二重生活 (角川文庫)

著者 : 小池真理子
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年11月25日発売)
3.07
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  • レビュー :53
  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041036204

作品紹介・あらすじ

大学院生の珠は、ある思いつきから近所に住む男性・石坂を尾行、不倫現場を目撃する。他人の秘密に魅了された珠は観察を繰り返すが、尾行は徐々に珠自身と恋人の関係にも影響を及ぼしてゆき――。蠱惑のサスペンス!

二重生活 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 大学院生の珠は、大学時代のゼミで知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「何の目的もない、知らない人の尾行」の実行を思い立ち、近所に暮らす男性、石坂の後をつける。
    そこで石坂の不倫現場を目撃し、他人の秘密に魅了された珠は、対象者の観察を繰り返すようになる。
    しかし尾行は徐々に、珠自身の恋人との関係をも脅かしていく。

    何気なく始めた行動が、自分自身の状況にも影響を与える。この物語の場合は、不倫をしている男を尾行することにより、生々しいその現場を目にしてしまい、結果自分の恋人の女性関係をも疑ってしまうことになる。
    尾行までの極端な行動ではなくても、そういうことって案外転がってるのかも、と考えたりした。
    他人の行動やら経験やらを見ているうちに、いつの間にか自分に重ね合わせて考えてしまう。頭の片隅にその考えが入り込んでしまうと、なかなかそれを排除することが出来なくなる。
    この物語の主人公・珠は、自己洗脳みたいな状態に陥ってしまったのだ、と思う。

    サスペンス要素もあるからあまり書けないけれど、ちょっと都合が良すぎる展開かな、と思える点もいくつかあった。
    “尾行”というのが自分にとって現実的ではないせいもあるかも知れないし、実際やったことがないから分からない感覚もあるけれど、そんな風に展開することってあるだろうか?と。

    何かの調査等ではない、目的のない“哲学的尾行”。実際見知らぬ誰かを尾行してみたら…と考えたら、少し面白そうだと思ってしまった。
    人には誰しも少なからず秘密がある。行く先、会う人、知られたくないこともある。

    既に映画化している作品だけれど、石坂の役が長谷川博己って合ってるかも、と思った。デキる男に見せかけてちょっと抜けてるところもあり、何だかんだ優しくて最後の詰めが甘いところが。

    • miwaさん
      夜さん、こんにちは。
      こちらの小説は読んだことがないのですが、名前があがっていたソフィ・カルが自らの「尾行体験」を綴った作品(平凡社より刊行の『本当の話』に収録の「ヴェネツィア組曲」および「尾行」)を読んだことがあり、思わずコメントしました。こちらのほうは小説ではないのですが、夜さんが書いていらしたように、他人の中に自分を重ね合わせてしまう状態、さらにそのことが頭から離れなくなってしまうような状態が、写真付きでタイムラインを追うように細かく描かれていて、興味深い作品でした。(しかも「尾行」のほうは逆バージョンで、わざわざ探偵を雇って自分自身を尾行させています…。)
      ソフィ・カルの世界はフィクションと現実との境界をウヤムヤと彷徨いつつ遊んでいる感じでしたが、それをきっかけに物語を展開させた小説(こちらは完全にフィクションの世界ですね)、しかもサスペンス要素もあり、ということですっかり興味がわき、読んでみたくなりました
      2017/05/07
    • 夜さん
      miwaさん、コメントありがとうございます。とても興味深く読ませて頂きました。
      ソフィ・カルの作品面白そうですね!「二重生活」の主人公に影響を与えた作品、フィクションとは言えとても気になります。遂には自分を尾行させるなんて、どんな心理なのか…。
      ひとまず次に本屋に行った時に探してみたいと思います。
      2017/05/09
  • 大学院生の珠は、大学時代のゼミで知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「何の目的もない、知らない人の尾行」の実行を思い立ち、近所に暮らす男性、石坂の後をつける。そこで石坂の不倫現場を目撃し、他人の秘密に魅了された珠は、対象者の観察を繰り返す。しかし尾行は徐々に、珠自身の実存と恋人との関係をも脅かしてゆき…。渦巻く男女の感情を、スリリングな展開で濃密に描き出す蠱惑のサスペンス。

  • 微妙

  • 女子大学院生が中年男性を尾行する話。

  • 珠は同棲している彼と果たしてうまくいくのか
    尾行がバレてまた元の生活に戻った球は「退屈で虚無だ」と思ってしまっている

  • 赤の他人を尾行するという、常識ではなかなか考えられない行動だけど、思わぬ発見がありどんどんはまってしまう主人公。
    私もちょっとやってみたくなったけど…誰を!?

  • 門脇 麦の主演映画を観たくて読みました・・

    が、最終的に丸く収まる感じが『まあ人生こんなもんだよな』と。

    主人公と尾行対象者が遂に対面してしまう、非常にスリリングなシーンの後に、何とも言えない雰囲気と距離感のなか、ワインバーで過ごすシーンが何だか滑稽で、でもなんか理解できるような気もしてよかったです。アルコールの入った2人が肉体関係にならないところが、非現実的というか、ああお互いキチンと冷静なんだなと、それもまた良かった。
    (映画ではこのシーンが酔った主人公が『論文書かせて』迫り、ホテルに雪崩れ込み、自分の心は空っぽだと自己開示しはじめるという展開で非常に興醒めでした。)

    文学的哲学的尾行、という新しい視点での作品だなと読む前は思っていたけれど、人間が秘密を持つこととか、誰かに対する相乗効果的な猜疑心だとか、書いてある描写と内容は別に真新しいわけでもなくて、尾行をして知れることもまあその程度なもんか、つまり人生ってそんなもんだよな、という感想です。

  • 何の目的もなく、ただ尾行する行為。それによってもたらされる興奮や満たされる好奇心、とても分かる気がする。

  • ソフィ・カルの「何の目的もない、知らない人の尾行」に興味を持っている珠。
    ある日、それを近所の石坂という既婚男性にて実行。
    そこには愛人との不倫現場があった。
    他人の秘密を知り、珠は尾行を止められなくなる。
    しかし、それは同棲相手の卓也への気持ちへも変化をもたらす。
    何の目的があるわけでもないのに他人を尾行する。そのスリルが珠を変えていくのか?

    2017.10.21

  • 映画を見てから原作を読んだ。
    卒論提出してないし石坂とホテルに行ってないし桃子さんって誰やねん!ってなった。原作より映画の篠原先生の尾行の話の方がおもしろかったなー。

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