樹上のゆりかご (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2016年4月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784041037201

作品紹介・あらすじ

かつて旧制中学だったバンカラな伝統が残る都立辰川高校に入学した上田ひろみは、学校全体を覆う居心地の悪さを感じるようになっていた。合唱コンクールで代役の指揮をした美少女有理と親しくなってからは、周囲でさらにおかしなことが起き始める。合唱祭、演劇コンクール、体育祭と準備に追われる中、生徒会に脅迫状が届き相次いで事故が……。学校に巣くう「名前も顔もないもの」とはなんなのか? 何ものからも守られ、それゆえに不安定な「ゆりかご」のような場所、「学校」。そこで過ごす刹那を描いた、人気作家荻原規子の今では珍しい学園サスペンス。読みながら思わず自分の高校時代を重ねあわせていく、不思議な感覚の物語。書き下ろし短編、あとがきを収録して新たに登場!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

高校生活の不安定さや青春の葛藤を描いたこの物語は、読者に深い感情的な共鳴を呼び起こします。特に、主人公のひろみと美少女有理との関係を通じて、学校という場所の特異な雰囲気や人間関係の複雑さが鮮やかに描か...

感想・レビュー・書評

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  • ずっと心に残っている本。初めて読んだ中学生のとき、ここに描かれている高校の雰囲気がまぶしかった。そして、近衛有理さんの考え方・言動、ひろみとの会話の内容がとても新鮮で、刺激的だった。今でも少し憧れている。

  • 誤解を恐れずに書き記せば、所謂「名門」「進学校」と世間で認知されている高校に通った経験がある大人には、非常に刺さる小説ではないかと思う。所謂学園ものとは、ひと味違う。

  • 最近は、中高生が主人公の本を読んでも「面白かったけど、中学生のときに読みたかったな〜」という感想で終わることが多いのですが、これは!この本は!ただ素直に「面白かった〜!」と読み終えることができました。

    久々に、読んでいる間(この1週間くらい)は、ずっと本の世界が右肩の上に乗っているような感じで、高校時代の楽しいような哀しいような気持ちを思い出していました。この“読書中(読んでいないときも)ぼんやりと世界がついてくる”感覚が味わえるのは、文章の相性が合う作家さんのとき限定のスペシャル特典ですね。

    読み終わるのがもったいない……と思ったのも久しぶり。脳内で、鳴海クンのイメージは『花に染む』(くらもちふさこ)の陽大くんでした。

  • 荻原規子さんのファンタジーは一度読んでみたいと思っていましたが
    ある日の書店でこちらを見つけて、内容はともかくとして
    著者さんの名前とカバーの写真にほぼ衝動買い。ジャケ買いでした。
    こんな表紙には目がありません♪ましてや気になっていた著者さんでしたから
    もう迷わず。^^

    そんなわけでてっきりファンタジーと思って読み始めましたら
    あろうことか方向が随分違っていて...

    旧制中学の伝統が色濃く残る高校に通う主人公・上田ひろみは
    学校全体を覆うその校風に居心地の悪さを感じている。そんななかで
    生徒会執行部に駆り出され、奇妙な出来事に巻き込まれていく――

    ミステリの絡んだ学園青春物語でした。

    こういう学園ものに出会うととても懐かしい気持ちにさせられます。

    主人公ひろみと有理の、あんなふうに共通する好きなもので
    語り合える友達関係っていいなと思う。熱い青春だなって眩しい
    気持ちになるし、歳を重ねた後になってもそういう友人関係は
    なによりにも代え難い大切で嬉しいものだから。

    ひろみと江藤くんも微笑ましくてなんかいい。
    この二人、似たもの同士なのじゃないかしら。

    鳴海クンと近衛さんの中学時代の関係が、どんなだったのか
    はっきりしていないところがちょっぴり残念でしたけど、近衛さんは
    成海クンを取り戻したいだけだったんだろうか....。
    ほんとうは鳴海くんの名を借りて、辰川高校の校風に対しての
    抗議だったのではないのかしらという気もするのです。

    このお話にも「前」があるのですね。
    読んでみたいと思います。

  • 2002年に単行本で読んで、2014年に中公文庫で読んで、今回は後日談もある角川文庫。
    「クン」付けの違和感を今回も感じてしまって、そんな自分がおかしくもある。
    そして上田ひろみの葛藤はいつもやはり初々しい。

