わが家は祇園の拝み屋さん (角川文庫)

  • KADOKAWA (2016年1月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041037966

作品紹介・あらすじ

東京に住む16歳の小春(こはる)は、ある理由から中学の終わりに不登校になってしまっていた。
そんな折、京都に住む祖母・吉乃(よしの)の誘いで、祇園の和雑貨店「さくら庵」で住み込みの手伝いをすることに。
吉乃を始め、和菓子職人の叔父・宗次朗(そうじろう)や美形京男子で大学生のはとこ・澪人(れいと)など、賑やかな家族に囲まれ、小春は少しずつ心を開いていく。
けれどさくら庵は、少し不思議な依頼が次々とやってくる店だった……!?
京都在住の著者が描く、ほっこり優しい日常ファンタジー!

みんなの感想まとめ

不登校になった16歳の小春が、京都の祖母のもとで心の回復を果たす物語です。彼女は、特別な力を持ちながらも自分自身と向き合う決意をし、賑やかな家族や不思議な依頼が舞い込む和雑貨店「さくら庵」で新たな日常...

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、『京都』という街に何をイメージするでしょうか?

    “鳴くよウグイス平安京”という語呂合わせで多くの方に記憶される七九四年の平安京遷都。それから実に400年もの間続いた平安時代。その後もこの国の中で独特な位置づけにある街、それが『京都』だと思います。

    『ああ、京都に来たんだな』と思わず呟いてもしまう『京都タワー』に迎えられる新幹線の到着。しかし、そんな『京都』の駅前は『大型家電製品店にホテルと』、その『駅前の景色はごく普通』とも言えます。しかし、そこから例えばバスに乗り『三十三間堂、五条坂、清水道などを通過していくにつれ、古都の景色へと移り変わって』いく街並み。それこそが21世紀の政令指定都市『京都』。現代という時代が見せる『京都』の姿でもあります。

    そんな『京都』に魅せられる方はたくさんいます。コロナ禍で減りはしましたが、国外からもたくさんの観光客が『京都』へと訪れていました。その数は2019年には実に886万人、外国人観光客の2.5人に一人が『京都』に宿泊していたという数値を聞くとその人気のほどが伺えます。

    また、そんな地は小説家の琴線にも触れるところがあるのだと思います。瀧羽麻子さん「左京区七夕通東入ル」、七月隆文さん「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」、そして綿矢りささん「手のひらの京」というように、『京都』の街を物語の舞台にする作品は多々あります。『京都』を描くからこそ出せる味がある、『京都』を描かなければ出せない味がある、『京都』という街が持つ魅力はやはり特別なのだと思います。

    さて、ここにそんな『京都』に暮らす望月麻衣さんが『京都』の街を舞台に描かれた物語があります。そんな舞台に『祇園』を選んだこの作品。『「せや・せやけど」は全部「そや・そやけど」に統一』するなど、『祇園らしさを出す』数々の工夫の先に生み出されたこの作品。そしてそれは、『賀茂の家は古より拝み屋稼業を生業にしてきました』という『祇園の拝み屋さん』の”お仕事”を見る物語です。
    
