英国一家、インドで危機一髪

  • KADOKAWA (2016年3月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784041036471

作品紹介・あらすじ

人は歳とともに円くなるはずじゃなかったのか? 中年っぽくなった僕を見かねた妻が言った。「みんなでインドに行きましょう」。こうして、英国一家のインド旅行が始まった! そして僕の人生に大転換が!?

感想・レビュー・書評

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  • 英国一家日本を食べるで知られるマイケルブース一家がインドを旅した。

    食べ歩きの要素もあるにはあるが、後半はヨガの修行にあけくれる。

    というのもアルコールや美食などの快楽を求めない生活を知るための氏の妻による計略だったのだ。

    半ば 強制的にヨガ修行を始める著者だが
    だんだん ヨガの効用に気づく。
    そして紆余曲折はあるものの、アルコールなしでも
    生活でき、体重も落ちていく。

    イギリスに帰っても その生活は維持できているようで

    インド文化の深い体験談となっている。

    危機一髪というタイトルは 内容とかけ離れているなぁ。

    ヨガしないと負け そんな気になった。

  • 翻訳された本独特の読みづらさはある
    筆者が人間くさくてそれはよい


  • これはない。
    以前から感じないではなかったが、インドという「ガチの旧植民地」を舞台にしたことで、著者(の旅)が無反省に持つ植民地主義がもろに出てしまった。
    何が悲しくて、自国にいながらポッと出の観光客に「自国訛の外国語を話す、なのでちょっと聞き取りづらい」などと評されなければならないのか? 外国の文化や宗教への軽侮もひどく、それも「児童婚やFGMだって伝統! 現地においては意味がある! 男女平等だってヨーロッパという僻地の単なる慣習!」などというクズの妄言ではなく、正真正銘の白人のエゴ丸出し。国旗に放尿にはさすがにドン引きした。
    また同じくらい我慢ならないのが、著者の家庭クラッシャーぶり。妻がついに「元」プロの歌手と紹介されるに及んで、そりゃこんな身勝手な男の万国放浪に何年も付き合わされてりゃそうなるよ…と心から同情した。どうしようもないアル中(あえて)のくせに、「俺はクズの飲んだくれじゃない。神経症の地獄から逃れるために不可欠なんだ!」とか言い出すに及んでは、一滴も飲まない神経症者として殺意すら覚えた。「神経症者は酒がなけりゃとうてい生きていられない」というなら、ここにいる私は何なんだ?
    終盤変なスピリチュアルに転んで立ち直ったていになっているが、酒を断ち切らない限り真の再生はありえないだろう。
    ほんと、WHOもヘロイン以上と認める危険度トリプルAの激ヤバドラッグなんぞ、一刻も早くご禁制にしてほしい。

    2021/8/22読了

  • 今までと同じ食に関する本かと思ったのですが40歳を前にして色々と行き詰った著者が妻子を連れてインドへ食の旅に行ったつもりが妻の謀でヨガを始めて健康になる本でした。

    最初の内は不平不満だらけで読んでいて面白くなかったのですが妻と破綻寸前まで行きヨガを受け入れ、内面の変化を感じるるあたりから普通に読めるようになりました。
    本人は否定しているけれど言い分を読む限りアル中。そして心配性な上にすぐにイラつく著者を受け入れて改善させる奥様の根気の良さに脱帽しました。

  • ユーモアのセンスが合わないので中断。

  • 前半でちょっとだけ食べ物の話があって、後半はヨガです。 心身ともに気合が入らない作者がインドでヨガをしてちょっと健康になる感じ。

  • 前半は楽しい食べ歩き、後半はヨガを通じて身体の浄化を図るという体験記。作者は元々はカソリックで教会にも通っていたが、時間をかける意味が見出だせなくて遠退いてしまい、無神論者というスタイルでいた。妻にアル中を指摘され、気が向かないままヨガと向き合わざるをえなくなった。頑なな気持ちが素直に教義を理解するのは難しいが、肉体的には変化が起き、意識の向上に役立ったよう。紀行文としては子供達の素直で無邪気な様子、奥さんの人間としてのレベルの高さに癒された。本人は奥さんの正しさについ反発したくなるのかな。

  • 英国一家インドでヨガ三昧、の方がぴったりのタイトルだと思った。

    改めて読んでいて、前に読んだなこれ、と思っていたら上記の記事発見。6章まで読んだけれど返すか。(2023年2月23日)

  • 中年の危機に直面したグルメの英国人が、家族でインドに旅行しヨガに目覚めるまで。
    美食と酒に取りつかれたような旅行が、妻の強権発動によりスピリチュアルに突き進んでいく。英国風の?ユーモアをまぶした軽妙な語り口の合間に、自己嫌悪や違和感、本人の精神的閉塞が見え隠れし、実際のところそこそこ病んでいたのだろうと思わされる。第13章に描かれる体験の悲惨さ。それを見透かす妻の偉大さ。
    ・「オレたちが考えること、すること、願うこと、話すことは、すべてふたつの基本のどっちかが動機になってるんだよ。生殖の必要性か、自分が死ぬという必然性が怖くて気を紛らせる必要性か」…「なるほど、オマエみたいにまるで信仰心がないと人生は空っぽになるんだろうが、オマエ好みの気晴らしには欠陥があるよ(中略)オマエが気晴らしに選んだものは近いうちにオマエを殺しかねないってことだ」(p8-9)