    円紫さんとわたし、も彷彿とさせるなぁ。

    あとがきを読んで気づいたのだけれど、携帯電話って使っていたっけ。2002年頃だと普及率は60%弱くらいか。

  • <学生コメント>
    この物語に登場する登場人物たちほど、たぶん世の高校生は聡くはない。描かれる学園生活は必ずしも私たちの思い出には重ならない。そしてそこに渦巻く感情は、生々しくも激しいものだー
    ここに純粋に惹かれるのか、舞台にそぐわないと違和感を感じるのかで、感想が分かれる小説だと思います。いろいろな要素、思いが交錯する名作だと思うので、よかったら一読してみてほしいです。

  • 「空色勾玉」「レッドデータガール」の萩原規子の作品。犯人Kの謎解きにかんしては、あまり感想はなく、冷静と狂気を併せ持つ人はいるだろう程度だったが、話の流れや言葉の選択などは好ましく思った。歴史のある古風な学校は、女子からみたらこんな感じなのかなと知らされた読書だった。

  • 20160809
    第一印象は普通という感じだったのだけど、なんだか気になって再読するうちに、かなり好きになってた。
    夏郎とひろみの一年後、という続編の短編が収録されているというので購入したのだけど。
    また買ってるということは、やっぱり萩原作品の中でも好きみたい。スルメ的な…?
    再読しても、やっぱりサロメ講釈が好きだなぁと思った。
    もっとこういう話を友達と話しておけば良かったなぁ、など。
    これほど深くはないけど好きだったなーと。

    短編は短いけどニヤニヤできたので良かったです。
    夏郎がんばれー

    ネタバレだけど、短編を読み返して思ったこと。
    淡白な関係性になったのは惜しいなぁって思ってたんだけど、なんだかんだ、らしいなぁと思った。作者らしいというよりひろみらしいというのかな。
    彼らは密度が濃かったけど、ひろみ本人はそこに深く関わってはいなかったんだよなぁ…
    なんだろ、外部刺激みたいな?
    そんで、密すぎると離れるのもあっという間的な。

  • ミステリーで検索してヒットしたのがきっかけで読み始めたからよくなかったかも
    ミステリーを期待しすぎた
    ミステリアスな学園ものだと思えばもう少し楽しんで読めたのかも
    ミステリーが起こるまでの前置きで8割終わってていつ深刻になるんだろうと思いながら読んでたけどトラブルが大きくなった頃にはもう9割読み切ってる状態

    恩田陸さんのイヤミスが気に入ってそれに類似したものを探したけどイヤミストは少し違って、ぼやっとしたまま終わった印象

  • すごく面白かった!不穏な学園ミステリ!荻原作品の登場人物たちはみな、それぞれに賢く逞しく魅力的なのだ。そこが好きなのだ。

  • とても繊細な作品。良かったです

  • ″RDG″シリーズに通底する、学友との交流を満喫しながらも学園生活に潜む「異物」に触発される主人公たちの言動を見守る。「王国のかぎ」で魔神となって波瀾万丈の活躍をした経験を秘めていることと思うと、一見引っ込み思案な上田ひろみの胸の内を想像するとなかなか興味深いものがある。

  • 20210420
    「これは王国の鍵」の主人公ひろみが、高校生となり過ごす高校生活。未来への不安と期待、不安定で多感な高校生の青春と閉塞。
    年を取りすぎたからか共感ができなかったのかと思いつつ、有理は高校生というか、メンヘラを超えた狂気としか言いようがない。多感な時期だからでは済まない狡猾さがある。

  • 「名前のない顔のないもの」とはいったいなんだったんだろう。
    犯人はただの頭でっかちの恋愛ストーカーだったのだろうか。

    あれこれ小難しいことを並べたり、学校の古い体制に対する(男尊女卑的な)批判だったり、でも結局の動機は単に振られたからってこと?
    購買のパンにカッターの刃を入れたり、みんなが一生懸命作ったパネルを燃やしたりしたのは何を主張したかったのかしら。
    ???
    ちょっと受け入れ難い。

    サロメと自分の感情を結びつける件はよかったと思う。
    そういう大袈裟な感情って若いときに抱きがちなんだけど、大人になってふと思い出したときに地団駄踏みたくなるほど恥ずかしいんだよな。この話の場合は、その後に自殺未遂っていうおまけがついてきちゃったから笑い事では済まされない。
    それから、マザー・グースの詩の引用はよく分からなかった。なぜこの話にこの詩なのか。


    昔、ケン・ラッセル監督の映画『サロメ』を観に行ったことを思い出した。
    映画の中でサロメは、ヨカーナンに向かって何度も「Let me kiss your mouth.」と言っていたことも思い出した。話はまったく覚えていない。著者がオスカー・ワイルドだということも知らなかった。本で読んでみようかなと思った。

