かんかん橋を渡ったら (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
3.84
  • (10)
  • (20)
  • (11)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 173
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041038987

作品紹介・あらすじ

四方を中国山地に囲まれた、寂れた温泉町にかかる小さな石橋『かんかん橋』。食堂『ののや』の一人娘真子は、毎日その橋を渡って学校に通っていた。真子と父を残して出て行った母。かつて白無垢をまとい嫁入りしてきた写真館の老女。町を去り愛する人とともに帰ってきた踊り子。誰もが『かんかん橋』を渡る……。小さな食堂を舞台に、精一杯生きる女たちのたくましさ、しなやかさを鮮やかに描き出した、人気作家の長編傑作!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 先に続編を読んでしまったので結末を知っていたりもしたけれど、小学生の真子ちゃんがとても初々しくって愛おしくなる。在りし日の大将はこんな風だったんだあと妙に感慨深くなったり、母じゃない奈央さんに目を見張ったりでいつもと違う気持ちで物語をさかのぼった気がした。
    こんな読み方もありかなと思った。
    お菊おばあちゃんのお話もとてもよかった。

  • 途中で飽きてしまいました....

  • ほっと一息つけるかんかん橋のような場所が誰の心にもあるだろう。
    暖かい日も寒い日も、楽しい日も悲しい日も、周りのものすべてが自分の味方に見える日も逆にすべてが自分の敵に見える日も。
    何をしてくれるでもないけれど、いつだって自分のことを見ていてくれているような存在があったことを思い出せた。

  • 田舎町にある小さな食堂「ののや」の真子を主人公とする少女の成長の物語。子供が大人になっていく時に感じる自己嫌悪のような感情を率直な言葉で綴っていく。子供に読ませ感情の起伏の疑似体験をさせたくなる小説だ。圧巻なのは、92歳おばあちゃん菊がまどろみの中で振り返る独白。17の嫁入から4人の子供と夫を見送るまでの過酷な人生に、涙がこぼれそうになる。あさのあつこ作品が重松清と並んで中学受験の国語の試験に引用される理由がわかる。

  • 経済的な物から人間関係まで様々な困難があって苦しみがあるのだけど、でも日々の生活をしっかりと営んでいる人々の努力が描かれてます。
    人々の気持ちが丁寧に描かれていて、その苦しさや幸福が身近に感じられます。

  • かんかん橋のとこに座ってるおばあちゃんが好き♪

  • 菊おばあちゃんの話が好きです。
    次に進む力が日常の些細な繰り返しの中にあるのだと伝わってきます。今いる現実を受け止める強さと、未来へ生きる価値が確認できました。

  • おそらく作者あさのあつこの出身地である岡山あたりを想定している、中国地方のある田舎町を舞台にしたお話。厚い文庫本でオムニバスに6つのストーリーが収められている。短編というには1つがもっとボリュームがある。町の真ん中には「かんかん橋」と呼ばれる古い石造りの橋。町の中を移動する時も、町から出ていくときも、この橋を通る。大人も子どもも老いも若きも、それぞれの人生。いろんなことが起きるけれど、それでもみんな頑張って生きているよね、って感じられる。

  • 長編ではあるけれど、複数の語り手による物語だった。小学生や中学生がこんな言葉知らないだろうとツッコミを入れたくなることはあったけど、人物の心情描写が繊細で引き込まれた。ラストは衝撃だった。

    続編も出るのね。単行本だから高いけど、余韻を感じられるうちに読みたいな。買ってしまおうか。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

あさのあつこの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×