- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041038062
作品紹介・あらすじ
坂の側に咲き乱れる山茶花の花に、幼い頃死んだ友達を偲ぶ「清水坂」。自らの嫉妬のために、恋人を死に追いやってしまった男の苦 悩が哀しい「愛染坂」。大阪で頓死した芭蕉の最期を描く「枯野」など粒ぞろいの9編
感想・レビュー・書評
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大阪の七坂を舞台にしたお話。怪談と呼ぶには切ない感じがしました。身近な場所が出てくるので、頭の中で映像がすぐに出てきて身近に感じられました。
猫の話が好みです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大阪の天王寺の七坂にまつわるあやかしの話。私は、生玉さんが好きで、何度かお参りに行きました。御朱印ももらいました。真言坂は知らなかったな。坂は歩いているんだけど、あの坂が天王寺七坂なんだ。この話のように、幻が見たくなりました。幻と話してみたい。けど,婚約者にも見えたなら,幻ではないのかも。七坂では、本当に不思議なことが起こるかも知れない。物語の背景に触れながら歩けば、何かの不思議に出会えるかも。
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有栖川さんの幻想怪談短編集。濱地さんが時折出てくるのもいい。個人的には「真言坂」の話が一番好き。
実際の坂の景色も見てみたくなりました。 -
昔読んだ本を再読しました。
同著者の濱地健三郎が、確かこの本のどこかの坂で出てきたなぁと思い出して。
いました。濱地さん、ご健在で。呪える~が文庫化したら買おうとしている身です。
幻坂も短編集で読みやすいので、まだ読んでない方は是非。 -
大阪もこんな風情のある場所があるんですね。
読みながら、訪れてみたいなーと思う場所が多々ありました。 -
坂にまつわる9つの話。繊細で不思議な話に、胸が締めつけられる。あの話とあの話には、ラストで瞼がじんわりと濡れました。切ない。
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大阪にある坂にまつわる不思議なお話たち。
「天王寺七坂」って初めて知って
「口縄坂」で猫が出てくる猫は、可愛いというよりも神秘、かな。でも、くちなわって蛇だよなぁとか思ったり。
ホラーちっくだったり、もの悲しかったり。
舞台となる坂を巡るツアーをやったりもしたそうで、なんだか羨ましい。 -
再三言っているが、有栖川氏の紡ぐ美しく優しい文章が好きだ。今回は「天王寺七坂」にちなんだお話だが、文章中から澄んだ空気が伝わってくる。坂というものは何かしらのパワーを感じるところだと思う。上るときには力がいるし下るときには心許ない気持ちになる。なんとなく背中を無防備に感じたりするのは気のせいではあるまい。どれも良かったが心に残ったのは心霊探偵の活躍するミステリ然とした「源聖寺坂」、映像で見えてしまい総毛だった「口縄坂」優しさに泣きたくなった「真言坂」。そして単に食事をするだけの「天神坂」が特に愛しい。