国境の雪 (1) (角川文庫)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (784ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037195

作品紹介・あらすじ

北朝鮮の国家最高機密とともに脱北した女・崔純子。彼女を国境へと導く日本人工作員・蛟竜。中国全土を逃亡する二人の行方を各国の諜報機関が追う。日本を目指す壮絶な逃亡劇の果てに二人が辿り着いたのは……。

感想・レビュー・書評

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  • 様々な事件-事故 複雑に絡み合う国際情勢の中に架空の人物の活躍を描き フィクションにしているが、必ずしもフィクションではないのでは?っと思わせる 柴田先生の才筆にただただ、圧倒される。

    P644~辺りの内容は 考えられる最悪のシナリオだし、本当に【その時】を考えておかなくてはいけなぃ。
    そんな事を考えてる政治家がどれだけ居るのか……(つд;*)



  • 「デッドエンド」「クラッシュマン」などの柴田哲孝さん「国境の冬」、2015.12発行です。スケールの大きい小説です。史実に基づくフィクションです。2010年~2012年の現実に起こった国際政治の裏側を想起させる物語です。(実際の政治家たちが登場します)崖純子という脱北者、執拗に追いかける朴成勇、救出に向かう相楽正明・・・。自由を得るということがどんなに大変で貴重なことか!読んでて、自分も救出者になっていました。読後、横田めぐみさんの救出を強く願います。(今年は拉致されて40年)770ページの大作です。

  • 未来を信じつつけて、お互いの幸せを想い続けた2人に心打たれ続けました。年月、規模ともに壮大すぎる愛の物語で、読み終わった後の喪失感は過去一かもしれません。大満足です。

  • 図書館で手に取る。

    長い、厚い。
    759ページの長編。各国の元首が実名で出て、歴史上の出来事もなぞったうえでの小説。

    日系人、崔純子の脱北から話は始まる。
    北朝鮮国家保衛部の残虐極まりない拷問、中国公安部の暗躍、日本のK機関、CIA、KCIAも絡み中国全土を舞台にしたスパイ小説。

    スパイといっても主人公が諜報活動を行うわけではない。
    北朝鮮、中国の体制を揺るがす事実を手にした崔純子が脱北し、日本をめざす。
    それを追う北朝鮮、中国。情報を手に入れたいアメリカなどが絡み、また、胡錦涛から習近平、金正日から金正恩への権力移行期も影響する。



  • 北朝鮮の工作員だった女は国家機密と共に脱北する。
    国家機密を巡り、北朝鮮、中国、韓国、アメリカ各国の諜報機関が暗躍する。
    国際政治ものは、どうしても現実が先になるので、古くなりがちだが、そこはさすが柴田氏。
    時の総理、鳩山政権の時の阿呆さを思い出しました。
    やはり、柴田氏はこれくらいの長編が読み応えがあって良い。

  • 321

  • 登場人物全員が悪者(^ ^;
    もう誰も信用できない...という鬱々とした気分になる(^ ^;

    はからずも、二冊続けて東アジアが舞台の
    もんのすごいハードなボイルドを読んだことになる。
    今回の主な舞台は中国。

    本作の特徴は、小説で有りながら、
    中国、北朝鮮、韓国、日本、アメリカなどの
    当時の政治家が全部実名で出てくる点。
    作中の時代背景も、実際に21世紀に世界で起きている
    事件や災害、事故、政治の動きなどがそのままなので、
    もの凄い臨場感。

    っていうか、実名出してこんなこと書いて
    作者は怒られないんだろうか...(^ ^;

    ストーリーは、日本で生まれ育ったと思われる
    諜報員の男と、半日本人の脱北者の女を中心に進む。
    そこに上記各国の思惑やら駆け引きやらが複雑に絡み、
    陳腐な言い方だが「時代に翻弄される」二人。

    文庫版で700ページを越える大作で、
    気合い入れて読まないと途中で着いてけなくなる(^ ^;
    登場人物が多すぎるし、社会や政治に疎い私は
    何度も「戻っては再読」を繰り返し...(^ ^;

    ラストを、救いがないと見るか、
    やっと救われたと見るべきか...

  • 長かった… 脱北者の女性純子がどうやって 日本へ入るんだろうって そこだけが知りたかったのに 
    日本やアメリカ中国・韓国の偉い人たちの 策略や取引なんかもリアルに実名で出てきて 大ジョブ??って思ったわ!

    悲しい話ですね みんなそれぞれの腹ずもりがあって お金に絡んでいて 人一人の命なんかは ひとつの駒でしかないんですね 自分たちは暖かくて安心な場所にいるのに!!

    最後は「ああ…やっぱりね」って思いました。

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著者プロフィール

1957年、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科中退。フリーのカメラマンから作家に転身し、現在はフィクションとノンフィクションの両分野で広く活躍する。パリ〜ダカールラリーにプライベートで2回出場し、1990年にはドライバーとして完走。1991年『KAPPA』で小説家デビュー。2006年、『下山事件 最後の証言』で第59回「日本推理作家協会賞・評論その他の部門」と第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)をダブル受賞。2007年、『TENGU』で第9回大藪春彦賞を受賞し、ベストセラー作家となった。他の著書に『DANCER』『GEQ』『デッドエンド』『WOLF』『下山事件 暗殺者たちの夏』『クズリ』『野守虫』『五十六 ISOROKU異聞・真珠湾攻撃』『ミッドナイト』『幕末紀』など、多数ある。

「2021年 『ジミー・ハワードのジッポー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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