いつかの人質

著者 : 芦沢央
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年12月26日発売)
3.11
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  • レビュー :45
  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037249

作品紹介

幼い頃に連れ去りにあい、失明した愛子。借金を残し失踪した妻・優奈を捜す、漫画家の礼遠。行方をくらました優奈は、誘拐犯の娘だった。事件から12年、魔の手が再び愛子を襲う! 戦慄のサスペンス・ミステリー。

いつかの人質の感想・レビュー・書評

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  • 「警察が本気で探すのは、刑事事件の容疑者ぐらいだから」

    あまりに短絡的で、ありえない。
    それが動機なら、なにも傷つける必要はなかったはず…。

    愛子が、かわいそうでね…。
    最初の事件では障害を負わされ、そしてまた…。
    なぜに、ここまでひどい目に合わなくてはいけないのか?
    暗闇の中で、死の恐怖と闘いながら、
    弱音をはくどころか、今までの自分が、いかに親に頼っていたことかと…。
    それを成長というには、あまりにつらい。

    最後、犯人には憤りしか覚えませんでした。

    せめて愛子の未来に、少しでも明るい光が差して欲しい。

  • 12年前の誘拐事件で視力を失った被害者が、また誘拐され身代金を請求されてしまう。誰が、何のために?
    …導入部の最初の誘拐事件の顛末から意外性に満ちた展開を見せる物語は、さらに「同じ被害者がまた誘拐される」という奇妙な事件によりさらに謎を深めていきます。酷い状況を強いられる被害者の状況やその家族の痛切な想いにひりひりさせられながら、かつての誘拐事件の関係者の失踪というもう一つの事件もシンクロするように進み、やがて、意外な収束を見せてきます。

    そして、誘拐が起こったのは…そんな理由で?
    と思う一方で、ああなるほどこの人なら、という納得する箇所が思い起こせばいくつも見当たります。空気を読まない、人の感情を読めないという伏線。だからストーリーを考えることができない。妻の本当の気持ちをなかなか思い遣ることが、できない。
    その夫婦ふたりだけにクローズアップすれば、その歯がゆさは切なくてとても哀れに思います。
    けれど、だからといってなんの落ち度もない愛子をあんな酷い目に遭わせたことはあまりにもひどすぎる、と思うのです。愛子自身が気丈に描かれていたから、ただただ悲惨には見せはしませんでした…それでも。
    妻に対しての許しの言葉のときに、愛子に対しても詫びてほしかったな…と思うのは筋違いなんでしょうか…どうもそのあたりがつらかったのです。彼女の家族も不穏なままで終わってしまったので。
    そんなふうにちょっとしんどさを覚えつつも、細やかな感情描写が巧くて、読み進めるのをやめられませんでした。これからの作品も楽しみに待ちたいと思いました。

  • 犯人がわかるところでは、嗚呼そんなと思ったし、読後感はあまり良くないけれども、奥田亜希子の作品に感じるような男女の葛藤やコンプレックスが全面に表れるこういう作品は好きです。

  • 誰もが結局自分の欲求しか考えてない。
    真理ではあるがやるせない。
    ぐいぐい一気読みしたけれど
    なんだかなーな読後感。

    【図書館・初読・9月16日読了】

  • 初めて読んだ作家の本。
    感想としては良くも悪くもなく・・・。
    読んでいる時はそれなりに引き込まれるけど、結末を見てしまうと色々と無理があるよな~と思ってしまった。
    その無理を納得させてくれる結末なら良かったんだけど・・・。

    3歳の時に誘拐され、それが元で失明してしまった少女。
    誘拐した方は彼女を連れて行くつもりはなく、遊園地で泣いている彼女に声をかけ、ぬいぐるみをあげるだけのつもりが、あわただしさの中、気が付いたらその子を家に連れて来てしまったという形。
    12年後、加害者の娘が被害者家族を訪れ謝罪と共にあの時の事をマンガにしたいと言ってきた。
    被害者家族は憤慨し、作品にする事は許さないと言う。
    そんな事があった後、誘拐され失明し、成長した少女が再び誘拐されてしまう。
    誘拐した犯人の残した証拠品からあの日謝罪に来た加害者の娘の指紋が検出されるが、彼女は離婚届と借金を残し失踪していた。
    その借金額というのが誘拐の身代金と一致してー。

