎ話のように感じた反面、
    本当にこんな人がいたら、救われるのになと思いながら読みました。

  • 今日(2015/09/26)本屋でたまたま目に付いて購入。
    24日に角川から発売されたばかりなそうな。
    図書館戦争は何年か前に読んでいたので本作がどんな話かはある程度理解していました。

    読む前は正直ただのスピンオフで図書館戦争のついでに書いたのだろうと舐めていましたが、登場人物のコンプレックスや過去の体験がちゃんとその人格に表れているリアル感なんかが想像以上に共感できたし、恋愛は相手によってだいぶ難易度が変わるんだなと改めて感じました。

    それにしても有川さんが書く掛け合いは引き込まれますね。
    ベタ甘も久しぶりにニヤッとしました。

  • 伸君がとっても素敵。
    女性の内面に惹かれ,好きになったら
    面倒くさい女の子でも,とことん尽くして
    一途なところ。
    こんな男の人に好きになってもらえたら
    幸せだろうなと羨ましくなるような男性でした。
    なので,その分,ひとみちゃんがわがままに
    見えてしまって。
    自分にもそんな部分があるからでしょうか。
    そんな欠点を自覚してるところが救いでしたが
    二人幸せになって欲しいなと思える話でした。

  • ブログを通じて知り合った素敵な彼女は、実は難聴者だった。

  • 読了:2017.8.19

    ネットで知り合ってメールで仲良くなって会いたくなって…って流れは直前に読んだ「REVERSE」とだいぶかぶってしまった(笑)

    けど、本質のテーマは違うから。心許せる人だから本心を言いたいっていうワガママな気持ちの葛藤に共感。ネタバレしちゃうからここまで。
    ------
    ◆内容(BOOK データベースより)
    きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった――。

  • 伸の関西弁の熱すぎるメールと、青春菌大繁殖の恋愛ものに、歳のせいか少し胸焼けしたが、まずまず面白かった。

  • ○さくっと読める恋愛小説で
    ○感情描写が丁寧で
    ○男の性格が女子のツボを押しまくり読み手を悶えさせつつもこんな男いねえよと突っ込ませ、
    ○想像通りの安心の展開で
    ○読後感スッキリ。

    植物図鑑に続いて一気読みしましたが、(一時間もしないでしゃしゃっと読める)植物図鑑と同じく、上記の理由により、私の心の中で絶妙癒やしカテゴリに分類されました。描写も丁寧で、きちんと障害について調べた上で、作者が主人公の女の心の機微を実に丁寧にすくうよう取り組んだことがありありとわかり、たまに月九に出てくる、障害のある彼女との純愛、ってテーマを月九でやるときみたいにびっくりするほど薄っぺらいやつとは一線を画します。
    疲れたときに読みたい人だなーほんと。

  • 気がついたらガーッと読んでしまった。コンプレックスを抱える側しか知らない自分にとって、どう思われてるか少し知れた気がする。まだ仲良くしている人たちにがっかりさせちゃいけないなっていうのと、向き合う必要があるのかなって思った。(感想じゃないなこれ)
    作品自体はシンプルなラブストーリーだが、ひとつ要素が増えるとここまで読まされるものになるんだなって思った。

  • 図書館戦争を読んでいないので、単体として読了。
    この作品は現実と非現実が入り混じっていて、ただの恋愛小説としてでなく、障害のある人の気持ち、健常者の気持ちを考えさせてくれた作品。
    ひとみのような性格の人間にイラっともするし、伸の長いメール文章にもイラっとするし、要は障害があろうとなかろうと、合う人とは合うし、合わない人とは合わない。それを改めて感じた作品。

    最後の「笑ってくれるはずだった」の一文。この過去形は何を表すのか。図書館戦争を読むとわかるの??それともこの後のことは、読者の思い次第??
    そこに少しモヤっとしてます。

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