エヴェレスト 神々の山嶺 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (1076ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034538

作品紹介・あらすじ

1924年、世界初のエヴェレスト登頂を目指し、頂上付近で姿を消した登山家のジョージ・マロリー。登攀史上最大の謎の鍵を握るマロリーのものと思しき古いコダックを、カトマンドゥで手に入れた写真家の深町誠だが、何者かにカメラを盗まれる。行方を追ううち、深町は孤高の登山家・羽生丈二に出会う。羽生が狙うのは、エヴェレスト南西壁、前人未到の冬期無酸素単独登攀だった。山に賭ける男たちを描いた、山岳小説の金字塔。待望の合本版!

感想・レビュー・書評

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  • 夢枕獏の描く山岳小説。

    1924年、マロリーとアーヴィンがエヴェレスト頂上付近で行方不明になり、登頂を果たしたかどうかがずっと謎となっています。
    その謎に、正面から挑んだ作品です。

    2016年には映画化もされましたね。
    映画館まで見に行きました。
    なかなか面白い映画でしたが、やはり原作にはかなわないですね。

    山岳小説というと、とっつきにくい印象がありますが、この本は読みやすく、専門用語を知らなくても楽しめます。

  • 読み終えたぜ!!迫力満点の描写、興奮の残滓が身体にくすぶっている。サスペンスや恋愛もてんこ盛りの贅沢な一品?圧巻はやはり8,000メートルからの登山描写。まるで自分が氷点下低酸素の過酷な状況下に置かれているが如く、感情移入してしまった。

  • 1000頁をこえる作品。構想から20年、書き終えるまで3年。筆者をしてすべてを出し切ったと言わしめる、直球、ド・ストレートの作品。大作なんだろう。

    命を懸けてエヴェレスト登攀にかける男たち。冬山の圧倒的な臨場感。何故山に登る?それは何故生きるという問いかけと同じ。答えは山にもない。
    実在する伝説の登山家をモデルに書かれた物語は、羽生丈二の山に対峙する姿勢、厳しさ、孤独が余すところなく描かれ、読んでいるこちらまで凍死しそうな勢い。ライバルとして描かれる天才クライマー長谷部もまた素晴らしい。

    ただ、残念なのはカメラマン深町。
    主人公なんだけど、彼だけはフィクションであり、モデルとなる人物はいない。作者は強いていえば自分だという深町という男に魅力を感じられなかったことが私の中で、この作品の敗因。
    現実の人生に閉塞感を感じ、昔の仲間と何気なくエヴェレストにのぼり、そこでかつてマロリーが遭難した時に持っていたというカメラを見つけたことからすべてが始まる。彼が再びエヴェレストに向かう動機もあいまい。昔の女に執着するその態度も女々しい。女に執着しながら、山で悶々とし、自分の行動に意味を見いだせず悩む。そうかと思えば、羽生の恋人が現れたらすぐそちらに気持ちを移してしまう節操のなさ。

    何故、ネパールにまた来てしまったのか、本人が悩んでいるのだから、読み手も、何故彼がエヴェレストにこだわり、結果として羽生の邪魔をしているのかが納得できずじまい。
    彼は彼なりに色々考え、最後には成長しているんだけど、作品的には羽生を中心に据えて書かれているほうがよかったのにと思う。
    羽生が素晴らしく魅力的である分、深町のヘタレ感が際立ったのが残念過ぎる作品だった。
    夢枕さん、これで新田次郎の座っていた椅子は狙えないでしょう。。。

  • マロリーはエヴェレスト登頂を果たしたか?という謎を追う物語と思って読み進めたのですが、羽生丈二という孤高の登山家の生き様に胸を打たれました。合本版で物凄く分厚いですが一気読みして漫画も買いました。元のタイトルの方が良いのでその分星1個減らしてます。
    なぜ山に登るのか分からなくても羽生のエヴェレストにかける執念は伝わるはずです。

  • 映画をみて、話の繋がりがよくわからなかったので、読み始めた本書。さすがにこのボリュームを2〜3時間にまとめるのは厳しかろう。
    エベレストには登れないだろうが、カトマンドウには行ってみたい。

  • 作者、夢枕獏さんはあとがきで、こう書いた。
    「書き残したことはありません」
    全てをだしつくした1000ページにおよぶ大作は、ガツンと直球の山岳小説だった。エヴェレストに立ち向かう主人公には実在のモデルがあり、ノンフィクションでありながらも実話だと錯覚してしまうほどのリアルさ。
    エヴェレスト頂上付近で姿を消し、「果たして彼は登頂したのか」と謎を残した実在登山家ジョージ・マロリー。ある登山家カメラマンが、彼のものとおぼしきカメラをチベットでみつけたことから始まる。そのカメラを巡って出会う登山家は、森田勝がモデル。ライバルの登山家は長谷川恒雄がモデル。もうこれだけですごい物語が始まる予感満載である。
    勿論高度8,000mは体感したことはないが、終始想像力を掻き立てられる文章と展開で息苦しくなるぐらいの恐怖をおぼえた。
    人はなぜ山に登るのか。根底にあるテーマはこの言葉のみであろう。1ミリの足場にアイゼンを食い込ませ、岩に張り付く彼らの姿に釘付けになり、昔から何度も繰り返し問われてきた質問をしたくなる。「震えるほどの恐怖に立ち向かい、指を失ってもまた登り、愛する人を捨ててもまた挑み、なぜそこまでして山に登るのか」と。ストイックな世界にまったく目が離せない、あっという間の1000ページだった。

  • 僕がPTA会長をしている中学校の校長先生オススメの本、ということで読んでみました。

    映画の方は、豪華キャストが台無しで、残念としか言いようのない、ひどい出来だったのですが、原作の方は、校長先生オススメだけあって、確かに面白かったです。

    が、登山に関する小説という意味では、個人的には、新田次郎の『劔岳 点の記』の方が面白かったですね。

    それにしても、登山家にとって、エヴェレストは、魅惑の山なんですね。
    そのことだけは、充分に伝わってきました。

  • なぜ山に登るのか?

    という問いをテーマに書いている。
    なぜ山に登るのか?

    なぜ人は生きるのか?

    という問いと同じこと。
    頂きに立ったからと言って、答えは出ない。
    人生もやっぱり死ぬ間際になっても答えは出ないんだろうと思う。

    人が亡くなるときは何をしていたか、ではなく、何の道半ばだったのか、それが大事なのだよ
    と、作者から言われているような気がした。

    羽生の生き様が、今思い出すだけでも鳥肌が立つ。分厚い本だったけど、その分気持ちも熱くなりました。

  • がっつり山岳小説。命懸けで山に上る気持ちはわからなくても、胸が熱くなって、いっぱいになります。

  • なんのために山に登るのか。
    なんのために生きるのか。

    やりたいという憧れとできないという現実と、それを感じた時のなんとも言えない悔しさ、情けなさ、物悲しさ、やり切れないモヤモヤした感情が描かれていて、すごく共感できる。

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