- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041037249
作品紹介・あらすじ
幼い頃に連れ去りにあい、失明した愛子。借金を残し失踪した妻・優奈を捜す、漫画家の礼遠。行方をくらました優奈は、誘拐犯の娘だった。事件から12年、魔の手が再び愛子を襲う! 戦慄のサスペンス・ミステリー。
感想・レビュー・書評
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失踪した人気マンガ家の妻。妻の母親が連れて変えてしまった少女が再び誘拐される。イヤミスの大家が描くクライムサスペンス。
誘拐事件のホワイダニットを考えると、プロット自体はあまり裏切りのない感じはしましたが、動機や情念がすごくて読ませるミステリだと感じます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人って怖い。
犯人は裏のある人物なのかと思いきや、本人にとってのありのままの思考なだけで、とんでもない事件を起こすことを思いついたのが、怖い。
人って怖いし、難しいと思うことがある。 -
3歳の頃、母親の前から姿を消した愛子。誘拐?戻ってきた時には視力を失っていた。その愛子が15歳になり、再び親の前から姿を消した。そして犯人からの身代金要求。600万って金額の意味することは?しかも犯人は3歳の頃に誘拐した女の娘?なぜ?
とまぁ、こんな不可解なことは現実的にはなかなかないだろう。でもこの芦沢さんのリーダビリティのなせる技か、違和感なく受け入れられる2度目の誘拐。これは警察の仕事ぶりに一石を投じた作品なのか?ハラハラしてヒリヒリしてドキドキしてハッとさせられる作品だった。言葉の表現が下手ですいません。(笑) -
初めて読む作家さんの作品だったが、面白かった。
3歳の頃誘拐され(実際は誘拐ではなく間違って連れて行ってしまったのだが)、その時階段から落ちるという事故があり、失明してしまった少女が、誘拐事件から12年後に、また誘拐されてしまう。偶然なのか必然なのか。
文章が上手なので中だるみすることなく一気読み。
なぜ誘拐する必要があったのか、また、その突拍子もない行動に出ることも、彼ならばなんとなく納得できた。
最後も前に向いて進んでいけそうな感じ、いや、また同じことの繰り返しなのか、そこは人それぞれ感じ方が違うと思うが、個人的には良い終わり方だった。
エンターテインメント性もあり題材もよく、ミステリとしても良かったが、☆5をつけてしまうともっと良い作品に出会った時困るので、☆4 -
読み物としては大変読みやすいが、ミステリーとしては途中から薄々犯人の目星が付いてしまったのが残念であった。
ただし、犯人の愛子を手荒く扱う所作が普段の人物像とかけ離れており、確証に至らないまま終盤を迎えたため、作者のあえての思惑だったのかもしれない。
犯人を含む登場人物の殆どが自己中心的な思考をしており、その思考が絡み合い話が展開されていく。その点が綺麗事ではないリアリティさを本書に与えており、読み応えがあった。