マタニティ・グレイ (角川文庫)

  • KADOKAWA (2016年1月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784041038017

作品紹介・あらすじ

明るくおおらかなカメラマンの夫、お気に入りのマンション、そしてやりがいのある仕事。小さな出版社の女性誌編集部で働く千花子は、今の自分の暮らしに満足していた。しかし予定外の妊娠を告げられ、仕事も生活も、人生の大きな変更を迫られる。戸惑いながらも出産を決意したが、ある日下腹部に痛みをおぼえ、切迫流産で入院することになり……。妊娠・出産を機に、自分の生き方を正面から見なおし、また夫婦や自分の親との関係も洗い直していく。

母になる不安と期待、そして葛藤。仕事に燃えるキャリアウーマンの心の揺れをつぶさに描く、悩みも喜びも等身大の、新たなマタニティ小説!

文庫化にあたり、働くママたちと著者の特別座談会も収録。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

妊娠を告げられたキャリアウーマンの主人公が、仕事と家族の狭間で葛藤する姿を描いた作品は、母になることへの不安や期待をリアルに表現しています。予定外の妊娠により、彼女は自身の生き方や人間関係を見直さざる...

感想・レビュー・書評

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  • フリーカメラマンの旦那と結婚し、生涯子どもも作らず、仕事を生き甲斐として生きていこうとしていた主人公。奇跡的に妊娠が発覚してしまい、今後のキャリアや家族形成、マンションのローン、さらには会社の産休制度が整っていないことにお先真っ暗になってしまう。

    ストーリの題材は、とてもよかったのですが、中身が少し軽く、次々と比較的簡単に問題解決していくところが、あまり面白味を感じませんでした。また、お金の不安があるにも関わらず、外食などの浪費のシーンが多く見受けられ、ちょっとリアルな話の展開ではなかったので、少し残念でした。

    ただ、前向きに取り組む主人公の姿勢には勇気をもらえました。

  •  1人目の時も臨月に読んだので今回も再読。産休育休の制度を会社に導入させたりまでは良いが、カフェイン断ちは徹底するのに1杯だけと言ってアルコール飲んだり、破水したかもなのにシャワー浴びたりと、あり得ない行動を取りすぎる主人公に共感できない。出産方法も普通じゃなさすぎて、よく取材はされているものの妊婦の共感をあまり得られない点が残念。著者の女性主人公の話は、女性心理の面でいい線ついてると思いはするが好きになれない。

  • 私自身、流産を3回経験しており、子供が欲しかったけれど、子供もキャリアも諦めた・・・という40歳主婦。

    読み始めは、どうしてこの本を手に取ってしまったのだろうとちょっと後悔をした。
    バリバリのキャリアウーマンで、子供を望んでなかったのに妊娠発覚。仕事を続けながら、マタニティライフを過ごすという内容で、読んでいて正直辛かった。

    途中で、切迫流産をして入院を余儀なくされ、同室の女性は流産してしまう。その無念さの描き方がとても良かった。

    また、父親とも母親とも親子の関係があまりよくないこと、そういう内容が盛り込まれていたからか、途中からは、とにかく、こんな繊細な内容を描けてしまう石田衣良さんはただただ、すごいなぁと感嘆してしまいました。

    女性ではなく男性であること、子供を妊娠したり出産したり実際に体験していない男性が、まるで自身の体験談のように、こんな女性の立場に立った作品を描けるなんて、本当に素晴らしい。女性の私が読んでも違和感が全くなかった。取材力だけではなく才能だと思う。

  • 仕事しながらの妊娠・出産、あの時は大変だったなぁと3回の経験を思い出しました。育児休業制度はなく、産前産後の休暇だけで復職。保育園探しに苦労している同僚の中にあって義母が見てあげると言ってくれたのに甘えて出勤していました。ちょっとは楽だったと思います。気は使いましたけどね。働きながらの子育てに社会的な援助はまだまだ足りないと思いますが、協力的な夫は少しは増えているのでしょうか

