吹部! (角川文庫)

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  • 本 ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041035481

作品紹介・あらすじ

弱小吹奏楽部にやってきた素性不明の顧問、ミタセン。変人ながらも類まれなる音楽センスによって超個性的な部員が揃う吹部を立て直していく。全日本コンクール金賞を目指し部員たちが奮闘する、爽やかな青春小説!

感想・レビュー・書評

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  • とにかくミタセンが面白い。
    大人だけど子供…という顧問のミタセンに何とか付いていく生徒たちから、段々 生徒たちの方から自主的に吹部を作り上げていくように変わっていくところがカッコ良かった。続編も気になってしまう。

  • 吹奏楽部時代を思い出しながら読んでいました。
    ミタセンみたいな先生だったら…ついていけないだろうなぁ(^-^;)
    指揮に関しては天才的だけど。
    いろいろなことを乗り越えながら成長していく主人公や仲間たちの姿が良かったです。
    個人的にはトランペットの八幡太一がお気に入り。

  • ミタセンのやり方は、強引な感じもしますが、
    中々上手くまとめ上げる。
    指導教育本とも言える一冊。
    青春グラフィティー。
    楽器に携わったことのない方も、
    楽しく一気読み。
    皆様も是非!

  • 廃部寸前の吹奏楽部に、エキセントリックな顧問教師が赴任する。
    このヘンな顧問のペースに巻き込まれ、振り回されつつも、その熱に影響され、生徒たちは少しずつ変わっていく。
    そんなお話。

    楽しくは読めるかな。
    個性豊かな吹部メンバーも、ミタセンの強烈さの前にかすんでしまう感があるが。

  • これで吹部のムスメの気持ちがわかるかなと思いながら読了。爽やかな一冊でした。

  • 三田村昭典
    吹部顧問。指揮。都立浅川高校教諭。通称ミタセン。空気を読まない子どものような大人だが、音楽に関する洞察力は人一倍で天才的な音感を持っている。その素性は全く不明な謎の人物。

    西大寺宏敦
    二年生。担当楽器オーボエ。音楽一家に育ち幼少時より音楽のエリート教育を受けるが、中三時に父親と衝突。音大附属高校への推薦を拒否し、地元の浅川高校に進学。持ち前の運動神経で野球部のエースになるが、ケガで退部。沙耶とは幼なじみ。

    鏑木沙耶
    二年生。担当楽器チューバ。ごく平凡な女子高生。ほぼ崩壊状態だった吹奏楽部でのん気に暮らしていたが、担任してきた三田村からむりやり部長にさせられ、吹いたこともないチューバを任されるハメに。

    奥谷遙
    三年生。担当楽器フルート。木管楽器を仕切る。フルートのパートリーダーでもある。マジメで融通のきかない性格。ミタセンと部員との板ばさみでいつもパニック状態になっている。

    加藤蘭
    三年生。担当楽器ホルン。茶髪でヤンキーの先輩として下級生から怖がられている。レディースを仕切っているという噂も。男グセの悪い母親とは折り合いが良くなく、自暴自棄になりがち。弟と妹がいる。

    長渕詩織
    三年生。担当楽器トロンボーン。吹部前部長。成績優秀。引退し大学進学をめざしていたが、吹部立て直しのために現場復帰し、三年をとりまとめる。冷静で柔らかな物腰の裏に熱い部分を持ち合わせる。

    大磯渚
    二年生。担当楽器アルトサックス。アニメオタクでツインテールの隠れコスプレイヤー。黙っていれば美人な残念女子。なにごとにものめり込む性格で楽器を吹くとき最大限に揺れる。沙耶のクラスメイトでもある。

    榊甚太郎
    二年生。担当楽器ぱーかっしょ。軽音楽部でハミていたところを沙耶がスカウト。スネアを担当。いつも自分の楽器である「健太」にひとりでしゃべりかけている。演奏のスタイルにこだわるタイプ。

    清水真帆
    二年生。担当楽器トランペット。成績優秀で温厚な性格だが、驚異的なあがり症でなにもかも本番に弱い。ミタセンに罵倒され投稿拒否騒動を起こす。

    副島奏
    二年生。担当楽器フルート。おしゃべりで明るい関西弁のムードメーカー。黄色いカチューシャがトレードマーク。学校の内部事情に詳しい。沙耶とは仲良しグループのひとり。

    八幡太一
    二年生。担当楽器トランペット。不良になりきれない不良。お調子者でひょうきんな性格。サボり癖があるが新入部員の恵那凛に一目ぼれし、部活に身を入れはじめる。

    恵那凛
    一年生。担当楽器クラリネット。色白の美少女。通称エナリン。先天的な心疾患の持ち主で、そのためによく学校も休んでいる。同じ中学出身の先輩を応援するために吹部に入部する。

