ぼぎわんが、来る

  • KADOKAWA
3.83
  • (96)
  • (189)
  • (125)
  • (18)
  • (3)
本棚登録 : 1004
感想 : 194
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041035566

作品紹介・あらすじ

幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだノンストップ・ホラー!

最終選考委員のみならず、予備選考委員もふくむすべての選考員が賞賛した第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 子どもの頃、田原秀樹は祖父母の家で奇妙な体験をする。後になって祖父は、訪ねてきても答えたり戸を開けたりしてはいけない存在「ぼぎわん」を恐れていたことを知った。
    大人になり家庭を持った秀樹は子どもが生まれて以降、周りで怪奇現象に悩まされるようになる。危機感を持った秀樹は、つてを頼りにオカルトライター野崎と女性霊媒師の真琴に助けを求める。

    終始ホラー描写にドキドキしながら読んでいた。
    しかしそれだけでなく、「ぼぎわん」とは何なのか?という謎や人間の闇、「ぼぎわん」との対決のバトル感もあり、様々な要素を楽しむことができた。
    ホラー要素だけではなかったので、ホラー小説に慣れていない自分にも読みやすかったように思う。
    またこの物語では、霊的なモノは人の「心のスキマ」に入り込むものとされていて、妙な説得力と身近にも起こりそうな怖さがあって良かった。
    シリーズ作品の第一弾なのでその後の作品も気になるが、夜に読むのはなるべく避けようと思った。

  • 怖いけどおもしろい!?気になる。やっぱり怖い。引き込まれて一気読みでした。
    映画にもなっていたと知らなかったので映像でも観てみたいです。
    はじめての作家さんですが、他の作品も是非読みたいと思います。

  • 面白かった!適度な怖さ加減がストレスなく読めてちょうどいい。でもこれ映像で観たらめっちゃ怖いんだろうな〜。

    章ごとで視点が切り替わるから読んでて飽きないし新たな発見もある。視点が変わるといい人だと思ってたのに全然違ってたり。

    続編があるみたいだからそっちも読んでみたい!

  • 呼ばれても返事をしてはいけない。幼い頃、祖父の元にやってきた「ぼぎわん」と呼ばれるナニカが幸せなイクメン生活を送っていた秀樹一家に狙いを定めてやってくる。同級生の唐草経由でオカルトライター野崎&霊能力者比嘉真琴の協力を得て家族を守る為対応策を取ろうとするが…。始めは高名な霊能力者もさっさと逃げ出すとか得体の知れないじわじわした怖さが来る。秀樹の妻、香奈に語り手が変わると家族の中で熟成されていた闇が混ざり、そして野崎によって「ぼぎわん」の正体が立ち上がる構成が上手い。物理的な攻撃も怖いし忍び寄り方も背筋に来る。真琴の姉、琴子との対決も痛快でお手本のようなホラー小説。比嘉姉妹シリーズがあるので次も楽しみ。

  • 映画化していることは知っていたが
    原作の方がめちゃくちゃ面白いし、
    最後までハラハラしながら読めた作品

  • 澤村伊智さんの本を読むのは3冊目。
    デビュー作を読んでなかったので、読んでみました。
    怖かった!でも面白くて一気に読めました。
    章ごとに視点が変わるのが良かったです。
    二章になって秀樹さんの似非イクメンっぷりがこれでもかと明かされる所は、読んでいて気持ち悪くなりましたw
    シリーズ化しているみたいなので、順番に読んでみたいと思います。

  • 人が抱く怨念や憎悪の怖さと不気味さがじわじわ来ます!
    でも面白かったです。
    比嘉姉妹の活躍がシリーズ化されてるようなので、続編も読みたいです。

  • 怖い…怖いんだけど、読むのが止まらない。
    ホラーって怖がらせるだけじゃなくて、しっかり謎があって、それを解き明かしていくのがすごく楽しい。
    ただ怖いんだよね。
    シリーズのようなので、ゆっくり読んでみたいと思います。

  • 2015年日本ホラー小説大賞受賞作。
    三部構成になっていて、一部は田原秀樹の視点から描かれる”ぼぎわん”のわけのわからない怖さ。しかし確実にそれは秀樹を執拗に狙い、周囲の人間が襲われていく。一部の終わりは正直「うえっ」って声をあげちゃいました(褒めてます)。二部は秀樹の妻、香奈の視点で描かれる、娘の知紗に迫り来る”ぼぎわん”。ここで面白いと思ったのは香奈から見た秀樹の姿。ここだけでも褒められる(特に男性が書いたとは思えない核心をついた似非イクメン)。三部は秀樹に依頼されたことにより、結果的に”ぼぎわん”に深く関わることになるルポライター野崎の視点。野崎の恋人で霊能者真琴が動けなくなり、彼女の姉で真琴より強力な力を持つ琴子と共に”ぼぎわん”と対決するラストバトルが描かれる。

    正直言ってしまうと、前半のわけのわからない「不気味さ」が良かったので、後半姿を現した”ぼぎわん”には恐怖を感じなかった(これは人によると思う)。古代より伝わる「忌まわしい何か」というのはよくある題材なんだけど、この作品で私がいいと思ったのは「近づいてくる怖さ」がちゃんと描かれているところ。それと電話がかかってくるとか、他人づてに「来た」ってわかる場面が最高に怖かった。なので、私がこの作品を高評価するのは前半に限って(後半は普通のホラー)。

    • hiroさん
      先日、談話室で好きな作家さんを教えて頂いたものです。
      ぼぎわん、読みました。めちゃくちゃ面白かったです。読むきっかけを作ってもらってありがと...
      先日、談話室で好きな作家さんを教えて頂いたものです。
      ぼぎわん、読みました。めちゃくちゃ面白かったです。読むきっかけを作ってもらってありがとうございます(*^▽^*)
      2023/06/05
    • ゆきやままさん
      こちらこそ、コメントありがとうございます。
      私も澤村さんのことはニワカなので少し恥ずかしいですσ(^_^;)
      短編集も面白かったので、h...
      こちらこそ、コメントありがとうございます。
      私も澤村さんのことはニワカなので少し恥ずかしいですσ(^_^;)
      短編集も面白かったので、hiroさんもよかったら。
      2023/06/05
  • 読みやすくて面白かった。気になって次へ次へとページを捲った。「恐ろしいもの」の書き方もぼんやりとけど得体のしれない感じが伝わってきてワクワクした。
    クライマックスでの琴子さんがめっちゃかっこよかった。
    最後に不穏な感じて終わるけれど、まあいざとなったら琴子さんがいるから大丈夫という安心感とその時の戦いはどうなるんだろうというワクワク感で終わった。

全194件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

澤村伊智の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×