一八八八 切り裂きジャック (角川文庫)

著者 : 服部まゆみ
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年9月24日発売)
3.80
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  • 23レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (781ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041036198

作品紹介

19世紀末、霧の帝都ロンドンを恐怖に陥れた連続娼婦殺人事件。殺人鬼「切り裂きジャック」の謎を日本人留学生の美青年探偵・鷹原と医学生・柏木が解き明かしていく。絢爛たる舞台と狂気に酔わされる名作ミステリ!

一八八八 切り裂きジャック (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 『この闇と光』に続き、服部まゆみの絶版文庫が復刻!こちら2002年に文庫化、元の単行本は1996年の出版なのでおよそ20年近く前の作品になりますが、舞台になっているのはタイトル通り1888年のイギリス、切り裂きジャック事件の謎解きものということで、まったく古さは感じません。760頁越えの分厚さには一瞬腰が引けますが(苦笑)皆川博子で免疫があるのでなんとかクリア。膨大なパズルのピースが組み合わされた巨大な迷路のようで、消耗したけど満足度も高かったです。

    切り裂きジャックものの映画や小説はいくつか観た(読んだ)けれど、同時代、同地域に存在したエレファントマンとここまで絡めてあったのは初めてかも。(私が吸血鬼もの好きなせいもあるけど、今まで読んだ小説では切り裂きジャック吸血鬼説とか多かった・笑)

    スッシーニのヴィーナス(蝋人形)なども含め、見世物小屋で晒し者にされていたエレファント・マン(それを是とする文化)、連続殺人鬼に震撼しつつも被害者が皆娼婦であることからどこか他人事として無責任な観客化していた人々、フリーメイソン、犯人説もあった英国王子など、ヴィクトリア朝ロンドンの闇の濃厚さが、個人的にはこの作品世界最大の魅力と感じました。結局、切り裂きジャック事件そのものが、陰惨で目を背けたいと思いながらも「怖いもの見たさ」の好奇心をくすぐられずにいられない人間を今も引きつけてやまないわけで。

    実際の事件をモチーフにしているだけあって、事件とは直接関係ない有名人なども含めて実在の人物が沢山出てくるのも、遊び心&時代の空気が感じられて重層的な構造に一役買っているかも。日本人ではプロローグでの谷崎潤一郎、留学生の森鴎外や北里柴三郎、英国では当時わずか6歳のヴァージニア・ウルフ、アラビアンナイトの紹介者バートンや、ラファエル前派の画家シメオン・ソロモンなどとにかく同時代人を網羅。バーナード・ショーだの、田中稲城と図書館のエピソードまで入れるのは盛りすぎかなと思ったけれど、表面的には切り裂きジャックのミステリーを装いながら、実は裏テーマ的に主人公が作家を目指そうと思うまでの成長、文学との関わり方というのがあったのだと思うので、この、盛りすぎとも思える小ネタ感もやっぱ大事なのかな。名前だけならもっと大勢の文学者や主人公が愛読する本の名前が出てくるし。

    で、肝心の謎解きをする主人公とその相棒のみが架空の人物。伯爵家の長男でイケメン才気煥発社交的で隙なしの通称「光の君」鷹原惟光をあえて脇役に、主人公も名前からして源氏物語パロディな柏木薫、けれどこちらは素朴で可愛い系。おそらく特定のモデルではなく漱石や荷風など複数の作家の要素を継ぎ接ぎした感じ。ただこの薫くん、主人公ゆえ仕方ないのかもしれないけれど、いささか優柔不断で思い込みが激しく、感情の揺れが激しいのでちょっと面倒くさい。かといって鷹原のほうを主人公にするとそれはそれでソツがなさすぎて盛り上がらないのだろうけど。しかしさすがに終盤、勘違いで大暴走、切り裂きジャックどころかホモの痴話喧嘩の原因作って引っ掻き回しただけだったのは残念でした(苦笑)