  • 子どもは嫌い、持たない、夫婦二人の生活で好きな編集の仕事をばりばりがんばるの。主人公がそんな人で始まったら、「あー、この人が予期せぬ妊娠で・・・」と想像がつく。安定の石田衣良か?とか(^^;
    その後も、思うようにはいかない妊娠生活とか、仕事との両立はどうしたらいいのか、とか、通ってきた道だけに、展開が読めてしまい、最後まで突っ込みどころ満載(^^;
    でも戸惑いながらもしっかり「母」になっていく様子はよかったな。欲を言えば、制度がしっかりしていないという弱小出版社での、制度と実際の働き方についての”開拓”のことももっとしっかり触れてほしかった。会社に何の制度がなくても労働基準法に定められていることとかも。
    あと、子どもが生まれて大団円で終わっていたけど、それで働きにくい妊娠が終わりじゃない。その先はそれまでの妊娠中に悩みながら受け入れてきた「生活の変化、働き方の変更」がもっとドラスティックに起きる。それがもっと大事。
    巻末にママたちの座談会を入れても、やっぱり現実味のない「小説」の域を出ていなかった出産と仕事のお話の続きを読んでみたい反面、このパターンだとさらに現実味がなくなりそうで、現実を知らない読者にさも「とても現実っぽい」と思われるのが怖いからイヤかも。

  • 小さい出版社に勤める千花子
    フリーカメラマンの一斗
    ふたりはDINKS。
    生い立ちに色々あって、千花子は子供は要らないと思っていた。

    千花子の仕事はロハスな雑誌ENDLESSの編集。
    その企画で、出産に関する特集を組むコトになった。

    「出産の企画を立ち上げると、誰かが妊娠する」というジンクスがあるらしい。
    そして、千花子の妊娠が発覚する。

    妊娠した事に戸惑う千花子。
    妊娠を受け入れる千花子。
    妊娠と共に、母親として成長していく千花子の姿を軸に話は進む。

    これだけだと、どこにでもありそうなストーリー。
    なんですけれどもね、
    そこが、石田衣良という人の凄さなんでしょうね。

    「マタハラ」という言葉があります。
    マタニティは、マイノリティだと。

    千花子の会社には、産休・育休制度がなかった!
    これから、家族を作っていく可能性のある他の社員の為にも、制度について、会社と闘う。

    産休・育休の制度というものは、会社によって違いがあります。
    千花子の友人の大手企業は、手厚く保証されています。
    そうかと思えば、切迫流産で入院中に知り合った弓佳さんの会社では、制度はあっても、形だけ。
    結局肩たたきにあい、退職を余儀なくされる。

    実際に、そういうところ、あるの、ワタシも聞いたコトがあります。
    出産後も働きたいのに、「家庭に入るのが幸せ」と、考えを押し付けられ退職を余儀なくされる。

    そうかと思うと、制度を利用するだけ利用して、休職期間イッパイ休んで、復帰せず退職する事を自らが選ぶという人がいるのも知っています。

    妊娠・出産後、働くか、家庭に入るか は、それぞれ、どうしたいかは違うはず。
    産休・育休制度も、その辺りをキチンと反映したものであるといいのに・・・
    なんといいますか、まだ、中途半端な制度になっているところが多いのかなぁ。
    今の時代、昔に比べれば、夫婦共働きで子育てをしていく という家庭が多い気がいたします。
    時代が変われば制度も変わる。
    その時代に生きる人々の生活に合わせた制度改革をお願いしたいものであります。

    そのようなコトも含め、千花子は、自分の妊娠・出産をベースに、コラムを書くコトになる。
    出産する為の産院についても、自分の足で調べ、コラムにもし、自分自身がどうしたいかも決める。

    実の父親・母親との確執も織り込まれる。

    産休・育休制度を利用するに当たり、仕事の引継ぎについてもひと悶着。
    千花子の築き上げた作家さんとの関係。
    美味しい所を攫って行く後輩。
    そして、後輩がしでかした作家さんに対する裏切り行為。
    そのお蔭で、作家さんと千花子の関係は、今まで以上のものになったし、育休明けに、編集部に戻れることにもなって、結果オーライではあるのだけれど、
    どこにでも、美味しいトコだけさらおうとする輩はいるのだなぁと思い知らされたり。


