夜の淵をひと廻り

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.22
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  • 本棚登録 :70
  • レビュー :16
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041035580

作品紹介・あらすじ

職務質問と巡回連絡が三度の飯より大好きで、管轄内で知らないことがあるのが許せない、良く言えば“街の生き字引”、率直に言えば“全住民へのストーカー”。ある街のある交番で住民を見守るシド巡査のもとには、奇妙な事件が呼び寄せられる。魔のバトンが渡されたかのように連鎖する通り魔事件、過剰すぎる世帯数が入居したロッジ、十数年にわたって未解決のご当地シリアルキラー。市井の片隅には、怪物の巣食う奈落がひそかに口を開けている――。

感想・レビュー・書評

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  • 巡査が主人公のミステリ。巡査ってだいたいモブで、主人公になっているものは少ないように思う。その勤務内容から想像してしまうような「落とし物からはじまるちょっとした謎と、町の人々のきずなを感じるハートウォーミングなストーリー」では・・ない。主人公シド巡査は担当区域山王寺を愛している。それはほぼ狂気に近く、住民からストーカー扱いされている。そんな彼だからこそ住人の変化や小さな違和感に気付けるのだ。シド巡査が出会う「街の意思」がなんなのかちょっとつかみきれず、SFのような話でもあった。

  • 異能のお巡りさんの半生を短編で描いた作品。他の作品とも共通する、真藤順丈ワールドが全開。実際の事件を下敷きにした物語が多い。この作品、二回ほど発売日が延期になっていたけれど、ひょっとして、「スターテイル」を書いていたの?と思うくらい、タイムリーな描写。発売日に本屋に走って正解だった。

  • 担当する山王子のことは全て把握していないと気が済まない地域課巡査シド。彼が記す山王子で起きた事件の数々。警官を襲って拳銃を奪おうとした犯人は狂人なのか。祭りで起きた通り魔殺人。地域で連続して起きる不審死。失踪した旦那を探す妻。闇を飲み込んでいるかのようなアパートの扉の向こう。ある衝動を抑えられない青年の告解。星を空に返す少女の幸せ。不良息子の行く末。山王子で起きる事件に彼は何を思うのか。

    えぐくて奇妙で変態で、でも切ない連作短編集。1話のインパクトがすごくてここからどうするんだと思ってたら普通に仕事してて笑ってしまった。つまりそういう話。全編サイコパスな事件だしシド巡査は変態だと思うけど為すべき仕事を普通にしてるそのギャップが面白かった。「悪の家」あたりでテンポもわかってすごい面白くなってきたから、「新生」読んで、いやこれもったいないから二冊目からこの設定でやろう!もうちょい巡査物語しよう!って思ったのにやっぱりあっさり終わってまたしても笑った。後半の3編は全部切なくて悲しくてでも希望があってすごく良かった。キャラも皆魅力的だったから、やっぱり回顧録みたいにして続編だそう!

  • シド巡査は山王寺の町の個人情報をくまなく収集して捜査に活用しているが,評判は良くない.そのシドが絡む短篇が9つ.どれも後半になって意外な事実が判明するパターンで楽しめた.訳ありの酒見,階,秋吉,羽食が中心になって未解決の事件を再捜査する「新生」が面白かった.意外な所に目を付けてダムの底から車を見つけて,そこから4件の未解決事件の真相が判明していく過程は秀逸だ.

  • 主人公であるシド巡査の壮大な半生記のような物語。短編の連作物になっていて、それぞれの物語に登場する人々はもれなく壊れている。度合は異なれど怪物のような人物を見るシド巡査の視点は彼自身が崩壊しかけているが故にとても面白い。
    文体は独特だけれどリズミカルで私は非常に読みやすかった。短い物語の中に哀切、恐怖、笑いとけっこう畳みかけるようにやってくるので忙しい。
    読み終わった後は、何となく夜明けの清々しさと切なさがほんわか残る作品だった。

  • すごく面白い話なのに、すごく読みにくかった。

  • あることを切欠に、街のことを何でも把握せずにはいられなくなってしまった警官シドと、街にはびこる凶悪犯との対決。

    9編それぞれに、えげつないほどの凶悪なシリアルキラーが登場。ホラーファンタジーも入っていて、最初は取っ付きにくい感もあったけれど、意外とクセになる文章で、意表を突く展開もあり、途中からはのめり込むように読んでしまった。ファンタジーオチってあまり好みじゃないけど、今作は結構嵌っちゃったかも。私的には当たり外れのある作家さんだという認識なのだが、今作は当たり。

  • 交番のお巡りさん。

  • 2016/03/29
    移動中

  • ちょっとサイコ入った後味悪いミステリーかホラーかな、しまったなあ(後味悪いのもホラーも苦手)と思っていたけど、最後に収められてた表題作で救われた。
    語り手であるシドさんの半生記でもあったとは。


    収録作品:蟻塚 優しい夜の紳士 着飾るヴィジランテ 笛吹き男はそこにいる 悪の家 ぼくは猿の王子さま スターテイル 夜の淵をひと廻り

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