うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1172
レビュー : 166
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037089

作品紹介・あらすじ

著者自身のうつ病脱出体験をベースにうつ病からの脱出に成功した人たちをレポート。うつ病について実体験から知識を学べ、かつ悩みを分かち合い勇気付けられる、画期的なドキュメンタリーコミック!

目次
第1話 田中圭一の場合1
第2話 田中圭一の場合2
第3話 田中圭一の場合3
第4話 照美八角の場合
 あの時ボクはうつだった その1
 あの時ボクはうつだった その2
第5話 折晴子の場合
第6話 大槻ケンヂの場合
第7話 深海昇の場合
第8話 戸地湖森奈の場合
第9話 岩波力也・姉原涼子の場合
第10話 代々木忠の場合
第11話 宮内悠介の場合
第12話 鴨川良太の場合
第13話 精神科医・ゆうきゆうの話
第14話 ずんずんの場合
第15話 まついなつきの場合
第16話 牛島えっさいの場合
第17話 熊谷達也の場合
第18話 内田樹の場合
第19話 一色伸幸の場合
第20話 総まとめ
エピローグ
 うつヌケこぼれ話 その1
 うつヌケこぼれ話 その2
あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 言葉としては知っている、でも自分がそうなってみるまではイマイチぴんと来ない症状、「うつ」。そもそも、自分がうつ状態なのかどうか、さえ、普通は分からないわけだよね、それが分からないのも症状の一つなわけだから。

    ただ、最近個人的に児童心理学とか問題行動の原点を探るとか要は「心と向き合う」行為を調べる必要があって、その過程で「うつ状態っていうのも自分と向き合って乗り越えていく現象の一つだな…」と気づいたので、本書を購入、気持ちとしてはうつ症状について知るための軽い導入くらいの感覚だった。

    で、読んでみて、今まで漠然としたイメージしか持っていなかった「うつ」だけど、もう少し形が見えてきたというか、よく形容される「心の風邪」という表現がすごく適当に言い表された言葉だということを実感した。

    風邪にもその苦しさや症状に個人差があって、それはうつも全く同じ。普段から気を付けていれば防げる風邪があるように、うつも多少は自分の努力で回避することができる。でも、対処療法ですませずきちんと治したいなら病院へ行く必要がある時もあるし、完治するまでは無理をしないことも大事。ふーむ、そう考えると本当に風邪みたいだな。

    ちょっと惜しいのは、たぶんこの作品、何かに掲載されていた連載作品を一冊にまとめたものなので、一回のページ数が限られているのだよね。だから、「え、なにこの話、もっと詳しく知りたい!」と思う回があっても、きっちりそのページ数で終了してしまうので、やや物足りない気持ちが残る。

    でも、逆に言うと、それだけ色々な人のうつに関する話を多角的に知ることができるってことでもあるし、「うつについて何にも知らないから少し理解したい」って人とか、「自分がややうつ状態の気がして不安…他の人はどうなんだろう、情報が欲しい」って人にはすごく良くできたライトバイブルになると思う。

    印象に残ったのは、うつの発端というのは「自分を好きになれない」ことから始まることが多いということ。今の自分を肯定できない何かがある、現状を受け入れられない、無理をしている自分が嫌い、または、無理をできない自分が情けない、過去に封じ込めた本当の自分がいる…そういうことに対する小さな我慢が重なって、うつに近づいていくのだなぁ。(本当の意味で)自分と向き合うこと、が、うつに対しても有効だということが分かった。

  • 私もカネコさん同様「うつの気持ちはさっぱり分からん」派でした。が、実際家族がうつ状態になって初めて、うつについていろいろ調べていくうちに、これはトンデモナイものなのでは?と思ったものです。
    「心の風邪」どころじゃない。うつは「心のがん」です。
    なので、内容はストンときました。
    うつの時は風景がくすんで見えるので、やたら派手な色のものを買う、とか、忘れっぽくなる、活字が頭に入らない、音楽に感動できないなど、これ全部当てはまっていた!というようなものばかりでした。(うちのうつ人は信じられないほどカラフルな服ばかり着ている)
    うつの人を「メンタル弱い」だの「甘えている」「怠けたいからだ」などと言う理解のない人たちにこそ読んでほしいかな。
    うつを克服するには、家族はもちろん趣味も大事。
    まだ暗いトンネルの中を出たり入ったりしている家族をもつ私にとっては、すごく勇気のもらえた本でした。感謝。

  • 最近鬱の体験記を読むと気持ちが酷く落ち込んでしまうのだけど、これは絵が可愛いし(というか手塚治虫さん)、全て上昇型の話なので、そんなに暗くならずに読めた。
    でも子供が欲しくてたまらなかった人の話は個人的に気持ち悪い…と思ってしまった。
    私は子供が欲しいという気持ちが全く強くないせいか、子供が欲しいー!子供ができた、嬉しすぎぃー!と取り乱してる人を見ると恐怖を感じてしまう。

    自分を駄目だと思うと良くないのかー。
    でも実際駄目なんだよなー(笑)。
    自分に向いてる仕事をしないと駄目なんだね。

    ところで私、脳に靄がかかった状態とか、世の中が灰色に見えるとか、物心ついた時からずっとなんですよね。
    これはどうしたらいいんだろう。
    数年前ある場所で働いていたら、この靄が綺麗に晴れ、世の中が色で埋め尽くされる状態になるのを経験した。頭は冴え渡っていたし、どんな酷いことがあっても1人で立ち直れた。自分が正常化したのを感じた。
    躁状態ではないと思う。あの時は判断力も有ったし、後悔するような事もしていない。
    残念ながらそこは長くいられる場所ではなくて戻って来てしまったのだけど。
    その経験によって、やっぱり靄とか灰色の状態は自分の正常ではないんだなぁという確信になった。
    またあの状態になりたい。。