    色々あるけど、やっぱり千花子は、物語の主人公だから仕方ないんだろうけれど、恵まれてると思います。

    会社には、自分を心の底から応援してくれる先輩と上司がいる。
    仕事に関しても順調。更に自らのコラムページまでもらい、人気が出て、ゆくゆくは単行本化してもらえるとこまで話がまとまっている。
    マタハラをする人が会社にいなかった。(オバカな後輩はちょっとアレだけど)
    旦那は稼ぎは悪いけど、人がイイ。全面的に協力的。
    実の父・母との関係の悪さは、そんなの、どこにでもいるだろうと思う程度。弟はそこそこ千花子の味方。むしろ、恵まれている方だと思う。
    切迫早産しかけたのは大変なのはわかるけど、多分、立ち仕事の人や、ハードワークな人は、結構な確率でなる。千花子だけが特別なわけではない。
    副編集長が言ってたとおり、「1週間の入院」の予定が、結局そのまま出産まで安静が必要と判断され入院・もしくは自宅療養を余儀なくされる人もいる。ワタシが一緒に働いていた人はそうだった。
    そうなると、仕事の引継ぎが大変なんですよ・・・
    ワタシの場合、引継ぎの申し送りもないまま、全部やらなくてはならなくなり、ワタシがパンクしました・・・・・。


    千花子と一緒に、泣いたり、喜んだり、怒ったりしながら読み進めてまいりましたけれど、
    読み終わって、振り返ってみると、千花子って恵まれてるなぁ ってのが、感想でしたwww

    世の中のお母さんに尊敬と感謝の意を込めて。
    旦那は協力したれよ!www
    あと、やっぱり、もっと制度は手厚くてもイイのかなぁ と それは思いました。

  • どんどん読んでしまった
    妊娠したらこんな感じなんだなと勉強になった
    私は無痛分娩がいいけど…

  • 男性の書いた出産小説という感じは否めないけど、仕事や夫婦関係の妊娠のバランスは自分と被るところもあり、面白かった!
    全体がサクサク進むので読みやすい!

  • 仕事に生きる女が出産を通じて成長する話。すごいなー、お母さんになるって本当にすごい。出産のシーンとか痛みの表現がリアルで驚いた。(といってもわたしは出産未経験)絆に涙した作品でした。

  • 妊娠9ヶ月の時期に育児本を探してる際、タイトルに惹かれて手に取った。

    主人公が自分勝手で最後まで好きになれず。旦那さんも配慮が足りないかな。朝ご飯なに?とか言われたら私だったらきれる。

    アルコールを飲む描写や寿司を食べる描写もあったのが気になった。10年ほど前の書だからか?
    産休、育休の期間も異なった。

    切迫早産のところは胸にくるものがあった。妊娠、出産は人それぞれで同じものなんてない。これから迎える出産が怖くもあり、我が子に会えるのが楽しみでもある。

    妊娠中でなければ手に取らなかったかもしれないが、この時期に読むことができてよかった。

  • 女性ばかり夢やキャリアを諦めないといけないような社会で、女性にばかり母親という理想像を求め押し付けられ、本当に生きづらい!!!主人公の気持ちは痛いほど分かります。
    ただ妊娠期間を通して母親になっていく姿や、仕事を諦めず自分だからできることをやっていく姿は勇気づけられるものでした。パートナーとの関係を築いていく様子も良かったです。
    作者の方をてっきり女性かと思っていましたが、男性と知り驚き。細かい描写や心情なんかがとても丁寧に描かれていて圧巻でした!

    男女ランダムで妊娠するような世界だったらもっと色々と平等になるんじゃないだろうか。神様早くアップデートよろしくお願いいたします!!

