バベル九朔

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034644

作品紹介・あらすじ

万城目ワールド10周年。新たな幕開けを告げる、最強の「奇書」が誕生!!

俺を追ってくるのは、夢か? カラスか?
作家志望の雑居ビル管理人が巻き込まれた、世界の一大事とは――。

作家志望の「夢」を抱き、 雑居ビル「バベル九朔」の管理人を務めている俺の前に、ある日、全身黒ずくめの「カラス女」が現われ問うてきた……「扉は、どこ? バベルは壊れかけている」。巨大ネズミの徘徊、空き巣事件発生、店子の家賃滞納、小説新人賞への挑戦――心が安まる暇もない俺がうっかり触れた一枚の絵。その瞬間、俺はなぜか湖で溺れていた。そこで出会った見知らぬ少女から、「鍵」を受け取った俺の前に出現したのは――雲をも貫く、巨大な塔だった。
万城目学、初の「自伝的?」青春エンタメ!

感想・レビュー・書評

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  • 一時中断してしまい読み終えるまでに時間がかかってしまいました。最後まで読み終えてなんとなくわかった気がしました。ドラマは、まだ観ずに録画してあるので早速、観てみたいと思います!

  • TVドラマ化されると知って久々にこの著者の作品を読んでみた。これまでもややファンタジーに振った作品だったが、なんとかストーリーの体はなしていたが、本作はちょっと酷過ぎるんじゃないかい、丸で異世界の話で納得いく結末にもなっていない。同じ京大出身の作家の森見登美彦にしてもそうだが、最近ラノベの影響を受けたのか不条理小説に走り過ぎじゃないかい。やるなら村上春樹のようにちゃんと文学性を持たせてもらいたい。

  • バベル九朔の管理人の俺は、書き上げた小説を応募する直前でカラスのような女に、バベルの世界へ連れてかれる。

  • 他の方々の困惑の感想を読んで、自分だけではなかったかと、ちょっとほっとした。
    著者自身の経験も織り込まれた、古い雑居ビルが舞台の異世界冒険譚。
    状況がイメージしにくくて、他の作品ほど引き込まれなかったけれど、湖、干拓、不思議な力を持った人、東北、というキーワードで、またあの人たちか!と他の作品との繋がりを感じられたのは面白いなと思った。これからも末裔の物語があちこちで見られるとしたら楽しみ。

  • 小説の題名を考え倦ねる主人公が変な世界に連れて行かれる話。

    現実世界の小説に関する悩みと異世界の混乱にどんな関連があるのか、はじめは皆目検討がつかなかった。しかし、それは異世界ではなくつながっていることにだんだん気付く。


    聖書でのバベルの塔は、天におられる神に届く高さを目指して作られた。しかし神様はそれを高慢だと怒り、塔を潰した。実現不可能なことの例えとしても用いられる。

    一方、バベル九朔では、影(無駄)をたくわえて塔が形成され、それがないと崩壊の危機を迎える。

    聖書で塔は高慢さの象徴であり悪しきものとして扱われているようだが、バベル九朔では、不可能なことを目指したって人間臭くていいじゃないか、それが人間だ、というメッセージが含まれていると思う。

  • 「バベル」謎の塔を果てしなく上り、新たな展開、展開、展開。序盤から一気に引き込まれました。キャラの立った登場人物たちの息をもつかせぬ展開、深まる謎。ページをめくる度に「何が待っているんだろう?!」とワクワク感を止められませんでした。最後のシーンも謎が解けて、すっきりします。
    すごくおもしろくて今もお気に入りの一冊です。

  • あ、ドラマでやってた本だ。と思って読んだのですが、ドラマとは内容が違います。

    最後まで読むと、途中からまた読みたくなります。

  • うーーーーーーん、私の読解力が足りないのかな?意味不明でスッキリしなくて困る。これをドラマ化するの大丈夫なのだろうかと心配する自分もどうかと思うが、ドラマではスッキリする最後を望む!
    万城目作品何作も読んでいるが、ついていけないことが多い。私だけ?

  • 徒労に終わった情熱 それに付随する失望や絶望を源にする大九朔のバベルに対して、満大は未来を源に新たなバベルを築いて現実に帰る結末がとても好き。

    満大が完成させた三部作の長編は、本書の構成である 現実の諦観や焦燥、バベルで取り込まれそうになる甘い夢、それでも信じる己と未来 に対比してるのかしら。

    傲慢ゆえ太陽に近づきすぎて崩壊する塔も 、分たれなかった“言葉”が最も力を持つ設定も、タイトルの妙。

    一読して分かりやすい話ではないけれど、読めば読むほどよく出来ている構成。

    才能があると保証されれば努力も苦にならないだろう。向き合い続けることこそ才能。何者にもなれない苦悩や恐怖を抱えてもがく彼が、最後には自分の未来を信じて再び歩き出すところが希望があって良かったな。

  • 破天荒な世界観だなぁと楽しんでいたけど、読み終わって実は現実世界ってこうなんじゃないかと思い直した。
    人はたいてい夢見たようには生きられない。夢破れた結果の集合こそがこの世界を構成しているといっていい。歴史だってそうで、予定通りいかなかったことの積み重ねこそが歴史を形作って来たんだもんね。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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