蜷川幸雄とシェークスピア

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041034798

作品紹介・あらすじ

「藤原竜也ハムレット」「阿部寛ブルータス」……全く台詞を変えずに、文化と時代を超えたコラボを実現させた新生ニナガワ・シェークスピア劇。熱き半世紀の挑戦とエピソードをまとめた、26タイトル全舞台の記録。

感想・レビュー・書評

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    図書館貸出。

    *第一章:蜷川シェークスピアを確立させた初期四作

    *第二章:国王たちの物語

    *第三章:異国情緒の武将たち

    *第四章:一回きりの歌舞伎体験

    *第五章:『オールメール・シリーズ』の喜劇

    *第六章:家族の再生を描く『後期ロマンス劇』

    *第七章:永遠のテーマ『ハムレット』

    1970年代後半から

    [40数年]

    演劇の真っ只中一筋で、歌舞伎・海外公演を含め

    『あらゆる振り幅』を振りかざし、踊り続けるかのように、叱りつけながら、世界中を走り回り、駆け抜けていった

    〈シェークスピア作品を土台にした、蜷川さんがそれぞれの作品に込めた『表沙汰には登場しなかった「究極な思い入れの数々の裏話」』〉

    秋島さんの目線と並行して、凄まじく、生々しい『空気そのもの』が

    〈著書全体から、満遍なく溢れ出るかのような『内容』『蜷川さんが寄せた当時の「コメント」』〉

    を通して、ヒシヒシと、時には痛烈さえも伝わってくるかのような感覚を覚えながら読み進めいました。

    《作品の根っこにあったのは、至って身近なところににあったことの一部として》

    〈異文化に対する接し方=謙虚かつ対等に〉という想いから窺えた

    『東洋と西洋の「融合」』

    『古典劇が演じられる俳優かどうか。特に「重要視しつつ、こういった点で、今後どうなるかという懸念」を、最近は抱いていたこと』

    →現代劇が主なベースを占めている分、この点は私自身も、確かにそう感じていました。

    〈演出家=料理を並べ替え、アレンジする役割〉

    →日本文化に置き換え、分かりやすくといった所での『蜷川さんらしいイメージの思い浮かべ方の「空間」』が描写されている点。

    +伝統的&現代的も織り交ぜながら…

    〈ハムレットに込められた想い〉

    →現在に置き換えても通用する点。

    〈骨太の俳優がいない。育たない背景となってる環境とは〉

    →確かに言われてみれば、そうなのかもしれないという

    蜷川さんの目線から見た『疑問符』

    等、こうしてあらゆる角度から、演劇を通して投げかけていたこと。

    蜷川さんがこういったメッセージの数々をを残しながら、天国へ旅立った今

    『これらの魂・想いを通して』

    一つ二つ、また新しく収穫を得ることができました。

    秋島さんがこうして『一冊の著書』としてまとめていなければ

    こうした本来の蜷川さんの想いも知らないままでした。

    秋島さんにも、心から感謝をしながらレビューを終えます。

    ありがとうございました。

    後は、蜷川さんがモットーにしていたフレーズ&特に、印象深かったメッセージの一部

    →[Myリンク・1]にて記載して終えたいと思います。

    ―改めて、心よりご冥福を申し上げます。40数年間、本当にお疲れ様でした―

  • シェイクスピアを観ようと思うと蜷川さんにぶつかるので、著者や関連本を読ませてもらいますが、演出の手の内を見せてもらって さらに 芝居が面白くなってきました。もっと舞台が観たい!!

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著者プロフィール

(あきしま・ゆりこ)ロンドン在住ジャーナリスト。1950年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒。米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」東京支局に勤務。75年から78年までロンドンBBC(英国放送協会)日本語放送から日本に向けて放送。85年「この世は全て舞台」で第1回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞優秀賞受賞。著書『シェークスピア式イギリス診断 この世は全て舞台』『パブリック・スクールからイギリスが見える』(ともに朝日新聞社)、『アナウンサーはなぜ消えたのか』(草思社)他。

「2015年 『蜷川幸雄とシェークスピア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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