    『いいか、オジサンって呼ぶなよ。まだ、俺は三十路だ!』と昨夜の相変わらずな『父の弟』・『叔父・宗次朗(そうじろう)』の電話の声を思い出すのは、『京都へと向かう新幹線の中』で『窓の外を眺め』る主人公の櫻井小春(さくらい こはる)。『高校を卒業するなり、半分家出のような状態で上京』した宗次朗は『約十二年間、一度も京都の実家に帰ってい』ませんでしたが『何の前触れもなく』亡くなった『父親の葬式に欠席するという大きな失態をした』ことをきっかけに『京都の実家に戻り、大人しく家業の手伝いを』するようになりました。『京都』 に『とても遠い町という印象』を持つ小春は、京都駅に着きバスに乗って『祇園』に着きます。『さすが、祇園商店街。情緒があり、祭りのように賑やかだ』と通りを歩き、『辰巳大明神』へとやってきた小春は『お久しぶりです。これから、しばらくの間、よろしくお願いします』と手を合わせます。そして、『「さくら庵」という大きな看板』のかかった『二階建ての日本家屋』へと入ると『小春、よう来はったなぁ』と、祖母の吉乃(よしの)が『カウンターの男性客を置き去りにして歩み寄』ってきました。『あ、お客さんが…』と言う小春に『僕は客やないで、気にせんといて』と『通った鼻筋、少し切れ長の形の良い瞳』、『艶のある黒髪が、サラリと揺れている』という男性に言葉が出なくなる小春。そんな小春に『はじめまして、僕は「澪人(れいと)」といいます』と挨拶するのは『はとこ』の澪人でした。『小春さんもまた今度ゆっくり』と店を後にした澪人にかわって、『健康的に日焼けした肌に、人目を惹く整った目鼻立ち』をした宗次朗が白衣姿で現れました。『少し迫力のある「美形」だ』と思う小春。そんな小春に、『俺、今この店で和菓子作ってるんだよ』と説明する宗次朗は、『二階にお前の部屋を用意してるから』と、案内してくれます。『昔から、奔放なようで気遣いのできる優しい人』だと宗次朗のことを思う小春は、一方で『自分は、こんなに変わってしまったというのに』と自らを思います。そんな時『小春』と声をかける宗次朗は『お前一体何があったんだ?』と問いかけます。それに答えられない小春は半年前のことを思い出します。『中学三年生の半ばのこと』、『急に学校に行けなくなった』小春。『決して口にはできな』い理由を内に抱えた『小春は高校に進学することができな』くなります。そんな中、『うちのお店を手伝ってくれへん?』と声をかけてくれた祖母。その時のことを思い出し『救われた』と思う小春は、『そっと目を閉じ』ます。そんな建物の一階で、『小春のやつ、なんかの「作用」があったみたいだな』と吉乃に話しかける宗次朗は、『今は疲れた小春の心を癒すことが先決だよな』とも話します。『一階店舗でそんな会話がなされていたことも知らずにスヤスヤと眠りについ』た小春。そんな小春が、『大国主の子孫と言われ』賀茂家に遺伝するとされる『拝み屋』の力を垣間見る物語が始まりました。

    “ある理由から中学の終わりに不登校になってしまった小春は、京都の祇園にある祖母の和雑貨店を手伝うことに。和菓子職人の叔父・宗次朗や大学生のはとこ・澪人と過ごすうちに小春の心は少しずつ解けていくけれど…”という思わせぶりな内容紹介がとても気になるこの作品。望月さんの代表作の一つであり、このレビューを書いている時点で16巻まで刊行されているという大人気シリーズです。そんな作品の表紙はイラストレーターの友風子さんによるものですが、書名に引っ張られるところもあるとはいえ、強く京都を感じさせてくれます。望月さんにはやはり代表作の一つとも言える「京都寺町三条のホームズ」という作品もあり、そちらを読んだ時に『京都』を舞台に魅力満載に展開する物語にとても魅せられました。”よそ者視点の京都と、その土地に住んでいるからこそ分かる京都が描かれていて、とても良かった”という感想を編集者からいただいたという望月さんは”京都というストレートの地名を出さずに、京都を感じさせる”ものというリクエストからこの作品執筆にあたり『祇園』を思いついたと説明されます。確かにこの二文字は『京都』とイコールと言っても良いくらいに『京都』を感じさせます。そして、誕生したこの作品は全編に渡って、もう『京都』に始まり『京都』に終わると言って良いくらいに『京都』に溺れるような読書が楽しめます。『京都』大好きという方には是非手にしていただきたい作品だと思います。

    では、そんな作品の中から『京都』を感じさせる箇所を幾つかご紹介したいと思います。土地というより言葉に注目してみます。

    ・『今日は十五日やし、祇園さんを詣ろか思うて』と言う澪人に『祇園さん…?』と訊く小春。それに『八坂さんのことやで』と返す澪人。『「八坂さん」は言わずもがな、八坂神社のことだ』という場面。
    → 『京都の人は神社のことを、「○○さん」という傾向がある。いや、神社に限らず、なんでも「さん」をつけているところもあるかもしれない』と思う小春は、『先日、吉乃が地面にごろんと転がっている犬を見て、「犬さん、寝てはるわ」と言っていたことを』思い出します。

    確かにそうかもしれません。建物や動物に『○○さん』とは他の地域では言わないですよね?やたら丁寧に聞こえもしますが、一方でとても『京都』を感じさせます。次は、街並みを静かに見る視点です。何が見えてくるでしょうか?