    読んでいる時、犯人は?その動機は?
    という思いから次々と読み進めてしまう。
    だけど、それだけ惹きつけられた結末を知った時、「あ~あ・・・」となってしまう。
    どうしたって動機としては幼稚だし、犯行についてもかなり無理があると思う。
    これが動機なら2回も誘拐される少女があまりに可哀相すぎる。
    しかも、その少女や家族のその後がおざなりな点も気になった。
    しっかり書いている所とそうじゃない所の差があるように思った。

    ただ、細かい人物描写がしっかりしていて、話にそれほど関係ない人物の描写ー自分は人からふりおとされる人間じゃないからこういう場所が好きなんだ、みたいな描写は「なるほどな~」と思った。
    その辺り、作者の繊細な感覚を感じるし、文章も読みやすい。
    ただ、内容は浅かった。

  • +++
    幼い頃に連れ去りにあい、失明した愛子。借金を残し失踪した妻・優奈を捜す、漫画家の礼遠。行方をくらました優奈は、誘拐犯の娘だった。事件から12年、魔の手が再び愛子を襲う! 戦慄のサスペンス・ミステリー。
    +++

    小さな偶然が重なって起こってしまった、一度目の誘拐事件。不幸にもそれが原因で視力を失った被害者の愛子が、十二年後に再び誘拐された。ここまでは、一気に読ませる。愛子の両親のぎくしゃくした関係や、友人たちの対応も絡め、愛子のこれからがどうなるのかにも興味が湧く。一方、一度目の事件の加害者の娘・優奈も、辛い目に遭いながら成長し、漫画家を目指すなか、礼遠という伴侶にも恵まれている。大きな二本の流れがどこで合流するのかも気になるところである。そんな中で起きる二度目の誘拐事件である。被害者・愛子の扱われ方のあまりのひどさには、目を覆いたくなる。しかも容疑者と疑われるのは優奈なのだ。警察も翻弄され、最後にすべてが明らかになったときには、犯人の身勝手さに震えそうになる。その目的のために、愛子をあそこまでの目に遭わせる必要があったのだろうか、という疑問も湧く。あまりにも身勝手ではないか。あちこちで歪んだ愛情が行き違っているような一冊である。

  • 12年前、誘拐された少女。そして発生した二度目の誘拐事件。
    目の見えぬ少女は何故、再び狙われたのかー。


    3歳の時に連れ去りにあった愛子。
    その時の事故が元で失明してしまった。
    あれから12年愛子は明るく元気に健やかに育っていた。
    いつも外出時は母・麻紀美が付き添っていたが、
    初めて親の介助なしで友人達で出掛けたアイドルのコンサート会場。
    その会場から愛子は誘拐されてしまう。

    借用書五百万程と、離婚届を残し半年前に失踪した妻・優奈を探す人気漫画家の礼遠。
    行方をくらました優奈は、愛子の誘拐犯の娘だった。

    愛子の誘拐事件を追う捜査と、礼遠の優奈捜しが並行して描かれている。
    プロローグの誘拐するつもりなど微塵もないのに誘拐犯になってしまった
    優奈親子のシーンにそんな事ってあるの…って思いながらも引き込まれました。
    しかし、二度目の誘拐事件の犯人や動機は早い内に見えてしまった。
    でも、まさかそんな事で…と思う自分もいましたが…やはりそうだった。
    動機がそれだったら、何故愛子はそんなに乱暴に扱われなければならなかったのだろう。
    怖い思いをさせられたのだろう…。
    愛子が監禁されているシーンが、読んでてとても辛かった。
    両親、特に父親の心理描写も読んでて辛い。
    犯人には、怒りしか湧かなかった。

    優奈と礼遠どちらにも共感する事も出来ず、理解も出来ない。
    ラストもただ腹立だしかっただけだった。
    愛子の健やかさや強さだけが救いだった。
    愛子に幸せになって欲しい!

  • 結末は理解できない。登場人物の考え方も今の時代を反映する稚拙な考え方が多く、「自分勝手」「自分本位」「自分さえ満足できればいい」が肯定されている感じで愛子が一番まともだがあまりにも可哀想すぎる。

  • 悪い人はいないのに
    ちょっとずづズレていって
    あんなことになる
    死ななくてよかった~

  • 3歳の愛子と中学生になった愛子が違う子みたいに感じたのは自分だけだろうか…。

    2度も誘拐された愛子は気の毒だけど、実は優奈もだいぶ気の毒な感じ?なのに地味ではっきりしないからあんまり感情移入はできなかった。

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