東京結合人間

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.56
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本棚登録 : 212
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034743

感想・レビュー・書評

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  • 異世界性癖症候群

  • これまた奇想天外な世界観で、しかし緻密で大胆な本格ミステリだ。気持ち悪さと怒涛の展開はさすが。人を選ぶが傑作。

  • 作者が作り出す独自の世界で繰り広げられる展開に感心です。以前、読んだ横浜駅SFで感じた新しい世界観を感じます。

  • このミス16位、本格ミステリ8位
    白井智之さん第3作『おやすみ人面瘡』を読んで面白かったので第2作目も読んでみた。

    男女が互いの身体を結合させ、「結合人間」と呼ばれる一つの生命体となることで生殖を行う世界。この過程で時々、嘘が一切付けないオネストマンが誕生する。
    オネストマンの共同生活を撮影する映画の企画が立ちあがった。しかしロケ地に向かう途中で船は海難事故に遭い、7人のオネストマンは隠棲した画家が住む小島に漂着、連続殺人事件が発生する。オネストマンは嘘がつけないのに、7人全員が犯行を否定する。

    グロテスクなトンデモ設定と本格推理
    推理部分がちょっと分かりにくかったが
    『おやすみ人面瘡』と同じパターンで面白い。
    第1作『人間の顔は食べづらい』も読んでみようかな。

  • トンデモSF設定が大好きな自分も冒頭の出来事には久しぶりに驚かされた。胸糞悪い話が好きな方なら、ミステリーとしての完成度よりも、世界観設定だけで十分に楽しめます。

  • プロローグからインパクト抜群。
    殺人事件の謎を解くミステリのクオリティも高いが、奇想に満ち溢れた世界感が凄すぎる。
    論理的な解決をするが、その論理がこの世のものではない。
    何はともかく、衝撃的な一冊。
    デビュー作『人間の顔は食べづらい』を読んだときの興奮も冷めていないし、個人的に期待の作家が現れたようだ。

  • カテゴリを書こうとして悩む!

    この本は一切の先入観を持たずに読むとより一層楽しめる。何も知らずに読んだので、最初のエログロ描写で辞めようかと思ったくらい。しかも、短編集のような雰囲気がありながら、実は話は全てつながっていく。
    ”結合人間”というありえないシュールな設定自体が驚きだが、そこから”オネストマン”というさらに一歩進んだ設定が、中盤からのまさかさの絶海の孤島モノに見事に話の骨子として結晶化していく巧さ。
    本格推理物としてもその異色の設定の中でギリギリの論理のアクロバットが展開して、文字通り二転三転するロジックは見事。読んでて何度か読み返すほど精緻に組み立てられていて、この作者の白井氏の並々ならぬ才能が分かる。
    ただし、時折ほとばしるエログロ残酷描写がスパイスとしては過剰なのは残念。
    いずれにしろ、他の作品も読んでみないと!

  • な!なんでこんなこと思いつく?!
    絶賛、綾辻氏の帯に釣られ読み始めました。

    これをSFホラーととるか、本格ミステリーととるか。
    架空の世界での異形の結合人間たちの巻き込まれた本格ミステリー。孤島、館、本格推理、頭の体操的な推理の構築。
    最後の最後まで一瞬も気を抜けないストーリーなのでした。

    一冊目の方よりこちらの方がすごい。でも人に勧める時は考えてしまう。読む人を選ぶ本です。

著者プロフィール

1990年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作で2014年にデビュー。『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』は「2021本格ミステリ・ベスト10」で第3位。他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。衝撃的な作品で読者の度肝を抜く、気鋭の本格ミステリ作家。

「2022年 『お前の彼女は二階で茹で死に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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