    ・『軒を連ねる昔ながらの京町家。庇の上に置かれている、魔除けと思われる瓦製人形。当たり前のように貼られたお札』、『夕方になると、鮮やかな橙色に染まった空の中、カラスが鳴きながら山へと帰って行く。そんな中、どこからか、ごーん、と響く鐘の音』、『夜になると、誰かが町を練り歩き、拍子木を打ちながら、「火の用心」と注意を呼びかける』という場面。
    → 『そんな情緒溢れる光景は、どこか懐かしくて、なにかが胸に迫る』と思う小春は『それなのに、どうしてだろう。まるで異次元の世界に来てしまったかのような感覚もする』と思います。そして、『京都は本当に不思議な町だ』としみじみ思う小春。

    これも『京都』という街が持つ独特な雰囲気を見事に言い表しています。1,200年の歴史というのは伊達ではない、歴史の重みが独特な雰囲気感を自然と生んでいく、それが『京都』という街なのだと思います。この望月さんの表現はとても秀逸だと思いました。もう一つは食べ物で『京都』を味わいたいと思います。この作品では、登場人物の一人、小春の叔父・宗次朗が和菓子職人という設定から和菓子が物語の中に幾つか登場します。どれも物語に意味を持たせながら、かつとても美味しそうに紹介されるのですが、そんな中から『あゆ』をご紹介しましょう。

    ・『小さな「あゆ」を作ってみたんだ』と『魚の形をしたお菓子』を見せる宗次朗に『魚の形のどら焼き?』と『あゆ』を知らない小春は、『「鮎」というより、「シシャモ」のように見える』と目の前のお菓子を思う場面。
    → 『「あゆ」はな、京都の代表的な和菓子のひとつなんやで』と語る宗次朗は『京都ではな、六月に鮎漁が解禁になるんよ…初夏の風物詩やな』と説明します。そんな『あゆ』を口にし『あ、お餅が入ってる?』と言う小春に『それは「求肥(ぎゅうひ)」といって、白玉粉や餅粉に砂糖や水飴を加えて練りあげたもので、餅のような感触だけど、餅よりも柔らかくて時間が経っても柔らかいのが特徴だ』と続ける宗次郎。

    幾つか登場するお菓子の中から、和菓子『あゆ』のことをご紹介したのはもちろん、さてさてが大好きな和菓子だからに他なりません(笑)。『求肥』の食感がたまらなく好きな私。こんな風に書かれたら食べたくなるじゃないですか!嗚呼、『京都』へ行きたい!『あゆ』が食べたーい!です(笑)。

    また、そんなこの作品の登場人物にも要注目です。主人公の櫻井小春の他に祖母の吉乃、そして後半に登場する『はとこ』の杏奈という女性陣もそれぞれに個性あふれる面々ですが、それ以上に表紙にインパクトを持って登場しているのが叔父の宗次朗と『はとこ』の澪人です。『見上げるほどに高い背。肩にかかる程度の明るめのウェーブヘアを後ろにひとつに結んでいて、軽めな印象はあるけれど、少し迫力のある「美形」』という宗次朗は、『オジサンって言うなよ』という言葉を合言葉のように使いながら小春を見守ります。そして、『通った鼻筋、少し切れ長の形の良い瞳。艶のある黒髪が、サラリと揺れている』という澪人は『梅の花のような香り』を漂わせる中に、こちらも小春の前にさまざまな形で姿を表します。タイプは違うものの、まさしく『イケメン』という男性二人の登場人物。残念ながら私は全くキュン!とはなりませんが(笑)、作品的には上手い設定だと読めば読むほどに納得感はあります。そして、何よりも二人が『京都』感全開という点が物語の説得力にも繋がっているのは間違いないと思います。

    さて、そんな『京都』の魅力全開なこの作品は『いじめられたわけでも、トラブルがあったわけでもない』という中に不登校となってしまった小春が、祖母の招きにより、祖母が営む『祇園』にある『さくら庵』という雑貨店を手伝うようになるところからスタートします。『「感情をそのまま口にする」という、以前は当たり前にできていたことが、今の小春には難しかった』、『私はただ、「自分を知る人」に会うのが怖かった』と思わせぶりに小春の症状が語られていく物語。そんな物語では一方で、”さくら庵は少し不思議な依頼が次々とやってくる店で…”と内容紹介に匂わされるように、ただの雑貨店のはずなのに、店を営む祖母・吉乃のもとには、さまざまな依頼が舞い込みます。一つご紹介しましょう。

