- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041036457
作品紹介・あらすじ
亡命事件、スパイ疑惑、派閥抗争……
この会社は、何かを隠している。
大手総合商社に届いた、謎の脅迫状。
犯人の要求は現金10億円。
巨大企業の命運はたった一枚の紙に委ねられた。
警察小説の旗手が放つ、企業謀略ミステリ!
大手総合商社テイゲンに、同社と旧ソ連の不適切な関係を指摘する文書が届いた。現会長の糸山が、30年前に旧ソ連のスパイ活動を行ったというものだった。犯人からの要求は現金10億円。警察に届けるわけにいかないテイゲンは、秘密裏に危機管理会社「TCR」に解決を依頼。元刑事の長須が真相究明に動き出す。脅迫状に添付されていた業務日誌は、テイゲンがかつて社内で使用していた公式用箋にワープロ打ちされたものだった。果たして犯人の狙いは何か。ある事情から警察を辞めTCRに就職したばかりの長須は、正義と職務遂行の狭間で揺れながら、巨大企業の“闇”に挑む。
感想・レビュー・書評
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この作家さんには珍しく企業の恐喝の話。旧ソ連からの亡命を助けたとして、恐喝されたイトゲンの会長を守るため、元刑事のリスク管理会社社員・長須の活躍を描く。警官であった父親の死をきっかけに神奈川県警を辞め、元警察官僚が始めたリスク管理会社に就職するが、警察とは違う捜査の手法に、ジレンマを抱く長須が最初はすごく嫌なやつで、外れかと思ったけど、その長須のネガティブさも伏線で、読み終わってみれば、意外に面白かった。脇を固める社長の光永や、元警視庁の刑事、元女性弁護士などキャラも立っていて、これはこの後シリーズ化されそうな予感。
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商社の会長宛に脅迫状が届く。危機管理を生業とする民間会社が、警察を頼らずに解決しようとする。なぜ、明らかな犯罪に対して警察に相談しないのか、なぜ会長は警察どころか契約している危機管理会社も信用しないのか。それらすべてが闇を持っているからだ。もちろん登場人物すべてが闇を抱えている。会社も闇を抱えている。読み終わってみると、タイトルを「黒い紙」としたのは素晴らしいセンスだと思う。シリーズ化しやすそうな感じなので、他の会社の闇を暴く小説を読みたい。 登場人物の闇をもっと掘り下げることもできるだろうし。
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企業の危機管理を専門とするTCRで働く長須恭介は、故合って警察を退職してこの会社に入った.社長の光永護、専務で娘の碧、同僚の本島も警察OBだが、堺美和はユニークなキャラで弁護士.大商社のテイゲンの会長糸山玄宛の脅迫状が届き、長須が担当に指名される.旧ソ連のスパイ疑惑で30年前のソ連戦闘機の宍道湖着水事件との関連がある由.脅迫状はワープロ専用機からの出力だったので、長須が秋葉原で調査する件が面白かった.松江の喫茶店でロシア人と糸山が接触した事実の解明が鍵だと感じた.社内闘争のあおりで冷や飯を食わされた不平分子が起こした案件だとの推測で、現金受け渡しに光永、本島、美和、長須が対応するが、かなりドタバタ劇になった.美和の存在がやや重苦しい事件を明るくする場面が多かったのが良かった.
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人間誰しも人に言えない過去はあるもんです(^^;警察官を辞め、危機管理会社に拾われた主人公の長須が自分の過去を見つめ、乗り越えようともがく様が切ないながら、応援したくなる。話は崩壊前のソ連兵士が島根県の宍道湖に戦闘機を不時着させて亡命するところから始まります。30年前に何があったのか?ストーリー展開は早く、伏線はあまりないので一気読みでした(^^)
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商社テイゲンに脅迫の手紙が届いて、危機管理専門会社TCRが対応に当たった・・・会長の30年前の疑惑が浮かび上がったが・・
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規模が大きいようで小さい
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会社の抱えたトラブル、危機を管理する民間企業で働く元警官。
警察の様な正義ではなく、会社の利益を守ると言う事に矛盾を感じながらも、事件に取り組んでいく。
ソ連のスパイ?なんてきな臭い話もあったが、結局は人事闘争。
なんかな、っていう読後感。 -
2017 1 2
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堂場さんの作品だな~、って感じです。
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シリーズ化しそう。
「後で電話してくれ」と言われてすぐにしないのは
ダメでしょ。