    まあ最終的に、真犯人が誰かということはもしかしてそんなに重要じゃなかったのかもという気もしますが、ひとつの仮説としてとても面白かったです。

  • 舞台は19世紀末のロンドン、実際に起きた切り裂きジャックの事件について、医学を学ぶために渡欧した日本人の目を通して、犯人を暴いていく。

    切り裂きジャックと呼ばれる犯人による娼婦連続殺人は、未解決の猟奇事件ということもあり、ミステリーの素材として取り上げられることも少なくない。これもそのひとつで、史実を織り混ぜながら重厚な読み物に仕上げている。
    主人公はまったく冴えない青年で、対照的に事件を解決していく友人は、容姿も性格も頭脳も正反対。そのコンビは、主人公が事件を日記風に綴っていくところも含め、ホームズとワトソンの姿と重なる。番外編で、別の事件も読みたいと思ったほどだ。

    個人的には、主人公が関わっていくエレファントマンは、その昔映画を観たが(若い頃映画館で観たため、映像にも内容にもかなりショックを受けたことを思い出した)、切り裂きジャックと同時期だとは考えもしなかった。
    伏線等は比較的分かりやすく、おのずと犯人の目星もつく。が、それはともかくとして、ロンドンの匂いたつような光と闇の、くらりとするような妖しい雰囲気が存分に楽しめる。途中、皆川博子の長編を読んでいるような錯覚に陥った。

    ただし、とくに前半はかなり冗長で、物語に入り込むまでに根気が必要。もう少し削ってアップテンポでもいい。
    同時に、800ページ近い作品を1冊の文庫本というのは物理的に重い……。せめて2冊に分けてくれれば。あと、これだけの長編なので、人物一覧がほしかった。

  • 旧版を積読で持っていたことを忘れて購入する。「あるある」である。データ管理は大切、データ管理は大切。この作者の他作も多数持っているようなのだが、実は今回初めて読んだ。何故だろう、物凄いストライクゾーンだと思うのに…おそらく「皆川博子の亜流」疑惑からかもしれない。そうやって死蔵しているうちに作者が他界しておられるとは、まだお若い(皆川氏と比べて)のになんとも残念なことだ。合掌。今更ながらだが、これからはたんと読ませていただくつもりだ。それくらい面白かった。源氏絡みのネーミングや、ビクトリア朝のゴシック倫敦、時代の著名人達の登場、そして美形だの男色だのと、もう「我々の組合」を狙い澄ましたようなあざとさではあるが、それらを差し引いても余りあるエンタテインメントだ。すらすらと読みやすい作品なので(その分浅いとも言えるが)、どうぞ分厚さにめげず手にとって頂きたい。

  • 読み終わりましたー。

    久しぶりにシャーロックホームズを読んで、そのままイギリスが舞台の小説を…と思って読み始めたら、ぐいぐいズルズルとはまり…

    気がつけば、3時。

    仕事のときも休憩中に読んだりしましたが…
    長いので、休みの日にイッキ読みするのがよいかなと。

    ヨーロッパの歴史と並行しながら進みますが、私は心境が変わっていく柏木さんが好き。本の虫同士、仲良くなれそうな気がします。

  • 長っ!
    翻訳物のように私には読みづらく時間がかかった。
    前半のよくわからない交友録は必要だったのだろうか。
    当時のイギリスがらよくわかり、そーゆー面では面白かったけど、柏木が悩む姿が多く後半どうでもよくなってしまった。
    斜め読みしてもとにかく疲れた。

  • 読み終わるのが死ぬほどしんどかった。
    前半、本筋がはじまるまでの交友録、あれは意味があったのか、、、。

    有名すぎる事件を取り扱った小説だけに、
    犯人をどうするのか、
    それだけが気になって、ひたすら気合で読みました。
    後半の後半、
    犯人探しになってからはやっとミステリっぽくなりました。そこまできつかった〜
    そしてそして、犯人は本当に彼だったのかな?