    小早川聡美
    一年生。担当楽器クラリネット。かわいい外見に反して、鼻っ柱が強く直情径行な性格の持ち主。恵那凛が抜けたあとのクラリネットを仕切っていて、徐々にその暴走気質を露呈させる。

    北川真紀
    一年生。担当楽器パーカッション。マリンバなど鍵盤打楽器の名手。普段のセミロングをポニーテールにして戦闘体制になると人が変わったように激しく演奏する。変人。榊甚太郎は気になる存在。

    一年男子三人組
    藤崎省吾をはじめとする一年男子三人組。担当楽器、各コントラバス、ユーフォニアム、ファゴット。いつも三人一緒の草食系。部員たちから「一年男子たち」というくくりで呼ばれていて、誰も名前を覚えようとすらしないかわいそうな存在。

    高橋和江
    吹部の上級生たちは三年になる時点でみんなやめちゃったので、新部長に任命されていたが、急にアメリカへ引っ越すことになった。

    野々宮紀子
    吹部の顧問。いいひとなんだけど、やる気と指導力に乏しい。ミタセンと顧問の交代をし、副顧問として残る。

    沙耶の母
    バリバリと仕事をこなすキャリアウーマン。化粧品の販売代理店を経営する女社長。

    辰吉
    流しのチューバ吹き。本業は楽器屋。駅前の辰吉楽器。

    鏑木純一郎
    沙耶の父。ミタセンが学生のときに参加していた芸術団体に出入りしていた先輩。

    武浩
    宏敦の弟。

  • 先生おすすめ本('23.4 ビブリオバトル教員大会)
    生徒おすすめ本('24.3 図書室通信掲載)

  • 記録用。

  • やる気がなく、3年がやめてしまって廃部寸前の高校吹奏楽部でフルートをやっていた2年の鏑木沙耶のところに、新しい顧問の教師三田村が現れる。三田村が「吹奏楽部を全日本大会に出す」と宣言し、部員を集めることを命令する。沙耶たちは、同級生で幼馴染で音楽家の息子、西大寺たちを誘い、新生吹奏楽部をスタートさせる。

    なんか、どこぞで見たストーリーてんこ盛りで、創作にありがちな挫折と克服、快進撃というお話である。

    実力はあるが、生徒にとってはエキセントリックなミタセンこと三田村先生、実力派の西大寺、腕はいまいちだが乗せるとどこまでもやる八幡…って、関西の駅名?

    主人公が鏑木沙耶ということでいいのかな?フルートをやろうとしているのに、強制的に低音パートのチューバに配置換えをされてしまったり、家族のことで悩んだり、都の大会の際に顔を似せたぬいぐるみ…。

    『響け!ユーフォニアム』だよねこれ。全体にストーリーが重複しているように感じるのは気のせいか。

    また、オリジナルストーリー(?)の部分はいろいろあるんだけど、いうほど盛り上がらないんだよな。

    全体のストーリーは、文章で描かなければならない点から、細かいリアリティよりはエンターテインメントとして、消化しなければならない部分もあるのだろうが、せっかく吹奏楽部なのに演奏の盛り上がりなど、実際の曲の臨場感などが全く描かれていないのは、今ひとつ。

    実際の高校吹奏楽部の先生に取材したということであるが、演奏自体を取材してないんだろうな。そのへんはマイナスが大きい。

    楽器ネタということで甘めの採点では有るが、中高生までかな、このストーリーでは。もうちょい心情変化の機微やなんかが描かれるべきであったのだろう。

    「一人称がコロコロ変わってわかりにくい」というレビューも多いようだが、大人向けというより、中高生向けのジュブナイルならよくある話である。

  • 弱小吹奏楽部と少し変わった新顧問との部活青春物語。音楽のことしか考えていない顧問の発言や行動に腹立つ場面が何回もあったが、音楽の知識や実力については信頼できる。
    廃部寸前でバラバラだった生徒たちが少しずつ団結しハーモニーを奏でる。
    部活に全力で注ぐ姿、衝突して仲直りして…青春が眩しい。

    個人的には最後の恋愛要素や楽器が事故で破損したり詰め込みすぎだと感じ、なくても良かったかなとも思った(小声)

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著者プロフィール

慶応大学文学部卒。公益法人勤務、進学塾講師、信用金庫営業マン、飲食店経営、トラック運転手など様々な職を経て、現在は週刊誌記者をはじめ、フリーのライター&編集者に従事。著者に小説『吹部!』、ノンフィクション『会社人間だった父と偽装請負だった僕』『内川家。』など。

「2020年 『吹部! 第二楽章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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