    『母が病気になりまして、五十代という若さでなくなってしまったんです』と話す石田優子という女性。そんな女性は『父の塞ぎようがひどい…母の後を追ってしまうのではないかと心配して』います。ついに『母さんが家にいる』と言い出したという父親は『何もない空間に向かって「母さん、つつじが咲いたな」と話しかけたり』するという状況。
    → 『お母さんの除霊を頼みたい』という依頼がある。

    そんな依頼に『「祇園の拝み屋」として名高い』吉乃がさまざまに対応していく様が描かれていきます。この具体的な内容に触れるのは完全にネタバレになるためこの程度にしておきますが、それは言ってみれば『拝み屋さん』の”お仕事”を見る物語とも言えます。そして、そんな祖母の生き様を見る中に、自身の悩みと対峙していく小春という構図の中で物語は描かれていきます。それは、まさしく望月さんが得意とされる”ライトミステリ”の世界です。プロローグ + 四つの連作短編という構成の中に優しく描かれていく物語は、あたたかい感情の中に、また16巻にもわたって続いていく物語の一巻目としての立ち位置の中、とても魅力を感じさせる物語として綴られていたと思いました。

    『今まで逃げてばかりきたけれど、もう、目をそらすのはやめよう。人とは違う自分のことを…、この特別な力とちゃんと向き合おう』。

    『ぎゅっと拳を握』る小春の力強い決意の瞬間を見るこの作品。そんな作品では主人公・小春が迷いの人生の中に自信を取り戻していく姿が描かれていました。『祇園』を中心とした『京都』の街並みが鮮やかに描写されていくこの作品。和菓子や言葉遣い、そして歴史に関する記述含め『京都』を全身で味わえるこの作品。

    魅力ある登場人物含め、16巻も続いていく物語の一巻目として、『京都』という舞台を物語に完全に一体化させたとても上手くできた作品だと思いました。

  • あるきっかけで不登校に陥ってしまった小春が、祖母の住む京都で元気を取り戻していく物語。

    人と違う特別な力をもつ小春が
    自分と向き合うことを決意する

    不思議なライトミステリー
    これからきっとさらに面白くなるかな。

  • 昔読んだ本を思い出しました。昔読んだ本は一年も経てば忘れてしまうことも結構多いのですがこの本は何か印象に残ります。シリーズなのでまた読んでみようかな?

  • 京都を舞台にしたほんわかミステリーなお話し。
    生まれてからずっと京都に住んでますが、初めて知ることも結構ありました^^; 生粋の京都人じゃないからかな?
    話の内容もおもしろかったし、自分の知ってる社寺仏閣や地名なんかが出てきて読みやすかったです。
    2作目もあるのでまた近々続きを読もう(^^)

  • 満月珈琲店の星詠みシリーズでおなじみの、望月麻衣さんの別シリーズ。なんと16巻まで出ている超大作。Kindle Unlimitedで全巻読める、そして京都を舞台にしているということで、興味を惹かれ読み始めました。

    1巻は、このシリーズの中心となる人物が、ストーリーに合わせて紹介されていきます。突然、不思議な力を持ってしまった主人公、小春。そんな不安で一杯の小春を、温かく見守る祖母の吉乃と叔父の宗次朗。急がず、ゆっくりと、小春の心を解きほぐすような接し方が、とても良かったです。古都の空気も、小春の気持ちを癒してくれます。

    宗次朗は、和菓子職人なので、美味しそうな和菓子も出てきます。今回は、春のお話なので、桜餅、あゆ、水無月などが出てきます。春の京都に行きたくなる、優しい気持ちになれる一冊です。

  • 東京に住んでいた小春は、ある事がきっかけで中学の終わりから不登校になり、祖母の住む京都祇園で、住み込みで和雑貨屋の手伝いをすることになる。
    京都が舞台のすこし不思議なファンタジーミステリ。

    かなり巻を重ねている人気シリーズですが、今回初読です。
    裏表紙ではライトミステリとの紹介でしたが、どちらかと言えば癒し系のローファンタジー小説かなと思いました。
    基本的には心に秘密を抱えた小春が、京都で周囲の人たちと交流を重ねる中で心を癒し、成長して行くほっこり優しいファンタジー(ミステリ?)なのですが、祇園に移った後の周囲の人たちが理解があって優しい分、小春の抱える秘密と東京での出来事が辛くて胸が痛かった。

