エヴェレスト 神々の山嶺 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年10月24日発売)
4.23
  • (59)
  • (47)
  • (17)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 514
感想 : 50
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (1088ページ) / ISBN・EAN: 9784041034538

作品紹介・あらすじ

1924年、世界初のエヴェレスト登頂を目指し、頂上付近で姿を消した登山家のジョージ・マロリー。登攀史上最大の謎の鍵を握るマロリーのものと思しき古いコダックを、カトマンドゥで手に入れた写真家の深町誠だが、何者かにカメラを盗まれる。行方を追ううち、深町は孤高の登山家・羽生丈二に出会う。羽生が狙うのは、エヴェレスト南西壁、前人未到の冬期無酸素単独登攀だった。山に賭ける男たちを描いた、山岳小説の金字塔。待望の合本版!

みんなの感想まとめ

登山家たちの強い登頂への思いと、それに伴う謎が中心テーマとなっている作品です。1924年に行方不明となったジョージ・マロリーの登頂の真相を追う写真家の深町と、冬期無酸素単独登攀を目指す登山家・羽生の物...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1058Pにも及ぶ山岳長編作品、GW最終日に読了となりました。

    意外にもこれが著者の作品初読み。

    山岳物は数冊読みましたが、タイトル通り最高峰の作品だと思います。

    確かに長いんですが、全く飽きることなく読み終えました。

    本作はフリーのカメラマン・深町誠の視点で描かれており、深町が主人公なのですが、本当の主人公は間違いなく天才的クライマー・羽生丈二。

    敢えてネタバレをすると羽生はエヴェレストで命を落とします。

    そんな羽生の半生を深町の視点で描いた作品と言っていいと思います。

    孤高の天才クライマー・羽生が目指すのは前人未到のエヴェレスト南西壁冬季無酸素単独登頂。

    世界最高峰のエヴェレストで過去に登頂者はいるものの難易度が高い南西壁を、冬季(12月以降にベースキャンプを出発)、たった一人で、酸素ボンベを使わずに登頂を目指す前人未到の挑戦はまさに死と隣り合わせの登攀。

    なぜ羽生はそんな無謀ともいえる挑戦を行うのか?

    そして、深町はそこで何を見るのか。

    副題である神々の山嶺にあるように、その頂きは人間がいる世界と神々の世界の境。

    人はなぜ、山に攀るのか?

    真っ直ぐな山男達が己と向き合う感動物語。



    内容(「BOOK」データベースより)

    1924年、世界初のエヴェレスト登頂を目指し、頂上付近で姿を消した登山家のジョージ・マロリー。登攀史上最大の謎の鍵を握る、マロリーのものと思しき古いコダックを手に入れた写真家の深町誠だが、何者かにカメラを盗まれる。行方を追ううち、深町は孤高の登山家・羽生丈二に出会う。羽生が狙うのは、エヴェレスト南西壁、前人未到の冬期無酸素単独登攀だった。山に賭ける男たちを描いた、山岳小説の金字塔、待望の合本版。

    著者について

    ●夢枕 獏:1951年、神奈川県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。77年「カエルの死」で作家デビュー。89年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、98年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。著書に『陰陽師』『キマイラ』『闇狩り師』『サイコダイバー』など人気シリーズ多数。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    夢枕/獏
    1951年、小田原生まれ。東海大学卒業。『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞、『大江戸釣客伝』で第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、第46回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


    • かなさん
      ヒボさん、お疲れ様です( ^-^)_旦~
      大作ですねぇ…1058ページもの作品!
      ページ数から言っても、
      さすが世界最高峰の「エヴェレ...
      ヒボさん、お疲れ様です( ^-^)_旦~
      大作ですねぇ…1058ページもの作品!
      ページ数から言っても、
      さすが世界最高峰の「エヴェレスト」ですね!!

