ぼぎわんが、来る

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.80
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本棚登録 : 457
レビュー : 94
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041035566

作品紹介・あらすじ

幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだノンストップ・ホラー!

最終選考委員のみならず、予備選考委員もふくむすべての選考員が賞賛した第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • やっと借りて読むことが出来た。面白くて一日で読了。

    「訪問者」「所有者」「部外者」の3章で語る人の視点が変わってゆく。「訪問者」はただただこわくてブルぶる。こわいもの見たさでぐいぐい引っ張られてしまいました。この(こわさの)ペースで最後まで行くのか…どうなるのかハラハラし通し。少し『リカ』的なこわさを味わった。

    「所有者」では、その正体についてぼんやりと伝わってくる部分があり、謎解きでもないけど民俗学や各地域の伝承が架空でも興味深かった。じわじわとこわさが迫ってきて2章終り頃は、こわいというよりも不気味な感じがしました。

    「部外者」では、このキャラが語っていくとは思わなかったので意外。なんだけど少しポップさが出てきてしまいツッコミが増えて笑った。これはフラグか?もしかしてフラグ?とドキドキした。最後もじわっと…あと引いてよかった。

    第22回日本ホラー小説大賞は受賞3作品とも評判がよかったんだね。当たり年だったのかも。過去に数作読んで「時間を返せ~!」と叫びたくなる作品も多かった。そのうち『二階の王』や『記憶屋』も読んでみたいな。


    読んでいて「澤村さんもしかして女性?」とか思ったけど男性でした。澤村さんの新刊も読んでみたい。 ♪ペットフードはぼぎいわん~♪とつい口ずさんでしまう。

    • みつきさん
      私も最初、作者が女性かと勘違いしましたヨ。
      私も最初、作者が女性かと勘違いしましたヨ。
      2016/10/05
    • まっき~♪さん
      みつきさんへ

      主人公の奥さんの心情や女の人の気持ちがリアルだったので、女性かと思ってしまいました。名前も伊智さんなので、つい勝手に思い...
      みつきさんへ

      主人公の奥さんの心情や女の人の気持ちがリアルだったので、女性かと思ってしまいました。名前も伊智さんなので、つい勝手に思い込んでしまいました。
      2016/10/06
  • 2015年日本ホラー小説大賞受賞作。
    三部構成になっていて、一部は田原秀樹の視点から描かれる”ぼぎわん”のわけのわからない怖さ。しかし確実にそれは秀樹を執拗に狙い、周囲の人間が襲われていく。一部の終わりは正直「うえっ」って声をあげちゃいました(褒めてます)。二部は秀樹の妻、香奈の視点で描かれる、娘の知紗に迫り来る”ぼぎわん”。ここで面白いと思ったのは香奈から見た秀樹の姿。ここだけでも褒められる(特に男性が書いたとは思えない核心をついた似非イクメン)。三部は秀樹に依頼されたことにより、結果的に”ぼぎわん”に深く関わることになるルポライター野崎の視点。野崎の恋人で霊能者真琴が動けなくなり、彼女の姉で真琴より強力な力を持つ琴子と共に”ぼぎわん”と対決するラストバトルが描かれる。

    正直言ってしまうと、前半のわけのわからない「不気味さ」が良かったので、後半姿を現した”ぼぎわん”には恐怖を感じなかった(これは人によると思う)。古代より伝わる「忌まわしい何か」というのはよくある題材なんだけど、この作品で私がいいと思ったのは「近づいてくる怖さ」がちゃんと描かれているところ。それと電話がかかってくるとか、他人づてに「来た」ってわかる場面が最高に怖かった。なので、私がこの作品を高評価するのは前半に限って(後半は普通のホラー)。

  • 表紙とタイトルと綾辻さんのコメント付き帯にひかれて。
    第22回日本ホラー小説大賞、大賞受賞作。
    ホラー+民俗学+ラノベ感+育児+幼児虐待
    綾辻さんや三津田さんが好きな私にとって、好みの雰囲気だった。サクサク進むし、文章に変なクセもないので読みやすい。
    最初の章でめっちゃ怪奇現象+人死に!で、次の章から解明されていく、という流れが好きな私。

    ただ現代の設定だから仕方ないけど、起きているのは昔ながらの「化け物による怪異」なのに、スマホやSNSなどの現代ワードがちょいちょい出てくるから、ふと冷めてしまうというか、軽くなってしまうというか。
    せっかく章を分けて語り手を別々にしているんだから、一章ぐらい祖父母の若い時代の話があってもよかったのかな、と。呪い(人の想い)がどれだけ強くて長く続くのかって感じられるような気がする。『※個人の感想です』