    小春の秘密と両親との関係がどうなっていくのか、気になるのでそのうち続きを読みたいなと思います。

    京都を舞台にしたミステリ小説はこんなのも
    →『珈琲店タレーランの事件簿』(宝島社文庫)/岡崎琢磨

  • 京都寺町三条のホームズをオーディブルで聴けるのは全部、終わってしまい、何気なく、聞いてみたのだが、面白かった!霊とか、ファンタジーとか、私は苦手なのだが、ストーリーが面白くて、これから先も楽しみながら読みたいと思います。

  • 「神様のいそうろう」を読んで、こちらが先(親の話)と知り、読み始めました。
    さらっと京都の不思議がありながらも、つまずかず読めます。
    まだこれからが長いよう、読みきれるかなー

  • 京都寺町三条ホームズに続く京都を舞台としたシリーズ物。登場人物も皆穏やかで優しくちょっとミステリアスな話もありつつほっこりする物語です。続編も読み続けます。

  • こちらもコミックを先に読んでいたけど、ついに購入!著者のブログで知った限定表紙で決意(笑)
    面白かったー小春の謎は後半で明らかに(コミック読んで知ってるけど)!京都は大好きだから、安井金比羅のくだり、お参りとかはちゃんとしなければいけないなと改めて思った。うさぎちゃんやら蛇さんやら、守ってくれるんだな。若宮とお友だちになれた小春は強くなれるだろうか。

  • 祖母宅に行く内容や拝み屋の話であまり心に刺さる言葉はないなぁと思っていたら最後らへんの月にウサギがいなくなる話に心を打たれる。ウサギが自分を犠牲にして自分の肉を食べて下さいと火の中に入るがそれは自己中だと異議を言う。確かにそんな食べろと言われて自分も食べれる訳ないと思うが周りが白い目で見ている、何も出来ないのを助けもしないから悩んだ挙げ句に自分を差し出す。
    考えたら何を望んでいるのか自分に出来る何かを相談すればよかったのかも。今昔和歌集からの話だったのだがやはり人に相談したり助け合うのは大切だと思うのだが…とこの本で人との関わり合いが学べるかも。
    ホームズさんのシリーズでも思ったが中高生の時に読みたかった。

  • シリーズ化されています。主人公の成長ぶり、学園生活、(いじめの陰湿さ!)京都人のややこしさなど、たくさん詰め込まれています。 
    1巻だけはなぜか読み進めにくかったのが難点。なぜだったのだろう…
    「寺町三条のホームズ」とのリンクも面白いです!

  • ある秘密を抱え人とうまく話せなくなってしまった女の子が、祇園にある祖母の家に身を寄せて、優しい人達や不思議に触れて心を開いていくお話。

    登場人物が美男美女で優しく、安心して読める。
    出てくる季節の和菓子が美味しそうだし、祇園の言葉や京都の地理や社寺についてプチ知識を得られるのも楽しい。

  • 面白かったです!
    吉乃さんと宗次朗さんの暖かさにこちらまでなんだか安心してしまいました。
    陰陽師やら京都やら、好きなワードがたくさんでそれも楽しかったです!
    小春ちゃんが乗り越えようとあがくけれど、なかなか越えられずにいる所は共感したり応援したりしてました。
    いつか祇園の吉乃さんのお店に行ってみたい…。
    澪人と小春ちゃんの今後も気になります。

  • 純粋に面白い!
    そして大好きな京都が舞台の不思議物語。

    主人公が自分の持つ不思議な力に悩み、
    またそのことを話せずにいて、
    中学に行けなくなり、高校進学もせず、
    京都の親戚の家へ。

    祖母や叔父も実は不思議な力を持っているが、
    物語の中の事件はその力でというよりも
    人と人とのつながりや思いやりで解決していく。

    主人公の成長や周りの人々の暖かい関わりが
    今後も楽しみ!

    望月さんのシリーズはどれも幸せな気持ちになります。

  • 中三から不登校になってしまった小春は、京都に住む祖母・吉乃の和雑貨店を手伝うことになる。普通でないことを嫌悪する両親から離れ、大らかな祖母や、軽そうに見えて真面目な和菓子職人・宗次朗と過ごす中で少しずつ明るくなっていく。小春が学校に行けなくなった原因が最後に明かされ、それは確かに辛い…と同情しつつ、その力がどういかされていくのか続きが気になった。

  • 2024.7.22
    図書館で面白い本ないかなと探していたら、惹かれるタイトルの本を見つけたのでその場で読んでみた。すぐに物語に入り込み、面白いと思った。シリーズものなので読み進めていきたい