  • 始めのほうで千花子が子供を嫌う気持ち、妊婦の膨らんだお腹を醜く感じる気持ちは、それこそ現代の働く女性の妊娠出産に対する冷ややかな視線から植え付けられてしまったものではないかと思った。
    もし男女ともに妊娠への理解と社会の支援があれば、あそこまで否定的な感情を抱いていないかもしれない。
    私は20代後半に新卒として社会に出たため、学費分も含めバリバリと働きたいし、今は子供がほしいとは思えない。むしろ子供ができたら職場の人に迷惑をかける、男女比9:1の職場に産休前と同じ状態で復帰するのはかなり難しいと思っている。妊娠することは言葉通りに「身重」になってしまうのだ。
    そういう思いから千花子の気持ちに痛いほど共感した。

    でも、千花子の妊娠中の変化をみて母親になるのもいいものかもしれないと思った。人の命を授かる、それを大切に育み、1つの世界のように産み落とす。石田さんの細かな表現で私も1人の妊婦になったように感じながら本を閉じた。

    実際に妊娠を経験した人との感じ方とは乖離する部分もあるかもしれないが、それでもこの本を多くの出産未経験者(男性も含めて)読んでもらえたなら、少子化対策がもう少し現実的で有用性の高いものになっていくんじゃないかなと感じた。
    否定的ではなく、みんなに望まれる妊娠出産が当たり前にできるようになってほしい。

  • 買ってからずっと読まず気づけば2人目が生まれて時間ができたので読んでみた

    2人産んだ身としてはうーんと思う箇所がやはりある。
    出産の場面が意外と短いなと思った。

    主人公はあまり好きになれないが、主人公の夫には好感がもてる

  • 昔はよく読んでいたけど、久しぶりに手に取った石田衣良さん。

    息抜き程度にと思ってあまり期待していなかったが、やっぱりなーという感じ。いつも通り読みやすくはあった。
    リアルというけど、出産経験のある女性が読んだらそうは思わなそう。主人公がすきになれない、というか設定がぶれているというか矛盾を感じたりした。

  • 石田衣良っぽくない本。最後のあとがきが働くママの座談会

  • まだ経験のない現実ってこんなに怖いのかと
    しみじみ感じた。
    通りたい道だけど通りたくない道。
    これからって人にも今後って人にも
    ぜひ読んでほしい一冊だ。
    男の人にも。

  • 妊娠出産って、大変なのはそのものだけじゃない。まわりの理解があるかどうかって本当に重要なんだな。
    ただ、私が妊娠出産に対して他人事感がぬぐえないせいか、あまりおもしろさは感じられなかった、、、、

  • 石田衣良さんの想像力創造力ってすごい。。。男性が書いたと思えぬこのお話。どうやったら、ここまで詳細なリアル妊婦が描けるのだろうか。

    ただ、どうでも良いところかもしれないけれど気になったのは、カフェイン摂取をとても気にしているような人が妊娠中に果たしてお祝いとかの場でも飲酒を何回もするのだろうか、、、。なんで、その描写必要だったのかなぁ、、、。カフェインレス云々の表現がなければ気にならなかったのかもしれないけれど、、、。

    話の始めにここまで子供が欲しくないと言っていた人物が本当にここまで心境を変える事が出来るのだろうか(誰もが思うかもしれないが、始めの主人公はやたらイライラさせられるレベルに子供を嫌っている)。ただ、妊婦と一言で言っても人によって千差万別、こういう人も実際にいるのかもしれない。
    主人公以外にも不妊治療をしている人や、流産など、妊娠出産とは切り離せない問題をスルーせず描かれていて良かったと思う。

  • 正直自分にとって妊娠や出産というのはファンタジーの域を出なくて、本作も途中で飽きちゃったりするかな、、、なんて思っていたけれど、なんのなんの2時間半夢中になって読みました。
    ファンタジーを少し現実にしてくれた大事な一冊。本というのは時々で感じ方が変わるけれど、この作品はそれがより顕著にあらわれそう、たのしみ。

  • 子どもはいらないと思っていた雑誌編集者が妊娠発覚から出産までの仕事や家族、自分自身の気持ちが変化していく話。
    不安が常にたくさんあるけれども、どこかで開き直るしかないし、それでも不安なんだろう。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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