ギリギリ

Kindle版

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  • KADOKAWA (2015年9月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041034620

作品紹介・あらすじ

脚本家の卵である健児は、同窓会で夫と死別したばかりの瞳と再会し、彼女のマンションに居候する形で再婚。前夫の不倫相手や母親など、大切なひとを失った彼らの絶妙なバランスのうえに成り立っていた関係の行方は?

感想・レビュー・書評

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  • 他人と他人を繋ぎとめるのは愛なのか、情なのか。

    面白く読み進めていたけど、終わり方が、いまひとつ。

    最後に、「ギリギリ」の意味がわかって、なるほどな。

  • 安定の面白さ。
    少し変わった人間関係で始まっていく物語。
    ありえないと思いながらも、人と人との繋がりってわからないこともある。
    人間の関係性が変わってくると、上手くいかなくなることもあるんだな。
    最後に別れてしまう2人だけど、いつか一緒になってくれたらうれしいな。

    ギリギリってなにがだろうと思っていたけど、最後にわかった。
    義理義理

  • ギリギリというタイトルは「義理義理」の意味なのだと最後にわかった。登場人物の中では静江さんが好き。静江さんが冷蔵庫を開けてどんどん家庭料理を作っていくシーンが良いと思った。

  • また以前読んだ本を借りてしまった。と、思ったけれど原田ひ香さんの引き込まれる文章に結局最後まで読んでしまった。
    もう一度読んでもよかった。
    瞳の前夫の母親静江さんと現夫の健児との関係がほっこりしたり少し切なくて沁みた。

  • シナリオライターの健児とその奥さん、奥さんの元夫のお母さん、この3人の関係が複雑に絡み合う。
    亡くなった夫も存在するがのごとく、3人の関係にのしかかる。
    3人はギリギリの想いを抱えて生きていたのかもしれない。
    この気持ちのずれであったり受け止め合いだったりの葛藤が面白かった。

  • 以前読んだ『三千円の使いかた』がとても面白かったので、他の作品もと思ってこの本を選んだ。タイトルから想像するに、登場人物が追い詰められてギリギリの展開なのかというとそうでもなく、地デジへの切替(懐かしい!)に困惑する静江さんとそれに対応する健ちゃんのユーモアな会話のやり取りで物語は唐突に始まった。
    静江さんは、健ちゃんのお嫁さんである瞳さんの元夫である一郎太さんの母親だ。説明するとややこしく感じる。つまり瞳さんの義理の母であるが、健ちゃんとはなんの繋がりもない。
    その一郎太さんという人は、1年ちょっと前に過労死で突然亡くなった。

    溺愛していた息子を失った悲しみは、静江さんから生きる気力と目的を奪いつつあった。夫も亡くなっているのでひとり暮らしだし、遠い親戚はいるけど疎遠なので、本当にひとりぼっちで困ったときに頼る人がいない。だからつい、何かあると瞳さんや健ちゃんに連絡してしまう。瞳さんは迷惑しているが、健ちゃんは静江さんのことを好きみたいだ。

    瞳さんは一郎太さんが急に亡くなってしまったので、とても弱っていた。家族や友人の腫れ物に触るような扱いも辛かった。気分転換にと両親から強く勧められて参加した高校の同窓会で健ちゃんと再会し、色々あって結局は結婚した。一郎太さんの死から1年経ってなかったかもしれない。あまりにも早すぎる再婚に周囲は困惑しただろう。
    でも脚本家を目指してフリーターをしている健ちゃんは時間がたくさんあって、掃除も洗濯も料理もしてくれる上に優しくて面倒見がいいから、仕事が忙しい瞳さんにとっては言い方は悪いかもしれないけど都合がよかったのだ。

    健ちゃんは一人前の脚本家を目指している。まだ大きな仕事はしたことがなく、様々な賞に応募して頑張っている最中だ。そんな自分を応援してくれる素直で真っ直ぐな瞳さんを、実は健ちゃんは高校の頃から好きだった。
    瞳さんの心の中にはまだ一郎太さんが居ることを、健ちゃんはよく分かっている。追い出そうなんて思ってない。今のままで充分幸せだと思ってはいるが、でも切なさに涙がこぼれたりはしてしまう。

    そんな3人はこの後どのようになっていくでしょう。
    ここからはネタバレになっちゃうけど、どうしても言いたいから書いておく。



    瞳さんが選択した生き方は、自分で決めた自分の人生なんだから間違っているとは思わない。だけどもし、もしもう一度健ちゃんとやり直したいと思って連絡を取ったなら、そのときは健ちゃんには他の女の子と結婚して幸せに暮らしていて欲しい。
    瞳さんは健ちゃんの書いた脚本の中のセリフに傷つけられたって言っているけど、それは自分が決めてそうしたことじゃないのか?健ちゃんを利用した自分が許せないなら、二度と『女』という立場で彼の目の前に現れないで欲しい。
    どうか神様、人生がそんなに甘いものじゃありませんように。