    煮え切らない柏木くんにイライラ。笑

  • 登場人物達がすごく魅力的でイッキ読みした上に2回目に突入中〜。柏木のナイーブさが好きだなぁ。モラトリアム期の揺れというか。愛おしいです。鷹原と柏木の関係も良い。2人とも容姿がいいからその辺りも楽しめます。
    実はずっと以前もう20年程前?創元から出てたのを図書館で借りて読んでます。20代、ミステリを読みだしたばかりで、それまで切り裂きジャックの事件の知識も無く、その後も切り裂きジャックについての本を読んでいなかったため、私の中ではかの事件のあらましはこの本の内容で記録されていました(汗)そして多分これからもf^_^;
    ステキな作品に再び出会うことができて本当に嬉しいです!

  • 皆川博子さんの「開かせていただき~」の装丁に似ていていたので手に取ってみたのだが、なんとなく中の雰囲気も似ていた…。
    とんでもなく長かったのだが、美貌の伯爵家長男(鷹原惟光)に胸キュンで何とか読み終える。しかし、もう少し整理してこの半分でテンポよく読みたかった。また、登場人物が多すぎたし、愛称も似ていて混乱した。
    ミステリーとしては面白かった。私も、犯人は彼だと勘違いしていたので…。
    ただ、犯行の動機としてはいまいち納得できなかったけど。
    光に薫…ね。美しい青年が出てくると、それだけで読んでいてワクワクしちゃう!

  • 〇 概要
     1888年の大英帝国の首都,ロンドンを舞台としたミステリー。医学留学生としてロンドンに滞在していた日本人,柏木と,その友人でスコットランドヤードに所属する鷹原は,当時のロンドンを騒がせた切り裂きジャックと呼ばれる殺人者による連続殺人事件の捜査を行う。切り裂きジャックは誰かという点を描くミステリーとしての側面もあるが,エレファントマンの存在など,ヴィクトリア朝時代のロンドンを緻密に描き,濃厚な物語が描かれている小説

    〇 総合評価 ★★★★☆
     切り裂きジャックをテーマにした作品。当時のヴィクトリア朝の世界を濃厚に描いており,柏木という人物の視点から,エレファントマンなどの当時の様子を描いた上で,ミステリとしては,切り裂きジャックは誰かという点を見事に描いている。真相は,切り裂きジャックはトリーヴィス医師だったというもので,それなりのサプライズはある。もっとも,ミステリとしては蛇足な,ヴィクトリア朝時代の様子の描写が多く,その描写が十分面白いこともあって,ミステリとしての楽しみが薄れてしまっている。小説としての完成度が高いがために,ミステリとしての面白さが薄れてしまっているという印象。個人的には好きな作風ではないのだが,それでも十分楽しめるほど,小説としてのデキはよかった。★4を付けたい。