      山は神聖な場所なんでしょうから
      懐を借りるような感じなんでしょうか…。

      連休も今日でおしまい、
      明日からまたお互いに頑張りましょう(^^)/
      2023/05/07
    • ヒボさん
      かなさん、こんにちは♪

      お返事遅くなりましまm(_ _)m

      長かったですが、それ以上に読み応えありました( •̀ •́ゞ)ビシッ!!...
      かなさん、こんにちは♪

      お返事遅くなりましまm(_ _)m

      長かったですが、それ以上に読み応えありました( •̀ •́ゞ)ビシッ!!

      山岳物ってまだ数冊しか読んでないんですが、結構のめり込めるんですよねぇ。

      という訳で、日本の山岳物と言えばの「新田次郎」作品を数冊購入しようかと^^;

      これ以上積読増やしてどうするの!って突っ込んでやってください(笑)

      今日は気持ち良いお天気、絶好の読書日和ですね(笑)
      2023/05/09
  • とにかく登山家たちの登頂への思いは想像するより遥かに強い。
    エベレストに三度挑んだジョージ・マロリーが登頂できたのかは、マロリーが亡くなって何十年も経った今でも謎のままである。
    ネパールの地で、マロリーのカメラの謎と羽生という登山家を追う深町。
    ある意味山岳ミステリーとも受け取れる作品。
    主人公の深町自身は、ちょっと情けないというかふがいないというかそんな印象を受けるが、その経験を通して強く成長していく。
    そこら辺も見所のひとつだと思う。
    マロリーが残した名言「そこに山があるから」は、正確には「そこにエベレストがあるから」である。
    なぜか日本語ではエベレストを山と訳されるのだが。
    実在の登山家マロリーを題材にしたこの作品を読んだら、マロリー登頂の謎が余計気になってきてしまった。
    映画化もされてるようなので、そのうち観てみようと思う。

  • 山に取り憑かれた男が、未達の無酸素単独南西壁に挑む迄の流れを丁寧に作り込み、エヴェレストに対する登山家の憧れ恐れが良く分かります。そして、圧倒的で緻密な描写でエヴェレストの迫力が伝わり、その尋常では無い過酷で死と隣り合わせの登山を読みながら体験する事が出来ました。
    ジャンル問わずお勧め出来ます。

  • 夢枕獏の描く山岳小説。

    1924年、マロリーとアーヴィンがエヴェレスト頂上付近で行方不明になり、登頂を果たしたかどうかがずっと謎となっています。
    その謎に、正面から挑んだ作品です。

    2016年には映画化もされましたね。
    映画館まで見に行きました。
    なかなか面白い映画でしたが、やはり原作にはかなわないですね。

    山岳小説というと、とっつきにくい印象がありますが、この本は読みやすく、専門用語を知らなくても楽しめます。

  • 作者、夢枕獏さんはあとがきで、こう書いた。
    「書き残したことはありません」
    全てをだしつくした1000ページにおよぶ大作は、ガツンと直球の山岳小説だった。エヴェレストに立ち向かう主人公には実在のモデルがあり、ノンフィクションでありながらも実話だと錯覚してしまうほどのリアルさ。
    エヴェレスト頂上付近で姿を消し、「果たして彼は登頂したのか」と謎を残した実在登山家ジョージ・マロリー。ある登山家カメラマンが、彼のものとおぼしきカメラをチベットでみつけたことから始まる。そのカメラを巡って出会う登山家は、森田勝がモデル。ライバルの登山家は長谷川恒雄がモデル。もうこれだけですごい物語が始まる予感満載である。
    勿論高度8,000mは体感したことはないが、終始想像力を掻き立てられる文章と展開で息苦しくなるぐらいの恐怖をおぼえた。
    人はなぜ山に登るのか。根底にあるテーマはこの言葉のみであろう。1ミリの足場にアイゼンを食い込ませ、岩に張り付く彼らの姿に釘付けになり、昔から何度も繰り返し問われてきた質問をしたくなる。「震えるほどの恐怖に立ち向かい、指を失ってもまた登り、愛する人を捨ててもまた挑み、なぜそこまでして山に登るのか」と。ストイックな世界にまったく目が離せない、あっという間の1000ページだった。