    って思った。

  • 人と人との関わりは、
    その時の状況や立場、心理状態によって、
    よくもなるし、悪くもなる。

    夫婦、結婚とは、何か?
    一昔前は、結婚した女性は、夫の家の所有物になる。
    夫が亡くなっても、家に縛られた時代。

    夫と最愛の一人息子を亡くした静江の心情も辛い。
    三回忌の打合せに呼び出した、瞳との会話はせつない。

    ボランティアをしつつ、変わっていく静江と、
    脚本が採用され、忙しくなる健児、
    一郎太との思い出から少しずつ立ち直る瞳。
    それぞれが自立しながら、支えあえたら、
    最高の人間関係ができそう!

    続編、できないかな?

  •  精神的にであったり、経済的にであったり社会的にであったり、とにかく本人にとって「ギリギリ」の状態の人々を描いた作品。全5編。

          * * * * *

     ギリギリの状態にいるとき、人は何かにすがりたくなる。その気持ちは自分のしんどさを和らげてくれる誰かに向けられることが多い。

     だから、瞳や静江が細やかな気遣いのできる健児を傍に置こうとする気持ちや、経済力のある瞳に健児がついすがろうとする気持ちはよくわかります。
     そして、そうでありながら皆、そんな自分に対する忸怩たる思いを払拭できないでいるのもよくわかります。誰かにすがっている限り真の解決にならないことを、皆きっと知っているからです。

     本作は、ギリギリのところにいる3人が、試行錯誤しつつ自分なりの解決に何とかたどり着こうとする姿を、それぞれの視点から丹念に描けていたと思います。
     さらにその3人を「義理義理」の間柄でまとめたあたり、原田さんはさすがにうまいなあと感心する作品でもありました。

  • 健児と妻である瞳、瞳の亡くなった前の夫の母親の静江、三人の少しギクシャクした妙な関係。連作短編で綴られていきますが、この妙な空気感がとっても好きでした。

    特に健児と静江の関係が微笑ましく、関係ないけど関係あるし、親戚でもないけど全くの他人でもないし…、と微妙な距離感の付き合いがほっこりした気分にさせてくれました。

    クスッと笑えてちょっぴり泣けて、最後は少し淋しい気分になったけど、それぞれが前を向いて進んでいけてたし、スッキリした読後感でした。

    個人的にはこれ、続編を期待します。

  • シナリオライターの健ちゃん、その妻瞳さん、瞳さんの亡き夫の母静江さん、3人の微妙な関係の物語。

    今回もまた、なんだか微妙な間柄の方たちのお話でしたね。健ちゃんと静江さんの関係なんて、普通なら有り得ないはずなのに、全然ありなのが、著者の書くストーリーなのねと、違和感なく読み進めてしまいます。
    頼りなかった静江さんが一人で立ち上がった姿を見た瞳さんが、自分の姿を見直し、今度は自分が一人で歩けるようになるためにした決断。瞳さんと健ちゃんの気持ちを思い、切なくなりました。

    著者の作品、大好きです。
    不思議な感性の女性達に、共感は持てませんが、好感を持ちました。

  • 夫が亡くなってすぐに再婚してもいいじゃない。
    二人暮らしだったのが、一人になるって相当寂しいと思うよ。
    ただ、一緒に暮らすならちゃんと話をしないとね〜。言わなくてもわかるなんてことはないと思うもの。話さないとだんだんすれ違っていく……。
    お義母さんにも遠慮せず言いたいことが言えればもっと良い関係が築けそう。

  • 「母親からの小包はなぜこんなにダサいのか」に続く原田ひ香さん2冊目
    健児さんの人柄の良さと、読みやすい文体に
    あっと言う間に読み終えてしまいました
    成る程、最後にタイトルの「ギリギリ」の意味がわかりました
    他の作品も読んでみたいです

  • ハッピーエンドと呼んでいいのかわからないけれど、正直に、前向きに生きる登場人物に、読後感爽やかです

  • あるようなないような変わった関係の家族の話。土台がしっかりしないまま結婚した2人。果たして妻や夫の役割をしていたのだろうか 。色々と心に残る作品。

  • 図書館や本屋で原田マハの隣にいるなぁと気になっていた原田ひ香、初めて読んでみたがとても面白かった。
    夫と死別した女性の再婚相手(健児)と、元夫の母(義母)が仲良くなるところから始まる。
    女性は夫を亡くしてすぐに再婚した事に後ろめたさを感じており、シナリオライターである健児の書く脚本の中でそれを咎められたと感じ、傷つく。
    義母は亡くなった息子を美化しているが、息子に愛人がいたことを告げられ動揺するものの、ボランティア活動で外国人と会話する中でその葛藤を乗り越える。
    それぞれに悩みを抱えている女性に健児が適度な距離感で寄り添い、ゆるやかな繋がりを保っている。
    まるでドラマを見ているかのような場面展開、納得感のある心理描写は見事で、調べてみたら原田ひ香は脚本家でもあるらしい。健児の執筆過程の描写がやけにリアルなのはそのためかと納得。
    最後にうまくいかないのはちょっと残念だが、彼らの関係が壊れたわけではないのは読んでいればわかる。
    ストーリー、心理描写がかなりツボなので他の作品も是非読みたい。

