死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 695
レビュー : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041036211

作品紹介・あらすじ

2011年3月、日本は「死の淵」に立った。福島県浜通りを襲った大津波は、福島第一原発の原子炉を暴走させた。日本が「三分割」されるという中で、使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちがいた。

感想・レビュー・書評

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  • 福島原発に関する本は、当時の菅総理による現場介入や、その後の吉田調書を曲解した朝日のでっち上げ記事など、政治的なきな臭さが漂う物が多いが、その時現場で起きていた本当の事を知るのに最良の一冊。今後の教訓としてもこのようなドキュメンタリーがあって良かった。

  • 最初の写真のページから涙が出そうになり、はたして最後まで読み切れるだろうか?と思った。ノンフィクションを殆ど読まない、原発の事もわからない私でもすんなり文章にのめり込んで一気に読めました。
    震災からもうすぐ9年になろうとしています。今、東北のこの地で普通の生活が出来るのも、吉田所長をはじめとする現場の人達のお陰だという事が良く分かりました。

  • 読んでいて、ただただ胸が熱くなった。
    あの日、あの地震の日。
    まだ、いまひとつ何が起こったのか日本中の人が把握しきれず、茫然としていた時。
    まさかこんなことが起こっていたなんて。
    全電源喪失の可能性、、、というニュース速報が出た時。
    ん?これってやばい?なんかやばそうだけど、まさかね?
    と、思った。
    自衛隊がヘリで水をかけようとしたとき、
    え?まじでこんなことしかできないの???
    これって本当にやばいんでは?
    と思った気持ちがよみがえってきた。

    とにかく、イデオロギー、原発の是非などとは一線を画す、
    あの時、あの現場で何が起こっていたのか。
    あそこでなんとか、食い止めようと、
    本当に命を懸けてくださった、
    そんな人々の話です。
    そう、あの現場には、実際に作業員がいて、
    そして彼らは、彼ら自身も被災者で、
    そして、誰かの夫で、お父さんだった。
    最期、泣けました。
    本当にありがたく思います。

    これは、日本人全員が読むべき。
    そう思いました。
    菅総理のいけてなさ、駄目さがひしひしと伝わってくるストーリーでもありましたね。。。(もちろん作者の気持ちが相当入っているのは承知ですが、、、)

  • 8回目の3/11がやって来た。当時、会社の
    東北大震災で押し寄せた真っ黒い津波の映像に驚愕し慄いた。そして福島第一原発事故…
    阪神淡路大震災を経験した自分であるが、当時、原発事故の混乱はテレビの中の出来事に思えた…
    その後、沸騰水型原子炉は構造的に問題があったとか、東電の経営側が当事者意識が薄いとか、民主党政権が事態をより混乱させたとか、色々言われていたこともあって、この国は一体どうなっているんだって気持ちにさせられた…
    近年、日本の近現代史に興味を持つようになって大東亜戦争をちゃんと知ろうと考えるようになった。関連図書をそれなりに読んで来て少しは自分なりの考えも持てるようになって来た。戦争を契機にこの国が抱えた問題、国民が抱えた問題も分かるようになって来た。そしてこれから私達はどうするべきなのかを考える事も出来るようになった。
    中国北朝鮮韓国その他日本を取り巻く国々との関係や基地問題、少子化、人口減少などの問題の原因とか打開案とかと向き合えるようになって来た。多種多様な問題の一つとして日本のエネルギー問題を考える上で福島第一原子力発電所、当時、そこで何が起こり、誰がどう動いて、何をどう対処していったのか?彼らはどう戦ったのか?そう言うのをちゃんと知っておきたかった。
    ちゃんと知っておくべきだと感じるようになっていた。そんな気持ちで本書を手に取った。読んでみて最初に得た正直な感想は、不謹慎かも知れないが「面白い」だった。本書はノンフィクションであるが故、出てくる言葉にも動機にも行動にも想いや熱さが感じられる。その熱量がとても人間臭さや日本人ぽさを感じて面白いのである。でも言っておくが愉快痛快ではない。
    後半は目頭が熱くなり過ぎて読み進めるのが大変だった…
    本文は言うまでもありませんが、あとがきや解説までとても素晴らしい文章で驚きました。この一冊は必読するべき一冊です。

