手蹟指南所「薫風堂」 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041038277

作品紹介・あらすじ

よく遊び、よく学べ――。人助けをしたことから手蹟指南所の若師匠を引き受けた雁野直春。だが彼には複雑な家庭の事情があった……。「軍鶏侍」「ご隠居さん」シリーズで人気急上昇中の著者、待望の新シリーズ!

感想・レビュー・書評

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  • 生い立ちに複雑ないきさつがある雁野直春は、辻斬りから老人を助けたことから、手習い所の師匠になることになる。学もあり道場では筆頭の直春は、順調に手習い所を経営していくが、本当の親のことを知り、さらに縁組の話も舞い込む。しかし、直春はある思いでこの話を断る。すると、縁談先の姫が乗り込んできて…。
    碌でもない父親なのに、その息子の直春は人柄的に立派すぎ。それに、周りの人々に恵まれている。やれやれ、かなわないなあ、でも面白いけど。

  • 偶然見つけた作家さんだが、ヒット!
    実にいい。血生臭くなく、人情にも溢れ知恵にも機微にも富み、好かれる主人公が読んでいて気落ちいい。
    「教育には何が大事か?」というテーマにも踏み込んでいるのが素晴らしい。哲学を持っている作家さんなんだろう。他の作品も食指が伸びる。

  • 雁野直春が手習い所・薫風堂を立ち上げ,子供たちを指導する.沼田道場では剣の腕も抜群で,松岡緑之助が二番手の由.直春の生い立ちに関係する春田仁左衛門から養子縁組の話を持ち掛けられ,頑なにそれを拒む直春.乳母兄弟の茂作を救い出す話.短編が5つの文庫本だが,人と人の親密な交流の中に何とも言えない温かみを醸し出すストーリが堪能できる好著だ.

  •  時代小説ならではのすっきり感。

  • 201609/序盤は直春の描写がおさえられてることもあり、恩人とはいえ何故そこまでの厚待遇で?と思いつつ、お膳立てされた舞台が整い物語が進む。消化不良で終わると思いきや、シリーズ化のようなので今後を待ってみよう。

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著者プロフィール

1944年、徳島市生まれ。さまざまな職業を経験し、ラジオ・ドラマ脚本・戯曲を執筆。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。日本脚本家連盟会員、日本放送作家協会員。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞、同シリーズにより多くの時代小説ファンを獲得。ほかシリーズに「ご隠居さん」「手蹟指南所『薫風堂』」「新・軍鶏侍」「よろず相談屋繁盛記」「めおと相談屋繁盛記」など、単著に『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』など著書多数。演劇にも造詣が深く、小説、戯曲、芸能、映画、音楽、絵画の多ジャンルでのシェイクスピア派生作品を紹介した著作『シェイクスピアの魔力』がある。

「2022年 『逆転 シェイクスピア四大悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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