  • 人間関係って少しずつ積み上げられたギリギリのバランスでなんとか保たれていて、いつもゆらゆら揺れているんだ。
    積み上げる段階で飲み込んだ気持ちや伝えられなかった真実は、ちょっとした出来事でバランスに大きな影響を与え出す。
    受け止め難い事実を受け止め、抱えながらも生きていくのが人間なのだろうか。
    バランスは常に変化してまた次の絶妙なバランスを保つ。
    最初から最後まで希望、悲しみ、優しさが混在している。

  • 駆け出しの脚本家、健児。夫の突然死の後、故郷の同級生だった健児と再婚するバリキャリの瞳。瞳の死別した夫(一郎太)の母、静江。一郎太の愛人、冴子。一郎太の影を引きずる彼らの心の内とは…。
    着眼点が独特で、相変わらず「読ませて」くれる人だな~と思いました。「原田ひ香」ワールドが心地よくて、先の読めなさがページを捲る手を止めさせてくれない。ちょっと不思議な関係性の均衡が少しずつ崩れていく過程の描写が絶妙だ。ユーモラスだけどところどころで切なくて。個人的には、ひょんなことから交流の始まった、健児と静江の関係性がほのぼのしていて好き。傍目には説明のしにくい関係ではあるが(何しろ一言では済まないし)、何となく互いを思い合い、つい頼り頼られなところが微笑ましかった。
    おっとりしていて優しい健児だが、彼も彼なりに複雑な家庭環境により心に空洞を抱えている。自身の収入が定まらないとはいえ、かつて一郎太と暮らしていた瞳のマンションに転がり込む形で再婚したことに、ある種の引け目を感じている。そして、瞳もまた亡き夫の愛人・冴子と定期的に気の進まない会食をしたりと、一郎太の存在にどこかで捉われている。亡くなったとはいえ、ストーリーが進むほどに一郎太のキャラクターの輪郭が少しずつくっきりしてくる。彼を盾にしてうやむやになっていたそれぞれの本音が明らかになっていき、心の内をさらけだしたところで、今の自分を見つめ直していく。
    ストーリーと同時進行で非常に興味をそそられたのが、健児の脚本家としての仕事シーン。原田さん自身の経験を存分に投影したのか微に入り細に入りリアルで、何度も繰り返される脚本の直しなど、ドラマとして成立するには想像以上の苦労があり、人手もかかっているのだなと今更ながら思った。静江から聞かされたエピソードがきっかけで生まれたこの健児の脚本が、瞳の心をざわつかせるきっかけともなるのだが、その絡ませ方もまた巧い。
    各章の4文字カタカナのタイトルがいいなと思っていたが、本のタイトルでもある「ギリギリ」のもう一つの意味に最後まで気付かなかった…鈍かったです。が、改めて「原田さん、お見事!」と思いました。

  • なんて人との縁は脆さの上に成り立っているんだろう。
    最初のアナログで健児のやるせなさがどお〜んとのしかかってきて、スカイプのラストで静江の母の愛がたまらなくなって、だから瞳にも愛っていろんなかたちがあるからって言いたくなるけど…。
    一郎太、あんたが1番ズルい。
    みんな自由になっているようでとらわれている。
    悲しい縁です。

  • タイトルの意味が読了後にズッシリとココロに響いてくる素晴らしい作品でした。決して底抜けに明るいお話ではありませんが、どこか全体を通して、なんとも言えない陰めいた作風が原田ひ香さんの醍醐味だと思うので、ある意味期待どおりの雰囲気です。再婚した管理職の「瞳」と相手の脚本家「健児」の微妙な間柄が見事な描写です。「瞳」の義母「静江」さんが何より魅力的なキャラで、終盤に悩める「瞳」を励ますある決めセリフがサイコーにかっこよく、感動すらします。誰もが見てみぬフリをして、やり過ごそうとするリアルな描写に感服しました。

  • ちょっと変わった関係性の三人。家族のようで家族でないような。繋いでいるのは亡き一朗太。ポジティブな三人だけどいつも少し切ない。ラストは別れを選んだけど、またいつか重なる時がくればいいな。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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