バベル九朔

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034644

感想・レビュー・書評

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  • 前半はいつも通りの展開。久しぶり。

  • 途中まではとても面白かったけど、最後がよくわからなかった・・・
    けど嫌いではない世界観。
    万城目学の本を読んだのはこれが初めてなので何とも言えないけど、またいつか違う本を読んでみようかな。

  • 古いビルの管理人は、デビュー前の万城目さんを連想させますね。リアルで面白いです。
    まだ日の目を見ない小説を書いている時間は無駄なのか。失敗することは意味のないことなのか。そこで終わりなのか。
    負のエネルギーを自在に操り、影の世界を構築したものがいた。そんな世界にもし迷い込んだら・・・。
    主人公の立場から描かれるので、読者も一緒に、何度もだまされてしまう。しまいにどれが現実なのか、誰が味方なのか、この世界を脱することができるのか、わからなくなってくる。しかし、物語の螺旋は次第に収束していき、最後は・・・。
    カラス女は敵なのか味方なのか、黒づくめの少女の正体は?そしてこの世界を創造した者の狙いは何か。

    壮大なSFなのですけど、内省的になりすぎ、難解さが増してしまった感じですが、文学としての完成度は高いと思います。
    昔、文芸カドカワに書かれた長編の始まりみたいな作品が、これになったんですね。

    発表するたびに、毎回違った顔を見せてくれる作家さんです。今後の万城目学に期待を込めて、★4つ。

  • 途中、先が読みたい!と思いながら読んでたんだけど
    最後の方は、なんかこんがらがってきて、読み疲れちゃった

  • 久しぶりの万城目さん。バベル九朔の管理人をしながら小説家を目指す主人公が、異世界に迷い込んでしまうメタSF(?)
    光と影があるバベル、平行世界に、太陽の使い?どこかで読んだことがあるシチュエーションだなぁと思ってました。

  • 祖父ののこした古いビルを管理する九朔。烏のような全身黒ずくめの女に出会ってから 不思議なことが起こり始める。目の前の事実は真実なのか夢なのか・・・読むほうもまか不思議な謎に手に汗握る、久々に面白い小説だった。

  • うーん、なんとも不思議な話。
    これまでの万城目ワールドとは随分と違う。
    主人公の飄々とした印象や最後にぐぐぐっと話が収束していく感じは同じだけれど。

    ただ、ちょっと複雑に過ぎている。
    これまでの読みやすさがなくなったかな。
    再読すれば、理解が深まるのかも。

    常に懐疑的で状況を受け入れない主人公に共感できないのも難点。
    おかげで読み手もずっとバベルの世界に馴染めない。
    まあ、確かに現代人がこんな状況になれば、多分こうなる。
    そう簡単に受け入れられないよね。
    そりゃそうなんだけど、これはエンターテイメントなんだからさあ、読者を巻き込んで欲しいんだよね。

  •  とにかく、すらすら読めない。
    不気味でミステリータッチな序盤、何なんだろうこの世界、何でこうなるんだろうっいう事ずくめな中盤、そして怒涛の終盤。序盤の成り行きのカラクリがわかる終盤はすごく面白かったけれど、ラストでぱつん、と切られているように感じた。え、これで終わり?どうなったの、どうなるの?なままの放置プレイ。
    全てが上手くいって、現実の世界(序盤)にループしてるのか?!

     万城目さんの初期の作品でみられる、読後スッキリ爽快(痛快)な作風ではない。それは前作でも感じたけれどー。ラストの印象で、一気にそういう風に持っていかれる。

     どう考えても「バベル」存在のルールが特殊で、わかりにくい。少なくとも、私にとっては。
    え?待って待って、と何度も止まって考えた。
    結局バベルの管理人になった主人公は、大九朔とは違って現実に今も生きている人間だから、現実の世界でも生きていられて?バベルの管理人もやれるってことなんでしょうか。バベルが崩壊して現実世界に混乱が起きないよう、現実とうまく調和させるために管理人になった。でもその作業途中で物語は終わってるような・・・。
    大九朔がバベルの管理人の段階でバベルの世界に留まったら、主人公はただの影になってしまったり、清算されて元の世界には戻れなかった?

     うーん、モヤモヤします。
    読みながら、世界観やストーリーの流れ、意味する事を理解するのに何度も立ち止まる必要にせまられて、楽しめなかった。
    わかりやすい物が良くて、難解なのはダメだなんて思っていないけれど、どこかこう、いまひとつでした。

  • 雑居ビルの管理人でビルに住んでいれば、日々おもしろい出来事に遭遇しそう。だからこそ、小説家志望の者には最適な住まいじゃないか。
    別の世界に引きずり込まれるとかゴメンだな。
    戻ってこられる保証があるなら、まいいっぱい楽しむけど(笑)。

  • どこにどうやって着地するのかまったく予想がつかない、トンデモ展開を繰り広げるいつもの万城目節なわけだが、ブッ飛び具合は常以上だ。
    月刊誌の連載だったということからひねくれた見方をし、勢いのまま書き進め、それから続きを必死に考えているのではあるまいな…、とプロフェッショナルに対して至極無礼な想像をしてしまうぐらい。
    無論、骨子に関してそれはあり得ないだろうが。
    ひょっとしたら文庫化の際などに加筆があるのかもしれないが、ディテールの書き込みが不足気味の印象があるので、読後のカタルシスに関してはいかにも中途半端だ。
    著者の経験に基づいた自伝的要素のようなものから物語の着想は出発したのだろうか、しかし主軸が一体どこに貫かれているのか、イマイチ消化しきれぬまま結末まで読み終えた。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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