  • 「これは王国のかぎ」の続編と聞いて読んだ。今回はジンとしての冒険を半ば忘れて現実世界のお話、寂しい思いもあれど現実に根をはってたくましく頑張ってるひろみの姿が嬉しくもある。超青春!みずみずしさがあふれてる。
    大学が同じように男:女=8:2くらいだったので「名前のない顔のないもの」の存在、非常によく分かる。その中で誰かの付属品以外のものになろうとすれば、夢乃のように「男」として振る舞うか、ひろみのように距離をとるか、近衛さんのようにゆりかご自体を破壊しようとするか、になる。
    声にすればたちまちニュアンスが失せ、否応なしにフェミニズムと非難の表情を帯びてしまう。優しい気遣いの結晶がぱっと砕けて境界がより一層はっきりするのが悲しく、結局は沈黙する。
    だから最後に近衛さんが瀕死で外に飛び出してしまい、ひろみがよりいっそう距離を取り、夢乃がなんだかんだ役割を演じ続けるのはすごくリアルなんだけど、現実すぎてなんとなくもやもやするところもある。
    本当はこんな話じゃなくて、あなたと隔てるものなく向き合いたい、話がしたいという話なんだけど、すごく難しい。私の中の女の子に負けたくないのかも、という夢乃に胸が痛くなる。これを逸れることなく書き表すなんてすごいな、と思った。

    近衛さんのサロメを自分に重ねて一心不乱に踊りを磨くところとか、ひろみとの会話とか、かなり好きだな(メンヘラの上犯罪者になっちゃったけどね)。高校生の時に読みたかった小説。

  • わたしの通っていた高校は男女比3:2、進学校、自由な校風、イベント重視、と共通点が多く懐かしい気持ちになれました。そこに上手く馴染めなかった自分とひろみを重ねてみたり…… 「これは王国のかぎ」は確かに忘れられない初恋になる。

  • 「これは王国のかぎ」を読んだあとすぐ読みました。主人公が同じだし、違う話だよーと書いてあっても、それなりに同じ空気感かなーと思ったら、全然違ってた。

    なんか、毎回本当上手く表現できないんですが、この人の感情表現の視点が独特で、面白いです。うーん、本人の感情なのに、客観的?とうか、視線が自分自身じゃなくて、むしろ人工物でもない、空から来る?みたいな?

    ……すみません。
    よくわからないですね。

    うん。取りあえず、すごい高校の話でした。

  • 都立高校での、様々や行事を巡るあれこれや、絡み合う人間模様。
    学校行事に向き合う学生達の気持ちや温度差や問題その他は、同じ体験はしていなくてもどこかで共感できるもので(熱中した側も醒めてた側も)、ノスタルジックな気持ちになる。
    『伝統』やら性差については、学校よりも社会に出てからの方が強く感じるかなぁ。
    緊迫したシーンもあるけれど、静かで穏やかな読後感。

  • 物語の舞台の辰川高校のモデルである立川高校と同じ学校群だった高校の出身のためもあってか、旧制中学以来の伝統を誇る辰高に反発を感じた(特に女子を祭り上げる一方実事にコミットさせないところ)。最初主人公の親友に見える夢乃がボーイッシュな外見と裏腹にそうした性差別的構造をマイノリティ側から支えるタイプなのだが、途中から勝手にすねて後景に退き、代ってそうした学校の在り方にプロテストする近衛有理が主人公と親しくなるので、反発を感じるのは物語的にも順当な反応なのだと思いきや、結局有理が犯罪者で自殺未遂をはかるという結末(ではないか。ミステリ要素における結末)で、ものすごくモヤモヤした。しかも、途中、有理は夢乃に根拠なく犯人の嫌疑をかけられるのだが、そうした場合、いわれない疑いは冤罪だったというのが通常の物語の定番なので、肩透かしをくらったとともに、結局本当に犯人だった(らしい)ことで、いわれなく人を謗ることが正当化されたようで不快だった。

  • 単行本,中公ノベルズ版,そして今回の角川文庫版と3回目の読了。中公ノベルズ版の香坂ゆうのイラストに目が止まり,図書館で単行本を借りて読む。その後ノベルズ版を再読し,今回の角川文庫版へと至る。この際,単行本,角川文庫版のほか,中公文庫版も入手しようかしら。いずれにしても,はじめて読んだのは大学生くらいかしら。高校時代のなんともいえない心情を思い起こさせる不思議な作品です。なぜか,折りに触れ再読したくなります。

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荻原規子の作品

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