黄泉がえり遊戯

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.11
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本棚登録 : 36
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041035597

作品紹介・あらすじ

動く屍体、加速する殺戮、そして涙……。
これが、青春ホラーミステリの王道

閉塞感に満ちた田舎町で、大学進学の夢を諦め、父の葬儀社を継いだ遼一。
ある日彼は、遺体が棺から起き上がり、他の遺体をむさぼり喰らうのを目にする。
「死者がよみがえる葬儀社」の噂のせいで客足は激減し、遼一は調査に乗りだすことに。

一方、遼一の妹で高校生の佐紀には、ある秘密があった。それは、霊が見えるということ。
遼一に理解してもらえず、学校でも孤立している佐紀だが、ふと町の変化に気づく。
佐紀は偶然出会った、同じく霊が見える颯太と共に、理由を探り始めるが・・・・・・。

感想・レビュー・書評

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  • 謎の地震、甦る死者、増加した亡霊、そして町に古くから伝わる伝承……とお約束要素がこれでもかというほどに詰め込まれたホラー。なのだけど、良い意味であまり怖くないのが不思議。結局爽やかな物語になっているし、これはホラーが苦手な人でも読みやすいんじゃないかと思います。
    もちろん、ホラー好きにとっても不服はなく。いったいどうなってしまうのかというわくわくどきどき感は充分だし、謎めいた甦りの法則はかなり魅力的。しかしそれにしてもまさかあんなものが(笑)。一歩間違えば悪ふざけにすぎないのだけれど、不思議と作品にマッチしたほどよい「遊戯」感も楽しめました。

  • 葬儀の途中に遺体が甦るという。それが、この町で次々と繰り返され甦った者は理性を持った者と持たない者に別れる。甦りの歴史はこの町で繰り返され観音堂の螺鈿細工の箱が起因している。そして町に伝わる民芸のゲームに似て英雄を生むという。町の葬祭屋の僚一がその謎に挑み、僚一の妹の佐紀は霊が見え事故で意識不明の先輩の颯太の生霊と共にする。話としては面白かったが、甦った人や過去の英雄の霊など登場人物が多くてごちゃごちゃとした印象。佐紀と颯太の関係は最後良かったなと思う。

  • 前作に続いての本格ホラーだけど、やはり良く練られている。
    死者の生き返りというパターンで「屍鬼」や「セーラムズ・ロッド」など色々あるけど、それらよりずっと面白い!
    そもそも生き返りが始まった時点でゾンビ物?と思わせながらそこから話が二転三転していく。生き返ったものに理性的なグループと凶暴なグループがいて、なんて展開は本当に面白い。
    ホラーというジャンルではあるけど、謎を追う展開がこの作者の持ち味で途中で謎が次々出てきて整理される辺り、まるで本格推理物と同じ展開で嬉しくなる。

    早く次の作品を書いてほしい。
    緻密な取材があるから、なかなか次の作品は出来ないだろうけど。

  • 屍鬼の劣化版かと。展開も簡単に読めてしまい稚拙。

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著者プロフィール

ゆきとみ ちあき愛知県出身。日本大学生物資源科学部卒業。2014年、『死呪の島』(受賞時タイトルは「死咒の島」)で第21回日本ホラー小説大賞“大賞”を受賞。同作は『死と呪いの島で、僕らは』と改題ののち文庫化。みずみずしい青春ホラーとして話題となった。他著作として『黄泉がえりの町で、君と』(角川ホラー文庫)がある。

「2022年 『ALIVE 10人の漂流者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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