お隣さんは、名探偵 アーバン歌川の奇妙な日常 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.04
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本棚登録 : 111
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037386

作品紹介・あらすじ

東京近郊にある中古マンション〈アーバンハイツ歌川〉に住む住人たちには、後ろめたい秘密がある。ある日、ペットの蜥蜴が失踪する事件が起きて……。マイペースなおばあちゃん探偵が、鋭く日常の謎を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  •  蒼井さんの話、おもしろいんだけど、いつも何かちょっとうーん…てなることが多いの、今回はすんなりおもしろかった!
     おばあさん大好きなので、それもいい。

  • このアパートの各階の1号室だけ、すべて家賃が安い。

    父親が戻ってくるまでの臨時管理人になった息子の
    立ち退き要求をどうにか突っぱねる住人奮闘記。
    かと思ったら、問題解決して終了、という感じです。
    これはこれで、誰一人として辛い選択もしてないし
    万々歳、という所かと。
    しかし軸になっている『お隣さん』の洞察力と行動力と
    頭の回転がすごいです。

    それよりも凄いのは、文章、でしょうか?
    まったくもって気が付きませんでした。
    1話目の驚きのまま2話目にいけば、また違った驚きが。
    3話目で普通…普通?
    規模が大きくなってはいますが。
    そうして読んでいけば、4話目の最後には
    風向きが…あれ? な展開に。
    そうしてすべてが分かる5話目。
    そもそも、しなければよかった、のです。

  • 洞察力の鋭いおばあちゃんが、同じマンションに住む人々の部屋に入り込んで、名探偵ぶりを発揮していく。ところどころ突飛だったり強引だったりする展開はあるが、「まあ、そういう話かな」と思わせるテイストを第一話で作っていて、いろいろ目をつぶりつつ楽しく読んだ。

  • 170204

  • 【収録作品】読み聞かせ/『KOKORO』の奥に/最後の晩餐/舞台を回す/ドアは知っていた 
     前の大家・清秀の失踪したペットのトカゲを探して、平野あやおばあちゃんは各部屋を回る。清秀の息子で今の大家・道彦が改装を企んでいる部屋を。
     各部屋の住人たちの秘密はなかなか持って回ったものだが、探偵役がミス・マープルばりのおばあちゃんなのと、連作にしてラストをきれいにまとめたのとで、読み心地は悪くない。

  • +++
    緑豊かな郊外に建つマンション“アーバンハイツ歌川”。住人の静かな日常は、「大家さんのペットを捜しています」とチャイムを鳴らす訪問者により、一変する。事故のため、お笑い芸人の道を諦めた青年、結婚詐欺容疑で妻が失踪中の男、美貌の教育カウンセラー…いつも笑顔のあやさんは、さりげない世間話から、住人たちの意外な“秘密”を見抜いてしまう。ありふれた日常がガラリと変わって見える、痛快な連作ユーモア・ミステリ。
    +++
    第一話 読み聞かせ  第二話 『KOKORO』の奥に  第三話 最後の晩餐  第四話 舞台を回す  第五話 ドアは知っていた
    +++

    アーバンハイツ歌川、大家を始め、住人すべてが何らかの事情を抱えて、怪しいことこの上ない。それぞれの思惑が、別の人の事情と絡み合って、余計にややこしくなることもある。マンションの一部を改築してシェアハウスにしようと目論む大家に、住人を立ち退かせる説得を頼まれた小柄なおばあちゃんの平本さん(やはりここの住人である)が、大家の父親が大事にしている蜥蜴を探すという名目で、各部屋を訪ね、それぞれの事情を探るうちに、なにやら別の問題を解決してしまう。しかもその結果、自発的に立ち退くことになるのである。そこに至る過程が、ときには無理やりな感じはするのだが、それさえ自然でお見事である。きょうの平本さんはちょっとキャラが違うけれどどうしちゃったの?と思うと、それもしっかり作戦の内だったりするのである。憎めないおばあちゃんである。しかも立ち退いた住人たちの行方を知れば、あまりにも完璧で、思わず笑ってしまう。平本さんの井戸端会議的探偵術をもっと見たくなる一冊である。

  • 家の中に入ってこられるっていう展開が受け付けなかった。人の家のトイレ使いまくってるし。
    謎解きとしてはどれも意外性があって楽しめた。ただ全体的に悪意が満ち溢れていて苦手だった。あんまりユーモア感はなかったような

  • ばばぁが名探偵すぎる。

  • 最初の収録作「読み聞かせ」が1番好き。
    1番平和でもあるし(苦笑)
    最期を読んだ後、思わず、最初から読み直しちゃった。
    本当にお見事。
    最初は、ミス・マープル風に思えた老婦人平本さん。
    彼女が、大家の企みのために動いているのが残念で、彼女には彼女の思惑があるのかと期待していたのだけどな。
    第5話と第3話が、ちょっとかぶってるねぇ。
    とりあえず、ちょっといい話風に終了してよかった。

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著者プロフィール

1968年千葉県生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て執筆活動に入る。2004年、「キリング・タイム」で第26回小説推理新人賞受賞。同年「小説推理」掲載の「大松鮨の奇妙な客」は、第58回日本推理作家協会賞・短編部門の候補作に選ばれた。同二作を含む短編集『九杯目には早すぎる』でデビュー。著作に「4ページミステリー」シリーズ、『ロスタイムに謎解きを』『最初に探偵が死んだ』など。

「2016年 『お隣さんは、名探偵 アーバン歌川の奇妙な日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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