ファミリー・レス

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.55
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本棚登録 : 442
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041039045

作品紹介・あらすじ

姉と絶縁中のOLと、ルームメイトの毒舌女子。怒りん坊の妻と、そんな彼女を愛しているけれど彼女のかぞくに興味を持てない画家の夫。バツイチのアラフォー男性と、妻に引き取られた娘。ほんとうの親子になりたい母親と、姉の忘れ形見の少女。同じ屋根の下で暮らす女ともだちや、ふたつきに一度だけ会う親子。家族というには遠すぎて、他人と呼ぶには近すぎる――単純なことばでは表せない現代的な”かぞく”の姿を、すばる文学賞受賞新鋭が切り取りました。瀧井朝世、豊崎由美、東えりかなど本読みたちが大絶賛! 紡がれるひと言ひと言が心を揺さぶる、感涙必至の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • デビュー作から好きだなが募っていく。どんどん好きになっていく。恋かな。
    今回の6つの短篇、どれもすごく好きで、どの作品も目頭熱くなってほろりとした。好きだなぁ。
    いわゆる“こじれた”家族がテーマ。

    出版社より
    姉と絶縁中のOLと、ルームメイトの毒舌女子。怒りん坊の妻と、そんな彼女を愛しているけれど彼女のかぞくに興味を持てない画家の夫。バツイチのアラフォー男性と、妻に引き取られた娘。ほんとうの親子になりたい母親と、姉の忘れ形見の少女。同じ屋根の下で暮らす女ともだちや、ふたつきに一度だけ会う親子。家族というには遠すぎて、他人と呼ぶには近すぎる――単純なことばでは表せない現代的な"かぞく"の姿
    とありますが、
    個人的にとくに印象に残ったのは
    姉と絶縁中のOLとルームメイトの毒舌女子の「プレパラートの瞬き」
    バツイチのアラフォー男性と妻に引き取られた娘の「ウーパールーパーは笑わない」がすきです。
    どれも好きだけどとくにウーパールーパーは好きかも。そしてどこかのアンソロで読んだ気がしなくもないのだけれど(気のせいかな)

    次回作も楽しみです。

  • 家族にまつわる6篇の短編集
    それぞれ話は繋がってはいないけど
    登場人物が前の話しに出てきた人だったり
    してスラスラ読めました

  • 子どもの頃から親に、
    ネガティブな発言はいけないと教えられて育った人がいる。
    同じように、不平不満ばかり聞かされて育った人もいる。
    それはもう自分の力ではどうしようもなく
    身についてしまった習慣で、
    主人公たちはそのことで悩んだり苦しんだりするのだけれど
    それって、考えてみたら全ての人・全てのことに言えることなんだろうな。
    挨拶の仕方、親戚との付き合い方、食事の仕方から職業観まで
    家族の影響を受けずにいられるなんてことは不可能なのだから。
    血の繋がりがあるとかないとか、好きとか嫌いとか関係なく関わり合ってしまうのが家族なら
    それを抱えたまま生きて行くのが自分らしさなのかもしれない。
    ファミリー・レス、素敵な物語でした。

  • 感想
    遺伝子の指示を乗り越える。血縁がなくても絆は芽生える。夫婦だって最初は他人なのだから。たとえ社会に受け入れられなくても。家族は温い。


  • 完全ではなく少しイビツな形の家族、について描かれた短編小説集。登場人物がほんの少しずつつながっているのが面白い。

    大好きな姉に恋人をとられシェアハウスでクラス妹の話、盲目の妻の祖父に人生を見抜かれた気がする無職の画家の話、離婚して別々に暮らす中学生の娘とどう接したら良いかわからない父親の話、認知症を患う曾祖母に戸惑う孫の話、ひきとって育ててきた一卵性双生児の姉の遺した娘の巣立ちが悲しい女の話。

    どの話も読みやすくて面白い。

  • 最近、色んな人間がいるんだなぁと思う。

  • 血の繋がりのある人、無い人、気にも止めてなかった人、存在を知らなかった人、形は違えど心を晒せる場所を家族と呼ぶのだろうか。
    一生の内にある特別で大切な瞬間が描かれていて折に触れて記憶の中から取り出して眺めたくなるような美しさがある。
    びっくりするような仕掛けや特別綺麗な描写があるわけではないのに気が付いたら思いを馳せているような強い魅力のある本。


    読んでいる最中より読み終わった直後に感情が揺さぶられて涙が出る独特な読み心地がした。

  • すごく良かった。
    暁さんとアオシの話が特に。

  • 「家族」がテーマの、連作短編集といえなくもない、短編集。
    第1話目の語り手は、広告代理店で働き始めた希恵。
    彼女の教育係である万悠子の夫の鉄平が第2話目の語り手だ。
    もちろん、まったくつながりのない話もある。
    でも、登場人物はみんな、世間一般の普通の「家族」とは、ちょっと違う。
    うまくいえないけれど、欠けてる家族の話、なのかなあ。


    収録作品:プレパラートの瞬き 指と筆が結ぶもの ウーパールーパーは笑わない さよなら、エバーグリーン いちでもなく、さんでもなくて アオシは世界を選べない

  • 家族であっても他人であっても人との関係ってやっかいね。
    単純じゃないからこそ、ワクワク・ドキドキできるのだろうか?
    好ましくない関係だと感じても何か意味があるのかも?

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著者プロフィール

1983年愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒。2013年『左目に映る星』で第37回すばる文学賞を受賞しデビュー。他の著書に『透明人間は204号室の夢を見る』『ファミリー・レス』『五つ星をつけてよ』『リバース&リバース』『青春のジョーカー』『魔法がとけたあとも』がある。

「2021年 『求めよ、さらば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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