眩談 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年11月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (290ページ) / ISBN・EAN: 9784041035528

作品紹介・あらすじ

僕が住む平屋は少し臭い。とくに薄暗い廊下の真ん中にある便所は臭く、そして怖い。ある日の夕暮れに、暗くて臭い便所へ向かうと……(「便所の神様」)。無職になった私は秩父にある実家に戻った。ただし私は家が好きになれない。得体の知れないシリミズさんが祀られている上に、中庭には変なモノが出る(「シリミズさん」)。暗闇が匂いたち、視界が歪み、記憶が混濁し、やがて眩暈をよぶ。京極小説の本領を味わえる8つの物語。解説は諸星大二郎。

感想・レビュー・書評

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  • この怖い表紙の本を電車で読んでたのはテロだったかもしれない。
    でもね。この本、見返しの方が怖いんですよ。夜中にふと開いてギョッとしました。

    「もくちゃん」あたりから、この不条理で、不愉快で、気味が悪いのにどこか懐かしいような世界の虜になってしまった。
    少しの違和感が怪異になり、どんどん増殖していって、最後には酷く粘性のある湯にどっぷり浸かったように、登場人物が異常な世界で身動きが出来なくなっているこの感じ、クセになる。

    それにしても厭な怪のこのディティールの細かさよ。
    中庭の池にたまに湧くぺらっぺらな「半紙を人の型に切り抜いたようなもの」や、誰もいないのに鏡の中に映る「くねくねと蠢」く中年の女や、縁の下で地べたに腹這いになった「真っ赤な女の人」にほんとに遭ったことあるのかい、京極先生。

    「もくちゃん」「シリミズさん」「杜鵑乃湯」が特に好き。

  • 2018年12月8日。
    「便所の神様」だけ読んだ。
    ちょっと気味の悪い内容で、寝る前に読むのは不向きでしょうかね。
    この作家の文体は、何やら独特なもので、頁をまたがった文章がないとか。

    2021年5月2日、追記。

    著者、京極夏彦さんは、ウィキペディアに次のように紹介されている。

    京極 夏彦(きょうごく なつひこ、1963年3月26日 - )は、日本の小説家、妖怪研究家、グラフィックデザイナー、アートディレクター。日本推理作家協会代表理事]。 世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)、関東水木会会員、東アジア恠異学会会員。「怪談之怪」発起人の一人。

  • とても好きな世界観だった。
    他のシリーズも読んでみたいと思う。
    京極夏彦さん、初めて読んだが、読みやすい文章と描写。トイレの神様の話がとても想像できた。
    大学の時の知り合いの実家が汲み取り式の便所だったことを思い出した。その上に洋式の便座は備え付けてあるが、下を見ると真っ暗で、トイレ自体も自宅の外にあったであろう場所に屋根をつけてあり、電球も一つで、暗くて何も見えなかった。窓もついていたけど、開けられていたことはないし、ドアも引っ掛けるだけの簡易的な鍵。なのにほぼ外にある。
    その子の家に遊びに行った時はギリギリまでトイレを我慢していたのと、お尻を浮かせて座らないように用を足したこと、コンビニに出て用を足したことを思い出した。まさに同じ情景。
    上を見たら居たかも。

    • おみさん
      はじめまして、おみと申します。
      本棚にお邪魔させて貰って、こちらの本のことを知りました。
      タイトルひと目見て気になり、著者が京極夏彦さんと知...
      はじめまして、おみと申します。
      本棚にお邪魔させて貰って、こちらの本のことを知りました。
      タイトルひと目見て気になり、著者が京極夏彦さんと知り更に気になり、レビュー読ませて貰ってまたまた気になり…
      思わずコメントしてしまいました。すみません。

      調べたら、諸星大二郎さんが文庫解説なさってる(⁠・⁠o⁠・⁠;⁠) ものすごく気になる。。
      早速本棚登録させて貰おう ( ゚∀゚)イソイソ
      2024/05/22
    • ねこむすめさん
      はじめまして^_^
      コメントありがとうございます。京極夏彦さんの文章が素晴らしくて、是非読んでいただきたいです。なんというか、匂いまでしてく...
      はじめまして^_^
      コメントありがとうございます。京極夏彦さんの文章が素晴らしくて、是非読んでいただきたいです。なんというか、匂いまでしてくるような、色まで感じるような描写があって、カフェで読んでたのですが、周りの音が全く聞こえなくなる間隔がありましたよ。この現代怪談?というのかな?シリーズものみたいなよで、私も他のも読んでみようと思います。
      2024/05/23
  • ★★★★★★どこか奥深いところから摘みとってきたものを書き続けたような、そんな京極氏の譚を読むことによって、ふだんは目に映らないものや、見ないようにしている儚い感じのものを、切なく、どこまでも静かに突きつけられる。だから、心が揺れる、ざわめく。でも、私の人生自体に別れや喪失が忍び寄ったり、向き合わざるをえない状況というのも時に訪れる。そんな刹那にこの譚は、そっと寄り添ってくれる気がする。

  • 夏ももう終わりかけですが「 」談シリーズ三作目、眩談です。

    ばたばたしていてうっかり感想書く前に返却してしまったので、「ろくちゃん」のイメージしか残ってないですけど。。

    彼がろくちゃんに見せていたものってなんだろうと思う。
    以前…異常とは何か、で読んだけれど、そういった方って何か別のものが見えてたりするのかな、と思うことはある。
    例えが酷くよろしくないことは重々、としてネコがなにもない(はずの)空間をじっと見つめている時に、そうなのかなと感じるように。