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     この小説では,切り裂きジャックの正体をトリーヴィス医師だとしている。それなりに驚ける真相ではあるが,想定の範囲内であり,そこまでの衝撃はなかった。ラストのオチで,鷹原が日清戦争で死んだいう小説のラストを書きながら,実は生きていたというところはニヤリとできる。サプライズとしては★3くらいか。
    〇 熱中度 ★★★★☆
     服部まゆみは,さすがに小説がうまい。768ページの大作であり,海外を舞台としていて,なかなかなじみが薄い部分もあり,やや冗長と感じる部分もあったが,おおむね熱中して読むことができた。先が気になるというより,柏木の目を通して描かれる,ヴィクトリア朝時代のロンドンの情景と,深く描かれた人物を楽しむという感じ。ミステリとしてのワクワクではなく,純粋な小説としての楽しみという雰囲気。たまにはこのような読書も悪くない。★4で。
    〇 インパクト ★☆☆☆☆
     インパクトは薄い。小説としては面白いが,人間が描けている上に,ヴィクトリア朝時代のロンドンを濃密に描いているので,全体としての印象はあるが,どこかの部分にインパクトがあるわけではない。インパクトが残るような叙述トリックもなければ,驚愕の真相,びっくりするようなトリックもない。切り裂きジャックは誰かという点だけがミステリ的な要素なのだが,トリーヴィス医師が人間としてしっかり描かれているため,切り裂きジャックだと知ったときに,なるほどと感心してしまって,驚けず,インパクトにならなかったのだ。
    〇 キャラクター ★★★★★
     登場人物は,かなり深く描写されている。主人公の柏木の苦悩と成長,探偵役の鷹原の魅力的な描写,容疑者として描かれるスティーヴン,トリーヴィス医師,エレファントマンなどの描写も見事。人間が描かれている小説というのは,ミステリ的な面白さ(=叙述トリックなど)とは違った面白さがある。★5で。
    〇 読後感 ★★★★☆
     よい。切り裂きジャックがトリーヴィス医師であるというラストは,描き方によってはもっとサプライズを出せるだろうが,サプライズ求めず,きれいな終わり方をしていることもあって,読後感はすこぶるよい。★4で。
    〇 希少価値 ★★☆☆☆
     服部まゆみの作品は,「この闇と光」が最近,非常に売れているので,その影響で手に入りやすくなる可能性があるかも。古典として読み継がれてもおかしくないデキだと思うので,服部まゆみそのものの知名度が上がれば,絶版にはならないかもしれない。とはいえ,内容は重く,分量も長い。それほど売れるとも思い難い。それなりに手に入りにくいという位置に止まりそう。