  • さすがに合本版となると1000ページを超える物凄いボリュームに圧倒される。再々読になるのだが、何度読んでも面白い。数ある山岳小説の中でも、群を抜いた傑作であろう。

    1924年にエヴェレスト頂上付近で姿を消した登山家のジョージ・マロリーの物と思しきカメラを手に入れた深町誠。カメラの謎を追う深町は孤高の登山家・羽生丈二と出会い、羽生のエヴェレストに賭ける想いに感化されていく…

    背筋が寒くなるような迫力のある山の描写と登山家マロリーに関するミステリーを織り交ぜた面白いストーリー、羽生丈二、深町誠の生き様に魅了される。

    この作品を原作に谷口ジローの作画した作品も面白かっただけに、2016年3月ロードショーの映画化作品も楽しみだ。

  • 圧倒的。

    胸が熱くなった。

    作者の熱量が乗り移ったような、神がかりな作品。

  • 孤独な登山家

  • ビカールサンは自分が心を許した人に対してはわかりにくいけれどとても深い愛情を持っていて、本当は誰よりも傷つきやすくて、繊細なんだろうな。
    それでも、どんなに大切で大事な人がいたとしても何もかも捨ててでも目指してしまうエベレストの頂とは一体どんな魅力があるのだろう。きっと本気で挑戦した人にだけわかるんだろうなあ。
    そして、それをやってのけるところがさすがビカールサンだと思った。

    後書きで加藤文太郎を主人公にする案があったと書いていたがそれもかなり見てみたかったなあ!

  • 極限の状況下での登攀の物語。本書は過酷な登攀シーンを読みたいが為でしたが期待どおりに終盤、主人公であり、読者目線の人である深町を通して堪能できました。分厚い本の、もっと多くの割合で生死の狭間から、ビバークなり一時の休息が繰り返させるシーンをもっと読みたかったです。
    中盤のマロリーのカメラを巡るクライムサスペンス要素は過酷な登攀シーンを待ちわびる心境から正直どうでもいいという気持ちになりながら読みました。羽生の元恋人との絡み要素はいいですね。
    ともあれ、山岳小説はいいですね。小説の内容とは関係ないですが、合本版は重くて好きになれません。

  • エヴェレスト南西壁の冬期無酸素単独登頂を狙う男の物語。10年も前に読んだ本だが、読んだ時の気分の昂揚は忘れられない。ヒリヒリするような描写で、共に挑んでいるかのような気持ちにさせられる。

  •  人は何故山に登るのか。

     人は何故生きるのか。
     すごかった。すっごかった。言葉が出ない。
     作品としては1997年のもので、作中のエヴェレスト登攀歴も最新のものじゃないと思うんだよね。調べれば分かるだろうけど。いかに8000m級の山ってのが狂った場所かっていう。6500mがぎりぎりだって書いてあったかな。高度順応をいくらしても、それ以上はいるだけで体力が削られるって。
     マロリーが登頂したのかしてないのかはやっぱり分からないままなんだね。そのマロリーのカメラがネパールの登山道具屋で売られているのを、たまたま見つけた日本人カメラマンが主人公。山に登ることしかない山屋の話。
     羽生のことはまあ好きにはなれいないけどなぁ。別に好かれるための登場人物でもないからいいんだろう。
     作中の山屋たちが覚えていただろう「ひりひりした感覚」を疑似的にでも味わえたような気がしました。すごかった。
     ナラダールとアン・ツェリンが好きです。
     抜粋。アン・ツェリンの言葉。


    「誰であろうと、自分の人生を生きる権利がある」

  • 山好きには圧巻の面白さがある。山登りがしたくなった。ネパールに飛んで、死ぬまでにこの目でエベレストを是非見てみたい。

  • 180428 中央図書館
    超高山へのアタックでの肉体への切迫を、これでもかという畳込み表現でぶつけてくる。そのリズム自体の息苦しさで臨場感を伝える手法か。

