白衣の嘘

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  • KADOKAWA (2016年9月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784041037317

作品紹介・あらすじ

悲哀にみちた人間ドラマ。温かな余韻が残るラスト。
『傍聞き』『教場』を超える、傑作ミステリ集!

バレーボール全日本の女子大生・彩夏と、彼女を溺愛する医者の姉・多佳子。彩夏の運転で実家に向かう途中、ふたりはトンネル崩落事故に遭ってしまう。運転席に閉じ込められた妹に対して姉がとった意外な行動とは……(「涙の成分比」)。

命を懸けた現場で交錯する人間の欲望を鮮やかに描く、珠玉の六編。


「いつか“命”をテーマに医療の世界をミステリとして書きたいと思っていました。自分にとって集大成と言える作品です」――長岡弘樹

感想・レビュー・書評

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  • 今回は警察ではなく、病院。あの夫婦の話が良かった。

  • 医療現場では人は自分の「命」と向き合うことになる。それが病であれ事故であれ、「何か」が起こりそこにいる。そこにあるさまざまな小さくて大きな「嘘」たち。
    命を救うための嘘、命を守るための嘘、そして命をかけた嘘。深くしみる嘘たちに読後、温かいため息が出る。

  • 医療の世界を舞台に描かれた6編の短編集。バレーボール選手の妹と医者の姉、研修医と指導医など、様々な人間関係を短編におさめてしまうのは、さすがな感じ。さらっと読める1冊。

  • 短編集。6編。
    医療界を舞台にしたミステリーだが、医療そのもののではなく、人間心理に重点が置かれている。
    ラストはどれもハッピーエンドというより、もの哀しさを感じさせる。「嘘」が嫌味にならずに使われて、人間のよさをうまく描いている。

  • 医療ミステリ短編集。でも医療そのものよりも、人間の心理に重点が置かれている印象の物語です。そしてたわいのない会話の中にも、伏線がこれでもかというほどどっさり仕組まれていたのに驚かされました。あれもこれも、ラストにこれほど綺麗に繋がってくるだなんて!
    お気に入りは「最後の良薬」。これが一番予想がつかない結末でした。でも読み返してみると、確かに……!

  • 医療界を舞台にした短編集。どれも良いのだが、これといったのがないな。
    2016.11.5

  • 長岡さんの本は「傍聞き」と「教場」と「赤い刻印」しか読んでないけど、トーンは同じような感じですねー。
    悪くはないけど、特にどうということもないような・・・って、これじゃ前回とおんなじ感想やんっ!www

    短編6作から成っている1冊だけど、いわゆる医療ミステリーってのとはちょっと違う感じ。
    私は「彼岸の坂道」がよかったかな。

  •  絶好調の短編ミステリの旗手・長岡弘樹さん。今回のテーマは医学。『白衣の噓』というタイトルは、挑戦的かつ挑発的だ。

     「最後の良薬」。興奮する患者をなだめるのも、医師の腕の一部。愛想がいいとは言えない医師が、やっかいそうな患者を任された。その真意とは…。二重の企みがあるとだけ、書いておこう。その知識は、もちろん僕にもなかった。

     本作の一押し、「涙の成分比」。医師である姉と、バレーボールの代表選手である妹。残酷な運命のいたずら。姉は、妹の願いを聞き入れなかった。姉へのわだかまりが、完全に感謝に変わる日が、いつか来る。来てほしい。

     「小医は病を医(なお)し」。幸運にも、心筋梗塞から生還した男性。運ばれた病院の同室にいたのは…。偶然とはいえ、彼の真の病が取り除かれ、ほっとしたのではないか。中医はもちろん、大医など滅多にいないものだ。

     「ステップ・バイ・ステップ」。こういうミスは、実際にもよく聞くけれど、わかった時点で正直に言えばいいのに…というのは一般人の感覚なのか。発想も短絡的なら、告発方法も回りくどい。続く「彼岸の坂道」も、うーむ…医師一家に生まれるというのは、大変なんだろうけど…。

     最後の「小さな約束」も…確かに、歯止めは必要だ。だからといって、このように逆手にとるとは。後半3編については、長岡さんの描く医師像に、違和感を感じた。ミステリとしてはともかく、医療ミステリとして読むのは、得策ではないかもしれない。

