白衣の嘘

著者 : 長岡弘樹
  • KADOKAWA (2016年9月29日発売)
3.22
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  • レビュー :56
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037317

作品紹介・あらすじ

悲哀にみちた人間ドラマ。温かな余韻が残るラスト。
『傍聞き』『教場』を超える、傑作ミステリ集!

バレーボール全日本の女子大生・彩夏と、彼女を溺愛する医者の姉・多佳子。彩夏の運転で実家に向かう途中、ふたりはトンネル崩落事故に遭ってしまう。運転席に閉じ込められた妹に対して姉がとった意外な行動とは……(「涙の成分比」)。

命を懸けた現場で交錯する人間の欲望を鮮やかに描く、珠玉の六編。


「いつか“命”をテーマに医療の世界をミステリとして書きたいと思っていました。自分にとって集大成と言える作品です」――長岡弘樹

白衣の嘘の感想・レビュー・書評

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  • 医療現場では人は自分の「命」と向き合うことになる。それが病であれ事故であれ、「何か」が起こりそこにいる。そこにあるさまざまな小さくて大きな「嘘」たち。
    命を救うための嘘、命を守るための嘘、そして命をかけた嘘。深くしみる嘘たちに読後、温かいため息が出る。

  • 短編集。6編。
    医療界を舞台にしたミステリーだが、医療そのもののではなく、人間心理に重点が置かれている。
    ラストはどれもハッピーエンドというより、もの哀しさを感じさせる。「嘘」が嫌味にならずに使われて、人間のよさをうまく描いている。

  • 医療ミステリ短編集。でも医療そのものよりも、人間の心理に重点が置かれている印象の物語です。そしてたわいのない会話の中にも、伏線がこれでもかというほどどっさり仕組まれていたのに驚かされました。あれもこれも、ラストにこれほど綺麗に繋がってくるだなんて!
    お気に入りは「最後の良薬」。これが一番予想がつかない結末でした。でも読み返してみると、確かに……!

  • 医療界を舞台にした短編集。どれも良いのだが、これといったのがないな。
    2016.11.5

  • 長岡さんの本は「傍聞き」と「教場」と「赤い刻印」しか読んでないけど、トーンは同じような感じですねー。
    悪くはないけど、特にどうということもないような・・・って、これじゃ前回とおんなじ感想やんっ!www

    短編6作から成っている1冊だけど、いわゆる医療ミステリーってのとはちょっと違う感じ。
    私は「彼岸の坂道」がよかったかな。

  •  絶好調の短編ミステリの旗手・長岡弘樹さん。今回のテーマは医学。『白衣の噓』というタイトルは、挑戦的かつ挑発的だ。

     「最後の良薬」。興奮する患者をなだめるのも、医師の腕の一部。愛想がいいとは言えない医師が、やっかいそうな患者を任された。その真意とは…。二重の企みがあるとだけ、書いておこう。その知識は、もちろん僕にもなかった。

     本作の一押し、「涙の成分比」。医師である姉と、バレーボールの代表選手である妹。残酷な運命のいたずら。姉は、妹の願いを聞き入れなかった。姉へのわだかまりが、完全に感謝に変わる日が、いつか来る。来てほしい。

     「小医は病を医(なお)し」。幸運にも、心筋梗塞から生還した男性。運ばれた病院の同室にいたのは…。偶然とはいえ、彼の真の病が取り除かれ、ほっとしたのではないか。中医はもちろん、大医など滅多にいないものだ。

     「ステップ・バイ・ステップ」。こういうミスは、実際にもよく聞くけれど、わかった時点で正直に言えばいいのに…というのは一般人の感覚なのか。発想も短絡的なら、告発方法も回りくどい。続く「彼岸の坂道」も、うーむ…医師一家に生まれるというのは、大変なんだろうけど…。

     最後の「小さな約束」も…確かに、歯止めは必要だ。だからといって、このように逆手にとるとは。後半3編については、長岡さんの描く医師像に、違和感を感じた。ミステリとしてはともかく、医療ミステリとして読むのは、得策ではないかもしれない。

  • 医師や病院と犯罪が、どこかに絡んだミステリー短編集。

    短い話の中に、濃い景色が広がってる。
    苦悩、逡巡。遠回しに、事実へと導いて。

    どの話にも救いがあるのが、とてもよかった。

  • 病院を舞台に、医師や看護士、患者と家族の姿を描く、連作短編ミステリ集。

    医療ミステリというと海堂尊が有名かと思うけれど、この作品集には神の手を持つ医師や、特殊な病気は取り上げられない。
    あくまで、すぐそこの病院での出来事かと思うような、リアルな現場で垣間見える、人の心のミステリ。

    短編ながら味があって、読後すっきりと胸におさまる。
    登場人物のほとんどが、悩み苦しみながらも、最後には自らに恥じない道を選ぶ心を持っているからかな…

    何気ない風景描写や思い出のひとコマなどが、きっちりと無駄なくストーリーに活かされて、隙がないのもいつもながら。

    『涙の成分比』が、心理描写も仕掛けも面白かった。

  • 警察学校を描いた教場から、病院に舞台を移した短編集。推理小説みたいなこともあり読みやすいが、設定に少し無理がある感じ

  • 短編6つからなる。いずれも病院が舞台で白衣の医師がキーパーソン。
    ちょっといい話風なのだが、設定や話の流れに無理がある気がして、イマイチ乗れなかった。「教場」や「傍聞き」は好きだったのだが…。

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