  • 読み終えたぜ!!迫力満点の描写、興奮の残滓が身体にくすぶっている。サスペンスや恋愛もてんこ盛りの贅沢な一品?圧巻はやはり8,000メートルからの登山描写。まるで自分が氷点下低酸素の過酷な状況下に置かれているが如く、感情移入してしまった。

  • 1000頁をこえる作品。構想から20年、書き終えるまで3年。筆者をしてすべてを出し切ったと言わしめる、直球、ド・ストレートの作品。大作なんだろう。

    命を懸けてエヴェレスト登攀にかける男たち。冬山の圧倒的な臨場感。何故山に登る?それは何故生きるという問いかけと同じ。答えは山にもない。
    実在する伝説の登山家をモデルに書かれた物語は、羽生丈二の山に対峙する姿勢、厳しさ、孤独が余すところなく描かれ、読んでいるこちらまで凍死しそうな勢い。ライバルとして描かれる天才クライマー長谷部もまた素晴らしい。

    ただ、残念なのはカメラマン深町。
    主人公なんだけど、彼だけはフィクションであり、モデルとなる人物はいない。作者は強いていえば自分だという深町という男に魅力を感じられなかったことが私の中で、この作品の敗因。
    現実の人生に閉塞感を感じ、昔の仲間と何気なくエヴェレストにのぼり、そこでかつてマロリーが遭難した時に持っていたというカメラを見つけたことからすべてが始まる。彼が再びエヴェレストに向かう動機もあいまい。昔の女に執着するその態度も女々しい。女に執着しながら、山で悶々とし、自分の行動に意味を見いだせず悩む。そうかと思えば、羽生の恋人が現れたらすぐそちらに気持ちを移してしまう節操のなさ。

    何故、ネパールにまた来てしまったのか、本人が悩んでいるのだから、読み手も、何故彼がエヴェレストにこだわり、結果として羽生の邪魔をしているのかが納得できずじまい。
    彼は彼なりに色々考え、最後には成長しているんだけど、作品的には羽生を中心に据えて書かれているほうがよかったのにと思う。
    羽生が素晴らしく魅力的である分、深町のヘタレ感が際立ったのが残念過ぎる作品だった。
    夢枕さん、これで新田次郎の座っていた椅子は狙えないでしょう。。。

  • マロリーはエヴェレスト登頂を果たしたか?という謎を追う物語と思って読み進めたのですが、羽生丈二という孤高の登山家の生き様に胸を打たれました。合本版で物凄く分厚いですが一気読みして漫画も買いました。元のタイトルの方が良いのでその分星1個減らしてます。
    なぜ山に登るのか分からなくても羽生のエヴェレストにかける執念は伝わるはずです。

  • 映画をみて、話の繋がりがよくわからなかったので、読み始めた本書。さすがにこのボリュームを2〜3時間にまとめるのは厳しかろう。
    エベレストには登れないだろうが、カトマンドウには行ってみたい。

  • 僕がPTA会長をしている中学校の校長先生オススメの本、ということで読んでみました。

    映画の方は、豪華キャストが台無しで、残念としか言いようのない、ひどい出来だったのですが、原作の方は、校長先生オススメだけあって、確かに面白かったです。

    が、登山に関する小説という意味では、個人的には、新田次郎の『劔岳 点の記』の方が面白かったですね。

    それにしても、登山家にとって、エヴェレストは、魅惑の山なんですね。
    そのことだけは、充分に伝わってきました。

  • なぜ山に登るのか?

    という問いをテーマに書いている。
    なぜ山に登るのか?

    なぜ人は生きるのか?

    という問いと同じこと。
    頂きに立ったからと言って、答えは出ない。
    人生もやっぱり死ぬ間際になっても答えは出ないんだろうと思う。

    人が亡くなるときは何をしていたか、ではなく、何の道半ばだったのか、それが大事なのだよ
    と、作者から言われているような気がした。

    羽生の生き様が、今思い出すだけでも鳥肌が立つ。分厚い本だったけど、その分気持ちも熱くなりました。

全44件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢枕獏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×