  • 第6回ビブリオバトル全国大会inいこまオフライン予選会で発表された本です。
    2021.2.20

  • 成績優秀で友達も多く順風満帆な人生を送ってきたが《目が合った相手の心の声が聞こえる》力に目覚め、友達からかなり嫌われていたことを知って不登校になり、両親が心配しているのは教育費や世間体だと知り、知人と顔を合わせるのが怖くなって引きこもりになってしまった主人公が、新天地で心の傷を癒し自分と向き合うことを決意する物語。その新天地が「ぶぶ漬けでもどうどす」で「早く帰れ」と言う婉曲表現の使い手で嫌味がうまい京都なのは、逆効果では?(主人公の力が陰陽師由来だから京都にするしかないのだろうが)

    全4章で構成が起承転結になっている。1章でひと月進み、季節をかたどった和菓子が出てくるので、より季節感がわかりやすい。
    作者は京都在住で京都を舞台にした物語をいくつも執筆しているから、京都の地理や県民性、生活などの解像度は高いんだろうなと思う。

    両親も主人公を苦しめる存在なのに、それでも「両親の望む《普通の子》になりたい」と願う主人公が健気。一方で主体性がなく、核家族のひとりっ子だと他に頼れる人がいないともいう。

    とはいえ導入部が弱い。先の展開が気になるような刺激的なシーンなど明確なフックがなく、《のペー》っと始まって、そのまま《のぺー》っと進行している印象。
    よく知らない土地で暮らすことになる主人公=主人公と一緒に知っていくことができるのに、主人公には作中人物だけでなく《読者に対しても隠し事がある》から、いまいち入り込めなかった。主人公が内気で引っ込み思案だから、京都行きが嬉しいのか悲しいのか感情もわからないし。地の文が(基本)三人称だから、余計に。
    その地の文も三人称と一人称が区別なく混ざっていて読みにくい。
    「ライト・ミステリ」と書いてあるけど、主人公が謎を解く話ではない。(最後まで謎に気づかずツッコまれることすらある)

    引きこもりの原因が「櫻井家の血の問題」と言ってたけど、櫻井家に嫁いできた祖母が拝み屋ならルーツは櫻井じゃなくて賀茂(祖母の実家)だから「櫻井家の血」と呼ぶのは違和感。3代しかいないのに大袈裟。
    タイトルも「一時的に身を寄せている祖母の家」を「わが家」と呼ぶのは違和感。
    「引きこもりの原因はいじめじゃない」と序盤に明示されるが、友達からの「すごい」に「そんなことないよ」と返してたら裏で何言われてるかわからないよ……と思ったら案の定、悪く思われてた。ほらー!
    せっかく両親と言葉を交わす勇気が出て電話した(安心させて、放っておいてもらいたかっただろう)のに、会いに来られてしまうのは逆効果で切なかった。

    結局主人公の口から祖母たち3人に隠し事を打ち明けるところが描写されない(決意と予告をしただけ)が、そこが目的じゃなかったんだ!? 広げた風呂敷の大きさの割には、結末が小さい。プロローグがあるならエピローグもくれよ……。ていうか3人全員不思議な力を持っているんだし、主人公と同じ力を持っている人もいるのでは?=もう全部わかってて主人公が自分から話してくれるのを待っているだけなのでは?
    本来ならこの春から高校生のはずの主人公が4月時点でもう16歳=4月生まれなのに名前が「小春」なのが謎。
    11刷なのに送り仮名が間違ってたり、地の文の同じ行で澪人は呼び捨てなのに宗次朗はさん付けだったりのミスがある。

  • ある出来事がきっかけで人と上手く話せなくなった女の子が祇園にいる祖母のところへ行き、不思議な力に気づく話。和菓子と京都ならではの話がたくさんある。これからの展開が楽しみ。あやかし系初心者に。

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著者プロフィール

北海道出身、京都在住。2013年にエブリスタ電子書籍大賞を受賞しデビュー。2016年『京都寺町三条のホームズ』(双葉文庫)が京都本大賞を受賞。同シリーズをはじめ「満月珈琲店の星詠み」(文春文庫)、「京都 梅咲菖蒲の嫁ぎ先」(PHP文芸文庫)、「京都船岡山アストロロジー」(講談社文庫)、「わが家は祇園の拝み屋さん」「京都下鴨 かみさまのいそうろう」(ともに角川文庫)シリーズなど多数。

「2025年 『アンソロジー 極彩色の後宮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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