虹の巣

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 42
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041039052

作品紹介・あらすじ

美貌の実力派女優・鈴子(すずこ)は人気絶頂のなか、年上のちょっと冴えない舞台出身の脇役俳優・由崎克彦(ゆざきかつひこ)と結婚。奔放で飾らない鈴子の人柄で明るい家庭を渋谷区松涛に構えていた。克彦の仕事場である世田谷区の撮影所で鈴子は、弁当を届けにきていた女子高生・佳恵(よしえ)に出逢い、鈴子に憧れていた彼女を自宅のお手伝いさんとして採用する。鈴子の寵愛を受けていた佳恵だが、鈴子が娘を出産したことで様子が一変する。赤ちゃんの世話役として、いけすかない別の若い女性が家に入ってきたのだ。そして悲劇が起こる。赤ちゃんが殺された状態で自宅から発見されたのだ――。スキャンダラスに報じられた事件の7年後、由崎家には4つになる娘の日阿子(ひゃこ)と、新しいお手伝いさんの暁子(あきこ)がいた。元気はつらつで食欲旺盛な日阿子はテレビドラマの子役に抜擢され、その笑顔が日本中を夢中にさせる存在に。この家の平和を心から願う控えめなお手伝いさんの暁子だが、彼女には胸に隠したある「秘密」があった――。幸せそうに見える家族。けれど実際は、それぞれが人に言えない暗い過去や闇を抱えながら生きている。夫婦とは、親子とは、血のつながりとは……という深いテーマに挑んだ、家族の魂の再生の物語。 推薦文:萩尾望都(漫画家)

感想・レビュー・書評

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  •  パッとしない地味な俳優との結婚を機に家庭に入った元女優の由崎鈴子。わがままな一面もあるが、それを凌駕するほど魅力に満ち溢れた彼女に仕える暁子は、彼女のためなら何でもする覚悟でいた。そしてそんな人間は、実は彼女で2人目だったのである。

     現在の鈴子に仕え、彼女の娘である日阿子とも交流する暁子の目線、そしてそれよりも過去、鈴子が結婚したばかりの頃に仕えていた佳恵の目線が主で、交互に描かれる。読んでいくうちに、どうやらこの家では何か事件がおこったらしいということがわかっていくのだが、これはこの書き方・構成じゃなかったらこんなに惹きつけられなかっただろうなぁ。なぜそんな事件があった後で、再びお手伝いさんを雇おうとしたのか、鈴子の心境が謎だったのだが、なるほどなぁと。そして後半、暁子と佳子が対面するという展開にもちょっと驚き。

  • 子を捨てた母、芸能人の家庭に貰われ子役としてわがままに育つ子、その家庭の家政婦として働く実の母親。子供を取り巻く、複雑に絡んだ人間模様。

  • それぞれの視点から家族を見つめ物語が展開していくところは面白い。最後もっと煮詰まるのかなと思ってたけど、以外とあっさり終わってしまったのが少し残念に思った。

  • メディア予約中
    前半はとても面白く、どうして家政婦が二人もいるのか、わからずスピーディに進んだのに、後半はついていけなかった。どうして??と思うことが多く、なんとも消化不良気味。残念。

  • 利用者さんのオススメ。
    野中さん初めて読んだのですが、こういう作風だったとは!お名前から勝手にほんわか系を想像していました。
    実際に芸能界で起こった事件が数々思い起こされる。映像化するには生々しすぎるので、萩尾先生による漫画化希望!

  • 美しい元女優、その妻に比べあまりパッとはしないが俳優である夫、そして夫婦の元気溌剌な娘。
    そのお屋敷へ家政婦として入った娘たち。
    ミステリ仕立てと思いきや…
    痛々しく思える人が、意外に痛々しくないのかも。

  • う〜ん…
    結局なんだったんだろ。

  • 母と子を巡るミステリ。とある家庭で過去に起こった痛ましい事件。それを中心に、過去と現在を彷徨いながら語られる物語は、緩やかで穏やかなのだけれど。どこかしら不穏な印象を漂わせています。だからこそ読み進むうちに、とても理想的に思える家庭の歪みが見えてくる気がするのが怖い、というか悲しいような。
    事件の真相が暴かれるようなミステリではないのだけれど。謎めいた部分は多くて、引き込まれます。
    それにしてもラストの鈴子の言葉が凄い。あれで一気に感動してしまいました。身近にいて振り回されたら大変そうな人なのだけれど。一番魅力的かも。

  • 元女優、鈴子の妖艶さは引退した今も失われていない。
    鈴子と夫の克彦、そして娘の日阿子が居心地よく過ごせるように心を砕くのは、家政婦の暁子だ。
    鈴子の家で以前、働いていたことのある女が暁子の前に突如現れる。
    彼女たちにはそれぞれが抱える秘密があった。
    「ほどほどがいちばん」と、幸せになりすぎるのを恐れる暁子が悲しい。
    そうは言っても、この物語を読むと、彼女たちは男がいなくても強く生きて行ける気がするから不思議。

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