    京極さんは、的確に読者(私)の思っていることを表現してくれていると、特にこの作品で感じた。

    他に表現の仕方ってないよね。。

  • 怪談をベースにした物語の短編集。
    百鬼夜行シリーズ「姑獲鳥の夏」以来の京極作品を読んでみましたが、ホラー的なものがあまり好きでないからか、ピンときませんでした。長編の方が面白いかな。

  • 諸星大二郎の解説がくせつよい

  • 怖いのかと思ったら、ただただ変なはなし。
「杜鵑乃湯」昔よく見た夢を思い出した。すごく広い家のなかをさまよっていて、どうしても外に出られない夢。
「けしに坂」忘れてたこと思い出してうわーってなるパターン好きだけど、これは忘れすぎ。
    「むかし塚」埋めてお話にしたい思い出。
お話は、消えない。思い出は薄れていくけれど、物語は永遠だ。
    辛いし苦しいけど、忘れられないし忘れたくない思い出。
大切に永遠に持っていたい思い出。
お話にするには時間がかかるけれど。

  • 確かに真っ正面から「怪談」という感じじゃなくて、ちょっとズレてるか。ホラーでもなく、なんか気持ち悪いって言うか、座りが悪いって言うか。
    親父手製の弁当に白髪がギッシリとか海苔をめくったら口が開いてたとかは思い出すと食欲無くしそう。。。

  • 京極夏彦の短編集。本作は、現代怪談シリーズの中の1冊に数えられている。怪談とはいえ所謂怖い物語ではなく、なんとなく不気味だなあという物語。

    便所の神様
    歪み観音
    見世物婆
    もくちゃん
    シリミズさん
    杜鵑乃湯
    けしに坂
    むかし塚
    の8篇が収録されている。

    予備知識無しで読み始めたので、「便所の神様」の冒頭でてっきり「京極堂」シリーズだと思い込んでしまった。それくらい京極夏彦ワールドで始まっている。

    先の篇に進むにつれ幾分かソフトな文体に変化しているけど、それでも読後感は、何か夢の中を見ているような感じになった。

  • 再読。現代怪談シリーズ短編集。普通の日常とそこにぽっかりと口を開けた非日常が奇妙に混じった話が多い。最初は普通なのに、気付けば異界に足を踏み入れているか浸食されている。その眩暈のような感覚がたまらなく心地良くもあり、心底震えるような恐怖感もある。特に気に入った話は「歪み観音」「けしに坂」かな。

  • 「むかし塚」は何処にあるんだろう

  • 8つのお話からなる短編集です。

    怖いとか
    恐ろしいとかとは違って、
    なんだかいや~な感じなのです。
    それぞれの物語に登場する主人公たちも、
    無暗に怯えたりすることはありません。
    怪異に遭遇しても、
    嫌だなぁと思っているだけです。
    嫌な感じがするのに読みふけってしまうのは、
    文章が醸し出す
    独特のリズムが心地よいからです。
    全編いや~な雰囲気が漂っているのに、
    懐かしさのようなものも感じます。



    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 日常と非日常の境がぼやけたかのような怪異の短編集。
    古い家の独特の臭気を感じさせる描写の数々。

  • 個人的に好みの文体、描写。

  • 今回は判りにくいお話ばかり。

    「もくちゃん」というお話は
    なるほど京極さん良いこと言うなと感心させられた。
    昔はどこの町にも少々困った人というのが1人くらいは居たものだなと。

  • 読後ぞくっとする話ばかりで満足。
    特に「むかし塚」は不気味さと切なさがとてもよかった。

  • 難解。
    意味不明。
    意図不明。

    いったいこの作品は、何なのだろう?

    まったく分からないながらも、京極さんの独特の文体に引き込まれて……なんとか読了できた、という感じ。

    ただ……同じく意味不明なようにしか思えなかった、諸星大二郎さんによる巻末解説を読み終えてようやく、なんとな~く作品世界を共感できた気もする。

    ★2つ、5ポイント半。
    2016.09.15.図。

    諸星大二郎……たしか、ずっと以前に少年ジャンプでみかけた気のするペンネームだな。

    何ていう作品だったっけ?

  • 短編集。
    日常の中に潜む気味悪さ、後味の悪いものを描いたもの。

    話の中には所謂霊的なものが人間に危害を加える、というようなものはない。
    むしろ、題材はすべて日常生活。日頃、怖いと感じるもの、気味悪がっていたものに姿や形、そして現象を与えることで、それらが具現化しているような。そんな気持ち悪さと怖さを感じた。
    ただ、私くらいの年齢(20代)がギリギリかなぁ、と思った。ボットントイレの気味悪さ、見世物小屋の存在等、体験したり聞いたことがなければ、その気味悪さがピンと来ないのかもしれない。

  • 不思議なちょっと気持ち悪い話の短篇集
    京極の短編だけど、本当に短編(笑)

    今までの幽談、冥談と同様にわけのわからぬものについて、いつもの京極らしく主人公の独白で綴られる

    ま、京極好きだから最後まで読んだけど、他の人には薦められないなぁ

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく・なつひこ):一九六三年北海道生まれ。九四年『姑獲鳥の夏』でデビュー。同作を含む〈百鬼夜行〉シリーズで人気を博す。九六年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。その後も泉鏡花文学賞、山本周五郎賞、直木三十五賞、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞を受賞。〈巷説百物語〉シリーズ、〈豆腐小僧〉シリーズなど著書多数。

「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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