真実の檻

著者 : 下村敦史
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年3月26日発売)
3.58
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  • レビュー :30
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041038215

作品紹介・あらすじ

大学生の石黒洋平は母の遺品整理の際、本当の父親が元検察官で『赤嶺事件』と呼ばれる殺人事件を犯した死刑囚であることを知る。父の無実を信じる洋平は、雑誌記者の夏木涼子と『赤嶺事件』を調べ始めるが……。

真実の檻の感想・レビュー・書評

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  • #読了。
    母親が亡くなり遺品の整理をしている際、石黒洋平は手紙を見つける。そこから自分の実の父が、殺人事件を犯し、死刑囚として収容されていると知る。実父の潔白を信じ、冤罪を晴らそうと奔走するが、無実の罪を証明するためにはあまりにも重くのしかかる真実が・・・
    途中少し遠回りしているような気がしなくもなかったが、司法の矛盾のようなものをうまく描いていて面白かった。また、単に司法小説ということでなく、他の事件も含め、親(「生みの親」、「育ての親」など)という観点においても、様々な事情の中での思いやりが伝わってくる。蛇足ではあるが、途中薬丸さんの作品だっけ?と思ってしまった。

  • 冤罪の話なんだけど、中身の濃い本だった。検察官や警察の問題点など、考えさせられた。

  • 死刑判決の冤罪の可能性を掘り下げていく。
    「もし父親が大きな事件の犯人だったらどうする?」母親のセリフが後に残る。

  • 真犯人については途中で察しがついたが、その犯人探しが物語の終着点ではないと、途中で気づいた。果たして真実は明かされるのか、それとも曖昧に終わるのか。もしすべてが明らかになれば主人公の人生はどうなるのか。こんなことを心配しながら読み進む。

    しかしそんな思いは杞憂に終わった。主人公が想像よりもはるかに逞しかったからだ。現代人は自分も含め、安易な方向へ行きたがる。真実を曲げても周りの平和を優先させた方がいい、と考えてしまう。世の中には真実を見ようとせずに生きる例が多いことと思おう。

    本書はそんな傾向に警鐘を鳴らしている。主人公の人生に対する決断が、虚構の世界とはいえ、現実の明るい未来に思えた。気持ちの良い読後感だった。これも「物語ゆえ」なのだが。

    司法関連の膨大な資料も、ぎっしりと詰め込まれ、その方面にも関心が持てた一冊である。

  • 石黒洋平は母由美の遺品を整理していて,実の父が死刑囚であることを発見する.母の病気を原因として離婚した父剛に問いただすが明快な答えが得られなかった.実の父赤嶺信勝の存在が頭から離れなくなり,調べていくうちに冤罪を取材している夏木涼子に会う.柳本弁護士とは冤罪関連で三津谷彩の事件で知り合うが,洋平の当初の思い違いもあり,洋平と涼子の調査の後ろ盾となる.赤嶺は由美の両親を殺害した事件の犯人として死刑判決を受けた.柳本が担当検事で,証拠の不可解な点もあったが,無視したとの証言を得て,洋平は赤嶺と面会する.赤嶺は再審請求を拒み,洋平の調査は行き詰まる.多くの登場人物がそれぞれ重要な枠割を担っていることは,著者の綿密な構成力を示している.最終的に,真犯人が判明し,赤嶺は釈放されるが,その過程は法律的な難しさはあるが,氷がじわっと溶けていくような感じで非常に楽しめる.

  • 1つの冤罪事件と司法制度の問題、双方を描き切れず仕舞いのどっちつかず。
    穢れた血 → 冤罪だったら・・・→ 調べてみたら冤罪だった
    この展開に無理を感じる。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14609735.html

  • 【図書館本】下村作品三冊目。138頁に誤字発見。×決済 ○決裁 これでテンションが下がり気味になったが、そこは流石下村さん。読ませるねえ。結果的にはまあまあ面白かった。内容はAmazonのあらすじ通りで、如何にに実の父親が無実であるかをどう証明していくかという話で、色々と伏線があるのだが、、まさかの結末にびっくり。是非読んでみてください。さあ、次は『難民調査官』でも読むとするか。

  • 冤罪を扱った話。最後主人公がロースクールではなく予備試験経由なのが個人的に面白かった。
    主人公の感情が薄っぺらい気がしました。真犯人の動機が弱かったように思います。

  • 母が亡くなり、実家で遺品整理をしていた一人息子の主人公洋平。
    天井裏のアルバムから出てきたのは、妊娠中の母と父ではない男の写真ー実の父であることが20年目にしてわかったその男は、死刑囚だったー
    洋平は冤罪を主張する実父を助けるため、操作にあたる。
    結局、育ての父が犯人というわかりやすいオチ。伏線も親切すぎる。
    他の冤罪事件をうまくはめて、全体的にテーマを持たせているのは上手。
    言いたいテーマがハッキリしすぎて、ミステリ表かとしてはもう一息。

  • 読み終えてそれほど読後感は悪くはなかった。ハッピーエンドで終わっているからかもしれません。ただ、全体的にテーマは凄く重い。「冤罪事件」「生みの親と育ての親の絆」「死刑問題」等々。深く考えざるを得ないテーマである。
    主人公の洋平は亡くなった母の遺品整理の中で自分の出生の秘密を知り、調べていくうちに
    思いもよらぬ昔の殺人事件にはまり込む。それに色々と複雑な事件が絡んで実の父の冤罪を晴らすことに没頭する。
    内容は、いたってわかりやすいが、警察・検察・弁護士・判事それにジャーナリスト等と聞き込みを行ううちに自分の業というものに嫌気がさしてくる。自分はどうすべきか?実の父と育ての父のどちらを取るべきか?と悩む。
    結局、事実を隠して死刑になる実の父を助け、真実を明らかにしていこうと決めるのだが・・・。次から次え現れる新事実になんかよくもまあ不幸ばかり続くなあと驚愕する。
    これほど重いテーマなのに、割とスムーズに読めたのは、文章がわかりやすかったからかもしれない。洋平が最後はやはり司法関係の仕事を目指していくという筋書きもありかなと思う。

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