望み

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.94
  • (130)
  • (218)
  • (119)
  • (16)
  • (3)
本棚登録 : 1242
レビュー : 214
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041039885

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • わが子には生きていてほしい、それが加害者としてでも。
    人を殺すような人間ではなかったと信じたい、結果、被害者だったとしても。
    両親どちらの思いも一理あり、正解が見つからない。
    共に胸が苦しくなる。
    揺れる家族の苦しみがひしひしと伝わり、読み応えがある。
    最後はぐっときた。

  • 石川一登・貴代美夫婦は高校一年の息子・規士が、度々夜遊びや外泊をするようになり心配していた。そんな矢先、息子が昼になっても帰らず心配していると、近所で少年の遺体が発見される。この事件に規士が関与している疑いが出るが、他にももう一人の少年が殺されている可能性も浮上。規士は加害者なのか、それとも既に・・・
    ミステリー的に警察の動きや犯人逮捕の経緯などはほとんどなく、妹の雅を含めた石川家3人の胸の内が描かれている。
    非常に重かった。息子を信じればこそ加害者でないと思うが、そうであれば生きて会える希望は絶望的な状況。生きていてくれと願うことは、息子が殺人犯になること。その葛藤が繊細に描かれていて、胸に重くのしかかった。一登・貴代美夫婦の考え方の違い、どちらが良いということでないのだろうが、男性と女性の違いもあるのだろうかと。実際に子供を持つ親としては、スパッと割り切ることは無理だろうなと自問自答する場面も。
    この本のタイトルに「望み」という言葉を持ってくるのはさすが。

  • ブクログさんの献本企画で頂きました。
    ありがとうございました。

    二度と読みたくない…
    こんなにも悲しくて苦しくなる物語なんて二度と読みたくない。

    私には三人の子供がいる。
    その子供達の誰かがこの物語のように何かの事件に巻き込まれ、
    こんな結末を迎えてしまったら、どうやって受け止めたら良いのかわからないし、そのあとどうやって生きて良いのかもわからなくなっちゃいます。
    私はどちらを願うだろうか…
    加害者としての現実と被害者としての現実
    どちらにせよ待っているのは地獄だ。
    どんなに時間を費やしても、
    どんなに謝罪や自己憐憫を積み上げても
    答えなんか見つけられないんだろうな…
    出来ることならこんな境遇にはなりたくないなぁ

    自分が本作の当事者ような立場になったらどうしよう…
    そんな想像ってしたこと僕にもありますよ。
    ただ、あくまでも想像した事があるだけで、
    現実に自分や家族の身にこんな事件が起こった訳じゃない。
    だから日頃目にする事件事故の報道なんかを自分に当て嵌めて考えても当事者家族の気持ちなんて分からなかったし、こんなにも身近に感じる事なんかなかったです。

    だからこそ読んでいてムチャクチャ怖かった。
    もう「どうなるんだ、どうなっちゃうんだ」って気持ちが渦巻いちゃって…
    こんなにも苦しくて辛い心情ってどこでどうやって、探してくるんですか?事件事故に巻き込まれた家族の手記とか取材報告みたいなもの、いろんな資料を読み込んだら書けるんですか?

    この本をこの物語を読んで、スゴイ体験をさせてもらいました。
    けど二度と読みたくないです。
    正直、こんなにツライ体験をもう一回する気になれません。
    ただこの体験はものすごく大事な何かがある気がします。

    子供のいるお父さんとお母さんに読んでみて欲しい作品です。

    後悔すること必至ですが、
    内に残るものは大事なものかもしれません。

  • サンプル版にて読了。実際 こうなったら どうだろう? 同じ親として 他人事ではないという想いで 読み進めてた。もし、我が子がそうならば?被害者、加害者、どちらも望みたくない。ただ ひたすら 無事に帰ってきてほしい それだけは 本当に 願う。事件の真相がわからない段階での マスコミやSNSの怖さ またそれに惑わされる周りの人たち それも また リアルで恐ろしかった。

  • 自分がこの息子の立場だったら、私はきっと、自分は加害者でないと信じて欲しいと思うだろう。でも両親は加害者でもいいから
    生きていて欲しいと思うと言った。

    答えのない問いだからこそ、この少年の母親、父親、妹、周りのすべての人々の考え、心情がわかる気もするし、どれも自分勝手な気がした。

  • 私も母親だから加害者か被害者かと言えば貴代美と同様、加害者でいいから生きていて欲しいという気持ちだった。
    ラストは号泣でした。

  • *あの子は殺人犯なのか。それとも被害者なのか。揺れ動く父と母の思い――。無断外泊が増えていた息子が2日経っても家に帰ってこず、連絡すら途絶えてしまった。心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも……。息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。相反する父と母の望みが交錯する――心に深く突き刺さる衝撃の心理サスペンス*

    重く、胸を衝かれる作品です。素材自体はシンプルなのですが、それをただならぬ筆力と心理描写でぐいぐいと引き込んでいく感じ。圧倒されます。親と言うのは、子供のことをひたすら信じるものかと思いきや、その先の「信じない」と言う感情もあるのですね。深い。悲しく辛い内容ですが、全てが収束されていくラストもお見事。

  • 息子の友人が殺された。行方不明になっている息子は、事件の加害者なのか、それとも被害者なのか――。家族、そして自分の未来を案じ被害者側であって欲しいと願う父。ただ、生きていてくれればいい...加害者側を切望する母。ネットやマスコミ、情報に振り回され続ける家族。何が誰が一番の被害者なのか。重くてとてつもなく長い数日間だった。貴方なら私なら、この結末に何を望む?それは望みなき望みだった。

  • 最後の最後まで気持ちが張り詰めたままでした。
    何を信じるのか、そして、何を望むのか。心に問われているような感じがしましたね。
    深かった。

  • 親が子へ願う望みなんてものは、ひとつしかない。
    それがどんなに漠然としているものだとしても、
    ただひとつしかない。
    どんなに憎たらしい日があったとしても、親は絶対的に子供の幸せを望んでいるものだと、私は強く思います。
    物凄く心を揺さぶられた作品。

全214件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

雫井 脩介(しずくい しゅうすけ)
1968年、愛知県生まれの小説家・推理作家。専修大学文学部卒業後ひとたびは就職。出版社などを経て、1999年内流悠人(ないる ゆうと)という筆名で応募した『栄光一途』が第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、2000年同作でデビューする。
2004年『犯人に告ぐ』が、2004年版「 週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、2005年版「このミステリーがすごい!」で第8位、第26回吉川英治文学新人賞の候補として選ばれ、第7回大藪春彦賞を受賞。豊川悦司主演にて映画化・ドラマ化。代表作となる。
2006年に恋愛小説『クローズド・ノート』を発表し、沢尻エリカ主演で映画化。2013年刊行の『検察側の罪人』は2013年度「週刊文春ミステリーベスト10」4位など評価を受け、2018年8月24日木村拓哉・二宮和也共演で映画化。

雫井脩介の作品

ツイートする