- 本 ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041034682
作品紹介・あらすじ
昼と夜に、分かれてしまった未来。
気鋭劇作家が自ら執筆した、小説版「太陽」!
21世紀の初め、ある未知のウイルスの爆発的な感染により、世界の人口は激減した。
感染を克服して生き残り、ウイルスのキャリアとなった新人類は、奇妙な体質に変異していた。細胞が太陽光に異常に弱く、活動できるのは夜のみ。一方で、頭脳は明晰に、肉体は強靱に変異していた。彼らは自分たちのことを「ノクス」と名づけた。
感染せずに生き残った旧人類は「キュリオ」(骨董品)と呼ばれ、貧しい生活を余儀なくされた。
人類は、二つに分かれて暮らすことになった。
ノクスは次第にキュリオを支配していき、やがて文明を担うようになるが、当然反発は強く、ある時、キュリオの住む村・長野八区で、キュリオの男がノクスの駐在員を惨殺する事件が起こる。結果、村はノクスによって経済封鎖されてしまった――。
そして10年後。
村に住む若者・奥寺鉄彦は村での生活に閉塞感を抱えながら、毎日を過ごしていた。幼馴染の生田結は、ノクスの存在を憎みながらも、村を立て直したいと前向きに暮らしていた。
そんなある日、突如、封鎖が解かれ、村にノクスが現れる。
羨望、絶望、希望。その先にある「未来」とは?
数々の演劇賞を受賞した傑作戯曲「太陽」、待望の小説化!
感想・レビュー・書評
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面白かった! まさかと思いつつも、いやもしかしたらこんなことも遠い未来には起こるかもしれないと思ってしまうくらいリアルさがある物語だった。p105「人が増えたらそんなもん」この部分がちょっと胸にチクッときた。人間成長したらあとは老いていくもの、その点ではノクスがうらやましいが、確かに時間に置いてきぼりを感じるかもしれない。結のビフォーアフターの変わりようが怖いと思った。とても読みやすくて面白い。劇作家さんでしたか、他の作品も読んでみたい。
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21世紀初頭、ウィルスにより人口が激減。人類は、感染を克服して強く若い肉体を手に入れた"夜の住人"ノクスと、感染に怯える旧人類キュリオの二つに分かれた。ノクスはキュリオを支配していき、やがて文明を担うようになった。当然反発は強く、キュリオの村・長野八区では、ノクスの駐在員の惨殺事件が起こる。結果、村はノクスによって経済封鎖された――。その10年後、村の若者・奥寺鉄彦は、閉塞感を抱えながら毎日を過ごしていた。幼馴染の生田結は、ノクスの存在を憎みながらも、村を立て直したいと前向きに暮らしていた。そんなある日、突如、経済封鎖が解かれ、村にノクスが現れる。羨望、絶望、希望。その先にある「未来」とは? 数々の演劇賞を受賞した傑作戯曲「太陽」、待望の小説化! 『小説野性時代』連載に書き下ろしを加える。
(2016年) -
映画を先に観てからの原作
どちらも素晴らしか -
芝居を観てからの、読了。芝居の出来が抜群だった。この本は、蜷川バージョンに近い流れかな。
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映画化に際し内容に非常に興味を持ち、公開が先か本の図書館予約確保が先かで映画を先に鑑賞。太陽の輝く貧しい世界に生きるのか、太陽に背を向けて何かの方向に進化していく世界を選ぶのか、これは近未来にも遅かれ早かれ訪れる究極の選択肢かもしれません。
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舞台で観ていたらきっと号泣していたと思う。
未来を感じさせるエンディングが素敵。 -
映画も舞台もみて、最後に本を読んだ。舞台が良すぎるくらい良かった。大人の役者さんがちゃんと子供に見えることって、とても稀有なことだと思う。
太陽のなかの一番の救いはモリシゲだと思う。彼が本当に本当にいいやつだから、その懐の深さに人類の未来に希望が見られました。モリシゲありがとう。
著者プロフィール
前川知大の作品