    現代の化け物は新幹線にも乗れるし、ファブリーズも効果あり。

  • ホラー大賞受賞作。怪異のビジュアルがありありと浮かんで怖い。しっかりと怖い描写なんだけど、怪異の正体がとても切なかった。
    千紗の父親の、イラッとさせる描写が秀逸。本当に読んでてイライラした。奥さんと子供を守ろうとしたのは良いんだけど……。
    怪異の正体が序盤で明らかになるし、そんなにハチャメチャにあれこれ混ぜ込んでるわけでもないのに、300ページもどうやって話を続けるんだろうと思っていたら、そういうイクメンのイライラ描写だったり、昔の夫婦関係、親子関係の話が上手く盛り込まれていて良かったです。
    語り手が変わると改行が少なくなったりしてて、描き分けてるなぁと。
    千紗が語り手のシーンは、さすがに子供目線だけあって何が書いてあるのか読み取るのが難しかった。

    最後にみんな死ぬのかと思ったら、そうではなくてホッとした。
    特にスーパー霊媒師琴子さん。他の除霊の話も見てみたい。

  • 怪異「ぼぎわん」に狙われる一家の話。著者の澤村さんの作品は『ずうのめ人形』もそうだったけれど、だんだん近づいてくるのがとにかく怖い。冒頭の「何か」が家を訪ねてくる場面は、誰かが家を訪ねてくる、ということそのものの不気味さを十分に描いている。作品を通して追いかけてくる「ぼぎわん」との戦いなのだけれど、その秘密を追うことで登場人物の裏の顔が次々と見えてくる。人が人と関わりあって生きていく中で生まれた歪みは簡単には正すことができないと感じた。

  • 2017.8.16

    もう、田原少年が幼い頃、玄関にやってきたぼぎわんがのっけから怖かった。そこから一気に引き込まれ、2部までは夢中で読みました。
    三津田信三氏が得意とする、とある地方に伝わる妖怪や化物の類の話が好きなので、唐草氏とのシーンもわくわくしましたが、3部の戦いシーンで失速した感が。
    1部→ぼぎわんがただひたすら怖い。
    2部→旦那死ね。くそむかつく。知紗どうなっちゃうのハラハラ。
    3部→ひたすら恋人の姉と化物との戦い
    という感じで、霊能力で解決するのではなく謎解きの果てに退治、という流れを期待していたので3部から急に怖くなくなってしまったのが少し残念でした。

  • 第22回 日本ホラー小説大賞受賞作。
    審査員である綾辻行人・貴志祐介・宮部みゆき の御三方が大絶賛だったとのことで、あらすじもよく知らずに読んでみました。

    現代が舞台であるけど、正体不明の何か妖怪的なモノに狙われるという典型的なホラー。
    各章で語り手が変わり、ストーリーが進んでいく。
    一章で夫目線の夫婦像、二章目で妻目線の夫婦像、それぞれ全然違って化け物よりもこっちの方が恐ろしかった。
    三章で無敵そうな霊媒師がやってきて対峙するとこからガラッと雰囲気が変わってしまったのが期待していた展開と違ったけど、これはこうするしかなかったのかな。
    あと、この作者の癖なのか句読点が多くて最初は読み辛かった。
    私は心で声に出して読むタイプなので、しっかり「、」「。」で一旦区切るので読むペースがより遅くなってしまう。
    最後の方ではそれも慣れてきたのでまぁいいのですが…結構楽しんで読めたので次作も続けて読みます。

  • 第22回日本ホラー小説大賞受賞作。
    モダンホラー?ジャパネスクホラー?・・・こういうのが大好きです。
    (実話怪談系は、私ダメなんです。)
    ホラー小説にリアルは求めてないので
    (っていうかリアルなホラーは嫌。)
    ちょっと突っ込みどころがあっても、全然オッケー(笑。
    そういうのが気にならないくらい、この作品はお気に入りです。

    恒川光太郎とかが好きな方にはタマラナいと思います。
    次回作が楽しみです。

  •  読み終わった後も後を引く怖さ。1章の冒頭で書かれる「まじない」が、章の終わりで罠だったことが分かる瞬間が一番怖かった。ゾクリとするとともに、あの冒頭がこんな風に繋がってくるのか!と感動さえ覚えた。

     しかも、そんな盛り上がりを見せながら、物語はまだまだ中盤。語り手を変えての3部構成で、1章で感じていた違和感の正体が少しずつ分かるようになっている。
     
     民俗学の要素も含まれていて、怪異の正体に至る過程はミステリ的でもある。ホラーとして突飛な表現などはないけど、もう一つのテーマとして自称「イクメン」の独りよがりな父親が描かれているのが、現代的だなあと感じた。程度の差はあれど、こういう人、たくさんいそう。
     「ぼぎわん」を呼び寄せてしまった原因が特殊なものではなくて、自分にもありえるかもしれないというリアリティが、この小説の怖いところの一つ。読み終わった後、玄関の方が気になって鍵を確かめてしまった。

  • 大絶賛!しかし初項から怖い…

    けど面白い…

    けど怖い…

    けど先を読まずにいられない…

    そしてあらゆる伏線やなぞもスッキリ、

    はっきりとまとまり、

    だからこそまた怖い…

    そして大満足の一冊!

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