  • 日本の食を交えての体験とはまた違った見方。

  • ヨガでアルコール依存症をなんとかできた、という話なんだけれど。筆力で読ませるのは確か。でもねえ。何かちょっと辛い。

  • 前作とくらべない方が良いけど、日本を舞台にした前作がなかったら、出版されて読む機会もなかった違いない~仕事もうまくいかず、悶々としている僕マイケルに妻りスンはインドでスピリチュアルな体験をレようという。半年かけて準備をして降り立ったデリーはヴィクトリア朝時代のロンドンのスラムだった。路地を進み、マトンブラ、ダールマッカーニ、シールマール、コルマカレーを詰め込んだ。チャートは塩味、甘味、酸味が次々抻し寄せ、パリパリとぬるぬるを同時に味わう気持ちの悪さだつた。五億人の胃袋を満たすアザトプルの十ー階建ての冷蔵倉庫で働くネパール人を見て屋台料理を味わう。パンジャーブ州アムリトサルでシク教の聖地に行きエミルを筆頭にターバンを買って着けた。印バ国境で両国兵士の威嚇し合う行進を見物しながら我慢ごきなくなったエミルが観覧席から放尿してインド国旗を汚がしたが、お咎めなし。アーグラに飛びタージマハールを眺め、ヴィノド・クマルというバラモンがドライバーでランタンボールでトラは見られず、ピンクシティーにも立ち寄リ、提灯記事を書く見返りにジョードプルにある宮殿ホテル、ウメイド・バワン・パレスに無料宿泊してもてなしを受ける。ジョードプルから砂漠へ向かう途中・ー家四人が強裂な腹痛に襲われた。ウダイプル行きの飛行機に乗る前にヴィ丿ドと涙の別れをし、体調の戻らぬ3人を残して湖畔のレストラン・アンブライで食べたラバブダールで汗だ<の僕は従業員の注目の的だった。ラーナクプルのジャイナ教寺院もー人で行くことになった。1800万人がくらすムンバイで15分だけのスラム探険で迷い、表通いに案内して<れた女性に5OOルピーの謝礼を払ったリ、旅の途牛で知リ合った中流家庭のパーティーにも行った。マラリアが恐ろレいデカン高原を飛び越えたケララ州のオープン前のリゾートホテルに宿泊し至れリ尽くせリの接侍を受ける。夜行寝台列車でコーチンへ行きシリア正教徒の家,パセンケヤル島のファーム・コテージで過し、インド家庭料理を学ぶ。ハウスボートで宿泊した翌朝、1カ月のヨガと禁酒が堤案され、マドゥライからバンガロールを経由してマイソールに飛んだ。2万ルピー余リを払って半信半疑で始めたヴィネイのシャラで筋肉痛とポーズのとれない屈辱を味わうが、食欲がなくなリ酒に対する興味が消える一方、にきびが顔中を覆い、聞けばデトックス効果じゃないかと云われ、2時間のプラナ・ヴァシヤと2時間のプラーナーヤマを行い、ついにオームの発声もやらせてもらえた。更にマハリシの弟子という人物にTM(超越瞑想)入門を受け、ーカ月のマイソール滞在、三カ月のインド旅行を終えて帰国した。毎朝2,30分のヨガと超絨瞑想が僕を変えてくれている~インド旅行は2009年で、3ケ月にわたる日本旅行の1年半後だった。201б年だと子どもらも大き<なっちゃってて、新たな珍道中は期待できないね。ここまで相手の喋ったことを文字に再現することは可能か?レコーダーを使っていなければ偉大な才能で、アル中でも十分褒められると思うな!奥さんはデンマーク出身で歌手のキャリアも持っている。子連れで3ヶ月海外生活を続ける決意と資カに感心。インドは長居したくなる魅惑的な国らし″のは、多<の若い独身のバックパッカーが書いているけど…マイケルは現代的比喩表現が上手だ…注釈がないと日本人の私には理解できないけど…

  • 今までの英国一家シリーズはすべて、「食」に関する内容だったが、今回はインドで体験したこと、それに伴う内面の変化についてになる。
     まず、なぜインドに行くようなったか、それは、食欲とアルコール欲を著者が制御できず、妻からデトックスのためにインド行きを提案されたから。
     インドに到着してから、観光したり食事したりもするが、マイソールに落ち着いてヨガをアシュラムで学ぶうちに心と体が変わってくる。もともと、著者はスピリチュアルが大嫌い、でも、瞑想やヨガを通しての自分自身の変化には気がついていて、師匠と議論を交わしたりもする。
     そして、インドに対する感謝と帰国してからも自分の生活や環境に対する感謝の念が生まれる。
     ヨガを志すものとして、インドから帰ったものとして、同じような変化を感じているので、より共感できた。

  • インド料理を食べる、てはなく、ヨガを通じて著者が中年の危機と向き合う様が最大の読みどころになっている。とはいえ、精神的な世界観は、食べ物の美味しさという物質的な誘惑よりは魅力的でなく、この内容なら著者の作品でなくとも良かった、と言えなくもない。が、旅行記としてはやはり読みやすく、ストレスを溜めている場面などはインドならでは。その中で、著者(とその一家)の、色々なものを見たり体験しようとする姿勢があってこそ、その国その人々について書く資格があるというものと思った。

  • 『英国一家、日本を食べる』の著者家族が向かったのはインド。ただし食べ歩きは主とする旅は思わぬ方向へ。著者の精神的苦難を救うために妻はヨガ体験を促す。従来作品とは異なり著者のネガティヴな要素が目立つ。

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著者プロフィール

英国サセックス生まれ。トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト。2010年「ギルド・オブ・フードライター賞」受賞。パリの有名料理学校ル・コルドン・ブルーで一年間修業し、ミシュラン三つ星レストラン、ジョエル・ロブションのラテリエでの経験を綴った"Sacre Cordon Bleu"はBBCとTime Outで週間ベストセラーになった。

「2020年 『三頭の虎はひとつの山に棲めない 日中韓、英国人が旅して考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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