    〇 ノート
    ● プロローグ
     1923年の東京。ヴァージニア・ウルフからの手紙を見て,1888年のロンドンを思い出す。
    ● 1 雪のベルリン
     鷹原惟光がロンドンの柏木薫のところを訪れる。柏木は,エレファントマンの存在を知り,エレファントマンがどのような考えを持っているかを知るためにロンドンに行くことを決意する。
    ● 2 霧のロンドン
     ロンドンで,柏木は,暴漢に襲われているヴィットリア・クレーマーズ男爵夫人と名乗る人物を助ける。このとき,後に切り裂きジャックに襲われるメアリ・ジェイソン・ケリーと出会う。
    ● 3 エレファント・マン
     柏木がロンドン病院でエレファント・マン(ジョセフ・メアリー・メリック)に会う。トリ―ヴィス医師,ヘンリーライダーハガード,ジェイムズ・ケネス・スティーヴン,モンタギュー・ジョン・ドルイットといった主要な登場人物が登場。柏木は,エレファント・マンとの面会を続ける。
    ● 4 カオス
     トリーヴィス医師がエレファント・マンを預かることになった経緯が紹介される。ウィリアム・シック部長刑事が登場。トム・ノーマンという,エレファント・マンの見世物小屋時代の興行主にも出会う。フレデリック・ジョージ・アバ―ライン警部を紹介される。
    ● 5 売春婦が一人
     切り裂きジャック事件の最初の被害者,マーサ・タブラム殺害事件が起こる。鷹原は,スコットランドヤードとともに,同事件の捜査を行う。柏木は,ディケンズの大いなる遺産を読み,小説の魅力を知る。
    ● 6 スッシー二のヴィーナス
     鷹原と柏木が,アルバート・ヴィクター・クリスチャン・エドワード王子と食事をする。ハンテリアン博物館を訪れる。スティーブンに会い,スティーブンとエドワード王子がケンブリッジ大学時代からの知り合いであると知り,スティーブンが男色家であることを知る。エドワード王子のコレクションの一つである「スッシーニのヴィーナス」(人体解剖の状態の蝋人形)を紹介される。学文本会で,クロッカー医師が「皮膚疾患―その1万5000症例の分析」と題する大著を刊行,エレファントマンについてのみごとな考察もあった。
    ● 7 クーツ男爵夫人の晩餐会
     クーツ男爵夫人の晩餐会が行われる。柏木は,ヴィットリアに会うが,助けた女性とは違っていた。柏木が助けた女性は,ドルイット氏に似ていることに気付く。
    ● 8 売春婦が二人……
     メアリ・アン・ニコルズの事件が発生。その捜査。高原の母が芸者であることが分かったり,スティーヴンが容疑者であることが分かったりする。
    ● 9 そして三人……
     アニー・チャップマンの事件が発生。その捜査。ジョージ・エイキン・ラスクが自警団を結成する。
    ● 10 ジャックの手紙
     レザー・エプロンと言われる容疑者,ジョン・バイザーが見つかり,保護される。スター紙のベンジャミン・ベイツが登場。「切り裂きジャック」という者からの手紙が,スター紙のベイツのもとに届く。
    ● 11 三人……そして四人目
     バーナード・ショーが登場。柏木と鷹原は,ヴァージニアが拾った猫(ビービ)を預かる。エリザベス・ストライドとキャサリン・エドウズの殺害が発生。書かれていた落書きは消されてしまう。
    ● 12 戦慄の都
     切り裂きジャックから再び手紙が来る。捜査が進み,ブラッドハウンドという種類の犬を利用した捜査のテストなどが行われる。
    ● 13 再び手紙
     日本から田中稲城という者が,鷹原を訪ねてくる。「地獄より」という手紙が届く。柏木は,サットン医師という人物からトリーヴィス医師についての評判を聞く。
    ● 14 1888 10月
     ラスクのところに脅迫状が届く。ラスクはすっかりおびえている。鷹原は,一連の犯行にフリーメイスンが関与している可能性があると示唆する。柏木は,スティーヴン,ドルイットと会い,助けた人物が女装をしたドルイットであったことに気付く。
    ● 15 1888 11月
     柏木と鷹原が帰国することを決める。メリック(エレファントマン)を劇場に連れていくというプランが決まる。ラスクが,メアリ・アン・ニコルズ殺害のときのアリバイがあることを知る。メアリ・ジェイン・ケリーの殺害。プリンス・オブ・ウェールズが,エドワード王子のことを相談するために,鷹原のもとを訪れる。柏木はスティーヴンを疑う。ジョン(ドルイット)は,女装しているスティーヴンを閉じ込める。
    ● 16 1888 12月
     ヴァージニアを通じ,スティーヴンは救出されたと思われるが,姿を見せない。病院での送別会で,柏木は,メリック(エレファントマン)から,バベルの塔という紙細工をもらう。鷹原と柏木の送別会で,鷹原は,「指紋識別法」を利用し,これまで関係をした人に,これ以上の殺人をしないように言う。メリック(エレファントマン)を連れた演劇鑑賞。鷹原は,柏木に証拠の指紋は嘘の指紋であり,本物のジャックに嘘の脅迫をしていたことを伝える。最後は,船上で,鷹原は,柏木に切り裂きジャックはトリーヴィス医師だと言う。
    ● エピローグ
     柏木による回想。ヴァージニアからの手紙の中に,スティーヴンからの手紙も入っていた。バベルの塔を解体すれば,誰が切り裂きジャックか分かると。バベルの塔の中には,凶器のメスが入っていた。トリーヴィス医師のメスが。その後,関東大震災で柏木の家が崩壊。1888年に書いていた小説のラストを書いていると,そこに鷹原がやってくる。

  • 私はめっっちゃくちゃ面白かったです!
    主人公二人がすごく好き!!魅力的!
    そして実際の事件や人物が出て来るのに
    全然説明じみたり取ってつけた感もなく
    自然に胸の中に収まっていく物語の面白さと繊細な描写でした。
    ただ推理小説としては後手後手に回りすぎているので
    つまらないと思う方もいるかもしれませんが、
    私は、これは主人公である柏木薫の転機・成長を記した手記のようなものと思って読んでいたので、
    純朴で真面目だけど人の心の機微に疎い柏木の心の動きにも惹きつけられたし、
    日本人でありながら欧州の人をも虜にする美貌を持ち如才無く王族とも接し、
    光源氏のように皆に愛される光こと鷹原の活躍と
    その奥に疼いているしこりを覗き見ることができて
    非常に満足しながら読めました。

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