  • 待ちに待った文庫化。東日本大震災の大津波により福島第一原発は全電源を喪失し、後に日本全土を震え上がらせた未曾有の事態に陥る。果して、あの時の真実は…様々な書籍、報道などで述べられていることは真実なのだろうか…

    本書を含め、何冊か福島第一原発事故関連の書籍を読んだが、信じるに値するのは原発事故を防ぐために最後の最後まで命を賭けて闘い続けた吉田昌郎所長をはじめとする福島第一原発で働く多くの方々だということだ。

    騒ぐだけ騒ぎ、肝心なことは国民に伝えず、福島第一原発に対して何ら有効な支援をしなかった当時の菅直人内閣にこそ、未曾有の大惨事をここまで悪化させた原因があるのだ。未だに激昂し、暴走しまくる沙悟浄みたいな菅直人や、直ちに影響は無いという嘘ばかりを繰り返す猪八戒みたいな枝野の姿を見ると吐き気がする。

    それにしても、福島第一原発が太平洋戦争末期の陸軍の航空訓練基地の跡地に立っていたとは。戦争と原発、何という因果だろう。

  • 福島出身の私は当時小学生で、放射線のため楽しみにしていた様々な行事を犠牲にしました
    東電を悪者だと思いました
    しかしそこではこんなにも命懸けで闘った人がいたんですね
    読んで良かったです
    東電を叩いた福島県民に読んで欲しい、知って欲しい、感謝したいと思いました

  • 2018年11月10日読了。

    456ページ

    門田隆将氏による、吉田昌郎氏へのインタビューと3.11直後の福島第一原発を制御すべく闘った男たちのドキュメント。

    多くの言葉はいらない。
    彼らがあっての今の日本がある。
    もし吉田昌郎氏以下、原発職員が奮闘しなかったならば、今の日本は三分割されていたかもしれない。

    久しぶりに本を読んで涙が出た一冊。

  • 本としてまとまっているかはよく判らない。あの事故を知らない人が読んだら全く判らないだろう。それでいいんだろうけど。
    班目証言よりは全然客観的じゃないかと思う。
    事故の意味ではなく、その現場でギリギリの応対をした人たちのドラマ。
    どっかの首相が後でどれだけ言い繕っても、邪魔だったことは間違いなさそうだ。

  • 福島第一原発の事故から7年が過ぎた。今この本を読んで、あらためて日本という国を半分失うほどのものであったこと、吉田所長と現場で関わった東電の社員、自衛隊、官邸、それぞれの死をも覚悟した必死な思いが伝わってきた。日本人はここまでできるんだ、自分の命を投げ捨ててでも人々や国を守ろうという気持ちがいざという時、発揮できるのだと思った。吉田さんという人がその時所長でなかったらどうなっていたのだろうかと思う。彼は仏教に深く心酔し生と死というものを若くして考えていたという。
     残念だったのは、同じ日本人でありながら「現場の東電職員が所長命令に背いて撤退した」というようにでっち上げを書き上げ、世間に広めた朝日新聞社だ。なぜだ!そこまで日本を嫌いなら出て行け!とだけ言いたい。彼らの国や政府を陥れようとする報道に影響を受けることなく、何が正しいのかを私達国民は自分の目で、頭で考えていかなければならない。

  • 2011.3.11福島第一原発で実際に何があったのか。ぼんやりとしか知らなかったが、この本が分かりやすく教えてくれた。誰も想定していなかった事態が起きて東京がパニックになっていた時、原発の現場で自らの命を捨てることを覚悟して、こんなにたくさんの人が懸命に戦ってくれていたことに言葉を失う。時系列で何が起き、どのように対処していったのかが素人にも分かるように書いてくれているので、読み始めるとのめりこんでしまう。格納器が破裂して東日本が住めなくなるような事態まであと少しだったということがよく分かり、改めて怖くなった。

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著者プロフィール

1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。ノンフィクション作家として、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなど幅広い分野で活躍。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。主な著書に『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』(新潮文庫)、『太平洋戦争 最後の証言』(第一部~第三部)、『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』、『記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞』、『慟哭の海峡』(いずれも角川文庫)。

「2020年 『汝、ふたつの故国に殉ず 台湾で「英雄」となったある日本人の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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