- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041036365
作品紹介・あらすじ
白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。死の間際、正光はあの空に何を見ていたのか。それを突き止めれば一千万円の報酬を支払う。興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。そして老人が死んだ同じ日、ひとりの公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられる停職中の刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀……。二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた!? 鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。感動のクライムサスペンス巨編!
感想・レビュー・書評
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10月10日正午、渋谷スクランブル交差点で何もない空を指さし絶命した96歳の正光英雄…その意味を探ってほしいと依頼を受けた興信所を経営する鑓水とそこで働く修司…。同日公安警察官山波が姿を消しその行方を捜索せよと、停職中の刑事相馬が依頼される…。
この一見無関係なそれぞれの依頼が、深くつながっていたなんて…!!まず考えられなかったですね!謎が謎を呼び、なんだかよくわからないまま…でもドキドキしながら今後の展開が読みたくて仕方なくなるような…上巻、結構長かったけどどっぷりハマりました!この作品も期待を裏切らず、この鑓水、修司、相馬、3人の良さがぎゅっと詰まった、作品でした!!やっぱりいいなぁ…太田愛さんの作品っ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「幻夏」「犯罪者」に続く第三段目、前回の犯罪者の読了から結構時間が経過しており不安だったが、読み始めると次々と展開していく物語に読む手が止められない。
スクランブル交差点で、独りの老人が空中を指差したまま絶命した。
鑓水と修司の経営する興信所に、あの日老人は空のかなたに何を見たのか調べて欲しいと依頼がくる。
前回より左遷され交通課になり、尚且つ停職中である相馬に公安の前島から連絡が入る。
行方不明になっている公安の山波という男の行方を極秘で探せと言われる。
山波の足取りを追ううちに、鑓水達が依頼を受けた老人と山波か会っていた事が判明した。
老人の過去と、姿を消した山波の繋がりとは・・・?
下巻へ続く
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衝撃的な出だし。正午、渋谷のスクランブル交差点で老人が天を指さしながら崩れ落ち死んだ。しかも正午の交差点映像はTVニュースでの定点映像で全国に放映された。
と数日後、鑓水はその老人が指さしたものは何か探ってくれという依頼を受ける。老人は96歳だった。報酬1千万。しかもその依頼主は修司が死の淵に立たされ鑓水と相馬も多くのものを失ったとされる因縁の元政治家、磯部。一方警察の相馬は今停職処分中なのだが、公安の前島から同じ公安の山波が失踪したのでそれを探れと言われる。ここで山波と老人が接触していたことが分かり、かくしてまた3人の追跡劇が開始する。
恐るべし公安。
老人は戦争中、軍にいて言論を統制する機関にいた。そこで経験した戦争の裏側と、気が付いたら身動き取れない戦争の渦中にいた、という現実。目に見えない社会の変化の流れ、それの恐さが示されていた。じわじわと皮膚にまとわりつく社会の空気、その恐さ。それを太田氏は全力で書ききった、という気迫を感じた。
鑓水の出生の経緯が明かされている。修司、相馬、このコンビが「幻夏」に引き続き動く。第1作の「犯罪者」をまだ読んでないので、因縁の事件が何か読んでみたい。
2017.2.18初版 2018.5.20再版 図書館 -
『犯罪者』『幻夏』に続き、3人組が登場する3作目。
幕開けは、渋谷のスクランブル交差点での老人の死。興信所を営む鑓水と修司は『犯罪者』でのあの宿敵から、老人の調査を依頼される。
一方、相馬は公安部の課長代理から私的に、行方不明の公安警察官の捜査を依頼される。
やがて、この二つの事件が一つに収斂されてゆく。
この事件の背景にあるのは、戦時下の情報統制に起因し、そして今まさに行われようとしている、公安部が暗躍する情報操作。
3人組が探査の結果、舞台は、カギを握る人物が住む、島へ。
島の老人たちの中の誰が、その人物なのか、”WHO”を求めて3人組が調べ廻るとともに、読者もまた推理の森に分け入る。
ここいらへんは、本格推理小説の趣き。
公安の陰謀を、3人組は覆すことができるのか。
読者は、著者の手管に翻弄されながら、否応なく下巻へと導かれる。 -
新聞の書評を読んで、借りてみた。
これは面白い!もっと有名になってもいいんじゃないか?と思う。
今の政治と世相をよく捉えている手が止まらなくなるミステリー。-
ロニコさん こんばんは。
太田さんの作品、次にどれを選ぶか決まりました。楽しみです(*^^*)
またいろいろ参考にさせてくださいませ。ロニコさん こんばんは。
太田さんの作品、次にどれを選ぶか決まりました。楽しみです(*^^*)
またいろいろ参考にさせてくださいませ。2020/03/19
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鑓水・修司・相馬トリオの第三弾
白昼、渋谷スクランブル交差点で老人は空を指差して絶命した
「老人が最期に何を指差していたのか」
鑓水、修司の興信所に奇妙な依頼が舞い込む
しかも、突き止めれば一千万円支払うと
同じ日、一人の公安警察官山波が忽然と姿を消した
山波の捜索を命じられる相馬
当初は、無関係と思われていた二つの事件が、深い繋がりがあり、その背後に恐ろしい国家機密が隠されている予感
第一弾よりも第二弾よりももっと大きな犯罪
でも、それが何かは分からない
分かりそうで、分からないこのもどかしさ
第一弾で登場した元大物政治家磯部とその秘書服部も
またまた登場
その他、内閣官房副長官、テレビ局の取締役、プロデューサーなど・・・
誰が味方なのか敵なのかも分からない
事件の鍵を握っている『白狐』を求めて、三人は瀬戸内海に浮かぶ曳舟島に渡る
外部のものを寄せ付けない冷たい島民の視線を中、調査が始まる
太田さんの本を読んでいて、あまりのストーリーの完成度の高さに舌を巻く
この人の頭の中はどうなっているのだろう
複雑に絡み合っていて、一筋縄ではいかない
読者も性根を入れて腰を据えて読まなければついていけないが、それだけに面白さは倍増する
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太田愛さんの鑓水、相馬、修司のシリーズ第三弾。今回のテーマはメディアと国家統制。報道の自由が脅かされることの恐怖がひしひしと伝わってくる。もちろんストーリーもハラハラドキドキ。相変わらず登場人物が多いが、思い返しながら読んでいる。
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1人の老人が渋谷のスクランブル交差点で不可解な死を遂げるところから物語は始まる。
その死一体にどのような意味が込められていたのか?
鑓水、修司、相馬はその死の意味を知るため闇に包まれた老人の過去を調べ始める。
過去に何があったのか?過去を明かさないその意味は何なのか?
公安に追いかけられる3人は真相にたどり着けるのか?
スピード感は無いものの飽きが来ないのはさすが。
下巻が楽しみ。