閃光スクランブル (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041036242

作品紹介・あらすじ

不倫する女性アイドルとそのスクープを狙うパパラッチ。思い通りにいかない人生に苛立つ二人が出逢い、思いがけない逃避行が始まる。瞬く光の渦の中で本当の自分を見つけられるのか。傑作芸能インサイドストーリー!

感想・レビュー・書評

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  • 加藤シゲアキ2作目。デビュー作に続き、芸能界を舞台とした内容で、やっぱり自己投影を意識しつつ、読み始めるが、中盤でその思い込みはどこかに行ってしまうぐらい、文章もプロットも上手いと思う。「ピンクとグレー」は発売当時にアイドルであることを知らずに読んだが、その時も素直に面白いと思ったことは覚えている。2作目にして、ミステリーの要素も含んだ内容で、世界観が広がっている感じがすごくする。今年発売した「傘を持たない蟻たちは」とも、また違っていて、「アイドルが書いている小説」ではなく、「作家・加藤シゲアキ」のファンとして、この先も読み続けていこうと思う。

  • 『ピンクとグレー』(2012)に続く加藤シゲアキの小説第二作目で、2013年単行本を加筆修正した2015年の文庫版。
    5人組女性人気アイドルグループ「MORSE(モールス)」の人気メンバーのアッキーこと亜希子。彼女のゴシップ写真を狙う巧。交わるはずのない二人の、心に傷を持った人生が交互に語られ、それがいつしか二人一緒の物語になっているという構成が美しい。
    女性アイドルグループ・モールスは、言葉の響きだとモー娘。のようですが、MORSEの字面はどことなくNEWS的だし、アッキーとセンターのポジションを分け合うミズミンがゴシップ写真が元で脱退という出来事が冒頭で書かれていると、ゴシップ写真でメンバーが脱退、一番人気のメンバーが脱退という出来事も、やはりNEWSがちらつきますね。
    メンバーに脱退されて心を病んでいく亜希子と加藤シゲアキ自身のイメージが重なり、あの加藤シゲアキもこんなに苦しんだのだろうか、という驚きと興味を覚えました。
    それと同時に、NEWS的には本来憎むべき相手であるパパラッチを主人公に、優しい目線で書かれているのもちょっと驚きですよね。加藤シゲアキの男としての懐の深さと人間としての優しさを感じさせます。
    なんとなく1984年のアメリカ映画『ストリート・オブ・ファイヤー』っぽさも感じるラストシーンも美しい。

  • ピンクとグレーより落ちたかも。アッキーの表裏の描き方が迫力があったので☆3。けどその他は、キャラ立ちがあんましてなくてなんとなく単調な印象。

  • 加藤シゲアキさんの作品は初読み。
    窪美澄さんの「水やりはいつも深夜だけれど」の巻末で対談してて気になって読んでみた。話の展開も面白いし、終わり方も好み。少し色んなキーワードを入れ過ぎてる感があるけど、きれいにまとめてて、最近の男性作家はバランスがいいなと。
    主人公は女子グループアイドルのサブリーダー的な立場の亜希子。1ヶ月に及ぶ逃避行の末、渋谷のスクランブル交差点で、電撃的な写真撮影。
    アイドルに渋谷に、加藤シゲアキの立場を逆手にとった題材を選んでて、一般人とはちょっと違った目線の作品になってる気もする。とりあえず、渋谷サーガ3部作、全部読んでみるかな。

  • ラストは渋谷の交差点で写真撮る話。

  • 前作よりも大変読みやすく爽やかな結末が大好きな作品。
    登場人物も魅力的で、読んでいて映像が浮かぶ様な文章で面白かったです。

  • 「閃光スクランブル」と「ピンクとグレー」には共通するものがある。
    ひとり取り残された者が持つ焦りや怖れ、そして孤独と絶望。
    この物語でも、亜希子と巧はどこか似た部分を持ちながら今を生きている。
    そして彼らはともに絶望しながらも、死ねないまま生きている。

    一般社会で暮していると、他人からの悪意や攻撃を直接受けることは少ない。
    それは何故か。
    攻撃してくる側にも生活があり、自分の生活を壊してまで攻撃をやり遂げるだけの覚悟がないからだ。
    その点インターネット上では、どんなに罵詈雑言を吐こうが誰かを攻撃しようが、そこには匿名であるという安心感がある。
    自分が直接被害を被る可能性は限りなく低い。
    だから面白半分で、暇つぶしで、苛立ちをぶつけることが出来る。
    どんなに努力しても、頑張っても、否定し続ける人たちの存在を知って心が折れてしまう亜希子。
    自分のせいで愛する人が死んでしまったと自分自身を責め続ける巧。
    ふたりとも心は満身創痍で、何をしたらいいのか、どこに向かっていいのか、わからなくなっている。
    たぶん亜希子も巧も、迷っている自覚はないのだろう。
    ただ、目の前のことに精一杯で、少しでも本当に見つめなければいけないことから逃げている。
    物語はふたりの新たな一歩を示唆して終わっている。
    道を見失ったふたりの姿は痛いほどに哀しい。
    けれど少しずつふたりの心が再生していくさまは、かすかな明るさを感じさせてくれる。
    否定するだけでは人は成長しない。
    そこから何かを掴みとり、立ち上がり、再び歩き出すことで人は成長していくのだろう。

    たかがアイドルの書いた小説。
    そんなふうに思う人もたくさんいるだろうし、実際には読んでもいないのに批判する人もいるだろう。
    けれどこの物語には、加藤シゲアキという作家の覚悟が込められている。
    欲を言えば少し唐突に感じる場面が何ヶ所かあった。
    その点だけが少し残念だった。

  • 予想外な方向に行きっぱなしで
    おもしろかった!

    加藤さんの本
    次も出たらまた読みたい!

  • 2017.2.14

  • 渋谷サーガの二作目。
    これは加藤さんの作品、という所がスタートで
    読み始めた。ピンクとグレーよりも
    ダークさがより強く、ねっとりした印象。
    SNSも絡んできて、前作よりもイマドキ、
    な感じを受ける。個人的には前作の方が好き。
    でも、加藤さんの文章が、思考が好きだなと
    再び思った。これを書いてる加藤さんは
    漢字の成亮さんなのではないかな、と
    勝手に考えてしまった。
    カタカナと漢字。どちらの彼も魅力的に思う。

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著者プロフィール

1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。2012年1月、『ピンクとグレー』で作家デビュー。同作は16年に映画化され、大ヒットした。以降『閃光スクランブル』『Burn.-バーン-』(以上、渋谷サーガ3部作)と年1作のペースで執筆を続ける。最新刊は『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』。NEWSのメンバーとして芸能界でも活躍の場を広げ、近年はドラマやバラエティ、情報番組などに出演し、アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

「2018年 『傘をもたない蟻たちは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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