  • 10年近く続いたウツから抜け出した著者が、自身の体験やウツを抜け出した人たちの体験を漫画化し、今なおウツに苦しむ人へ手助けになればと出版した本。

    紹介されるウツぬけエピソードは、サラリーマン、教師、など身近な人からミュージャンの大槻ケンヂさんや小説家の熊谷達也さんなど有名な方まで。

    ウツになっていく過程から抜け出すきっかけ、その後の回復の仕方などがわかりやすく描かれている。

    ウツの人もそうでない人も客観的にウツを捉える事が出来て、どうやってウツと付き合っていけるか、読んだ人によって、それぞれにヒントが得られると感じた。

    ウツが、小さな妖怪として描かれていて、イメージしやすかった。オバケは減ったり増えたり。付き合い方がわかっていれば怖くない存在。自分の調子が悪い時を把握して、安心を手に入れていく。著者がウツのカラクリを見つけ出していった冒頭は印象的だった。

    以下、印象的な言葉。

    不安はあるがままに捨て置いて今自分がすべきことをする。不安はちょっかいを出してくるが、一緒に歩く事が可能なヤツだ。

    物事を客観視する癖をつける。主観的感想と客観的感想を1:1で書く。

    物事を悪い方に考える人は危機を回避しやすく生き残る確率が高い。ネガティヴは当たり前でむしろ優秀、くらいに自分を肯定してあげる。

    自分の責任だと思っていることを減らしていく。

    脳を休ませて身体に主導権を移す。

  • マンガ家の田中圭一が自らウツになった経験と、回復した経験を描いたエッセイ漫画。

    自分のウツのつらさとそれを回復するためのコツを同じウツで悩む人のために書いているというのが良く伝わる。

    ウツというのはストレスに追いつめられて思考が非常に狭くなっているが、思考の歪みを正すような新たな視点を持つこと、自分のことを認められることが大事なので、この本のように色々なウツ体験とそれを抜けるための方策が並べtあることで、ウツの人たちが、色々なウツ体験を学習することができる。

    そして自分だけが特別ダメなのではなく、誰にでもウツは訪れること、自分にも当てはまる部分を客観的に見つめなおせるようになるのではないか。

    いつもの、手塚治虫風絵がらも、ウツの状態を安心感をもって見れる要素かな。あと相棒のカネコは藤子不二雄F風。

    田中圭一が専業漫画家ではなく、サラリーマンもやっていたというのが、個人的には衝撃だった。
    昔からいるある程度有名な漫画家だと思っていたので。

  • 気持ちが楽になった。
    マンガだから、気楽に読めるのも良かった。
    久しぶりにマンガを読んだ。
    マンガというものが、こんなに凄いものだったなんて、今になって気付いた。
    なんか本を読もうとなると、なんとなく構えてしまう。
    これが文章だけだったら、今の自分には読めなかったかも。
    自分は自分でいいんだって思えた。
    きっといつか、自分にも、笑える日が来ると思えた。

  • 複数のうつ経験者による体験談。マンガのためにイメージがわきやすい。自己否定がきっかけとなり発症し自己肯定て抜けていく、その通りだと思う。心と体は繋がっていて互いに影響を及ぼしあっている。その片方もしくは両方からの影響でキャパを超えるとそれは、もう無理、という信号がでて、うつとして表面化するのではないだろうか。正体がわかれば怖くはない。上手く付き合っていくのだ。

    朝、目覚めたら「自分を褒める言葉」を唱える。
    うつとは自分の持つエネルギーが心の闇に集中すること。
    森田療法。不安も葛藤も無くすことは出来ない。だから不安はあるがままに捨て置いて、今自分がすべき事をやればいい。そのうえで成功しても失敗しても、その人生は間違いではない。

  • うつの波がはげしい気温の変化など
    外的な要因も大きかったり
    抜け方も人それぞれ!
    外からみて これがいいだろう!!
    ということが 反対に働いたり・・・
    一筋縄ではいかないけれども
    よりよく知ることで 抜ける一つの手立てになれば
    そんな気持ちで書かれたことがよく分かります

  • 小学生男子テイストのふざけたマンガ(ほめ言葉です。念のため)を描く人だと思っていた田中圭一。自分だけでなく、各方面いろいろな人のうつ体験を丁寧に描いていて、ちょっと意外だった。うつになるきっかけも、そこから抜け出す(またはなかなか抜け出せない)道のりも人それぞれ。決めつけない描き方が良かったです。

  • 著者を始め、うつ病にかかった人たちの体験談をマンガで紹介した本。
    超お下劣マンガで名を馳せた著者がうつ病で長いこと苦しんでいたとは、その作品からはみじんも感じられなかったのでびっくり。
    とりあえず現在は寛解に至ったようなので良かった。今後も変わらずの超お下劣作品を期待してます。

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プロフィール

1962年5月4日大阪府枚方市生まれ。近畿大学法学部卒業。大学在学中の1983年小池一夫劇画村塾(神戸校)に第一期生として入学。翌1984年、『ミスターカワード』(『コミック劇画村塾』掲載)で漫画家デビュー。1986年開始の『ドクター秩父山』(『コミック劇画村塾』連載)がアニメ化されるなどの人気を得る。大学卒業後はおもちゃ会社に就職。パロディを主に題材とした同人誌も創作。著書に『田中圭一の「ペンと箸」』(小学館)、『うつヌケ~うつトンネルを抜けた人たち』(KADOKAWA)などがある。

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