  • 医療現場を舞台にした事件を紐解いていく短編集。患者、医師、視点は様々で西洋医学で治療しているのに物語のラストはどれも人と人の絆に辿り着く。患者同士、医師と患者、家族と治療に関係ない小さな約束が信頼につながり治療を上回る。うなされた。

    ※人は心配な時その心配を一緒に味わってくれる人に好意を持つ。同じような不安を体験したという仲間意識は患者にとてもよく効く良薬である
    ※その行動をとるという意図を口にすると実際に行動する確率は2倍に高まる

  • 6個のお話しが入った短編集。その名の通り、お医者さんが嘘をついた話。優しい嘘をつくお医者さんと、その嘘に気付く優しい人。法的にはいろいろあるかもしれないんだけど、優しい嘘は悲しい嘘でした。

  • あっさりと淡々としているようで、伏線があちこちに。。。
    あまりに作り込みすぎてちょっとだけ疲れる。
    話自体は良かった

  • 非常にあっさりとしていた。

  • 「涙の成分比」は、とてもよかった。傑作である。
    本の帯に著者自身が「自分にとって集大成といえる作品です」と書いているが、他の5編はそこまででもないように思う。
    「涙の成分比」は、姉妹の物語。
    他の作品は、登場人物の人間らしさというものの表現が希薄だったように思う。
    「涙の成分比」が良かっただけに他の作品が霞んでしまったのかもしれないが。
    ところどころに出てくる、物語を象徴する格言が印象的だった。

  • 病院と医師を題材の短編集。医療者である前に人間としてどうあるべきか?をミステリ仕立てにして読ませている。①最後の良薬、偽医師副島は詐欺師で末期ガン患者友葵子を看とる。友葵子にとって元夫に看取られるのが望みだった。しかし、逮捕された副島は「偽」という字は「人の為」と書くと。②涙の成分、亡くなった姉の後をついで、医師を目指す妹。トンネル崩落事故により片足を失くす。悲しみの涙はナトリウムが薄く、怒りの涙は濃くて辛い。姉は妹の涙に生きる意思を見る。⑥小さな約束、医師と女性刑事の愛。悩んだときはレバーを食え。

  • 医師を主人公やキーマンにした短編ミステリ集。
    医学や病院、医師をメインにしたミステリが流行のようだが、この短編集は医師を題材にしながら、謎解きや医学の知られざる面を表すのではない。
    どの作品も読み進めていくと、伏線がはられ、謎や真相は読者にも推察できるものである。どちらかというとミステリ、謎解きよりも人間ドラマに重きが置かれている。
    「教場」などの作品で知られた著者らしく、警察や警察官も手慣れた筆で描かれ、犯罪を描きながら、人間を優しく見つめる著者の目線を感じる作品だ。

  • 医療サスペンスの短編集。

    サスペンスではあるけど、どちらかというと少し心温まる作品が多かったかな。読後感がいいというか。

    今度は長編で読んでみたい。

  • 医療をテーマにしたミステリー短編集。ストリーじたいも面白かったが初めて知る医療の雑学?も興味深かった。例えば涙の塩けが強い場合は怒りの感情が強い時とか、溺れている人間を助ける時は、自分の体重の1/3以下じゃないと助けようとしてはいけないとか、ストレスがある時は満員電車に乗ると良い時もあるとか。人気作家であることがわかる本だった。

  • 医療ミステリーっぽい短編集。すぐに読めて良い。2話目の姉妹の話、妹は全日本に選ばれるバレー選手が足切断、小さい姉は医師の仕事が激務でくも膜下出血で死んでしまう、無情すぎる。最後は救いがあるのでいいけど切ない

  • 帯の「結末は見抜けない」は、少し煽りすぎ感。物足りなさもありながら、最後の「小さな約束」の話は、そう締め括るか。と読後感が良かった。軸は切ない話だけど、ハッピーエンドにさえ感じる。

  • あの先生、噓をついているかもしれない-。主治医と患者、研修医と指導医…そこには悲哀にみちた人間ドラマがある。予想外の謎を駆使して人間の本性を鮮やかにあぶり出した、傑作ミステリ集。

    短編6篇いずれも味のある作品。私は冒頭の「最後の良薬」が「これぞ長岡弘樹」という感じで秀逸に感じた。医療の現場からは正確ではないという批判があるらしいけど、素人の読み手には気にならない。
    (B)

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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