失われた過去と未来の犯罪

著者 : 小林泰三
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年6月2日発売)
3.67
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  • 本棚登録 :219
  • レビュー :23
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034699

作品紹介

ようこそ、謎と人間の新しい可能性へ――。
『アリス殺し』の鬼才が贈るブラックSFミステリ、ここに開幕。

全人類が記憶障害に陥り、長期記憶を取り外し可能な外部装置に頼るようになった世界。
心と身体がバラバラになった今、いくつもの人生(ル・ものがたり)を覚えている、「わたし」は一体何者――?


◆女子高生の結城梨乃は、自分の記憶が10分ともたないことに気が付いた。いち早く状況を理解した梨乃は急いでSNSに書き込む――「全ての人間が記憶障害に陥っています。あなたが、人類が生き残るために、以下のことを行ってください」。それから幾年。人類は失った長期記憶を補うため、身体に挿し込む「外部記憶装置」(メモリ)に頼り、生活するようになった。

◆「わたし」の中には、なぜか何人分もの記憶、思い出が存在している。「替えメモリ受験」をしようとした学生の話。交通事故で子供を亡くした父親の話。双子の姉妹の話。メモリの使用を拒否する集団の話。謎の「声」に導かれ、「わたし」は自分の正体をついに思い出す……。

物語の終幕に、「進化の果て」が浮かび上がる。

失われた過去と未来の犯罪の感想・レビュー・書評

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  • 記憶と時間、ライフワークのテーマがまた結実した感じ

  • 小林泰三のSFの中では読みやすい

  • 201706
    ある種の思考実験のような小説。
    自我とは、と考え始めると恐ろしくなる。

  • ある日突然記憶を保てなくなった人類のエピソード集。

  • 她思想的回路是好意思。哲学的,真理的和露茜(电影)的。

  • 03/01/2017 読了。

    図書館から。

    SF。
    人間の脳って凄いんだなー。

    こういう設定ってどうやって思いつくんだろうってくらい、
    不思議な感覚でした。

  • 可愛らしい表紙に反して哲学的なテーマを抱えたハードなSF。
    今年暫定ナンバーワン。

  • あらすじ(帯)
    女子高生の結城梨乃は、自分の記憶が10分ともたないことに気が付いた。いち早く状況を理解した梨乃は急いでSNSに書き込む――
    「全ての人間が記憶障害に陥っています。あなたが、人類が生き残るために、以下のことを行ってください。」それから幾年。人類は失った長期記憶を補うため、身体に挿し込む「外部記憶装置(メモリ)」に頼り、生活するようになった。


    まず、記憶障害が起こった直後の出来事を記す第一部。
    10分しか記憶がもたないという設定のため、「思考パターン」の表現はともすれば、くどくなりそうだが、主人公:梨乃の性格にうまく誘導されて、すんなりと物語に入り込むことが出来る。
    その後の人間を描く第二部。
    (厳密には正しくないが)「外部記憶装置」を持つ幾人かの数奇な運命を、それぞれ短編で描くという構成をとっている。

    短編かつ会話が主体なため非常に読みやすく、小難しい理屈抜きでSFを楽しめるものの、重厚なSFを読みたい人には逆にマイナスの要素か。

    人はどこから来て、どこへ行くのか。
    記憶とは何か。魂とは何か。
    こんなテーマが好きな人はぜひどうぞ。

    小林泰三の集大成とまでは言わないが、無意識のうちに過去の作品群から影響を受けていそうな一冊。

  • 全人類の記憶が10分しか保てなくなった世界。メモを取ることから始まり、ついには外部メモリが開発される。記憶はメモリに残るということは、体は誰のもの?魂は?人工知能って?と、興味深いSFだった。

  • 題名からミステリーかと思ったが、SFだった。

    本作はとても読みやすい。手軽に読めるのに、長い間旅をしたみたいな気持ちになれるので、お得な感じがする。
    面白さはもちろんだが、どちらかというと「こういう話が好きだ!」という感じが先に立つ。まだ四作目の小林作品だが、これが一番気に入った。小林泰三のSFをもっと読んでみたい気にさせられる。

    短期記憶しか持てなくなった人々の混乱から、人類が、地球が……と壮大な展開にセンサーが反応しまくりで、第一部は特に良かった。

    第二部はメモリを交換したり他のメモリを入れたり……という個人の話が大半で、先が読める部分は多かった。それでも楽しく読んだのは事実だ。メモリを持たないコミュニティからイタコへと続く展開は興味深い。メモリは魂なのか?魂の所在はどこに?では肉体は……?という思索を与えてくれた。
    ラストのスケールの大きさは、正直よく分かっていないのだが、許せてしまう好きな終わり方だった。(恩田陸でもよくこんな気持ちになる。)

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